英雄御伽話   作:絶対正義=可愛い

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桃之介が叔父の家に居候させてもらったあくる日。

「むーっ」

「あらあら。お兄ちゃんがいなくなっちゃってご機嫌斜めなの?」

「……お母さん、私お父さん嫌い」

「グハッッッッ!!!!」(痛恨の一撃

「こらこら、本当の事だとしても相手が傷付くようなことは言ってはいけませんよアリス」(致命傷

「俺に対してのあたりが強くねぇか白雪ぃぃ!」

「あらあら?気の所為だと思いますよ貴方?別に私は愛しの桃之介ちゃんがこの家を出ていったのとか、しょっちゅう殴り合おうとする野蛮な旦那様に愛想を尽かしたわけじゃないのよええ勿論」

「ごめんなさい許して下さい何でも言う事聞きますからお願いします白雪様」

「あらあら。随分余裕があるじゃありませんかあ・な・た?」

「そーだそーだ」

「アリスちゃあん!?」

「あら、余裕があり余っているじゃありませんか。……わかりました。アリス?すこーしお父さんと『O☆H☆N☆A☆S☆I』があるので小人さんたちと遊んでらっしゃい?」

「「「「「「「お嬢サマー!何して遊びマスかー?」」」」」」」

「?。うーん……わかったよお母さん!それじゃあ小人さん達皆でかくれんぼしよ?よーし!小人さんたち、わんだーわーるどにご招待〜!」

「(あなたたち、絶対にアリスを寝室には近づけてはなりませんよ?いいですね?)」

「(わかりまシタです姫!)」

「(……もう姫って呼ばれる歳じゃないんですけどね)」

「……俺は一体何をさせられるんだ…?」

「……あらあら♡何って、ナニですよ♡」

「!?!?!?」

「わからせてあげますわ、あ・な・た♡」

「あ、アリスちゃん助けt……」



後にアリスはこう語る。

お父さんがゲッソリしてた……と。


























はいクソ駄文です。
オリ主の父親(金太郎)はエンデヴァーの教育方針(アレを教育と言っていいのかどうか…)が奇跡的に成功し、嫁に尻に敷かれるそんなイメージでございます。
母親(白雪姫)は強かな女性でございます。え?結局その後?ご想像にお任せしますぅ〜。
妹(不思議の国のアリス)は天然です。天使です。個性の影響なのか、好奇心旺盛です。……因みにワンダーワールドは呪術廻戦で言うところの領域展開です。地面に穴開けて飛び込んだり、摩訶不思議な門を作って行くこともできます。しかも乱発可能な……。

…………ぶっちゃけ梅干しを平然とコロコロ出来る本作においてのチートキャラです。オリ主(桃太郎)は強いんですけど、チートではないんですよねー。(何故そんな設定に?馬鹿野郎!すべてのメインヒロインをさしおいて最強なのは妹だと決まっているだろう!?それを作者は俺ガイル他数多の作品を通して悟った)


ハイ駄文です本編開始!!


第壱話 試練

御伽桃之介は機械音痴だ。

 

それはあらゆる機械に該当し、普段遣いするスマホだろうが、電子レンジだろうがとにかく、機械が苦手である。

もはやおじいちゃんと呼ばれても遜色ない、そんな機械音痴である。

 

そしてそれは公共交通機関も当てはまる。

 

故に、桃之介は電車通学をせずに1時間かけて雄英に『歩いて』向かう。

 

本人的には電車代が浮いて、朝のぼやけた頭を覚醒させられて一石二鳥!とか抜かしてやがるが、常識知らずのみっともない言い訳である。

 

 

ののどか過ぎる街を〈猿〉〈雉〉〈犬〉とともに歩く姿は早朝の住宅街にはあまりにも場違いに映る。

 

現在の時刻は7時。

 

健康のために朝早くから運動をする爺さん婆さん以外は居ない。

 

「おはような兄ちゃん!頑張りなよ!」

「ええ、今日も1日頑張ります!」

「あら、雄英高校の生徒さん?入学式かしら。気張っていきなよ!」

「おばちゃんもね」

「頑張れよ若僧!」

「お爺さんも健康には気をつけてくださいね」

「なにをーこの小童め!」

 

わらわらと寄ってくる爺婆を慣れた様子で捌く桃之介。

 

昔から爺婆に好かれやすいのは桃之介が微妙に自慢しづらい体質なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爺婆とお話しながらも時間には間に合う桃之介。

 

校内マップを確認しながら自身のクラスである1-Aに向かう。

 

「バリアフリーか?設備充実してるなー」

 

バカでかいドアの前に立ちながらそのドアを見上げる。

〈猿〉が早く入れと言わんばかりに桃之介の頭を叩く。

 

実技試験。

この〈猿〉の右腕一振りで0P敵(ゼロポイントヴィラン)の顔面を破壊している所を見たものであれば、顔面蒼白待ったなしだ。

 

もちろん、何処ぞの緑ワカメとは違い加減を知っている〈猿〉にかかれば、桃之介の頭がトマ汁ブシャー案件になることは絶対にない。

 

ガラガラ~

 

ドアを開ければちらほらと座っている生徒が居る。

その中の一人。

 

眼鏡をかけた如何にも真面目で委員長ですという奴が桃之介に近づく。

 

「おはよう!俺の名前は飯田天哉だ!座席表は黒板に貼られているから確認したまえ!それと、校内にペットは連れてはならないぞ!」

 

ロボットみたいなカクカクした動きで、自己紹介から黒板を差し、〈猿〉〈雉〉〈犬〉を指差し注意する飯田。

 

「ああ、ありがとう。俺は御伽桃之介だ。それと、コイツラはペットじゃなくて俺の〝個性〟なんだ。許してやってくれ」

 

ニヤリと笑う〈猿〉と

無意味にギンッと眼光を鋭くする〈犬〉と

飯田の周りを旋回する〈雉〉。

 

「そうだったのか!?すまない俺の早とちりだったようだ!」

 

飯田に感謝を伝え、黒板を一瞥して自分の席を確認。

そのまま席まで行き座る桃之介を好奇の混じった視線が射抜く。

 

(始業までは時間がまだあるな。何して過ごそうか)

 

暇つぶしに隣の席の人とでも話すか…と考える桃之介の思考を遮るように隣から声がかかる。

 

「アンタのその動物〝個性〟なの?」

 

耳朶からイヤホンをぶら下げる三白眼の少女、耳郎響香を視界に入れた桃之介は頷く。

 

「あー、そうだな。俺の〝個性〟の〈猿〉〈雉〉〈犬〉だ」

 

まさにド直球。

飼い猫の名前に〈猫〉と名付ける奴みたいだ。

 

「……アンタ、ネーミングセンスないって言われたことない?」

 

思わずそうツッコんだ耳郎は悪くない。

そのツッコミを予想だにしていなかったのか、瞳を揺らす桃之介。

 

「そ、そうなのか……?いや、今まで一度も言われたことはない。初めてだ」

 

「あ、そう」

(今まで誰もツッコまなかったのかよ)

 

少し目に動揺を灯しながらもそう答える桃之介に耳郎は少し哀れな視線を投げかける。

 

好奇の視線に慣れている桃之介としては、今まで感じたことのない視線に困惑する。

 

かなりガチ目な話。

彼の地元は変な奴が多かった。

例えば……、

 

おにぎりの具でしか喋らないちっこい奴(狗巻棘)とか』

希望厨の幸運野郎(狛枝凪斗)とか』

コミュ障拗らせた天才ゲーマー兄妹(『  』)とか』

銀行強盗をしたがる見た目正統派獣耳美少女(砂狼シロコ)とか』

死にたがりで元マフィアの何処ぞの文豪(太宰治)とか』

 

それはそれはもう奇人変人なんでもござれな混沌(クロスオーバー)と化した地元だった。

 

そんな中で桃之介のネーミングセンスを指摘するような常識人(まともな奴)なぞ居るわけもなく今日まで生きてきたわけで……。

 

「……俺って、ネーミングセンス無かったのか」

 

ズーンと目に見えて落ち込む桃之介に追い打ちをかけるかのように〈猿〉が頭を叩く。

 

「わ、悪かったよ。その、まさかそんなに落ち込むとは思わなくて……」

 

キッキッキッと〈猿〉が腹を叩きながら静かに爆笑し、

ペロペロと〈犬〉が桃之介の頬を舐め唾液だらけにし、

ツンツンと〈雉〉が桃之介の頭を突きながら憐憫の眼差しを向ける。

 

……ちなみに、3匹達は名前に関して特段こだわりがないので全く気にしてない。

 

 

自分の〝個性〟に馬鹿にされる奇妙極まりない状況が出来上がる。

そんなこんなで耳郎と駄弁りながら過ごしていれば、徐々に空席が埋まっていく。

 

そんな中ズドンッ!!と足でドアを開けたのか

 

 

今しがた入ってきたのは、ツンツン頭の目だけを見れば敵と見間違えられてもおかしくないほど、視線で人を殺せる少年、爆豪勝己だ。

 

そのまま爆豪は自分の座席を確認すると、ドカッと椅子に腰を下ろしそのまま足を机にかける。

 

その様子を見かけたのは我らが飯田天哉。

直ぐ様その不届き者を注意しようとその場に行きカクカクとした動きでそれを指摘する。

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

「思わねーよてめーどこ中だよ端役が!」

「ボ…俺は市立聡明中学出身飯田天哉だ」

「聡明〜〜〜!?くそエリートじゃねえかブッ殺し甲斐がありそうだな」

「君ひどいな本当にヒーロー志望か!?」

 

後少しで始業だというのにコイツラは何をやっているんだ?と呆れた視線を送る。

 

「(ウチの隣でおっぱじめないで欲しいんだけど……)」

「(どんまい耳郎)」

「(御伽、ウチと席変わらない?)」

「(え?ごめんなんて?)」

「(今どき鈍感系は流行らない)」

「(…………)」

 

 

 

 

 

悲しいかな、耳郎響香は両隣の男2人がとても面倒臭い事を現在進行系で察した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『個性把握…テストォ!?』

 

 

 

あの後来た不審者という名の担任に連れられやって来たのはグラウンド。

体育着に着替えグラウンドに出れば開口一番にそんな事を言われた。

 

(なるほど。〝個性〟把握テスト…ね。一番考えられるのは〝個性〟を使った体力テストかな?或いは先生との模擬戦闘……いや、これはないか。今までただの中学生だった俺らが急にプロヒーロー…だよな?まあとにかくそんな人と戦闘とか色々問題だ。うん。)

 

〝個性〟把握テストと言われクラスのほとんどが動揺をあらわすが、桃之介は状況を冷静に分析する。

 

そのすぐ後に担任の相澤消太から説明されてその仮説が間違っていないことを確認するも。

 

「……面白そう…か」

 

そう呟かれた言葉を聞いた途端桃之介は悟った。

 

「ヒーローになる為の3年間そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

あ、コレ父さんが無茶振りする時と同じだ、と。

 

「よしトータル最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

……わーお。

 

『はあああ!?』

 

これはまた、ガチだな。

 

「生徒の如何(いかん)先生(俺たち)の〝自由〟。ようこそ、これが」

 

 

雄英高校ヒーロー科だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ何でそんな余裕そうなの」

 

今しがた悪魔みたいな宣告があったばかりだと言うのに隣で表情一つ崩さない隣の席の男子に思わずそう言ってしまう。

 

「別に余裕じゃない。ただまあ、このテストって明らかに戦闘系の〝個性〟が有利だよな?天下の雄英高校がそんな脳筋を重視するような教育方針をとるのかなーって、ね」

 

脳筋て…。

まぁ、確かにこいつの言う事も理解できる。

パット見この中で〝個性〟が明らかにこのテストに向いてないやつがウチ含めて何人かいる訳だしね。

透明の子とかまさに筆頭だし。

 

「……つまり、先生の言ってることは嘘ってこと?」

「中々鋭いな耳郎。けど残念。多分不正解」

「はあ?」

 

どういうこと?

 

「個人的な勘に基づくところが多いけど。あの人嘘は言ってないよ。多分、最下位除籍処分ってのが嘘なだけ。だってそうじゃなきゃ、さっき俺が言ったように非戦闘系の人まで落としちゃうから。たから……」

 

「だから……?」

 

周囲に人が居ないか確認した御伽は、ちょいちょいと手招きする。

それに疑問符を抱きながら耳を近づける。

 

 

「多分、最下位じゃなくても見込み無しだと思われれば、除籍」

 

 

「はぁ!?!?」

 

しーっと口に指を当てる御伽とその肩に乗る〈猿〉。

 

「あ、ごめん」

 

「まぁ、そう言うわけだから余裕ってわけじゃないんだよ」

「そ、そっか。……いや、マジか」

 

あくまでも俺の推測だからあんまり当てにすんなよ、と笑いながら言う御伽。

 

しかし、そう言われてみれば辻褄は合う。

あの担任、『合理的』が口癖みたいだったし……。

 

たしかに最下位除籍は『合理的』じゃない。

 

例えばその人物が、身体能力はとてつもなく低くて、でも〝個性〟が『見ただけで相手の動きを封じる』みたいな〝個性〟だったら、対人戦最強だ。

 

そんなもしもがあるのに最下位除籍なんてするだろうか?

 

考えれば考えるほど御伽の言っていた事が現実味を帯びる。

 

「第一種目始まるみたいだから行こう耳郎」

 

そう声をかけられ周りを見れば50m走をするために皆動いていた。考えに耽っていて周りが見えていなかった。

 

「俺、『御伽』。すぐ出番だからもう行くな?」

 

「あ、うん。ありがとう」

 

「ん、どういたしまして」

 

そう言って、御伽はスタート地点に向かって歩き出した。その後を〈犬〉と〈雉〉が追いかける。

 

……やっぱアイツの謎の余裕みたいのはなんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一種目 50m走

 

「よし、じゃあ〈犬〉!」

 

ワンッ!(なんだ御主人!)

 

「デカくなれ」

 

アオーーーンッ!!(了解だーーーー!!)

 

急に〈犬〉にそう言った桃之介。

 

その言葉に応えるように遠吠えし身体がムクムクと大きくなる〈犬〉にその場の誰もが釘付けになった。

 

「よし」

 

 

『(いや、アレ犬じゃなくて狼だろ!?)』

 

人知れずクラス全員の考えが一致する。

 

そんな様子を傍目に相澤は桃之介とその〈犬〉に目を向ける。

 

 

(御伽桃之介……。今年唯一の特待生。個性届けは見たが、どの獣も驚異的の一言に尽きる)

 

 

 

桃之介は全長2m程の巨大となった〈犬〉に跨りスタートをきった。

 

 

ズドンッ!!!!

 

ピピッ。

 

『3秒54』

 

「飯田には負けるかー。ま、しょうがないか」

 

「|くうぅ〜ん………《くっ…すまない御主人…我が不甲斐ないばかりに》」

 

「そう凹むなって…。お前にはお前の良いところがあるって、舐めるな舐めるな!ベトベトになる!」

 

ハッハッハッ……!!!(御主人ーーーーー!!!)

 

ブンブンブンブンッッッ!!!!!!

と尻尾を振る〈犬〉。

巨大化したせいもあって、その大きな尻尾が風圧を巻き起こし砂埃を巻き起こす。

 

「………〈犬〉煙い…お座り」

 

ピタッと身体を止めて従順に従う〈犬〉は大きさに目をつぶれば可愛いものである。

 

 

 

第2種目 握力

 

「やる気満々だな…。よしいってこい〈猿〉。…あ、そうだお前わかってると思うけど加減しろよn

 

桃之介の言葉を聞く前から肩を回しながら不敵に笑う〈猿〉は命じられてもいないのに少し大きくなり握力計を握った……否、

 

握り潰した。

 

ゴギバギゴギバギグシャアァ!!!!!!

 

『猿じゃなくてゴリラだろソイツ!!!!』

キッキッキッ……(驚くのはまだ早いぜ……)

 

笑いながら握り潰したソレを見る〈猿〉はそのまま更に大きくなり2m大の巨体になる。

 

その影響で大きくなった掌を開き、握力計だったモノをそのまま追い打ちをかけるように圧縮した。

 

 

ゴギバキコワキバキグッシャァ!!!!!!!!!!!

 

見るも無惨な握力計はそれなりの大きさがあったのに、今やルービックキューブもびっくりの大きさだ。

 

「(ば、馬鹿!馬鹿猿!!!!!!!おま、お前ぇぇぇ!!!!!)」

 

「おい御伽……自分の〝個性〟の面倒位ちゃんと見ろ」

 

「(お前のせいで怒られたじゃねぇか!!!!!!)」

 

キキッ……(知った子っちゃねェなァ)

 

第3種目 立ち幅跳び

 

「〈雉〉デカくなれ」

 

……(承った)

 

恒例となった3匹の獣達の巨体化。

〈犬〉は狼のように、〈猿〉はゴリラのように。

 

Q では〈雉〉は?

 

A 怪鳥と称しても違和感ない何か。

 

『鳥の枠超えてんだろ!?』

 

桃之介を背に乗せた〈雉〉は翼ははためかせる。

その巨体にしては優しい風圧を一瞬感じ、その場の人が目を瞑るが、すぐにそれは止む。

 

「…やっぱりお前のその翼って科学的にありえないよな。念動系の異能でも働いてんのかね」

 

………?(そうなのか?)

 

「いや、お前が分かんないなら俺もわかんないから」

 

「御伽、それ何時まで出来る」

 

「やったことないのでわかりませんが、多分補給無しで3時間はいけると思いますが」

 

「……はぁ」

 

ピピッ

 

『測定不能』

 

『いやまたかよ!?!?!?』

 

第4種目 反復横跳び

 

「こればっかは普通にしかできないな」

 

ピピッ

 

『87回』

 

「いやこれが普通って、バケモンかよ」

 

その結果を見て結構ガチで引いてる金髪男子、上鳴電気。

 

「ま、俺の〝個性〟って、どうしても俺自身を狙われると弱いからさ。そのためにめっちゃ鍛えてただけだよ」

 

嘘である。

 

この男、『めっちゃ』ではなく『常人がやれば死ぬレベル』の修行をしていた。

 

見る人が見れば『鬼畜』と称されても遜色ない。

そんな訓練を齢4歳の時から父に施されていたのだ。

 

「〝個性〟だけじゃなくて、身体能力も高いのかよ。才能マンだ、やだやだ」

「何事も身体が資本だからな」

「……俺ももうちょっと鍛えようかな」

 

第5種目 ソフトボール投げ

 

「〈猿〉…余計な事はするなよ?フリじゃないんだ。頼むから!」

 

必死の懇願が効いたのか、不満気にボールを手に持つ〈猿〉。

 

そのまま普通に投げる……否。

 

一瞬で先程の巨体となり本気でぶん投げた。

 

ブワッッッッ!!!!!

と投げた衝撃で見ていたA組全員の髪がオールバックに。

 

ピピッ。

 

『記録 ∞』

 

「お前ぇぇぇぇ!!!!!」

ウキキキキキキッッッ!!!!(自重ってなンですかァ!!!!)m9(^Д^)プギャー

 

悪戯が成功した悪餓鬼みたいな表情で爆笑している〈猿〉を見てキャラ崩壊待ったなしの怒声を上げる桃之介。

 

獣の中きっての問題児〈猿〉は基本的に自由奔放で悪戯好きな奴だ。

 

「純粋なパワーだけで大気圏突破したのかよ!?」

「パワーだけならオールマイトに並ぶんじゃ……」 

 

口々に騒ぎ立てるA組面々を横目に、相澤の目に一人の男の姿を幻視する。

 

(似てるな…やっぱり)

 

金髪で豪快な、しかし象徴ではなかった一人の男の姿を……。

 

 

第6種目 上体起こし

 

「これも普通…よりちょっと低いな。さっきっから〈猿〉が思いっきりやってるからか……はぁ」

 

ピピッ。

 

『記録 67回』

 

「ウチ、アンタに勝てる気がしないんだけど…」

「そもそも耳郎の〝個性〟は増強型じゃないだろ?」

「それはそうだけど、一応アンタも同じでしょ」

「俺は、ほら、アレだよアレ」

「アレって何よ?」

「筋トレの成果」

「筋トレって……。それ、絶対普通の筋トレじゃないでしょ」

「耳郎もやるか?教えるぞ」

「アンタはウチを殺したいの??」

「俺を何だと思ってるんだお前さんは」

 

 

第7種目 長座体前屈

 

「けろけろ」

 

桃之介の眼の前で舌を伸ばして記録を上げる少女、蛙吹梅雨を見て桃之介は考える。

 

「先生、これって3匹の獣を俺の膝の上に置いて記録伸ばすのも有りですかね?」

 

「……〝個性〟を使うならいいよ。はよ」

 

結果は7m程度。

 

しかし、その見た目がとても間抜けだったことをここに記そう。

 

その横で耳郎が爆笑していたことも記そう。

 

第8種目 持久走

 

ハッ、ハッ、ハッ……!(今度こそ……期待に応えるぞ御主人!)

 

大きくなった〈犬〉の背に乗った桃之介は持久走のスタートラインに立っている。その横に飯田が並びアキレス腱を伸ばしながら桃之介に話しかける。

 

「ここは俺の得意分野だ。先程の50mではかなりギリギリだったが……負けないぞ御伽君!」

 

「…ま、お互い頑張ろう飯田」

 

まるで青春の一幕のような会話を繰り広げる桃之介。

これから胸熱展開が待っているのだろうと予感させる会話。

 

しかし、現実は無情である。

 

記録……『3位』

 

「…原付きバイクは、ズルく、ない…?」

 

〝個性〟の反動でやや息切れをしている桃之介はゴール寸前…どころかだいぶ前に抜かしていったバイクに乗る少女、八百万百に言う。

 

「〝個性〟を最大限使った結果ですわ」

 

体操着をなびかせながら前全開の八百万が自慢気にそう宣言するのを見て

 

「ええ……?」

 

若干引く桃之介。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、最初の試練、最後の種目は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

「んじゃパパッと結果発表だ」

 

A組に緊張が走る。

相澤先生が端末を操作すると結果が宙に映し出される。

 

「ちなみに除籍はウソな」

 

そして爆弾が投下された。

……あらかじめ御伽に聞いていたことだったからか、驚きは少ない。

それでも安堵する。

 

「………」

 

『!?』

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

とりあえず隣に立つ御伽を肘でどつく。

特段怒ってるわけではないが、なんか精神的に疲れた腹いせにどついた。

 

どつかれた脇腹を擦りながら御伽は苦笑い。

 

「はぁ…心配して損した」

「いやー、あはは。…ごめん」

「は〜〜〜……、なんか精神的に疲れた」

 

そして映された記録を確認して耳郎はホッと息を吐く。

 

耳郎響香 記録 18位

 

その記録を確認したついでに御伽の名前を探す。

 

そしてすぐに見つけた。

 

「…やっぱりアンタ余裕だったじゃん」

 

「いや、そんなことはない。〈猿〉の奴がやらかしたせいで無駄に体力消費したし…。持久走も、〈猿〉がやらかさなければ…おい聞いてんのかこの野郎」

 

…………………(くっだらねェ)」(プイッ)

 

 

それはつまり、それさえなければ余裕だったって事じゃんか。

 

「ていうか、その〈猿〉とは意思疎通できてんの?」

 

〈猿〉の頭をワシャワシャしている御伽に気になっていた事を聞いてみる。

 

「ん?あぁ、まぁ。こいつ等の考えてることは漠然と理解できる。変に詳しいことまではモヤかかったみたいになってるけど」

「モヤ?」

「何かこう……うーん、表現が難しい。水の中で音楽を小音で聞くみたいな?とにかく聞き辛いのもある」

キキッ…(紐みたいな耳朶気になるぜ嬢ちゃん)

「じゃあ今何言ってるかも分かるって事?」

「ああ。『紐みたいな耳朶気になるぜ嬢ちゃん』だって」

「ブフォッ!!」

「お?何だ?何がツボった?」

「いや、別に、何でも、ない」

「めちゃくちゃツボってるだろ。それで何でもないは通用しないだろ」

「あーもう!というかサッサッと教室戻るよ!」

「うわー、露骨に話題を逸らされた…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仲いいわねあの2人」

 

「ハッ……すごい面白い匂いがする!」

 

「もしかして〜、キャー!」

 

「茶々入れるのは感心しないわお二人さん」

 

「えー」

 

 

 

 

 

 

 

 

御伽桃之介

 

記録

同率1位

 

 

 

 

 




アリスのブラコン記録

どうもなのです!
私、アリスです!
今日はアリスの最高に、かっこいいお兄様を紹介したいと思うのです!

アリスのお兄様はとっても強いです!

剣を振る姿はとってもかっこいいのです。

昔お友達を連れてきたら、その子ボーッとお兄様の方を見ていたので、お兄様はきっと『ましょうのおとこ?』という奴なのです!

そんなお兄様はいつも私の頭をよく撫でてくれます!
アリスの手よりも大きくて、ゴツゴツしてるけど、とっても温かいのです!

でも最近はお兄様に撫でてもらっていません……。
高校生になったお兄様は浦伏叔父さんの家に行ってしまったのです。

だから、最近は家が静かです。
なんだかつまらないです。

……!そうだ!遊びに行きましょう!

お母さん達には使っちゃ駄目って言われてるけど、でも、我慢できません!

私の〝個性〟なら簡単に行けます!
よーし早速行きましょう!

まずは大きい鏡をここにおいてっと、(ポンッ)

お兄様の居る所に繋げてっと……。

見えました!
お兄様です!
でもここ何処でしょう?
アレは誰でしょう?
何だか嫌な雰囲気の人達が一杯居ます。

あれ?
お兄様の近くにお猿さんたちが居ません。





……お猿さん達が居ない。

ハッ……!お兄ちゃんがピンチです!
アリスが助けないと!






USJ襲撃編→アリス突入
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