原作6巻から始まります。
第1話.たった一つの過ちから全ては始まる
中野姉妹の五女にして末っ子の
「五月!?」
「あっ...
どうしてこうなったのかというと、時は遡る...
・・・・・
『はい、とりあえず必要な物は用意しておいたよ。』
『
試験勉強の一件で
『全然良いよ!...あっ...ねぇ、五月?代わりにって言っちゃうのもなんだけど...ちょっとお願いがあるの。』
『四葉?別に構いませんが、私にお願いとはいったい...』
『それはね...』
四葉が他の姉妹を頼るなんて珍しい事もあるものだと思いながらも、五月は四葉の話を聞いてみる事にした。そして、四葉は持っていた鞄の中から何やら取り出すとそれを五月に手渡した。
『これって...ウィッグと帽子と服ですよね?これがどうかしましたか?』
四葉が手渡してきたのはウィッグと帽子、それから大人っぽい白い服だった。
『あのね...この格好で上杉さんに会ってきて欲しいんだ。』
『えっ?上杉君にですか?別に構いませんが...何でこの格好で?』
『その理由は今から話すよ...長くなるけど最後まで聞いてね。』
そう言うと四葉は全てを語り始めた。
5年前に自身と上杉
神社での彼との約束を自分は守れなかった事...
風太郎に恋する姉妹達のために自らの思い出や感情に蓋をすると決めた事...
だから、風太郎には5年前の自分との思い出を断ち切ってもらいたい事を...
これら全てを五月に話したのだ。
『待ってください、私は納得いきません!誰にだって自分の幸せを願う権利はあるはずです!それなのに四葉!あなたは他の姉妹達のために身を引くだなんて...』
『ははっ...ありがとう。五月にそう言ってもらえるのは嬉しいかな...でも、ごめんね...もう決めちゃった事だから...』
五月はその後も必死に四葉を説得したが、彼女の強い意志を曲げる事はできなかった。
『分かりました...ですが、私は変装は苦手なのでご期待に添えるかどうかは...』
『それなら大丈夫。別に誰かの真似をしなくたっていい...昔の五月のままでいいから。』
『そうでしょうか...』
最終的に五月は四葉に頼まれるがままに風太郎と5年前に会った設定の
そして、彼に神社でのお守りを渡して自分を認められるようになったらそれを開けるように告げた後、ボートから降りてその場を去ろうとした...
...だが、
『あっ...きゃっ!!』
『零奈!』
ようやく、この緊張から解放される事に気が抜けたせいだろうか?あろう事か五月はボートから降りる際に足を踏み外してしまい、そのまま池に落ちてしまった。
『ぷはぁ...はぁ...』
『おい!零奈!大丈夫か...って、お前!?...』
『えっ?』
とっさに自分の事を助けようと手を伸ばしてくれた風太郎が池から這い上がろうとした五月の姿を見るなり、まるで驚きを隠せないような表情をしていた。
風太郎のその様子に違和感を覚えた五月が周囲を見渡してみると...
(あっ...ウィッグが!)
どうやら、池に落ちた際の弾みでウィッグと帽子が脱げてしまったらしく、それらは五月の傍らに静かに浮かんでいた...
こうして...最後の最後に風太郎に自らの正体がバレてしまい、今に至るというわけだ。
・・・・・
「お前...やっぱ、五月...だよな?何でこんな事をしたんだよ?」
「そっ!それはですね...」
五月は風太郎に対してどのような言い訳をすれば良いのか迷っていた。口が裂けても、自分は四葉の指示で5年前の事を忘れてもらうために行動していたなんて本人に言えるはずがない。
そんな事を言ってしまえば四葉の望みとは逆の結果になるのは明らかだからだ。とはいえ、他に上手く誤魔化す方法も思いつかない...
(このままだとまずいです...どうすれば!)
五月が困惑していた時だった。風太郎が口を開いたのは...
「...なのか?」
「上杉君?」
「なぁ、五月...お前なのか?5年前に京都で俺と会った女の子の正体は...お前だったのか!?」
(えっ?)
風太郎がそんな思考に至るのも無理はない。
零奈に変装した五月は『当時を再現した』と言ってしまったし、神社で貰ったお守りまで持参してもいた。そして、何より当時の事を明らかに覚えているような発言をしていたのだ。
よって、詳しい事情を知らされていない者達から見ればどう見ても五月が5年前に京都で風太郎と会った張本人にしか見えないだろう。実際に風太郎もそうだったのだから...
(こうなれば仕方ありませんね...四葉、あなたには申し訳ありませんが上杉君に本当の事を話すしか乗り切る道はなさそうです...)
前言撤回...このままだと風太郎は5年前の京都での出会いについて誤解したままになってしまう。それでは本当に彼と過去に出会った四葉があまりにも不憫だ。
勝手に計画をばらしてしまった件で四葉には後で色々と言われそうだが、風太郎との思い出を勝手に塗り替えてしまうよりかはマシに違いない。
そう思った五月は風太郎に正直に事情を説明する事にした。
「上杉君...その...」
...ところが、予想外の事が起きた。
(...あれっ?何でなのでしょう?この気持ちは...彼にちゃんと本当の事を伝えないといけないのに!...)
そこから先の言葉がなぜだか、五月の口から一向に出てくれないのだ。
それは五月の心の中に眠っていた、とあるモヤモヤが原因だった。そのモヤモヤが五月が風太郎に本当の事を言おうとするのを妨げており、同時に五月の心の中で風太郎とのこれまでの思い出がまるで走馬灯のように映し出されていた。
上杉家に初めてお邪魔した際にカレーをご馳走になり、同時に上杉家の事情と風太郎が家庭教師に執着する理由を知れた日...
家庭教師の給料を渡しに来た際に風太郎の妹であるらいはに頼まれる形でゲームセンターへ行き、ゲームやプリクラを楽しめた日...
風太郎と喧嘩しながらも、お互いに
【男の人はもっと見極めて選ばないといけない】という理由で
二乃と喧嘩した事で上杉家に泊まる事になった夜、風太郎を夜の散歩に誘って今度は自分達の過去を語ったあの日...
その際に自分達の過去に共感し、『俺は父親の代わりになろう。』とまで言ってくれた風太郎と綺麗な夜空の満月を眺めていたあの日...
その結果...当初は犬猿の仲とも言えた風太郎との仲も改善され、今ではもっと彼との日々を過ごすのも悪くないとまで思うようになっていた。
その最中に知らされた四葉と風太郎の過去...もし、四葉が5年前に京都で会った子だと風太郎が知ったら彼は自分よりも四葉と関わる時間の方が増えてしまうかもしれない...いや、四葉の幸せを願っているのなら五月にとってもメリットでしかないはずなのだ。
それなのに言えない...五月の心の中のモヤモヤは収まる気配はなかった。
(もしも、上杉君と5年前に京都で会ったのが本当に私だったなら...いいえ!いけません!私はいったい、何を言ってるのでしょう...)
自分だけ、四葉から風太郎との過去を知らされた事を良い事に過去を塗り替える...それは絶対に越えてはならない一線だともちろん、五月も承知している。そんな事をしても誰も本当の幸せを掴む事はできないからだ...
「五月、どうしたんだ?震えてるみたいだが...」
「あっ、すみません!これから打ち明ける話にちょっと緊張してまして...」
「そうか、別に焦らなくても良いぞ。お前のペースでゆっくり話してくれ。」
「はい...」
風太郎にそう言われて五月の心は決まった。
(はっきりと伝えましょう。あなたが5年前に出会ったのは四葉だと...)
他の姉妹達や風太郎との絆を選ぶか、己の微かな欲を選ぶか、道は二つに一つだ。
(伝えなければ...!)
(伝えなければ...)
(伝えないと...)
「...そうだよ、上杉君...いいえ、
この日、遂に五月は決して越えてはならない一線を越えてしまった...
(上杉君、騙してごめんなさい...そして、四葉も本当にごめんなさい!この悪行の償いは必ず致しますので...どうか、今だけは私を許してください!!)
だが、この時点では五月にも罪悪感という感情が辛うじて残されていた...
ここから原作から少しずつ外れていく予定。あと、回が進むにつれて五月の闇堕ち度も上がるかもです。
デートを尾行していたのは?
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元祖闇堕ち...中野一花
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最大の協力者!中野二乃
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現在、空気...中野三玖
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最大のライバル!?中野四葉
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将来の義妹!?上杉らいは
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不良キャラ、前田
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風太郎のライバル!?武田祐輔