闇堕ち五月はもう止まらない   作:たかきょう

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第13話.新年早々のマウント争い

 

 

クリスマスもあっという間に終わり、年が明けて今日はお正月だ。

 

 

この日、風太郎とらいはは初詣に来ていた中野姉妹とたまたま遭遇していた。

 

 

「はぁ...なんであんたが毎回のごとく、いんのかしらね~?」

 

 

「いや、それは俺の方が言いたいぜ...」

 

 

「まぁ...今となっては、あんたなら構わないんだけど...」

 

 

 

会って早々に二乃からそんな風に嫌味を言われたが、夏祭りの時とは違って心の底から嫌がっているようには見えない。

 

 

半分はからかいのつもりなのだろう。ちなみに三玖、四葉、五月は偶然にも風太郎と会えた事に喜んでいる様子だ。この三人は風太郎に好意を寄せているため、当たり前の反応だろう。

 

 

その一方で残る一花は風太郎の姿を見るなり、ちょっとだけ気まずそうな表情をしている。

 

 

「上杉さんにらいはちゃん!もし、良かったらうちに寄っていきませんか?」

 

 

「いや、悪いが...」

 

 

「行くー!!」

 

 

新年早々に勉強をしておきたい風太郎は四葉の申し出を断ろうとしたが、結局はらいはの要望によって五つ子達の家に寄る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

「キスした...凄い。」

 

 

「ロマンチックだわ。」

 

 

「うん、録画して良かったんじゃないかな?」

 

 

「おい...俺とらいははいったい、なんのために呼ばれたんだ?」

 

 

そちらから自分達を家に招いておきながら、自分をそっちのけにしてテレビを見てくつろいでいる三玖、二乃、一花の三人に対して風太郎は思わずツッコミを入れていた。

 

 

「凄い!中野さんのお宅はお金持ちって聞いてたけど...本当だったんだね!」

 

 

「えぇ、らいはちゃんも自分の家だと思って好きなだけくつろいでくださいね!あっ!後で私の部屋に行ってみます?」

 

 

「行く行くー!」

 

 

 

そんな風太郎を尻目に五月はらいはと二人で仲良くお喋りしている最中だ。ちなみにらいはは中野姉妹の家に興味津々の様子だった。

 

 

「はぁ...」

 

 

「まぁまぁ、上杉君!私がマッサージでもしてあげますので、あなたもゆっくりとくつろいでいってください!」

 

 

退屈そうにしていた風太郎に申し訳ないと思ったのか、五月が風太郎にマッサージを始めた。

 

 

 

「おい、五月...」

 

 

「あなたには日頃からお世話になっていますからね。私からのほんの些細なお礼ですよ!」

 

 

五月の突然の行動に困惑する風太郎と一花。特に風太郎に関してはクリスマスイブのデートでの一件もあってなおさらだ。

 

 

『あんた、やるじゃないの!』と言いたげな表情で末っ子の奮闘を微笑ましく見守る二乃。

 

 

ほっぺを膨らませて嫉妬している様子の三玖。

 

 

『やっぱり、五月さんって優しいんだね~!』と天然な思考で二人を眺めるらいは。

 

 

皆の反応は全くのバラバラだったが、その中で一番衝撃を受けていたのは四葉だった。

 

 

「なっ...!おい、四葉?」

 

 

「えっと~...上杉さん!私も上杉さんをマッサージします!私だって上杉さんにお世話になってますからね!」

 

 

四葉は風太郎の返事を待つ事もなく、自らも風太郎へのマッサージに参加した。四葉の行動は一見、純粋な感謝の気持ちに見えるが、実際には何かしらの下心があっての行動だという事は一花と五月にはバレていた。

 

 

四葉の突然の行動に先程とは打って変わって二乃が驚いており、一花が密かにガッツポーズをしていた。残る三玖と風太郎とらいはの反応は同じだったが...

 

 

「四葉?」

 

 

今度は五月が一番衝撃を受ける番だった。何せ、四葉は風太郎が過去の自分との思い出を忘れてくれるように五月に協力を頼んできたはずなのだ。

 

 

それなのに今になってなぜ、急に風太郎にアピールするような真似をしているのだろうか?

 

 

(はぁ...四葉はなんて気まぐれな女なんだろう?これじゃ、風太郎君と結ばれても絶対に浮気とかしそう...四葉はとんでもない悪女だよ!)

 

 

自分が四葉の過去を乗っ取った事は棚に上げて、五月は心の中で四葉の評価を下げた。

 

 

「いやいや!上杉さんは五月だけの家庭教師じゃないよ!()()家庭教師でもあるんだからね!ここは私も日頃の感謝を伝えないと!」

 

 

「いえいえ、私は皆さんの分の感謝も込めてマッサージをしてるので四葉が手伝う必要はないですよ?なので四葉は他の三人とくつろいでいてください。」

 

 

これが少し前の五月だったのなら、四葉がやはり風太郎を忘れられないのだという意図を察して引き下がっていた...なんて、可能性もあったのかもしれない。

 

 

だが...

 

 

(今になって何様のつもり?あなたは一旦は自分から身を引いた身...今さら、風太郎君を渡さない!!)

 

 

今の五月は四葉に風太郎を譲ろうなどという気持ちは微塵もなかった。

 

 

この後、三玖が自分も風太郎のマッサージをと名乗り出たり、二乃が料理を振る舞ったりと多少の一悶着はあったが、何やかんやで新年初日は無事に終わる...かに思われたのだが、

 

 

「あっ、上杉さん。ほっぺにクリームがついてますよ?」

 

 

「マジか...」

 

 

大方、二乃の料理を食べた時についてしまったものだろう。それだけなら風太郎のドジで終わったはずなのだが...

 

 

 

 

ちゅっ...

 

 

 

 

『『『『『『!!!!!!?』』』』』』

 

 

 

 

なんと、四葉は風太郎のほっぺにキスする形でクリームを取り除いたのだ。

 

 

「お兄ちゃん!?四葉さん!?」

 

 

こればかりは流石のらいはでも驚いていた。

 

 

一見、天然な四葉のうっかりにも見えるが、五月は見逃さなかった...四葉がキスする直前に自分の方を一瞬だけチラリと見てきたのを。

 

 

その時の表情はまるで...

 

 

(五月~!私はこんな事もできるくらいに昔から上杉さんが好きなんだよ?転校してから上杉さんと知り合ったあなたとは違ってね?)

 

 

...とでも、五月に言ってるかのように...

 

 

(ふん!別に羨ましくありませんよ~だ!私はクリスマスイブのデートで彼の口にキスをしたんですからね!?)

 

 

四葉の意図に気づいた五月も心の中で四葉にマウントを返したのだった...

 

 

 

デートを尾行していたのは?

  • 元祖闇堕ち...中野一花
  • 最大の協力者!中野二乃
  • 現在、空気...中野三玖
  • 最大のライバル!?中野四葉
  • 将来の義妹!?上杉らいは
  • 不良キャラ、前田
  • 風太郎のライバル!?武田祐輔
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