闇堕ち五月はもう止まらない   作:たかきょう

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第17話.怪物の誕生

 

 

それから、しばらくして学年末試験の結果が発表されたのだが...

 

 

「マジかよ...四葉!お前もやればできるじゃねぇか!」

 

 

「えへへ...ありがとうございます。」

 

 

姉妹達の各教科の点数は順調に上がっていたのだが、中でも四葉の成績が非常に上がっていたのだ。

 

 

国語 59点。 数学 55点。 理科 58点。 社会 59点。 英語 58点。 合計 289点。

 

 

このように一番点数の低かった数学すらも55点、その他の教科の点数も60点に迫る高得点であり、総合点は前回の167点から122点も上昇しているのだ。

 

 

「四葉!やったじゃん!」

 

 

「あんた...やるじゃないの。」

 

 

「凄いじゃん...おめでとう...」

 

 

「うん!ありがとう!」

 

 

一花、二乃、三玖の三人もこの前までは姉妹の中で最下位だった四葉の成績が急上昇した事にそれぞれが多少の驚きや僅かな嫉妬を感じながらも、ここは素直に妹の頑張りを称えていた。

 

 

(嘘...何で四葉が!?)

 

 

そんな中で五月は一人、心の中で動揺していた。五月の点数はというと、

 

 

国語 60点。 数学 54点。 理科 80点。 社会 49点。 英語 67点。 合計 310点。

 

 

相変わらず、姉妹達の中で総合点は300点越えでトップをキープしており、前回と比べて50点近くも上昇しているのだが四葉との差は僅か21点。いつ抜かれてもおかしくはない...それはつまり、【姉妹達の中で一番勉強ができる】という自らのアドバンテージを四葉に崩されてしまうかもしれないという危機に直面している。

 

 

五月はこの日のために月命日の母の墓参りにも行かずに試験勉強に取り組んできた。それは風太郎に自分が姉妹達の中で一番力になれると思って欲しかったからだ。

 

 

それなのに...結果は五月が決して納得できるようなものではなかった。

 

 

「だけどね...やっぱり、五月には敵わなかったな~!次こそは絶対に越えてみせるね!」

 

 

「あっ!そうだよ!五月ちゃんも頑張ったじゃん!また、一番だもんね!」

 

 

「あっ...ありがとうございます。」

 

 

一見、四葉が五月を目標に勉強を頑張る的な台詞に聞こえるのだが、この台詞にはもう一つの意味があると五月は察していた。

 

 

(四葉は自分の方が私なんかよりも、風太郎君の力になれるっていいたいの!?)

 

 

四葉は運動能力は姉妹達の中でトップクラス。元々、風太郎の家庭教師にも乗り気でさらに過去に風太郎と出会っているという最大のアドバンテージもある。そこに勉強ができる事が加われば姉妹達の中で誰が風太郎の役に立てるかと聞かれれば一目瞭然だろう。

 

 

「あの...四葉に聞きたいのですが...どのような勉強法を使ったのでしょうか?」

 

 

「いやいや!至って普通の勉強法だよ?まぁ、強いて言うなら...昔の私に戻った...的な感じかな?」

 

 

「昔...ですか?」

 

 

確かに昔の一時期、四葉は姉妹達の中で一番勉強が出来ていたのは事実だ。まさか、本当にあの頃に戻ったとでもいうのだろうか?

 

 

「この際だから皆に行っておくね?私は()()()()以来、皆に気を遣ってばかりで自分自身を失っていた事にやっと気づいたの!だから、今後の私は()()()()()()()()()遠慮なんてしない!覚悟しておいてね?」

 

 

姉妹達にそのように堂々と宣言した四葉。それを聞いた五月は四葉が完全に昔の性格に戻ったのだと嫌でも理解させられてしまった。

 

 

それに他の姉妹達の様子も妙だ...

 

 

「うん!それがいいよ!私は四葉が自分らしさを取り戻してくれるなら、姉として大歓迎だよ!皆もそうでしょ?」

 

 

まず、一花はやけに四葉をフォローしているような素振りを見せている。もしかすると、自分と二乃のように四葉も一花と協力し合っているのではないか?と五月は考えていた。

 

 

まぁ、姉として純粋に妹の成長を喜んでいる可能性もゼロではないが...

 

 

「あっ...うん!そうだね...四葉はもう気負わなくてもいいんだよ?」

 

 

次に三玖だが少し顔色が悪く、元気がないように見えた。それに四葉の宣言に自分以上に動揺しているような雰囲気だ...

 

 

(二乃曰く、三玖も風太郎君の事が好きなんだよね...恋のライバルが増える事に動揺するのも無理はないよね...)

 

 

自分や四葉と違って特に目立ったアドバンテージがない三玖は恋愛レースでは一歩遅れている。加えて二乃が自分の協力者で一花が四葉の協力者と仮定するなら、三玖は姉妹の中で唯一の孤軍奮闘状態だ。ここから挽回するには相当な決め手がなければ困難だろう。

 

 

(そうなると...)

 

 

現状は一花と二乃が未参戦で三玖も厳しい状況...事実上、自分と四葉の一騎打ちと見てもいいだろう。

 

 

 

「上杉さん、五月には及びませんでしたが...自分の中では良い成績を出せたと思っています!なので、ご褒美をいただけないでしょうか!?」

 

 

「あっ!そうだね!よし、フータロー君。四葉も頑張ったんだし、期末試験の五月ちゃんのように何かご褒美をあげてもいいんじゃないかな~?お姉さんからもお願い!」

 

 

「ご褒美だと?」

 

 

期末試験の自分と二乃と同じように今度は四葉と一花が風太郎にご褒美を提案している。

 

 

「いや、あのな...五月の時にも言ったが...俺は何かを買ってやるだけのお金の余裕はな...」

 

 

「じゃあ、五月ちゃんの時と同じように四葉とデートしてきなよ!五月ちゃんだってそう思うでしょ?」

 

 

「えっ...」

 

 

私情を挟むなら、風太郎と四葉のデートなど絶対に認められない...しかし、自分の時は良くて四葉の時はダメというのは明らかに不公平で無駄に四葉から...下手をすれば一花や三玖からもヘイトをためかねないし、二乃も以前に風太郎と五月のデートを提案した張本人である以上は下手に五月を擁護できないだろう...それに五月と風太郎は()()付き合っているというわけではないのだ。

 

 

「その...良いと思いますよ。四葉が望むのであれば...」

 

 

なので、ここは感情をグッと堪えて一花の案に賛成する事にした。

 

 

「ほんと?ほらっ!五月ちゃんだってそう言ってくれてるんだから...」

 

 

「そうか...四葉はそれでいいのか?」

 

 

「もちろんです!上杉さんとのデート、楽しみにしてますから!」

 

 

そう言いながら、五月だけに勝ち誇った笑みを見せる四葉に対して五月は怒りを抑えるのに必死だった。

 

 

 





一花、二乃、三玖の学年末テストでの動きは次回...

五月の行動による最大の被害者は?

  • 過去の行いを自覚させられた一花
  • 恋愛レース脱落並びに利用される二乃
  • メンタルをボロボロにさせられた三玖
  • 風太郎との過去を乗っ取られた四葉
  • 四葉との過去を乗っ取られた風太郎
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