変装がバレた時はどうなるかと焦っていたが、結果として自身に好都合な展開に持ち込めたという事に五月は内心、とても満足していた。
「じゃあ、私は風太郎君の家に戻ってお風呂を借りさせてもらうね!池の水で汚れちゃったし...」
「そうか、分かった。俺の方はとりあえず、二乃の様子を見に行く...おわっ!」
「風太郎君!?」
ドボン!
五月に続いてボートから降りようとした風太郎が足を滑らせてしまい、そのまま池へと転落してしまった。
「風太郎君!大丈夫!?」
「はっ!マジかよ...俺達、二人揃って服がびしょ濡れじゃねぇか...」
「あはは...本当だね。」
二人の服は池に落ちてしまった事でびしょ濡れになっており、変な悪臭まで漂わせている。
「はぁ...流石にこのままの状態で二乃のところに行く訳にはいかねえよな...一旦、家に帰って風呂に入るとするか。」
「うん、私もそれがいいと思う。」
こうして上杉家へと戻る事になった風太郎と五月だったのだが、先程...喧嘩の仲裁のためとはいえ、風太郎が『二乃に会いに行く』と言いかけた時に五月の中のモヤモヤが僅かに増していたという事に風太郎はもちろん、五月本人も気づいていなかった。
・・・・・
そして、上杉家にて...
「ただいま~...って、ん?らいは?」
いつもなら自分達を真っ先に出迎えてくれるであろう...らいはの姿が見えず、その代わりとばかりに一通の書き置きが残されていた。
【お兄ちゃんと五月さんへ。ちょっと友達の家に遊びに行って来ます。ご飯の時間までは帰ってくるから心配しないでね。あと、お兄ちゃんは私とお父さんがいないからって五月さんに変な事したら許さないからね?らいはより。】
「いや、らいはのやつ...いったい、俺をなんだと思ってるんだ?」
「あはは...まぁ、それはともかく!早くお風呂入ろうよ!」
「そうだな...って!ちょっと待て!!」
そう言って五月は風太郎の手を引いて風呂場へと向かおうとした。
そう...風太郎の
「おい!五月!?何考えてるんだ!?お前が先に入っていいから、その手を離せ!」
「ふふっ、ご冗談を...君は二乃の裸を見た経験があるでしょ?だったら、今になって私の裸を見たって変わらなくない?」
「いやいや!あれは不可抗力だったんだって!五つ子裁判でお前も納得してただろ!?」
五月が風太郎をお風呂に誘い、風太郎の方は何とかそれに抵抗しようとしている。
「普通にまずいから!年頃の男女が一緒に風呂に入るとなるとだな...」
「大丈夫だよ、友達なら当たり前だし!それに君なら私に変な事はしないって分かってるから。ねぇ?ダメ...かな?」
「くっ...」
そんな感じで上目遣いで懇願されては、流石の風太郎も断れなかった。
「はぁ...温かくて気持ちいいよぉ...」
「俺は違う意味でも体が熱いけどな!」
「ふ~ん?じゃあ、風太郎君の体がますます熱くなるように私が纏っているバスタオルを外してあげようかな?」
「おいおい、勘弁してくれよ...」
結局、五月からの要求に折れた風太郎は彼女と一緒に混浴を堪能?していた。もちろん、五月は肝心な部分をバスタオルで隠しているのだが、それでも風太郎には刺激が強かったようだ。
「じゃあ、私が風太郎君の背中を流してあげるからね。」
「もう好きにしてくれ...」
これ以上、五月に何を言っても無駄だと判断した風太郎は心を無にして、ひたすら時間が過ぎていくのを待つ事にした...
「それで?やっぱり、五月は二乃と仲直りする気はないのか?」
「そりゃ、私だって暴力を振るったのは悪いと思ってるんだけど...二乃の方が先に謝ってくれないと私から謝る気にはならないかな?先に風太郎君の問題集を破ったのは二乃なんだし...」
背中流しの合間に風太郎は五月に二乃との仲直りを勧めてみるが五月の方も意地を張っているためか、上手くいかない。
「この前、一緒に映画を観にいったくらいに仲良いんだろ?いつまでも意地を張らないで素直になってみたらどうなんだ?」
「あいにく、その映画の時も二乃とは意見が合わなかったんだよね...」
話によると、二乃は【恋のサマーバケーション】という恋愛映画、五月は【生命の起源~知られざる神秘】というサイエンスっぽい映画が面白いと...お互いの意見が対立してしまったらしい。
「...というように、昔に比べて二人とも好みが変わってしまった感じかな?ちなみに風太郎君はどっちの映画が良いと思う?」
「残念だが、別に俺はどちらも見ようとは思わないがな。」
「ええっ!?趣味悪っ!」
「いや、お前に言われたくねえよ!」
五月と話をしている内に背中流しが終わって湯船に入っている風太郎の羞恥心も自然と抜けていったのか、今では五月に対して毒づく余裕もあるくらいだ。
「ふぅ...俺はそろそろ上がらせてもらうぞ。これ以上は色々な意味でのぼせそうだからな...」
「それで~?同い年の女子との初めての裸の付き合いは満足したかな~?」
「あいにく、同い年の女子との裸の付き合いは初めてではないな。」
「えっ!?どういう事なの!?風太郎君...」
ニヤニヤしながらマウントを取ってきた五月を少しばかり懲らしめてやろうという悪戯心から言ったつもりの風太郎だったが、自身の予想以上に五月が動揺して悲しそうにしていたので慌てて取り繕う事にした。
「悪い!言い方が良くなかったな!裸の付き合いと言ってもな!?前に中間試験の勉強会でお前らのマンションに泊まった時に風呂場で二乃に裸を見られただけだ!...で、俺も以前に二乃の裸を見てしまっただろ!?だから、この二つの出来事を合わせてお互いに裸の付き合いって意味で別に変な事をした訳じゃなくてだな...」
風太郎は必死で弁解するが五月の動揺が収まる気配は全くない。
「ねぇ!?二乃に裸を見られたって何で!?詳しく説明してよ!!」
「あぁ、それはだな...」
その後、風太郎は中間試験直前のお泊まり会にて二乃に自分の裸を見られてしまった経緯を説明する事で一応、誤解を解く事には成功したのだが...
「へぇ~、二乃が私に成り済ましてそんな事をねぇ?よし、前言撤回...先に謝られたとしても二乃を許せなくなっちゃったかも...」
「いや、二乃は最後の最後で俺が家庭教師を辞めさせられないように上手くフォローしてくれたんだ。だから、この件に関しては何とかチャラにしてやってくれ。...な?」
二人の仲直りへの道がやや遠くなってしまった事に肩を落としながら、風太郎が着替え終わってそそくさと風呂場を出ようとした時、五月に呼び止められた。
「あっ!風太郎君!最後にこれだけは言っておくね!まだ、私達の過去の話は二人だけの秘密だからね!」
四葉の過去を勝手に自分のものとして悪用している五月からしてみれば、この話を四葉以外に知られてしまうのはあまり好ましくないのだ。
「安心しろ、分かっている。俺とお前だけの秘密だろ?」
「うん!なら、安心だよ!じゃあ、らいはちゃんが帰ってくる前に私も風呂から上がっておくね......おくとしますか。いいですよね?
「あぁ、そうだな。」
いつもの敬語口調に戻った五月に返事を返しながら、風太郎は風呂場を立ち去ったのだった。
デートを尾行していたのは?
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元祖闇堕ち...中野一花
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最大の協力者!中野二乃
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現在、空気...中野三玖
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最大のライバル!?中野四葉
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将来の義妹!?上杉らいは
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不良キャラ、前田
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風太郎のライバル!?武田祐輔