Fallout76 -once in a blue archive-   作:egguimen

12 / 40
続きです。

決着後、アビドスに異変が…?

それでは本編をどうぞ。


When does dawn

 

伊草ハルカがアルに絶対とも言える忠誠を持っている、故に彼女の意にそぐわぬ者には徹底的に容赦がない、そこに破壊的衝動が加われば…惨事の火種になるだろう。

 

そしてその火種は一人の先生の眼前で火を放つ。

 

「死んでください………!」

 

後ろ、一体いつ……?まさかカヨコを制圧した時からか……!

クソッ……何故気が付かなかった……?

 

 

これほどの()()にッ!!

 

 

 

「まっ ズドンッ!

 

一発の銃声が彼の言葉をかき消した。

もはやこれまでかと思われた。もうダメかと思った。その瞬間を刮目すれば、誰もが彼の死を悟っただろう。そして瞬く間にこうも思う、二度の死は……こうもあっけなく訪れてしまうのかと。

 

 

ガンッ!

 

意外も意外だった、興奮状態で制御を失ったハルカが放った鉄の雨は、何を殺すことも破壊することもなく……甲高い金属音と共に止むこととなった。

 

 

「ふぃ~………。」

 

 

小柄ながらも、強大な壁との衝突によって。

 

 

「あっっっっぶなかった~!」

 

間一髪のところでホシノが駆けつけ、シールドを構えながら二人の間に入り込んだのだ。

 

「先生ぇ、大丈夫?」

 

そう問いかける少女の瞳には、緊張と安堵が同居していた。

 

 

いやはや、不覚を取った上に庇われるとは不甲斐ないにも程がある…。

だが、やはりいい物だな…誰かが傍に居るというのは。 

 

「ホシノ…!」

「すまない…そして、ありがとう、命を救われた。」

 

彼は礼を言うと彼女の頭をくしゃくしゃと撫でた。

 

「わわっ!ちょっと~」

 

彼女は一瞬目を丸くし驚くが、されど嫌がることはなかった。

もしやキヴォトス人は撫でられることが好きなのでは?とすら思え始めてきた。

 

「うへへへ。どういたしまして、先生。」

 

「さてと……2対2か。」

「フェアだな!」

 

「うーん、それはどうかなー?」

「まっ、ちゃちゃっと片付けるだけだからいっか。」

 

こちらはキヴォトス人の中でも有数の実力者を持つ暁のホルスと汚染と疫病と放射線が蔓延るウェイストランドを生き延びてきた百戦錬磨の人間(当社比)。

そして向こうは起業から日の浅いベンチャーもベンチャーな便利屋2人。

 

これが果たしてフェアかどうかはもう言うまでもないだろう。

 

 

「先ずはハルカを何とかしたい、手を貸してほしい。」

 

「もちのろん!」

 

彼はハルカと向き直り、相対する。

 

「先程は油断したが…こっちにも譲れないものがある。」

「……もう同じ轍は踏んでやれないからな。」

 

彼はカードの束を取り出し、ピップボーイに挿入する。

 

BUILD:BERSERKER

 

このビルドは至ってシンプル、近接武器と拳銃を併用する近距離戦闘用ビルドだ。

火器で牽制し得物で仕留める。彼なりの合理性を突き詰めたビルドだ。

 

装備は10mmピストルと消火斧。

 

右手に消火斧を威嚇も兼ねて上段に構えて、左手の10mmピストルを腰ほどの高さで構える。その姿は正にアパラチアの狂戦士(バーサーカー)だ。

だが本来…消火斧はその重量から両手で使うのが普通であり、一般的に両手近接武器にカテゴリーされているものだが……。

 

元から筋力が天元突破している彼は見た目だけ人間のベヒモスみたいに普通に片手でぶん回す。筋肉はすべてを解決する。

 

ストレングス万歳を地で行く方法でその障害を突破している。

 

「行くぞ!」

 

彼はハルカに弓から放たれた矢の如く迫る。

 

「はわわわわ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!消えてください!」ガチャ…

 

「ダメだよ。」

 

ガッ

 

すぐさま装填済みのショットガンを向けられるも、背後からホシノが彼の背を踏み台に飛び出し、その勢いを乗せて盾を振り下ろし、強引に銃口を叩き落した。

 

「よくやった!あとは任せろ。」

 

攻撃のバトンを受けとると、ホシノの背後からターキンが顔を覗かせた。

 

「それ!」

 

ブンッ!

 

「ぐえっ!?」

 

そのまま脇からぬるりと体を出してハルカに迫り、その喉を斧の柄で押さえつけそのまま地面に組み伏せる。

 

この一連の動はまるで一匹のウサギを狩る鷲と蛇のようだった。

 

「ハルカ!」バッ

 

アルは援護するためPSG-1 ワインレッド・アドマイアーを構えるが……

 

  ズドォンッ!!

 

「させない!」

 

ガキンッ!!

 

これもまたホシノが盾を力強く振りぬき、弾くようにして防いだ。

今の彼女は先生を守ることに徹底していた。戦車の砲弾すらも、今の彼女なら弾き飛ばしてしまうかも知れない。

 

 

「私が先生を守る…!」

 

それは彼女の後悔を拭いたいと願うような…彼女の心の根が見えるような切なく生真面目な立ち回りであった。

 

 

一方その傍で、ターキンが今まさにハルカにトドメを刺そうとしていた。

 

「君は少し厄介だから、少しだけ眠っててもらうぞ。」

「だが痛めつけるつもりはない、一瞬で終わらぜる。」

 

「ひっ!」

 

ダダダダダダダダ!!

 

この距離ならV.A.T.S.を使う必要もない。

頭部に銃口を突き付け全弾を叩きこんでハルカの意識を刈り取った。

 

「……。」

 

ヘルメット団といい便利屋といい……やはり生徒を撃つというのはあまり気持ちのいい物じゃない。

それどころかとても不愉快だ。

こんなやり方でしか接することができない自分の不器用さが情けなくて飽き飽きする。

友人ならもっとうまくやれたかもしれない。

何で俺みたいな人間に、この子たちの運命は託されているんだ?

 

その不快感にマスクの下で苦虫を嚙み潰したように眉を顰めていると奥から3人の人影と一機のドローンが見えた。

 

「ああ、皆も来たのか。」

 

「もう、ホシノ先輩!急に置いていかないでよ!」

 

「一人でいきなり走りだしていったのでびっくりしちゃいました~。」

 

「ん、先生はどうだった?」

 

「見ての通りピンピンしてる。」

「危うく頭をフッ飛ばされかけたが……。」

 

「それ本当に大丈夫なの!?」

 

『もう少し気を付けてください。幾ら戦闘経験があっても結局はヘイローがない生身の人間なんですよ?』

 

「問題ない、頭だけになっても脳が生きてればスティムを使えば生える。」

「人間そんなもんさ。」

 

「は?」

 

「そんなもんじゃないですけど。」

 

「完全に化け物のそれじゃない!」

 

とはいえ未来の某ネバダの運び屋は頭に2発ぶち込まれて生きてたりするのでありえない話ではないのである。

ウェイストランドではしぶといヤツはどこまでもしぶといのだ。

 

「もうトカゲのしっぽじゃないんだからさ……。」

 

まさか、このセリカの何気ないツッコミから先生の食生活が垣間見えていしまうなんて、生徒たちが知る由はなかった。

 

「トカゲか……あれはうまいぞ。」

「特にイグアナ!」

 

そう、イグアナ。

ウェイストランドランドを彷徨っていればどこでも焼かれて売られているのを見るのにいざ生きた奴を探そうとするとどこにも見当たらないことで定評のあるあのイグアナである。

彼も例に漏れず食したことがあり、かなり気に入っていた。

曰く、アビドスにも野生のイグアナというのがいるそうで、暇さえあれば捕まえて食べていた。

 

最近は刺身に凝っているんだとか…。

 

まあそんな事情も知らない対策委員会の面々は流石に自身の耳を疑った。

 

「「「は?」」」

 

『先生、イグアナ食べるんですか?』

 

「ああ、味が鳥と似てて焼くとこれがまた「やめて…聞きたくない。」

「すまん……。」

 

イグアナの味について言及しようとしたがセリカに止められた。

 

…美味いのに………。

 

アヤネはふと我に返ると皆に呼びかける。

 

『っていうかそんな話はどうでもいいです!倒した傭兵達が目を覚ましてこっちに向かってきてます!』

『それに便利屋達も…。』

 

後ろを振り返るともうカヨコ達も既に起き上がってアルの下に集まっていた。

 

 

顔が青ざめていたが…。さっきのがかなり堪えてたらしい。

 

 

 

「「「あっ」」」

 

「しまったぁ……!」ペシッ!

 

彼は自身の失態を憂いてガスマスクのバイザーに手を当てた。

 

「ふふふ……アーハッハッハッ!!」

 

アルはついに自分達に巡ってきた好機に高笑いした。

 

「勝利を目前に気を抜いたのが運の尽きねアビドス!」

 

「さあ傭兵達!今度こそアビドスをやっつけちゃいなさい!!」ビシッ

 

人差し指を突き出して命令も飛ばすも傭兵達は何かを見つめたままピクリとも動かない。

 

「なぁ、なんであの子達スマホの画面を見てるんだ?」

 

「時間でも確認してるんじゃない?」

 

「傭兵って言ってもアルバイトだからねーそろそろシフト終わるとかかな。」

 

「まさか?仮にも雇われだろ、日当があまりに安いとかならまだしも…」

 

傭兵の中の一人が代表として雇用主である便利屋達にこう告げた。

 

「あたしらシフト終わったから帰るねー。」

 

「「「え。」」」

 

「「えええええええええ!?!?!?」」

 

突然の傭兵達の業務終了に敵味方問わず困惑した。

 

「皆ー帰るよー。」

 

その掛け声とともに傭兵達は各々帰路につき解散……。

 

「私が知ってる傭兵とは随分と違う気がするんだが…。これがここの普通なのか?」

 

「ま、まあ……そうだと思う…多分。」

 

「給料ギリギリだったんだろうね~。」

 

ギクゥッ!

 

「うぅ…。」

 

痛いところを突かれて渋い顔をするアルだが…兎角これで便利屋達は万策尽きてしまった。

 

「えーとそれで…?まだやるか?別に構わないがその…何ていうか…ねぇ?」

 

アルはアビドスになすすべもなく、撤退を余儀なくされた。

 

「あ……うう……。」

「こ、今回は負けたけど、これで終わったと思わない事ね!アビドス!先生!」

 

「あはは、アルちゃん、完全に三流の悪役のセリフじゃんそれ。」

 

「うるさいわねボロボロのくせに!」

「とにかく逃げ……じゃなくて、退却するわよ!」

 

 

アルは捨て台詞を吐き捨てるなり、一目散に退散した。

 

 

「待って!……あ、言っちゃいましたね。」

 

「うへ〜逃げ足速いね、あの子たち。」

 

『……詳しいことはわかりませんが、敵兵力の退勤……いえ、退却を確認。』

 

「困りましたね……奇妙な便利屋にまで狙われるとは、先が思いやられます……一体何が起きてるいるのでしょうか…。」

 

「まあ、少しずつ調べるとしよう。まずは社長のアルってこの身元から洗ってみよ。何か出てくるよ、きっと。」

 

「学園都市の生徒なら学籍を調べれば一発だろうからな。」

 

『はい。皆さん、お疲れ様でした。一旦、帰還してください。』

 

「了解。」

 

 

その日は帰投した後それぞれ解散した。…………先生を除いて。

そして迎えた翌日。

 

 

「ん?」

「え、なんで校舎が……。」

 

 

生徒達は学校に着くなりとんでもない光景を目の当たりにした。

 

 

「おはよう皆。どうだ?見事なもんだろ!」

 

「どうもなにも何なのこれ!?」

 

「うっわ~…おじさんが居ぬ間に何しちゃったのさ…。」

 

「ここまでやるのには少し苦労したが、腕はまだ落ちちゃいない!」

 

なんとアビドスの校舎が劇的ビフォ〇フターもびっくりな改装を遂げていた。

 

雑草が伸び放題な花壇は園芸のように整えられ、砂の溜まった校門や玄関には今や砂粒一つすら見つからず、外壁の塗装も塗りなおされていた。その校舎の外装はもうこれ以上ないほど完璧だった。

 

「外装だけじゃないぞ?中も見たらきっと驚く筈だ!」

 

玄関も廊下も教室も体育館も机も椅子も……すべての床と窓と備品の数々が磨き上げられており、顔を近づけると反射して見える程だった。正に鏡面仕上げである。

 

「あそこのプールだってこの通り」

「この辺暑いしな……涼むには丁度いいだろうから直しておいた。」

「プールサイドもピッカピカ、滑らないように気をつけろよ?」

 

しかも校舎の壁はすべて内側がヴォルトテック社製の防壁と鉄筋コンクリートで補強されており、襲撃の対策もバッチリ。

もはや放射線すら通すことはないだろう。

 

更に校舎を回っていると、見慣れないモノ達が校舎を巡回していた。

 

「うわわ!?」

 

「保安と奉仕に努めます。」

 

「なんですかこれ?」

 

「プロテクトロン。故郷じゃ色んな仕事をこいつに任せてた。」

「おかげで失業者も続出して連日労働者のデモが起きてたが…。」

 

「大変なご時世だったんですね…。」

 

もう27年以上も前の話だがな…。

 

ちなみにこのプロテクトロンはキャタピラに雑巾を付け、左腕を羽箒、右腕をモップに付け替えられている。

即席のお掃除ロボと言ってしまえばそれまでだが、これがなかなか役に立つ。

更には火災設備の充実化を図るために、消防士プロテクトロンも実は配備されている。しかも消防車付きで学校自体が小規模の消防署のようなものになっている。

これでいつぞやの悲劇を防げるわけだ!

 

と言っても、ここにいるのはプロテクトロンだけじゃない。

 

「こんにちは、旦那様。」

「それに生徒の皆様方もお揃いのようで。」

 

この真摯な物言いをするタコみたいなロボットは皆さんご存知、我らがゼネラルアトミックス社が誇る万能ロボット執事、Mr.ハンディ。

 

「紹介しよう、Mr.ハンディのセバスチャンだ。」

 

「ご紹介に預かりました、セバスチャンと申します。これからアビドスの皆様に誠心誠意、お仕えさせていただきます。」

「ご要望がありましたら、何なりとお申し付けください。」

 

「わあ☆まるで実家の執事さんみたいです!」

 

やっぱりいるんだな…。

 

「彼が先生の言っていたMr.ハンディ……見れば見る程不思議ですね。」

 

ちなみにこのMr.ハンディは熱傷などの危険を考慮してスラスターを改造されており、西海岸にいるタイプ2のモデルが使用しているモーティブパワー・ダグデットファンを使用している。つまり風圧で飛ぶ。

 

「まさかこれ全部先生が?」

 

「これで全部だと思ったか?……ふふふ…。」

 

彼は不敵に笑う。

 

「 ま だ あ る ぞ 。 」

 

 

次に来たのは校舎裏の電気設備。

この学校の電力を賄うために必要な電力を遠くから引っ張り変換するための変電所がかつてここにあったのだが…。

 

「なんですかこれ。」

 

そこには変電所の代わりにユーティリティボックス型の小型核融合ジェネレーターが校舎の壁際にポツンと置かれていた。

 

「発電機だ。」

「これで電気代がタダになる。懐に余裕ができていいだろ?」

 

「とは言っても発電にも動力はいりますよね?動力はどこから…」

 

「心配は無用だ、なにせ動力は信頼の厚い()()()()()だ。」

 

先程まで衰退の一途を辿っていたアビドスはキヴォトスの中で初めての原子力発電を導入した学校となった。

もはやこの学園はたった一晩にしてエネルギー資源において他の追随を許さないまでになったのだ。

にわかには信じがたい話である。

 

「え?」

 

「これで向こう数百年は電気をこの学校に供給できる。」

 

「「「「ええええええええええ!?!?」」」」

 

「核融合ってもしかして原子力とかの……。」

 

「正しくその原子力発電さ。メンテナンスはロボットたちに任せるから原子力事故の心配もない。」

「あいつらが正しく動いてくれればの話にはなるが…。まあ、何かあったら言ってくれ。なんとかする。」

 

「なんでそんなもの作れるのよ……。」

 

「材料を用意して図面通りに作っただけだ何も難しいことはしてない。」

 

「それが一番難しいはずなんですけどね?」

 

設計図と素材があれば核開発だってできてしまう。それがVault居住者なのだ。

 

「うへ、どんどん校舎が魔改造されてくよー……。」

 

「ホシノ先輩、もうされてる。」

 

「それに、学校で使う分じゃ電力が余まりまってしまうから後は防衛設備に回してる。」

 

「防衛設備?」

 

「そうだな……。実際に見て貰った方が速いか…。」

 

彼はピップボーイの無線の周波数をいじると一言。

 

「コード、レッド。」

 

無機質な機械音声が流れると同時に校内から突如として警報が鳴り響き、屋上の赤色回転灯が灯った。

 

「CODE:R.E.D.の要請を確認。防衛プロトコル始動中。」

 

ビーーッ!!ビーーッ!!ビーーッ!!ビーーッ!!ビーーッ!!ビーーッ!!

 

「生徒の皆様は、緊急避難手引きに従い直ちに身の安全を確保してください。」

 

「防爆シャッターを展開、援軍を準備中。」

 

アヤネは大慌てでつっこむ。

 

「ななななんですかあのサイレン!?援軍って何なんのことですか!?」

 

「そのまんまだ、ロボットの援軍が今から展開される。」

「コードレッドの防衛プロトコルの一部だ。」

 

「そのコードレッドって何なんですか!?」

 

「校外からでも学園を防衛するのに必要な設備を即時フル稼働させるための遠隔緊急防衛(RemoteEmergencyDefence)システム……。」

「それがコードレッド」

「運用はこの学校が初めてだがな…開発もはじめてだ。」

 

「アビドス高校、安全維持。」

 

「あの他のよりデカくて厳ついロボットはなんなの…?」

 

「セントリーボット。」

「見ての通り、重武装のロボットだ。」

「故郷の軍隊じゃ拠点防衛に使われてた。」

 

セントリーボットは戦前、拠点防衛用の兵器として運用されていた。

両手のミニガンと両肩に備え付けられたランチャーはいずれも強力であり、敵としてアパラチアで相対した時は何度も死にかけた。

 

これはかつてホワイト・スプリングの技術者から譲ってもらった設計図を基に製造した。

 

この全自動機動要塞の唯一の弱点である露出したフュージョンコアは、彼の友人であるペスコフ氏が開発したクライオセルを用いた独自の冷却システムを取り付ける事で克服し、そこに装甲を増設することでさらなる防御力を獲得した。

つまりこいつと戦うときはは対戦車兵器を担いで真正面からバチボコにやりあうしかない。(実質不可能)

 

「ま、これならその辺のチンピラじゃ手も足もでないだろうな。」

「これを予備戦力込みで一個中隊分準備するのは中々きつかった。」

 

「これがあと一個中隊!?」

 

「しかも一晩で!?」

 

「あとあれもな。」スッ

 

「状況認識の結果、周辺に敵は感知されませんでした。」

「これより予備警戒プロトコルに従い巡回警備サブルーチンを開始します。」

 

「なんだか女性っぽい…?」

 

「またなんだか経路が違うのが出てきましたね。」

 

「アサルトロンさ、設計者はなかなかいい趣味してたよ。」

 

彼はアサルトロンも配備していた。しかも一個大隊規模の数を。

 

「ちなみにあれは頭から高出力レーザーを撃つぞ。」

 

「ちなみにで出る情報じゃないですよねそれ!?」

 

「高出力というと、威力はどれくらいなんでしょうか?」

 

「そうだな……巡洋艦を一隻貫通させてるのを昔見た事があるからそれくらいだろうな?」

 

「なんて馬鹿げた威力なの……。」

 

「先生の地元の謎が深まりますね……。」

 

「それはまあ……そのうち…。」

 

ただでさえ問題だらけで忙しい彼女達に核戦争とそれで起こった数々の悲劇を語ってしまっては今後に支障が出るかもしれない。

だから少なくとも今のうちは……と彼はそう考えていた。

 

「校内をフルスキャンしましたが、エリア内に脅威は検知されませんでした。」

「各自警戒態勢を解除するように。」

 

「あっ!見てくださいあそこにもハンディがいますよ!」

「あのロボットさん戦闘もできたんですね☆凄いです!」

 

「ああ、あれは軍用型のMr.ガッツィーだ。」

 

「あら、別人でしたか……。」

 

別"人"……かどうかはともかく――

Mr.ガッツィーは彼の言う通りMr.ハンディの軍用モデルだ。

工兵としての運用も可能なようにアームのバズブレードはそのままに、執事には恐らく必要でないであろう高火力な武装を新たに搭載されている。

 

あのフルメ〇ルジャケットのハート〇ン軍曹みたいな口調が好きなレジデントがアパラチアにも一定数いるとかいないとか……。

 

こいつらは負傷者を救助できるようにアームにテスラライフルを付けてる白塗りで赤い十字がトレードマークのメディック型が一個小隊につき一体配備される。

 

これも一個大隊規模の数を作っている。

 

「このシャッター、防爆って書かれてますけど何でできてるんですか?」

 

「高密度ブラックチタンとフォトニックレゾナンス・バリア。」

 

そう、こいつにはあのネタで有名なフォトニックレゾナンスが使われている。

コイツを突破するにはバリアの基であるフォトニックレゾナンス・チャンバーにクアンタム・ハーモナイザーをぶち込まないといけない。

 

「さっぱりわかんないけどなんか凄そう……。」

 

以上が、この学校に起きた変異……じゃなくて変化である。

 

「とまあ、ざっとこんな物かな。どうだ?なかなか悪くないと思うんだが……。」

 

「良し悪しはともかく、これでかなり過ごしやすくなったと………思う。」

 

「これはますます昼寝がはかどりますなー。」

 

「もう、ホシノ先輩ったら…。」

 

「というかこれ全部一晩でつくったんですよね……。」

 

「ああ、いい肩慣らしになった。」

 

(それにしても、これほどの戦力どこに置いてるんだろ…。)

 

この謎が暫く解けることはなかった。

 

改装した校舎のお披露目も終わり、皆が教室に戻った頃……ホシノからアレについて聞かれた。

 

「そういえば先生、昨日便利屋達と戦った時に使ってたあのカード何なの?」

 

そうPERKカードの事だ。

 

「PERKカード、これを使うと色んなことができるようになる。」

 

「色んなこと……例えば?」

 

「そうだな……例えばこのAQUA BOYを使うと水中で息ができるようになる。」

「要するに普通に呼吸するだけで水中から酸素を得られるようになる訳だな。」

 

「それ人ができる範疇を超えてない?」

 

「確かにな、まあ便利だから細かいことは気にしない。」

 

ヴォルトテック社の超技術は仕組みを気にしたら負けな代物がほとんどだ。

 

「それとGUN SMITH。」

「これを使うとよりどんな複雑な武器でも頑丈になるし、メンテナンス作業も一瞬で終わらせられる。」

 

「どんな武器でもか…例えば?」

 

「AN-94*1とか、あとエネルギー武器全般。」

 

「電子機器もいけるんだ…。」

 

「ああ。」

 

「じゃあ、あのレーザー銃もそれを使って?」

 

「まあな、多少の賢さも要るが。」

「外にもいろんなカードがあるぞ。」

「これとかほら、キラキラのレアバージョン。」

 

「無駄に凝ってるわね…。」

 

「PERKカードって沢山あるんですね…。」

 

「その通り。配られた手札であらゆるピンチを切り抜ける、これぞ昔ながらのやり方ってやつさ!」

 

「でもどんな仕組み何だろう……。」

 

「わからん。まさにオーパーツの類だからな……。」

 

「原理もわからないものを平気で使う神経はどうなのよ。」

 

「じゃあ君たちはスマホの動く原理を知ってるのか?」

 

「うぐっ、痛いところを…。」

 

「とにかくそういうこった。」

 

「これが先生の強さの秘密……。」

 

「ぶっちゃけなくても十分じゃない?」

 

アビドスが復興に近づく度、生徒達の中で彼の謎が深まっているが…この一日は平和に終わった。

その日の帰り道、市街地にて彼がC.A.M.P.を目指す中……ビル街のモニターにとあるニュースが。

 

 

 

 

 

 

 

―謎のロケット打ち上げ、シャーレの教師達によるものか?―

 

 

 

 

 

 

 

画面に映されたのは、巨大なロケットとそこに刻まれたシャーレのマークそして……

 

 

76と描かれた()()()()()だった。

 

しかし、それに彼が気づくことはなかった…。

 

 

 

帰ってシッテムの箱を起動するとアロナが何やら不機嫌な様子だった。

 

「むぅーー……。」

 

「どうしたんだ……頬を膨らませて。」

 

「どうしたも何もありません!」

「なんであの時私を頼らなかったんですか!」

 

「何でと言われても……危ないだろ?」

「壊れても修理できるかわからないし…。」

 

「危ないのは先生の方です!」

 

「ムツキさんの爆撃を受けたのを見た時なんて冷や汗が止まらなかったんですからね!?無茶しすぎなんですよ全く!」

 

「す、すまない。」

 

「とにかく、次戦闘になったら私を頼ってください!いいですか?」

 

「ああ、そうしよう。」

「と、ところでいちごミルク買ってきたんだが、飲むか?」

 

「頂きます。(即答)」

 

その時、彼はまだ知らなかった。彼女が持つ先生を守る為に用意された機能の存在を。

*1
内部メカに滑車が使われてる旧ソ連の銃(たまにアバカンと呼ぶ人もいる)





今回打ち上げられた謎のロケットは何なのか…?
そして本来1人しかいないのシャーレの教師"達"とは?
ちょっとした楽しみを残しておいて今回は終わりです。
いかがでしょうか。

今回も読んでいただきありがとうございます。
もし気に入っていただければお気に入り登録、感想を是非お願いします。

さて、いよいよ次回はブラックマーケットへ潜入ですね。
ギャグシーンとかで割とお茶が濁されてますがあそこかなり闇深いですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。