Fallout76 -once in a blue archive-   作:egguimen

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衝突!ゲヘナ風紀委員会!
どうぞお楽しみください。


Not permitted invasion

 

           場所アビドス:某市街地

 

 

午後3時 -ゲヘナ風紀委員会が市街地に侵入-

ロボットで構成されたセキュリティチームが対応中。

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

 

カヨコは焦った様子で仲間に話しかける。

 

「社長!ムツキ!ハルカ!早く隠れよう!奴らが来た!」

 

「やつらって?」

 

「うちらの風紀委員会だよ!まさかここまで追ってくるなんてしかもこんなタイミングで……!」

「まさか最初からこれを狙って!?」

 

「また砲撃が来るぞ!!」

 

「ッ!!」バッ

 

 

ドゴオオオオオオオオオン!!!!

 

 

「便利屋達がやられた!」

 

 

 

「ターゲット、沈黙を確認。」

 

擲弾兵の観測手が双眼鏡を片手に状況を伝えている。

 

「よし。歩兵、第2小隊まで、突入。」

 

ツインテールの銀髪の少女、銀鏡イオリが部隊に指示を出していく。

そこにチナツが彼女に話しかける。

 

「……イオリ、あの方達はどうします?」

 

「ん?ああ、向こう側の生徒?なんだっけ……アビドス?」

「そんなの当然、公務の執行を妨害する輩は、全員敵だ!」

 

「……ならば大人しくしてもらいたいところですね。」

「しかしこちらの事情を説明するのが先かと。」

 

「説明?必要か、それ?」

 

「……。」

 

「うちの厄介者どもをとっ捕まえるための労力が惜しい。」

「もし邪魔するなら、部外者とは言え問答無用で叩きのめす。」

 

「……。」

 

 

呆れたチナツが小さく溜息を吐いていると突然、イオリに生徒から無線が入る。

 

 

「こちら第3小隊!第4地区第2ブロックに支援砲撃を要請します!」

 

無線越しの声はただならぬ様子で、微かに激しい戦闘の音も聞こえる。

 

『 <ノイズ> ロボット達が――――』ブツッ

 

「おい!何があった応答しろ!」

「……クソッ、偵察チームの連絡を待つしかないか…。」

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

「な、何っ?風紀委員会が便利屋を捕まえに来たってこと!?」

 

『まだわかりません……しかし私達に友好的かは…』

 

「でも砲撃範囲内に私達もいた。」

「狙っていないにしても放っておけば私達もいつかやられる。」

 

「どのみち戦闘は避けようもないな……。」

 

「はぁ!なんでよ!?」

 

「セキュリティチームが交戦中って、」

「……ほら。」スッ

 

彼はタブレットを取り出し、戦場のカーゴボットのカメラを映す。

映された映像は極めて衝撃的な内容だった。……色んな意味で。

 

その映像がこちら。

 

タタン!タタン!タタン!

 

「なんだあのタコ!?」

 

「これがアメリカ陸軍のやり方です!イエース!!!」

 

タタン!タタン!タタン!

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「ぎゃああ!!」

 

ある風紀委員会の私兵部隊はガッツィー大佐のスラスターをフル活用した空中機動と高火力のライフルに翻弄されあえなく撃沈。

 

「敷地内への未許可の侵入、及び敷地内での暴力行為は禁止されています。」

「従わない場合はレーザー兵器等を用いた()()()()()()を行い、無力化します。」

 

ブォンッ!ブォンッ!ブォンッ!

 

「なんだあの光線!?」

 

「あれに皆やられた!当たったらヤバ-ああっ!?」

 

「戌井ーーー!!」

 

プロテクトロンは相も変わらずな愛らしい牛歩の歩みだが、両腕から繰り出される高度に計算されたレーザーの精密攻撃が彼女達を襲った。

 

 

「侵入者ヲ確認、掃討開始。」

 

 

バババババババババババババババババババババババッ!!!

 

 

「だ、誰かぁ!助けてくれーーー!!」

 

「ぐわぁ!!」

 

「遮蔽物に隠れ-チュドーン!!

 

「嘘だろ爆弾まで積んでるのかよ!?」

 

セントリーボットの一掃射撃が猛威を振るい、矢も楯もたまらずと障害物で凌ごうとするも、肩のランチャーから放たれるグレード弾で爆撃をもろに受け撃滅。

 

 

「アサルトロンクラスの戦闘ロボットに勝負を挑むには、あなた方は火力不足です。出直す事を推奨します。」

 

「ひぃっ!!」

 

「ワ、ワァ…!!ヤダ、ヤダァアッ!!!!」

 

恐怖のあまり生徒がちいかわ化してる間にここで少し補足を。

アサルトロンのステルスブレードと頭部レーザー砲は対生徒戦闘において過剰戦力と判断し取り外されており。

代わりにVault63製のショックバトンと高性能カメラに置き換えられている。

そして……

 

 

「あばばばばば!?!?」

 

「第5分隊が壊滅した!あいつなんなん-うんぬぅ!?」

 

「こちらB0B=C4T(ボブ・キャット)第2地区を確保。」

 

何という事でしょう、殺傷性を抑えて(?)もこの殲滅力。

無力化とは名ばかりで、その状況は血が流れない大虐殺です。そう形容するほかありません。

 

「ぅう……!くっそぉ、これでも喰らえ!」ブンッ

 

一矢報いようとライフルのバレルを握りしめ振り抜くが。

 

「遅すぎます。さようなら。」

 

ビリリリリリリリリッ!!

 

勿論、あっさりと避けられ二言目にはバトンを喉元に当てられ、まさしく

「あっ」という間に気絶させられた。

なんとこのアサルトロンに取り付けられたこのカメラ、映像処理能力が高すぎて攻撃時にアサルトロンが疑似的にV.A.T.S.をし始めていたのだ。恐るべしロブコ社……。

 

 

……と、こんな映像をカーゴボットは映し出していた。

そして皆の感想は…

 

 

『な、なんて恐ろしい…!相手が風紀委員会とはいえ流石に同情しますね…。』

 

「こ、これはお仕置きの域を超えてますね……。」

 

「アレが敵じゃなくて良かった……。」

 

「我ながら恐ろしい戦闘部隊だな……過剰防衛だったか?」

 

「ん、先生。今度作り方教えて。」

 

と、三者三様……もとい四者四様の反応を見せていた。

シロコに至っては危険な領域に足を踏み入れようとしている。

 

「勉強熱心なのはいいことだ。手取り足取り教えよう。」

 

なぜ自ら災いの種をまいてしまうのかこの頭アパラチアは。

 

「いやいやダメでしょ!シロコ先輩がこんな技術手に入れたら大変なことにしかならないって!」

 

余談だが、俺はかつてVault76の「第15回 -ロボット組み立てレース-」で準優勝を飾った事がある。優勝はペスコフに取られたが……

あいつの父が軍の元エンジニアでアンカレッジ戦線経験者だったからなぁ。

アンカレッジの英雄とその息子、今思い返しても凄いヤツと親友になったもんだ。

あの親父さんの上官の名前なんだっけ、確か……『ネイト』って名前だった気が…。

ってそんなこと思い出してる場合じゃないか…。

 

「ですが、風紀委員会は学園後任の武力集団や便利屋のような部活とは性質が異なります。」

「こんなことをしたら政治的な問題に発展してしまうんじゃ……。」

 

「ノノミの懸念は最もだ…。だがこちらにも向こうの攻撃で市民が負傷したという大義名分がある。」

「大将を利用してしまうようで申し訳ないが事情が事情だ、仕方ない。」

 

「そ、そうですね。いざって時はその手も……。」

 

「それにシャーレ顧問の私もいる、もしもの時は任せて欲しい。」

 

そう、交戦によってゲヘナ側に損害が出ようとも(現在進行形で損害が出まくっているが)この大義名分とシャーレの存在がある以上、下手に手出しできない筈だ。

これを踏まえたうえでCODE:R.E.D.を発令したのだ。

 

「今はこの戦闘を終結させることに集中しよう、いいな?」

 

「…はい!」

 

「所でホシノと連絡はついたのか?」

 

『それがまだ繋がらなくて……普段ならこんなこと…。』

 

「……仕方あるまい、彼女がいた方が心強いが…戦力ならこちらも負けてはいない。」

 

「ん、このまま風紀委員会を阻止しよう。」

 

『私も賛成です。』

『確かに便利屋が問題を起こしていたことはきっと事実です。』

『しかし他の学園の風紀委員会が私達の許可もなくこんな暴挙を敢行をしてもいいという意味ではありません。』

 

「そうよ!よくもこんなこと!これは私達の"権利"を無視した行為、許せないわ!」

「………!!!」

「あいつらのせいで紫関ラーメンも…大将まで……絶対許せない!」

 

「………そうだ!」

「店は潰れ(物理)大将も怪我……もうあの人のラーメンが食えないじゃないか!?」

 

「今更!?」

 

「何という事だ許さん……許さんぞ風紀委員会………!!!」

「生徒といえども、ラーメンの恨み……晴らすべし!!」

 

ウェイストランドを生きる人間にとって食い物の恨み程恐ろしい者はない。

彼が一度コソ泥レイダーにおやつのプリンを盗まれた日にはそいつのアジトに乗り込んで倉庫の

ミニ・ニューク50発を全部ぶち込みそこが緑色に輝くクレーターと化したことがあった。

現場にいた民間人は「また最終戦争かよやってらんねぇな」と生きた心地がしなかったそう。

 

後にそこは『オーバーキル・グリーン』という名がつけられ、有名な放射能汚染地帯となった。

 

「あーあ、やばい人の怒り買っちゃった。」

 

「南無阿弥陀仏…。」

 

「これ、私達出る幕ありますかね?」

 

『あ、あはは……(苦笑)』

 

アヤネはもう考えるのをやめた。

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

「………。」

「アビドスの生徒達が先生を筆頭に臨戦態勢に入りました。」

 

 

「なっ!?ただでさえロボット相手に消耗してるのに……!!」

「……まあいい、相手はたった4人」

「売られた喧嘩を買わないなんて風紀委員会の名折れ!」

「総員!戦闘準備!」

 

「……ちょ、ちょっと待ってください。イオリ。」

 

「ん?」

 

「アビドス側で民間人が映りました。確認中ですので、お待ちください。」

「………えぇッ!?」

 

「……あ、あのお方は……まさかシャーレのターキン先生!?」

 

「シャーレ!?ってことはまさか"あの人"と同じ…。」

 

「………ちょ、ちょっと待ってください。シャーレの先生があっちにもいるとしたら……。」

「……この戦闘、行ってはいけません!」

 

「どういうことだ?」

 

「武装した民間人が接近中。こちらの説得に応じない為発p-うわあああ!?」

 

 

ドッカーーーーーーーン!!!

 

 

「な、なにが起きた……。」

 

「あー、私達はなんてことを……もうお終いですね…。」

 

「何言ってるんだ、早く行くぞ!」

 

「あっ」

 

こうして両者ともに現場へと向かった。

 

「ば、化け物め……!」

 

それがイオリが彼の姿を見て最初に発した言葉だった。

そう思ってしまうのも無理はない。

 

「オラオラどうしたそんなものか!風紀委員会とやらは!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガッ!!

 

「アーハッハッハッハハハハハハァァァ!!!」

「全て吹き飛ぶがいい!!」

 

彼はパワーアーマーに乗り込み、ファイナルワードで次々に敵をなぎ倒していた。

先の爆発で発生した火災を背に弾幕を張る「警告灯が灯る黒鉄の巨人」…その姿は現世まで這い出てきた悪魔と呼べた。

 

「な、なぁチナツ、アレって……。」

 

「ターキン先生ですね。間違いなく。」

(最初会った時と随分と様子が違いますが……。)

 

ここでチナツ視点のターキン先生のビフォアフターをお届けします。

 

初めて会った時

 

「人々を救うのが我が使命!」キリッ

 

 

「頭ねじ切っておもちゃにしてやる!!!」

 

なんということでしょう(戦慄)

 

 

 

「………!!」

「せ、戦車だ!戦車の大砲なら流石に。」

 

「なんだか嫌な予感が……。」

 

「ラーメンの仇だあああああ!!」 ゲシッ!

 

 

ドッカアアアアアアン!!

 

 

ターキンは出てきた敵戦車に怯むことなく突撃、ジャンプで砲塔めがけてドロップキックを繰り出した。そして脚部の「爆発ベント」が発動。

そこにデモリッションエキスパートとグレナディアの効果も合わさり凄まじい威力を発揮した。

 

「戦車がぁ!?」

 

「まあ、ああなりますよね。」

 

「は、迫撃砲なら……!」

 

ヒューーーーー………

 

 

ドッカーーーーーーーン!!

 

 

「直撃だ!やったか!?」

 

盛大なフラグである。

 

 

ガシャン、ガシャン、ガシャン………

 

「……。」\デーーーン/

 

平気な顔して仁王立ちしていた。

 

「傷一つついてない!?!?」

 

「 見 つ け た 。」

 

血眼で敵を殲滅していたターキンは遂にイオリ達の姿を捉えた、HUDのコンパスの表示によれば更に奥には彼女達の迫撃砲陣地も…。

 

「お前達か…!」

 

「ま、まt」

 

「問答無用!やれ!」ビシッ

 

彼はイオリ達にあえて直接手を下す真似はせず何かに指示を出した。

すると上から何かが忍が如く着地した。

 

「了解、交戦します。」ギラーン

 

そう言って現れたのは特別な改造が施された真っ黒なアサルトロン。

彼はN1-NJ4(ニンジャ)と呼んでいる。

 

スタタタタタタタッ

 

「お元気で。」バッ

 

 

ゴッ、メリィッ!!!

 

 

「ぎゃんっ!?!?」

 

 

素早く懐に潜り込んだN1-NJ4は必殺「鉄拳制裁 ― 爆殺ボディブロー ―」を繰り出し、イオリの鳩尾にクリティカルヒット!

 

彼女はそのまま迫撃砲陣地まで文字通りぶっ飛ばされた。

そして……

 

 

 

 

 

 

\ドゴオオオオオオオオオン!!!!/

 

 

 

 

 

 

 

大 爆 発

 

 

「………ッ。」サーッ(血の気が引く音)

 

なんとこのアサルトロン、ただのアサルトロンではない。

この機体には前回こっそり倉庫で試作していた()()()()が取り付けられていた。

その名も…… 爆 殺 フ ィ ス ト

 

FALLOUT:New Vegasを遊んだ運び屋はご存知だろうが、これは敵を殴ると拳に仕込んだプレートが作動して上に取り付けた装置からショットガンの散弾をお見舞いするというトンデモない代物なのだが。その中で更に凶悪な「ツーステップ・グッバイ」というDLC導入後に入手可能なユニーク武器が存在する。

 

さあこのツーステップ・グッバイ一体何が凶悪か、もうイオリがぶっ飛ばされた場面とこの名前で察しがつくだろうが。殴った敵に爆弾をつけその後爆破してしまうのだ。

まさしく爆殺フィストの名に恥じない爆殺っぷりだろう。※殺傷はしていません。イオリは生きてます。

 

今回の爆発はこの爆殺フィストが迫撃砲の砲弾に誘爆したことで発生した。

皆は間違ってもヘイローがない生身の人間にこれをぶち込むのはやめよう。ターキン先生との約束だよ。

 

そして場面は戻り、ターキンはチナツと相対していた。

 

「チナツ……。」

 

「申し訳ありません。」

「先生がそこにいらっしゃる事を知った瞬間、勝ち目はないと判断して後退するべきでした……私達の失策です。」

 

「………。」

 

彼が黙ってパワーアーマーから降りてるとアビドスの面々が集まってきた。

 

『アビドス対策委員会の奥空アヤネです。所属をお願いします。』

 

「それは…『それは私から答えさせていただきます。』

 

『通信……?』

 

(これまた奇妙な格好の生徒が出てきたな。)

 

「ア、アコちゃん……?」

 

「アコ行政官……?」

 

『あら、イオリ。どうしたんですかその姿、黒焦げですけど。』

 

「ロボットからボディブローを貰って気づいたら…。」

 

「全く……手当てするので大人しくしててください。」

 

(あのツインテールいつのまに、気絶させるつもりでやったんだが……上層部なだけの事はあるわけか。)

 

『コホン、では改めて。』

『こんにちは、アビドスの皆様。私はゲヘナ学園所属の行政官、アコと申します。』

 

アコ、またのなもゲヘナヨコチチハミデヤンのお出ましである。

ごめんなさい、作者がこの学名を一度でいいから打って見たかっただけです。

 

『今の状況について少し説明させて頂きたいと思いますが、宜しいでしょうか?』

 

「是非とも頼むよ、聞きたいことがたくさんあるからな。」ピキピキ…

 

ヘルメット越しでも青筋が浮き出ているのが気配で伝わる。

 

「先生、まだ怒ってるね。」

 

「大将のラーメン、凄く気に入ってましたから…。」

 

「ん、食べ物の恨みは恐ろしい。」

 

そんなやり取りに目もくれずイオリは必死に言い訳の言葉を探す。

 

「アコちゃん……その……。」

 

『イオリ。反省文のテンプレートは私の机の、左の引き出しにあります。ご存知ですよね?』

 

「………。」

 

イオリは煙の出る縮れ毛を頭に抱えたまま項垂れた。

それを………紫の影が背後から見つめていた。

 

「……。」

「ああ……。ああ、皆集まってます。」

「………チャンスですね。」

 

そう呟くとニヤリと笑みを浮かべながら彼女達の下へ忍び寄った。

 

「許せない……許せない……許せない……許せな―?」

 

「………あ。」

 

ふと周りを見渡していたら、ハルカと目があった。

 

「「……。」」

 

「……。」ペコリ

 

無言で見つめあっているとハルカがすごくいい笑顔で会釈をする。

思わずそのまま通り過ぎていくのを呆然と眺めているが……。

 

(ん?ちょっと待てよ?なんでアル達と一緒に居たはずの彼女がここに?それもロボットの監視の下だぞ?)

(やばい……が、怖いから見なかったことにしよう!うん!)

 

『行政官という事は……風紀委員会のナンバー2……。』

 

『あら、実際はそんな大したものではありません。あくまで風紀委員長を補佐する秘書みたいなものでして…。』

 

「本当にそうなら、そこの風紀委員会がそんなに緊張するとは思えない。」

 

「だ、誰が緊張してるって!?」

 

「……。」ギロッ

 

「ヒッ!」

 

「はんっ!ナンバー2に緊張してたんじゃなくて先生にびびってた訳ね!」

 

「は、はぁ!?別にびびってなんか……!そっちこそ後ろで突っ立てただけのくせに!」

 

「何ですってぇ!?」

 

「何だよ!」

 

バチバチバチバチ

 

ターキンは二人の間で電気が衝突してスパークが発生している幻視を見た。

 

「「うぅぅぅ…!!……ふん!!」」プイッ

 

「……。」

「さ、話を続けてくれ。」

 

彼女達を後目にアコに続きを催促する。

 

『……。』

『……そうですね、素晴らしい洞察力です。確か……砂狼シロコさん、でしたか?』

 

「……。」

 

『アビドスの生徒会は5名と聞いていましたが、あと一人はどちらに?』

 

「あいにく今は不在だ。取り込み中らしい、要件があるなら ピー(裏声) って発信音の後にメッセージを残してくれ。」

 

緊迫した状況で軽口を叩きたくなるのはウェイストラン人の性である。(多分)

 

『……それと、私達は生徒会ではないく対策委員会です、行政官。』

 

『奥空さん……でしたよね?それでは、生徒会の方はいらっしゃらないということでしょうか?』

『私は、生徒会の方と話がしたいのですが。』

 

このアコの発言、妙に癪に障るのは俺だけか?

俺が事情を知ってるからだろうか……。

 

「アビドスの生徒会はずっと前に解散したの!事実上私達が生徒会の代理みたいなものだから、言いたいことがあるなら私らに言いなさい!」

 

「あんな事の後に「お話をしましょうか~」なんていうのは、お話の態度としてはどうかと思いますけど。」

 

『ふふ、それもそうですね……。』

 

「あとその格好もだ。真面目な話をする時にそんな開けただらしない恰好をする奴がいったいどこにいるんだ?」

「行政官を名乗るくらいなんだから身だしなみくらいしっかりしてると思ったんだがな?[皮肉]」

 

消防服着こんだ教師にこれを言われたらものだからアコもたまったものではなかった。

 

『なッ!?……人のこと言える立場ですか!そんなコスプレみたいな服着ておいて!』

 

真っ先に彼の消防服を指摘するが……

 

「あいにくこれは前職の正装だ、それにそっちの砲撃のおかげで前の職場と同じ仕事する羽目になった。」

「『人命救助』って知ってるか?」

 

と、あっさりと返された。

 

『この…言わせておけば……!!』

 

「先生これでもかってくらい突っかかってますね。」

 

「そうとう頭に来てたんだろうね。」

 

「少し大人げない気が…。」

 

「まあそんなことはどうだっていい、話を続けてくれ。わざわざ服装の指導をされに通信をつないだわけじゃないだろ?」

 

『…いったいどの口が……!!』

『ぐぬぬぅ……!!』

『……はぁ、わかりました。……話を戻しましょう。』

『……先程の愚行は、私の方から謝罪させていただきます。』

 

謝罪ですんだら戦闘ロボットはいらないと思うんだが。

 

「なっ、私は命令通りにやったんだけど!?アコちゃん!?」

 

『命令に、「まずは無差別に発砲せよ」なんて言葉が含まれてましたか?』

 

「い、いや…状況を鑑みて必要な範囲で火力支援、その後に歩兵の投入……戦術の基本通りにやって。」

 

「基本に縛られるのは兵士として致命的だぞ。戦場の状況は変則的で常に変化する。なんでもマニュアル通りにやってたら勝てる戦争にも勝てない。臨機応変は基本だ。」

 

『ましてや他の学園自治区の"付近"なのだから、きちんとその辺りは注意するのが当然でしょう?』

 

「うぐぅ……。」

 

二人に説教されるイオリは苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

 

『失礼しました、対策委員会のみなさん。』

『私たちゲヘナの風紀委員会はあくまで、私たちの学園の校則違反をした方々を逮捕する為にきました。』

『あまり望ましくない出来事もありましたが、まだ違法行為とは言い切れないでしょうし……やむを得なかったということでご理解いただけますと幸いです。』

『風紀委員会としての活動に、ご協力をお願いできませんか?』

 

店一軒を木端微塵にしておいてまだ違法行為ではないなんてどういう了見だ?

服もおかしいなら頭もおかしいのかこの子は?

 

俺がつっこもうと口を開こうとしたが、アヤネがアコに食い下がりこの追及は見送られることになった。

 

『先程も言いましたが……そうはいきません!』

 

『あらっ……?』

 

『他の学校が別の学校の敷地内で、堂々と戦闘行為をするなんて!』

 

『自治権の観点からして、明確な違反です!』

『便利屋の処遇は、私たちが決めます!』

 

アヤネの毅然とした反論にシロコ達は無言で頷き肯定する。

 

『まさか、ゲヘナほどの大きな学園がこんな暴挙にでるとは思ってもみませんでしたが、ここは譲れません。』

 

『……なるほど。』

『そちらの方々も、同じ考えのようですね。』

『ふう、この兵力を前にしても怯まないだなんて……。』

『これだけ自信に満ちているのは……やはり、信頼できる大人の方がいるからでしょうか?……ねえ、ターキン先生?』

 

「何言ってるのかわからないな。君達の中隊は既に壊滅させた筈だ。」

「今更何ができるっていうんだ?」

 

『あら?私達がいつ、一個中隊が全戦力なんて言いましたか?』

 

「おいおい…まさか。」ジジーッ

 

嫌なタイミングでガッツィー大佐からの報告が入る。

 

『報告します!超大規模な兵力が接近中!現在確保した区画を防衛するのが現状やっとであります!』

『更に敵は多数の戦闘車両を投入!我々の装備では火力不足であります!』

 

(クソ、過剰な被害を気にして高火力の武装を取っ払ったのが運のつきか……。)

 

そしてアヤネからも。

 

『これは……約一個連隊の規模の兵士が集まってます!そのうちの一個大隊がこちらに進行中!』

 

ここで作者のちょっとしたミリタリー解説

軍隊の部隊編成の人数の振れ幅は大きく、隊によって大きく変動する。

例えば連隊でも軍によっては500~5000人程の振れ幅があるんだとか。(Wiki調べ)

 

因みに今回の風紀委員会の連隊の規模は1個連隊に付き約500人、一個大隊は100人としてる。

それでもうち4個大隊はロブコ社製の戦闘ロボットの相手をしているよ。

 

 

「……マジかよ。」

 

流石の彼も来れには少し焦りを覚えた。

 

『今ここで便利屋を引き渡せば、それで終わりですが……。』

『これらを前にしてもでも対策委員会と同じご意見ですか?先生。』

 

「先生ってのは夢を追う生徒の背中を押してやるのが仕事だ。問題児だとしてもな。」

「そんでもって、人様の土地に予告も無しにいきなり砲弾ぶち込むおバカさんを叱ってやるのも仕事だ。」

「……後はもうわかるだろ?」

 

『そういう訳で、交渉は決裂です!ゲヘナの風紀委員会、あなた方に退去を要求します!!』

 

『これは困りましたね……うーん……こうなったら仕方ありません。本当は穏便に済ませたかったのですが……。』

 

『………ヤるしかなさそうですね?』

 

「……おとといきやがれ。」

 

『ふんっ、その威勢がいつまで持つか見ものですね。』

 

「その間に服の採寸でもしてるんだな。」

 

『「…………。」』ピキピキ

 

そうしてお互いに怒りのオーラをぶつけ合っていた時

 

ダダダダダッ!ダダダダダッ!

 

「うわあっ!?」

 

ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

「ぐあっ!?」

 

激しい銃声と人の呻き声が聞こえる。

 

「今のは!?」

 

「許せない……!」

 

紫の影がイオリの背後から延び呪詛を吐くように囁く……そして

 

ダンッ!

 

「は!?」

 

 

「ッ許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!」

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

 

 

ダダダダダダダンッッ!!!

 

イオリが振り向いたその瞬間、足元へ一発。

そのまま姿勢が崩れた瞬間、胴、腕、頭部を一心不乱に銃撃。

バンプファイア*1を用いた000バックショット(以下000B)の高速連射が彼女を強襲した。

 

「……。」バタッ

 

00Bより一粒当たりの口径が大きい合計48粒の000Bの嵐はイオリの意識を奪うのに十分だった。

 

「噓をつかないで、天雨アコ。」

 

彼女の虚偽を指摘する声の先に居たのは

 

『あらっ?』

 

「偶然なんかじゃないでしょ、最初からあんたが狙ってたのはこの状況だった。」

 

どこからともなく現れたカヨコが淡々とアコに詰め寄る。

 

『カヨコさん……。』

 

「ハルカちゃんナ~イス☆」

 

「す、すみません!助けに来るのが遅くなりました……!」

 

「ちょっと待て、君達どうやってあのロボット警備を抜けてきた?」

 

「うあっ、あのえーとその…実はあの砲撃の後、爆発の影響で警備に隙ができてたのでそこを……。」

 

「君はニンジャか何かなのか!?」

 

そんな僅かな隙を見て仲間を連れて逃亡したことについて、彼は彼女のステルス技術を褒めるべきか自分の詰めの甘さを恥じるべきか悩んだ。

だが兎にも角にもここで便利屋との合流は好都合、更に風紀委員会の包囲網も崩れ一石二鳥だ。

 

「あいつら、いつの間に……。」

 

「……やるね。」

 

そんな会話をしてる間にアコに部隊長から通信が入る。

 

『申し訳ありません、行政官。相手がロボットをデコイにして…今から、もう一度包囲網を――』

 

『いえ、大丈夫です。大した問題ではありませんし。……それより、面白い話をしますね、カヨコさん?』

 

「……。」

「……最初はどうして風紀委員会がここに現れたのか、理解できなかった。」

「風紀委員会が他の自治区まで追ってくる理由、それも私達を狙って?」

「便利屋より問題のある部活は山ほどある。こんな非効率な運用、風紀委員会のいつものやり方じゃない。」

 

(便利屋よりも酷い部活!?近いうちに身に行かないとまずいかもな……。)

 

「だからアコ、これはあんたの独断的な行動に違いない。」

 

カヨコが話す衝撃の内容、なんと今回の襲撃、風紀委員長の許可も得ていない非公式な作戦だとカヨコは語った。

 

「な、なんだってー!?」

 

「先生。リアクションが安っぽいよ。」

 

「なんかアルちゃんみたいww」

 

「まあ、汎用性はありますね。」

 

「どんなフォローよ!?」

 

ばかばかしい会話を余所にカヨコは続ける。

 

『……。』

 

「それに、私たちを相手にするにしてはあまりにも多すぎるこの兵力。他の集団との戦闘を想定していたとするれば、説明がつく。」

 

「ハイテク兵器を積んだロボット軍団とか?」

 

『あれは流石に私も想定外です……。』

 

「……とはいえ、このアビドスは全校生徒集めても5人しかない……なら結論は一つ。」

 

大規模な兵力をアビドスに投入したアコの真の目的とは!?

 

 

「アコ、あんたの目的はシャーレ。最初から、先生を狙ってここまで来たんだ。」

 

「!?」

 

「「な、何ですって!?」」

 

陸八魔もセリカと被りながら登場。

 

「アルちゃんいつの間に。」

 

「先生を、ですか……!?」

 

「まーた私は狙われてるのか…(呆れ)」

 

何年もウェイストランドを旅してると何かの標的になるのはもう慣れっこだった。

 

『……ふふっ、なるほど。』

『……ああ、便利屋にはカヨコさんがいることをすっかり忘れていました。のんきに雑談なんてしている場合ではありませんでしたね…。』

『まあ、構いません。』

 

彼女が指を鳴らすと無数の足音とエンジン音が四方から響く。

 

 

「!?」

 

『12時の方向、それから6時、3時、9時、更なる兵力が四方から終結しています……!』

 

「どうやら雑談してる場合じゃなかったのはどうやらこっちの方らしいな。」

 

「……!?」

 

『周囲を取り囲む1個大隊…改めて見るととてつもない数ですね……。』

 

『本当は二重包囲にするつもりだったのですが、予想外の出来事があったので仕方ありませんね。』

『うーん……最初は少々やりすぎかと思いましたが……あのロボット達とシャーレを相手にするのですから、これくらいあった方がむしろ妥当でしたね。』

 

『ほら、大は小を兼ねると言いますし☆』

 

「ロボットの警備を抜けるだけでも手間取ったのに……!」

 

「なんかすまんな……。」

 

『それにしても、流石カヨコさんですね。先程のお話は正解です。』

『……いえ、得点としては半分くらいでしょうか?確かに私は、シャーレと衝突するという最悪のシチュエーションも想定していました。』

『しかし、この状況を意図的に作り出した訳ではありません。それだけは信じていただきたいのですが……どうやら、難しそうですね。』

 

かつて世界を燃やした人間も当時似たようなことを言っていただろう。

 

『仕方ありませんね。事の次第をお話ししましょう……きっかけは、ティーパーティーでした。』

『もちろんご存知ですよね、ゲヘナ学園と長きにわたって敵対関係ある、トリニティ総合学園の生徒会のことです。』

 

「まて、そんな関係聞いてないぞ。」

 

「え?キヴォトスじゃ有名な話なのに…。」

 

「つくづく私は情勢に疎いらしいな…。作業場に籠る前にニュース見る習慣が必要だな…。」

「それで、そのティーパーティーがどうかしたのか?」

 

『はい。そのティーパーティーが、シャーレに関する報告書と、シャーレの教員たち内の一人と協力関係にある……と。そんな話がうちの情報ぶから上がってきまして。』

 

「なっ!?」

 

先生はあの時のヒフミの言葉を思い出した。

 

「戻ったら、この事実をティーパーティーに報告します!」

 

それと

 

「今日は本当にありがとうございました!今日の事、他の先生にも相談してみます!」

 

という言葉を――。

 

「……。」

 

『当初は私も「シャーレ」とは一体何なのか、全く知りませんでしたが……ティーパーティーが知っている情報となれば、私達もしる必要があります。』

『それで、チナツさんが書いた報告書を確認しました。』

 

報告書、まさかシャーレ奪還の時の……。

 

チナツは(確認するのが遅くないです……?)とアコのルーズさに呆れた。

 

『連邦生徒会長が残した正体不明の組織……大人の先生達が担当している、超法規的な部活。』

『どう考えても怪しい匂いがしませんか?』

 

「まあ…確かに。」

 

『シャーレという組織は、とても危険な不確定要素に見えます。これからのトリニティとの条約にも、どんな影響を及ぼすのか分かったものではありません。』

『その先生達の内の一人は私たちの庇護下にいます。』

『それはトリニティ側も同じようですが……。』

『……ですからターキン先生もせめて条約が締結されるまでは、私たち風紀委員会の庇護下にお迎えさせていただきたいのです。』

『ついでに、居合わせた不良たちも処理した上で……といった形で。』

 

「……。」

 

「便利屋はあくまでここに乗り込むための建前ってわけか……そんであわよくばとっつ構えて二度おいしい…と。」

「それにしても銃や砲を突き付けて「庇護下にお迎え」とは随分な歓迎ぶりだな……。」

「要はいつどこでなにをしでかすかわからない連中を体よく自分達の監視下に置きたいわけだろ?」

「はぁ……馬鹿馬鹿しい。」

 

彼は彼女の計画のその一言で片づけてしまった。

 

『まあ、先生にとっては唐突な話ですからそういう反応をされることも無理はありません。』

『ですが……』

 

「言っとくがどれだけ言っても無駄だ。断る。」

「だいたい今はこの学園の件で取り込み中なんだ。そこに余計な問題を増やしやがって……。」

「それにお気に入りのラーメン屋も潰された!」

 

「そうよ!あんたたちが撃った迫撃砲のせいで紫関ラーメンが……大将が……!!」

「くぅっ……!!」

 

『「「……!」」』

 

ノノミとシロコ、そしてアヤネは怒りと悲しみで震えるセリカの声を聴き決意を固めていた。

 

「いずれにせよこの落とし前はつけてもらう。覚悟しろ。[敵対]」

 

彼も既に腹を括っていた。

 

『……ふふ、やっぱりこういう展開になりますか。では仕方ありませんね、奥空アヤネさん?』

 

『……?』

 

『ゲヘナの風紀委員会は、必要でしたら戦力を行使することもあります。私たちは一度その判断をすれば、一切の遠慮をしません。』

 

『……!!』

 

その言葉を聞いたアヤネの顔に緊張が浮かび上がる。

 

その様子を、便利屋達は陰で見ていた。

 

「社長、逃げるなら今しかないよ。戦闘が始まったら、もう後戻りはできない。」

 

カヨコはアルにアビドスを囮に逃げることを進言する。

 

「風紀委員会はきっと、アビドスと私たちを同時に殲滅するつもり。でもアビドスがあっちの気を引いてる間になら、包囲網が薄いところから突破―「……ふふっ」

 

「ふふっ、ふふふふっ。」

 

彼女は焦る部下を余所に邪悪な笑みを浮かべた。

 

「……社長?」

 

「……ねえカヨコ、あなたはもうとっくに私の性格、分かってるんじゃなくて?」

 

「……?」

 

困惑する彼女にアルは語る。

 

「こんな状況で、こんな扱いをされておいて……背中を向けて逃げる?」

「そんな三流の悪党みたいなこと、私たち便利屋がするわけないじゃない!!!」

 

「……あはー。」

 

ムツキは彼女の言葉に笑みを零す。

そして……

 

 

 

「あの生意気にな風紀委員会に一発喰らわせないと気が済まないわ!」

 

 

 

とアルは啖呵を切って見せた。

土壇場で姿を顕すその度胸をこそが彼女の根底にある『真のカリスマ』なのだろう。

 

 

「アル様……っ。」

 

(この間、すぐに逃げなかったっけ……)

「ふう……それは良いけど、あの兵力と真っ向から戦う気?アビドスと力を合わせてもギリギリだと思うけど……。」

 

「そもそもアビドスが私たちに協力してくれるとは思えないし……となると……」

 

とカヨコが思っていたのも束の間――

 

「よっし、便利屋っ!挟み撃ちするわよ!!この風紀委員会、コテンパンにしてやらないと!!!」

 

「先生の盾になってもらう。」

 

「!?」

 

「生徒を盾にするくらなら私が肉壁になる。」

 

「!?!?」

 

「とんでもないこと口走ってますよ先生。」

 

『先生なら本当にやりかねないのでやめてくださいね。…本当に。』

 

『便利屋、力を貸してくれれば店に仕掛けたC4は見なかったことにしてやる。戦闘に備えろ。」

 

「あはは…やっぱりアレ、バレてたんだ……。」

 

「まあな。」

 

「話が早いな…………。」

 

急な展開についていけないカヨコだった。

 

「ふふっ……あははははははっ!」

「当たり前よ!この私を誰だと思ってるの?心配は無用!」

「信頼には信頼で報いるわ!それが私たち、便利屋68のモットーだもの!」

 

「はい!!先生には私たちも色々とお世話になりましたので!絶対に成功させます……!」

 

「頼もしい限りだな……本当に……。」

 

『うーん……まあ、これはこれで想定していた状況ではありましたが……。』

『それにしても、ここまで意気投合が早いとは……その点は予想外でした。』

『……まあいいでしょう、それでは。』

 

彼女が攻撃の合図を送ろうとしたその瞬間

 

『待って。』ザザ――ッ

 

 

第三者の通信が突如として入った。

そして次の瞬間、衝突間近だった状況がその存在で一変した。

 

 

『……!?!?!?』

 

「「「「……?」」」」

 

 

『……アコ。』

 

 

その通信者の正体は……

 

 

『…ひ、ひ、ヒナ委員長!?』

 

「は?」

 

「ひ?」

 

「ふ?」

 

「ふぇ?」

 

「ほう?」

 

 

映し出されるその姿はまるで幼子のようだが、そのヘイローと翼が厳かな雰囲気を纏い、そして空を切り裂くような鋭い視線は彼女の威厳をこれでもかと知らしめた。

 

 

その正体は、ゲヘナ学園風紀委員会トップ、学園最強と生徒から畏敬の念を陰ながら抱かれる存在―

 

『空崎ヒナ』だった。

 

「委員長?」

 

「あ、あの通話相手が……?委員長ってことは、風紀委員会のトップ……?」

 

そしてターキンの方を見てみると……

 

 

ブロロロロロロロロ……

 

 

「そんな……馬鹿なあり得ない…………!!!!」

「アレは…アレは………!!!!!!」

 

そんな筈はない、絶対にない。しかしそこにある。

見間違いだと思った。しかし見間違う筈がない。

 

彼は最早、かの風紀委員長の存在など気にしてはいられなかった。

何故なら彼が見つめる空には……それがあったから。

 

 

 

「…ベルチバード…………!!」

 

 

 

 

その日、彼らの運命が大きく変わった。

*1
銃の反動を利用しセミオート銃をフルオートの様に連射するテクニック




感想、なかなか返信できてませんがちゃんと読んでます。
通知が来る度開くのに緊張しますが暖かいコメントが多くて助かります。
それではまた次回。

今回も読んでいただきありがとうございます。
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