Fallout76 -once in a blue archive-   作:egguimen

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続きでございます。
少年ジャンプくらい伸ばしてるかもしれませんがあともう少しで決着です。
どうか、お付き合いください。


Vats of blood

 

カイザーPMCの[生徒の教育に悪い為規制]の頭をねじ切りまくったアパラチア人ことシャーレの先生達は残党を一掃するべくアビドス対策委員会と合流しようとしていた。

その頃の対策委員会の生徒達はというと…

 

「はああああああっ!!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

 

「ぐわあああっ!!」

 

「なんだアイツの弾、デバステーターの装甲を貫通してるぞ!?」

 

「ふんっ!ざまあないわ!!」

 

セリカは募り募った鬱憤をマガジンに込めて徹底的に敵を葬り去り…

 

「今までの分まとめてお仕置きしちゃいます!」

「いっきますよー☆…えいっ!」

 

バララララララララララララララララララララッ!!

 

ノノミは満面の笑みでリトルマシンガンVでデバステーターだろうが何だろうが構わずなぎ倒し…

 

『離れてください、爆弾投下!』

 

ドドドドオオオオオオン!!

 

アヤネはVaultからカーゴボット4台を巧みに操縦し2台のタレットの機銃掃射で敵部隊を牽制、更にもう2台の方に取り付けられたオートグレネードランチャーで隠れる敵達を空爆。ベルチボットとも連携し彼女はこの夜空の支配者となっていた。

出来上がった大量のクレーターは今後の地盤の状態に懸念を抱くことになるだろう。

 

戦果を挙げ続ける生徒達の中でもシロコは暴れっぷりが特に凄まじく…

 

ダダダダダダダダダダッ

 

ドドドドドドドドオオオオオオン!!

 

「くそ、あれじゃまともに近づけな……―――っ!?!?!」

 

「ん、滅っ!!」

 

ガッシャアアアアアアン!!

 

「お見事ですシロコさん!これでオートマタ35体をその斧で仕留めた事になります!」

「ターキン先生もさぞや鼻が高いことでしょう。」

 

「ん………それほどでも///」

 

セバスチャンはシロコの身のこなしを高く評価していた。

実際、あんなパワーと修羅場の経験だけで成り立っている荒唐無稽自由奔放な戦術を真似ようとする人間は彼女くらいのものだ。

 

「カイザーと戦ってる時の先生の動きをしっかり見てて良かった。」

 

シロコはなんとターキンのあのとち狂った戦術を真似てVaultで見つけた万能斧で敵の首を刎ねて回っていた。

WHITE FANGとロケットドローンによる牽制射撃で敵の意識をそれらの遠距離攻撃に向けさせた後、現代の銃撃戦で用いられることはほぼあり得ない斧を用いた近接格闘を仕掛ける。そんな敵の意表を突く搦手を主体とした戦術はある意味ではターキン以上に脅威となりつつあった。

そんなわけでアビドスの生徒達はカイザーが積み重ねてきた黒く淀んだ年貢を納めさせる為スクラップの山を戦場に築き上げていた。彼女達も徐々に最強の戦闘民族ことレジデントの影響を受けつつあったのだ。

その中でもその変化が著しいのが彼女であった。

 

「でもまだターキン先生には追い付けない…先生の間合いはもっと広かった。」

「もっと刃の距離感を意識しないと…。」

 

自分の先までの戦闘を振り返り自省していたのも束の間…

 

「いたぞ!対策委員会め、これでも喰らえーっ!!」

 

ドシュ―――ッ!

 

「!!」

「いけませんシロコさん、伏せてっ!!」ヒュッ!

 

「え………―――っ!?」ドッ!

 

 

ドオオオオオオオオオオオオン!!

 

 

PMCの放ったロケットが炸裂し爆炎が舞い上がった。

 

 

「シロコちゃん!?」

 

『シロコ先輩!!』

 

「あいつ!よくもシロコ先輩を!!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!

 

「うんぬぅっ……!!」

 

状況を把握したセリカは、すぐさまクズ共に報復攻撃、全弾頭部にクリティカルヒットした。

直ぐに周囲の安全を確保してシロコの下に駆け寄った。

 

「シロコちゃん、大丈夫ですか!」

 

「ん…ノノミ……あれ?なんともない……。」

 

幸い、奇跡的にシロコには傷一つなかった。だがしかし……

 

『そんな……ひ、酷い。』

 

「っ!!?」

 

青ざめた表情を浮かばせている彼女達が見つめているのは、前面に大きな穴が開き煙を上げ力なく横たわっているセバスチャンの姿だった。

 

「ごggggご無事でdddしたkkkkkkかっかかかかっかかかかkkkkkkkk……」

「よっよっよyyyyyよかったtttt……。」

 

「そんなセバスチャン、どうして!!」

 

 

その時、セバスチャンの中に眠るターキンとのある日の記憶が読み込まれる。

 

 

 

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

 

深夜のアビドスの校舎、机が一つだけしかない職員室で小さな灯りを頼りにターキンは書類作業に勤しんでいた。

 

「旦那様、まだこんな時間まで仕事をしておられるのですか?」

「そろそろ休まれた方がよろしいかと。無理は禁物といいますでしょう。」

 

「すまないセバスチャン、これが終わったら寝るから……。」

 

「その発言、今週に入ってもう23.5回目ですよ。」

 

0.5の部分は半分言った時に睡魔で気絶した時にカウントされたものである。

 

「仕方ありませんね……コーヒーを入れてきましょう。いつも通りでよろしいですか?」

 

「ああ……いや、やっぱり少し砂糖を入れてくれ、頭の糖分が切れてきた……。」

 

「かしこまりました。直ぐに用意してまいります。」ス―ッ

 

数分後にセバスチャンがコーヒーで満たされたマグカップを持って戻ってきた。

マグカップにはペンで「#1 TEACHER」と手書きされている。

 

「お待たせしました。さあ、冷めないうちにどうぞ。」

 

「どうも。」ズズーッ

「……うん、やっぱりうまいな…。」

 

少し甘めのブラックコーヒー。その懐かしい味は…消防局にいた頃を思い出す。

いつもミュータントと自分の血で消防服を汚して帰って来ると、部下が必ずこの一杯を入れてくれた。

そのたびに無茶しすぎだと小言を言われてたなぁ。……本当に…懐かしいよ。

 

「……。」

 

俺が束の間のコーヒーブレイクの最中にアパラチアでの思い出にぼーっと耽っている時だった……セバスチャンが俺にこんな事を訊いた。

 

「思ったのですが…通常の書類業務なら、シャーレのホプキンスさんに任せれば良いのではないでしょうか。その為に彼を置いてきたのですから。」

 

「通常ならな。……ただ俺がここで今書いてるのは連邦生徒会への申請書や許可願、あとはアビドスに関する報告書とか現場にいる俺本人が記入しないといけないモノなんだ。俺がホプキンスに任せてるのは会計とかグラフ作成みたいな書類作成とか代理できるものだけだ。」

 

「そういう事だったのですか。」

「それで、その申請書や許可願というのは?」

 

「………まだ秘密。」

 

「理由をお伺いしても?」

 

「まだ話せない、でも近いうちに話すよ。」

 

これがアビドスVault建設に必要な書類だったという事はVaultが完成した時に教えた。

その後、ようやく仕事がひと段落した時、セバスチャンがまた俺に訊いてきた。

しかし、それは何とも面白い質問だった。どうにもロボットらしくないというか…。

 

「旦那様、常々疑問だったのですがどうしていつもこんな夜遅くまで仕事をなさるのですか?」

「日中ですら生徒の授業や、武器の整備などで休む時間などほとんどないというのに。」

「あなたはロボットではなく人間です。人間という生命体は普通、機械と違って睡眠食事など様々なプロセスを通じて生命を維持しています。」

「私は体内の核融合バッテリーのおかげで24時間365日稼働できますが…。」

「旦那様…そんな生活を続けていればいつか体を壊してしまいますよ?」

 

「そうだな…お前の言う通り。こんなこと続けてたら体がもたない…。」

「だがそれはあの子達も同じ事が言える。言えてしまうんだ……。」

「追い詰められて…それでも懸命にもがいてる………昔の俺達みたいに…。」

 

思い出すはアパラチアでの無情で殺伐とした日常…。

そこには、安息なんてなかった。休む時間はあっても、安心なんてなかった。

故に彼の動機も決意も常に不変だ。

 

繰り返す過ちを糧に、未来を彼女達に繋げる。

いつか犠牲者達の魂が報われると信じて。

 

「……俺は何が何でもあの子達を助けたい。」

「あの子達が理不尽に苦しむことなく、最大限笑って過ごせるようにしてあげたい。」

「その為には…こういして多少でも無茶しないといけない…俺はマンタマンとかグロックナックみたいなヒーローじゃないからな……。」

 

「…………。」

 

セバスチャンは彼の回答に要領を得ていないようだった。

 

「旦那様、失礼を承知の上申し上げます。」

「どうやら私のCPUではあなたの過剰な利他的行為を理解するは難しいようです……。」

「申し訳ありません。」

 

「別に謝る事じゃないさ、セバスチャン。」

「人間だって人間の全てを理解することはできない……。」グイッ

 

そう言うと、ターキンは残ったコーヒーを一気に飲み干した。

 

「さて、仕事の続きに戻るか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

(もしあの時私がシロコ様を庇わなかったら、生徒達は笑顔で過ごせなくなっていた筈です。)

(そうならなくてよかった。本当によかった。)

(旦那様、あなたがあの時仰っていた事…今ならよく理解できます。)

 

「あaaaaaあなたあなたあなた方は『旦那様』のdddddddだだ大事なせせせせせsssss生徒生徒生徒生徒生徒でddddす」

「そのiiiiiiiii命を託された託された託されtのででですからrrrrr守るのがgggggしししssss執事執事であるわっわわ私の役目mmmでででです…たったtttたとえこの体が破壊されてももももmmm」

「エラー:メモリーに異常を検知。システムを強制終了します。」

「……………………」

 

セバスチャンにとってターキンはただ自分に命令を下す有機生命体などではなかった。

彼は道徳を重んじ、他者の為に献身を尽くし、使命にただひたむきに順ずるターキンのその姿に、プログラムには存在しなかった深い尊敬と敬意を抱いていた。そこから来る忠誠心だけは……1と0では表現できなかった。

彼の中で構築された人格サブルーチンはいつしか心となっていた……。

 

『セバスチャンさん………。』

 

「そんな…こんなのってないよ……。」

 

「……っ。」

 

セバスチャンは主人の為に最期まで己の使命を果たし機能を停止した……

 

 

 

かのように思われた。

 

いつしか彼の下には、ターキンの友である教師達が集まっていた。

 

「全く、本人がお人好しならそのロボットもお人好しかよ……。」

「だが嫌いじゃない、むしろ大好きなくらいだぜ…その心意気。」

 

「己を顧みず主人の命令をその身を擲ってまで遵守するその姿。」

「神様もあるいはお前を愛するかもな……。」

 

「見上げた忠義だ。セバスチャン。」

「その気高さに、ナイトとして最大の敬意を払おう。」

「……アド・ヴィクトリアム。」

 

「よくできた人格サブルーチンだな……。」

「正式な陸軍兵士だったら2階級特進と名誉勲章間違いなしだ。」

「諸君、後は私に任せておけ。彼女たちを頼む。」

 

「了解。」

 

「ペスコフ先生?」

 

「それにグーンズ先生、オズワルド先生、エドワード先生まで……。」

 

「やあ、さっき向こうのの狩りが済んだから、君達の援護に来たんだ。」

 

「にしても随分と派手に暴れたようだな…ご苦労だった。」

 

生徒と先生達を余所にペスコフは黙々とセバスチャンの状態を確認している。

 

「さてさて……こりゃ派手にやられたな。ロケットをぶち込まれたか……でもまだ内部は平気そうだな。」

「あっ、少しメモリパックがズレてるな……。」ガチャガチャ……

 

「どうだ?修理できそうか?」

 

「ああ、幸い回路自体の損壊はほとんどなかった。後はアームに少しグリースをさして…っと。」

「ギアーズ、アームのスラスターでここを溶接してくれ。」

 

グーンズは了承するとセバスチャンの前に屈み、右腕のスラスターを点火した。

 

「少し離れててくれ。」

 

ジジジジジジジジジィ―――ッ

 

「…よし、これでいいか?」

 

「パーフェクトだよく見ないとどこが繋ぎ目かわからんくらいだ。」

 

「先生、ロボットの修理できるんですか?」

 

「勿論。機械工学は私とグーンズの得意分野だからな。」

「それに私達がいない間ターキンを世話してくれた借りだってある。」

「私なりのちょっとした恩返しさ。」

 

「ペスコフ先生…。」

 

彼の義理堅さに少女たちは思わず目を潤ませた。

が、それは次のペスコフが取った奇行で一瞬にして乾いた。

 

「よぉし後は再起動するだけだな。」

「景気付けだ。せー……のっ。」ッガアアアアン!!

 

彼は起動と称してセバスチャンを思いっきり蹴り上げた。

これには対策委員会の面々も目を丸くし仰天する。

 

「ふぁ!?」

 

「先生一体何を!?」

 

『折角修理したのにまた壊すつもりですかっ!?』

 

アヤネはたまらず問い質した。

 

「まあ皆落ち着いてくれ。…ペスコフの奴、先に説明すれば余計な誤解を生まずに済んだのに。」

 

「す、すまん、ロボットとなるとつい癖で……。」

 

「これ実際、傍から見たら中々ヤバい事してるように見えるんだな…。」

 

「まあとにかくこういう事だから心配はいらない。我々の間では蹴って起動するのが普通なんだ。エンジンを始動させるようなものだよ。ロボットの電源はボタンは妙に固いからな。」

 

そんな荒っぽいことするのは少なくともこいつらだけである。

っということで、ペスコフの修理の甲斐もあって………

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

「…………おや?」

「私、まだ動いてます!」

 

「セバスチャン!!」

 

「セバスチャンさん!!」

 

ガバッ!!

 

「おおっと!?」バッ

 

起動した瞬間、状況を呑み込めていないセバスチャンにノノミ達は感涙を流しながら抱き着いた。

 

「よかった~~~!!」

 

「もうダメかと思ってました……。」

 

「ごめんなさい……セバスチャン、私があいつらに早く気づいてたら………。」

 

シロコは自分が油断しなければと…セバスチャンに詫びた。

彼はそれを優しく許し、諭した。

 

「お気になさらないでください。失敗は誰にでもあります、そこから学べばいいんです。」

「………というかそんなことはいいんですよ!」

「皆さん気を付けてください!急に抱きつかれたらアームのブレードが当たってしまいます!!」

「厚さ15㎝の炭化チタンを一瞬で切断してしまう切れ味なんですよ?」

 

「「ひえっ……」」ササッ

 

恐ろしい警告を耳にした彼女達はすぐさまセバスチャンから離れた。

 

「ふう……それにしても機能停止してからそれほど経っていませんね?」

「どなたが修理してくださったんです?エンジニアがいるなどと報告では聞いてはいないのですが…。」

 

「私だよ、セバスチャン。」

 

「なんと!これはこれはペスコフ将軍、あなたでしたか!」

「ああ、なんと感謝を申し上げたらいいか…!」

 

「礼には及ばない。」

「寧ろ礼を言うのはこちらの方だ生徒達を守ってくれてありがとう。」

 

「そんな、私は旦那様に仕える身として当然の責務を果たしたまでの事です。それこそ礼には及ばないというものです。」

 

セバスチャンの謙虚さに感心していた僅かの瞬間………

 

「おい!アレを見ろ!!」

 

グーンズが目にしたのは大通りを行進するオートマトン達の姿……

 

「アレは………。」

 

通常の歩兵達とデバステーター、そして多数の武装ドローンからなる中隊とオートマトン達と同じように神秘で強化された重・巡航戦車とアパッチ、構成された機械化小隊……

 

奴等は以前にターキンが一人で壊滅させた戦闘車両を用いた電撃戦を得意とする機動部隊……オスカー中隊の残骸と共に増強、再編成されたカイザーの新設部隊……「グラッジ・レジメント」

ねじ止めされた髑髏を部隊章とし、縁には「Remember oscar unit」と刻まれている。

奴等(オスカー)の怨念は、生徒達の魂を贄として復活し、レジデント達の前に再び姿を顕した。

全てはオスカーの復讐を遂げる為。

 

We are the representatives of the grudge left behind by Oscar's troops.

We will expose your heads before the eyes of our hated Godfrey.

Our will is harder than steel, and no one can restrain it.

All troops advance. Destroy the nemesis before you with a boiling vindictive.

We Rip apart, rage against, devour, and roar against.

 

それを目にした対策委員会は全身の毛が逆立つような感覚に襲われる。

その存在に、本能的に恐怖した。彼女達は無意識に彼奴らの水面下で行われる非道を感じ取った。

 

「…アレが彼が言っていた怪物…ターキンは今、奴等と独り孤立無援の中で戦っているのか……!!」

 

「アイツら………正真正銘のクズだぜ。」

 

「生徒の恐怖を貪る下賤な悪魔め……原子も残ると思うなよ………。」

 

「悪逆非道な技術で生み出された邪悪なロボットめ、B.O.S.のナイトの誇りに懸けて貴様らは必ずこの手で殲滅してやる!」

 

生徒が怯える一方で、レジデント達は尽きることがない怒りと憎悪の火花を激しく散らしていた。

奴等の頭上に浮かぶヘイロー、それが存在する意味がろくでもない事はもう自明の理だろう。

故郷で見てきた過ちに満ちた過去、それを奴らはこの世界で繰り返していた。

教師達の意志はその瞬間に統一された。

 

 

絶対に生徒を犠牲にはさせない。

 

 

 

ペスコフはロボット達に指令を下す。

「ブラボー部隊に通達、我々はこれよりグラッジ・レジメントに対し殲滅作戦を敢行する。」

「それに伴い諸君らは作戦エリア内にいる生徒を全員アビドスVaultへ避難させ守りを固めろ、そこをクラスA最重要防衛施設に指定する、なんとしても死守せよ。」

「……命令は以上だ。」

 

「命令を確認、実行開始します。」

「それでは将軍、ご武運を!」

 

「ああ、任せておけ。」

「パトリオット、オーバー。」

 

ロボット達に生徒達を託し、今一度敵と相対する。

 

「こいつら〆たら次はターキンのとこに行くぞ。」

 

「ああ。」

 

「久々に腕が鳴るぜ……。」

 

「アド・ヴィクトリアム(激昂)」

 

(待っていてくれターキン……もう死なせはしない!)

 

 

 

 

 

―───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

I don't want to see tomorrow, unless I see it with you.

 

Tomorrow, so they say Will be a lovely day, A bright new sun will suddenly break through,

But I don't want to see tomorrow, Unless I see it with you.

 

Tomorrow, so I hear The clouds will disappear, The door to happiness will open wide.

But I don't want to see tomorrow, Unless you're there by my side.

 

Don't want to walk alone,

Don't want to dream alone,

 

Just want you close to my heart.

For if your love is gone, How can I face the dawn of Sunday, or Monday? I just can't face one day...

Until you say you're mine, Oh, darling, please be mine And make each bright tomorrow young and new.

 

But I don't want to face tomorrow, Unless I see it with you.

 

Tomorrow, so I hear The clouds will disappear, The door to happiness will open wide.

 

 

But I don't want to see tomorrow, Unless... I see it with... you...

 

 

< Nat king cole : I don't want to see tomorrow >

 

 

 

 

 

 

君のいない明日など迎えたくない。

 

 

 

 

ホシノ……彼女達に君がいない明日を迎えさせるくらいなら私は……

再び得たこの命だって惜しくはない……。

 

 

 

 

 

だが、君達を置き去りにして逝くことなんてできない。

絶対に生き延びる……そしたら、一緒に……夜明けを………

 

 

 

 

 

 

 

「しつけぇなぁ………!」

「いい加減、道を開けろ……。」

 

[BUILD:HEAVY GUNNER]

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

 

 

ヅダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダンッ!!

 

 

「俺の生徒を返せえええええええええええええっ!!!」

 

 

ターキンは築き上げた残骸の山から敵をファイナルワードで片っ端から一掃しようとする。

その山を築くのに破壊したオートマトンの数は実に278体。

それだけ大量の敵を倒してきたにも関わず、敵は要塞から止めどなく現れる。

オートマトン達はどこまでも執念深く彼の魂を鎌にかけ刈り取ろうと襲い来る。

 

そんな連中を相手にし続けていると…彼にも疲れが見え始める。

ファイヤーブリーザーの隊服には所々傷が見え始め、そこから血が滴る。

 

我らの偉大なるカイザーの為に。

 

 

FOR KAISER!!!

 

 

グサアアッ!!

 

 

 

背後から、オートマトンの朱に染まり淡く輝く凶刃が遂に彼の制服を貫いた。

そして滴る血で更に朱を重ね、光に影を落とす。

 

ターキンが衝撃を感じた数刻の後、裂傷から痛みが滲みだし、神秘が熱を纏わせ苦しめた。

 

「っがああああああああああああっ!!?」

 

痛い、辛い、苦しい、とても耐え難い………

 

だが生徒はそれ以上に長く苦しんでいる。

ここで止まる理由はない。戦え、彼女を救い出すまで、お前は戦わなければならない。

どれだけ苦痛を繰り返そうとも、止まるな。お前はレスポンダーのファイヤーブリーザーだ。

その身を業火で焼かれようと、お前には救いを求む彼女達の声に応える責務がある。

 

 

「こん畜生があああああああああっ!!」バッ

 

ガッシャアアアアアアアン!!!

 

彼は居合の様に斧を振り抜き、奇襲したオートマトンを壊した。

その隙を奴らは決して見逃さない。

 

 

[<!>FIRE<!>]

 

 

デバステーター・デモリッシャー達が彼がいる頂上を標的にロケット弾の集中砲火を浴びせた。

 

「!!」

 

ああ、神よ。

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

 

「ここで死んでたまるかあああああ!!!!!」

 

彼の断末魔は、赤い閃光を放つ爆風でかき消された。

その体は空を舞っていて……

 

 

「ウッ………」ドサッ

 

 

落下の衝撃で打ち付けられ砂塵が舞い上がり、体が砂丘を転げ落ちる。

ヘルメットはひび割れ、虚ろな瞳が奥から覗いていた。

 

力が……入らない……。

 

気がつけば要塞から叩きだされていた…遠い………。

 

………あっ、砂ってこんな柔らかかったんだな…知らなかった。

…いや、どうでもいい………スティムパックは…。

 

プスッ

 

「………もう少ないな」ムクッ

 

彼がこの戦闘で使用したスティムパックの数、111本。

この本数だけ、彼はオートマトンに殺されかけていた。

どれだけ力を持とうとも……所詮は一人の人間だったのだ。

 

「………うーん…。」グッ

「っ痛…!……でも行かなきゃ……行かなきゃ……また、あそこへ…。」

「待ってる……ホシノが……生徒が………行かなけ……れば…。」

 

先の攻撃で死の一歩手前まで追い詰められ、一回の投与では完治しなかった。

 

「もう一本……いや、まだ戦える…温存を……ああ、痛い。」

 

負傷と再生、苦痛の繰り返しは脳に負荷をかけ、思考が朧がかかり始めている。

 

脚に力が入りにくい、でも歩こう。

腕が重たい、でも武器を持とう。

 

生徒が待っている。

 

ターキンはもう10歩を歩くのに1分かかっていた。

オートマトン達が準備するのには十分すぎた。

 

「………は?」

 

We will win this battle tonight.

We will decorate the gates of Potestas with your intestines.

We will raise your head in the Tower of Authority and make our greatness known.

The responder will save nothing, but be reduced to sand and ugly flesh and blood.

No one can stop the advance of the automatons.

And we it will multiply again. The Kaiser will spread and become mighty.

Kaiser will almost become a ......... god.

 

 

姿を見せた奴らの底知れぬ軍事力……重戦車15台、アパッチ8機……。

更にファクトリーと一体化した重武装のAPCトラック26台。

それらが全て、神秘の力を宿した自立兵器。

 

それら取り囲むように、最早数えるのが馬鹿らしく思えてしまうほどの大量のオートマトンとデバステーター達が取り囲んでいた。

 

しかし、ターキンは歩くのをやめない。

いや、だからこそターキンは歩き続けた。

奴等の数だけ、生徒がそこで苦しめられている。破壊しなければ………全て!!

 

ザッ……ザッ……

 

滴る鮮血が砂を朱に染めていく。

命を削りながら、彼はその斧を引き摺り乍ら猶も進んだ。

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

「返せ…………返せ……!!」

「ホシノ達…を……返せええ……カエセエエ……!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ては生徒の為に

 

 

 

 

 

 

「カエセ……カエセ…セイト……カエセ…………。」

 

敵は凄まじい執念でターキンを追い詰めた、しかし彼もまた執念深く生徒の為に奮い立つ。

互いの執念の拮抗に彼らは莫大な戦力を投じることで優位性を取った。

それでもなお進もうとする彼に、奴らはトドメを刺そうとする。

先頭に立つオートマトンが一斉射撃の合図を送ろうと左腕のブレードを振り上げた。

そして、斧を持った死刑執行人の様に勢いよく振り下ろした次の瞬間………。

 

 

DIE GODFREY.

 

 

 

 

 

ッチュドオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

 

 

 

 

 

オートマトン達が爆発した。

 

「………………?」

 

 

「あなた様…ここにいらしたのですね……独りで…………。」

 

後ろから、少女の悲哀と憐れみが混じった声がする。なぜ、ここには私しか…………。

 

ターキンはその声の主が誰なのか知る為に、ゆっくりと振り返った。

彼は開くのがやっとだったはずの目を大きく開いた。

後ろでは、狐の面の少女が、こちらをじっと見つめていた。

その子は………

 

「………ワカモ…?」

 

「嗚呼、あなた様……ずっとお会いしたかった…。」

 

 

 

これは…………非常に不味い状況だ……とても、とても不味い。




っということで今回はアビドスの用務員兼執事ことセバスチャンにもスポットを当ててみたりしました。
更に先生組は超マジ切れモード、オートマトン君。相手を間違えちゃったね?

ターキンは大ピンチですがその間にとんでもないキル数を叩きだしています。
そのキル数だけ囚われた生徒の苦しみは確実に減っています。
そしていよいよ災厄の狐ワカモがアビドス戦争に乱入しました。
これは波乱の予感がしますねぇ。

それでは今回も読んでいただきありがとうございます。
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