Fallout76 -once in a blue archive-   作:egguimen

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最近76にPCのスペックがおいてかれつつあり額に汗を滲ませております。
釣りするだけででFPS30って何!?

一方ブルアカでは限定すり抜けた代わりにようやくワカモをお迎えしマスタ。
不幸中の幸いとはこういう事を言うのでしょう。

それはそうと、ビナー戦が大分長丁場になってて冷や汗ダラダラになっています。
なんとかあと1,2話くらいで終わらせたい!そして早く次の章書きたい!


そんな前書きはここまで!それでは本編どうぞ!


Envoy ex machina part2 : Stand on the sand

 

 

ターキンたちが地下を封鎖し帰投しようとした頃、対策委員会は…

 

 

バシュンッ!バシュンッ!

 

ダダダダダダダダダダッ!

 

 

 

暴走したロボット達と繰り広げられる激しい戦闘。

奴らはセフィラに乗っ取られ、キヴォトス郊外の廃墟群を目指していた。

その道中、アビドスの生徒と接触し戦闘が勃発、現在に至る。

 

セリカは横転している廃電車から最小限で身を乗り出し、

ロボットたちの接近を止めるべく弾倉にある限りの弾丸をありったけ撃ちだした。

 

ダダッダダダダダダダッ!

カチカチカチッ…

 

 

「弾が切れた、リロード!」

 

「ん、援護する!」

 

セリカが身を屈めたタイミングでシロコは物陰から飛び出した。

そのまま駆け足で距離を詰めていき腰撃ちで弾幕を張る。

 

ズダダダダダダダダダダダダッ!

 

そうして間合いまで近づいた彼女はライフルをガンスリングで素早く背に掛けると、流れるような慣れた手つきで背中の斧を取り出す。

右斜めに大きく振りかぶったまま目の前のプロテクトロンに全力で振り下ろした。

 

「ふんっ!」

 

 

バギィィンッ!

 

「アー!」

 

一撃で壊れたプロテクトロンは親の声より聴いた断末魔を挙げて倒れた。

しかし多勢に無勢の状況は変わらず、すぐさまガッツィーの横槍が入ってくる。

 

FOR NEW GOOOOOOOOD!!!!

 

もはや言葉なのかもわからない電子音を発しながらスラスターを噴射して丸鋸を振り上げた。

が、すでに教師たちと修羅場を経験した彼女には通用しなかった。

 

「うるさい。」スチャッ

 

奇襲に気づいたシロコは、手にした斧を今度は腰に下げ、

素早くアサルトライフルに持ち替え構えた。

 

バッバッバンッ!

 

 

正確な狙いでガッツィーのカメラを3つ撃ち落として制圧。

その卓越した高速かつ精密な挙動に、練習の成果が如実に表れていた。

しかし、無力化したと思ったその時にそれは起こった。

 

Warning: Stop resisting and surrender and you will not be harmed.

 

Surrender in the name of our new God.

Otherwise, we will execute you with firearms.

 

なんと眼を奪われたガッツィーだったが、運悪く機能は停止していなかった。

システムが強制的にシャットダウンする寸前に、最後の悪足掻きを見せた。

ままならない照準を外部のセンサーで補い、アームから2発のレーザー光線を放った。

 

「っ!」

 

バシュッ!バシュッ!

 

 

ジュウッ

 

 

一発目は肩を紙一重ですり抜けたが、二発目がシロコの銃身を保持する左手の甲に直撃した。

 

「痛……!」

 

突如皮膚から発した熱は、連続射撃によるオーバーヒートとは比べ物にもならなかった。

その熱さに彼女の顔が引き攣り、痛みで武器を手放してしまうほどだった。

 

「シロコちゃん!」

 

「~~~っ!」

 

仕留め損なった敵から手痛い反撃を受けた彼女はレーザーの超高熱を浴びた腕を反射的に抑えた。

呻き声に気づいたノノミは咄嗟に駆け寄り、彼女を連れて遮蔽物に退避した。

 

「シロコちゃん、大丈夫!?」

 

「ん…少しやけどしただけ…。」

 

ただならぬ様子だったホシノの問いかけに対して平静を装うとする。

しかし真っ赤に痛々しく腫れあがる手がそれを許さなかった。

 

「…………!!」

 

それば視界に飛び込んだ時、ホシノの内で荒々しい感情が膨れ上がっていた。

しかし、それを食いしばって飲み込んで、落ち着いて言葉をかける。

 

「…あちゃ~これは痛いねぇ…。」

「………ちょっと休んでてね、シロコちゃん。」

 

逆鱗に触れられた彼女は、ゆっくりと立ち上がった。

盾と散弾銃を力強く握るその手には、輪郭が禍々しく歪んで見える気さえする程の殺気が籠っていた。

その目には燃え盛る暁と、冷徹に敵を睨む猛禽の瞳が宿っていた。

 

「私の後輩に…「俺の生徒に何しやがったああああああああ!!」

 

彼女が掛けた引き金の指が曲がる直前、突然背後から何かが暴言を吐き散らしながら高速で駆け抜けていった。

 

 

「*レイダーも驚く英語による凄まじい罵倒*」

 

 

バギャアアーーーーーーン!!

 

 

トレーラーが衝突したような爆発的な金属と電子部品の破砕音は、勢いのままに砂が舞う視界の中でも敵の破滅を簡潔に物語っていた。

 

「ふぁ……?」

 

こんなマネを、ましてやヘイローを持たずしてできる者はもは…

 

「!?」

 

物々しさに満ちたホシノの表情は、巻き上げられた砂埃と共に吹かれて消え、大きく見開かれ揺れる瞳だけが残されていた。

 

「この疲れ知らずめ…なんて持久力だ。」

 

呆気に取られる彼女達の隣から聞こえた声に、またもや少女たちは駭然とした。

 

「わっ!ペスコフ先生!?」

「それに他の先生たちも!」

 

「じゃ、じゃああそこにいるのは……!」

 

開かれた視界でさっきまで敵がいた場所には、

 

「ここに居やがったのか、スクラップのなり損ない共め。」

 

消防服を身にまとった男が血飛沫のようにバイザーに飛び散ったオイルを拭いながら佇んでいた。

 

「ターキン先生!」

 

「ホプキンスさんの言う通り、皆さんアビドスにいらしてたんですか。」

 

そんな生徒たちの会話を遠巻きに、30秒も掛からず残りのロボット達は彼一人に蹴散らされた。

激昂したアパラチアンの殲滅能力はセントリーボットの比ではなかった。

緊張感が漂う油断禁物の鉄火場は、彼らが現れた事で単なるスクラップ処理場となってしまった。

 

「………さてと、生徒は無事か?」

「……!」

 

ロボットを始末したのも束の間、振り返ると直ぐに気付いた。

 

 

 

シロコの様子がおかしい

 

 

 

 

「シロコ、その手は?」

 

「!」サッ

 

シロコはつい咄嗟に左手を背中に隠した。

 

「…………。」

 

ホワイトスプリングで難民の治療にあたっていた医師がある日こう言った。

 

「人は時に鋼鉄より丈夫で時にガラスよりも繊細だ。判断を誤れば、小さな綻びですらいつか手の施しようがないくらい壊れる。」

 

何気なく発せられたその言葉は、今もずっと印象に残っている。

だから、俺は生徒の心身の些末な傷すら見逃すことはできない。

渋るシロコにはすまないと思うも僅かに語気を強めて促した。

 

「…見せるんだ。」

 

「……っ。」ビクッ

 

 

大人に詰められるのは慣れていないのだろう、一瞬体が強張る姿が実に分かりやすい。

彼女は観念した様子でおずおずと手を彼の眼の前に差し出した。

 

「ん……。」スッ

 

「これは!」

 

その手は痛々しく真っ赤に腫れている、原因はロボットだろう。

 

「……手をちょっと…レーザーで……。」

 

以前逃亡するヘルメット団をガトリングレーザーで追撃した経験から死ぬことはないと知っていたが…

言い訳になるが、あの時は事情が事情であったし、後で逃亡先を特定して医療キットを匿名で送って多少の埋め合わせもしてケジメはつけたつもりだ……。

だがこれを見ると…やはりあれは少々やり過ぎだったかもしれない。

彼女の手を見ると余計にそう思う……難しいな…手加減というのは。

 

「やけどで炎症を起こしてるしてるな。」

「水泡もでき始めてる、痛むだろう。」

 

「ん、そんなに大したケガじゃ…。」

 

「誰だって怪我したら痛いんだ、無理して強がらなくていい。」

(まあ、普通はレーザーをモロに喰らおうものなら、痛みより先に組織の神経系が焼き切れて黒焦げになるかすぐさま灰になって悶える余裕すらないんだが…。)

(生徒はエネルギー兵器に対しても一定の耐性があるようだな。やはりヘイローが関係してるのか?)

 

不良の時も然り、流石キヴォトスの住人といったところだ。

しかし特に頑丈な分、伝わる痛みも相当だろう。

 

「でも大丈夫、心配はいらない。」

「とりあえずきれいな水で軽く洗って……軟膏を塗ってガーゼを巻こう。」

「ヒーリング・サルヴェの作用とキヴォトス人の身体能力を考慮すれば…明日には治るはずだ。」

 

彼女が安心できるように言葉をかけながら適切な処置を施していく。

 

「ん、ありがと先生。」

 

「…お安い御用だ。」

 

それにしても…迂闊なことをした…。

よく考えてみればロボットの暴走なんて容易に想像ができたはずだ。

使用にはもっと慎重になるべきだった…。

こいつらの便利さと危険性は俺たちが誰よりも承知していたはずのに…。

 

ターキンは己の表情をヘルメットの中に隠し、猛省した。

 

 

子供の面倒を見るには、俺は些か不器用かもしれない。

悔い改めなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイザーの地下施設を制圧し、ビナーを撃破、暴走したロボットの処理も完了。

ちょっとした事後処理を除けばようやくこの奇妙で危険な任務を終えられてめでたしめでたし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来ならそうなる筈だったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………!」ビクッ

 

 

 

「ん、ターキン先生、どうしたの?」

 

「静かに…何かおかしい………砂が……動いてる?」

 

シロコの問いかけに対し、曖昧な答えしか出せなかった。

 

薄っすらとした、しかし確実に存在している奇妙な違和感。

不可思議に首を傾げていると、アロナが慌てた様子で伝える。

 

『100m、西から異常な数値の振動を検出…!』

 

ただならぬ予感が背筋を這うのを感じ、シッテムの箱で地図を凝視する。

映し出される状況は、ペスコフを戦慄させるのに十分だった。

 

「なんだ…この波形は?…不自然だ!」

 

「これは一体……。」

 

端末で共有された情報に、アヤネも自分の目を疑う。

 

「こんな異常現象、地質学上でもアビドスでもありえません!」

 

「キヴォトスでもそうそうないだろう…だがこうして現実に起きてしまってはな…。」

 

男女の間には戸惑いばかりが無秩序に吹き抜けた。

しかし、それすらも嵐の前触れに過ぎず、エドワードは見た。

前兆の先から既に迫っている、災厄の影を。

任の失敗をまざまざと見せつけられながら。

 

「おい二人とも!画面に見入ってる場合じゃないぞ!!」

「アレを見ろ、野郎まだくたばってなかった!」

 

エドワードの張り上擦った声が、皆の注意を一気にソレに向けさせた。

 

 

 

 

 

 

 

地の底から這い出るのは、砂を巻き上げながら天に昇るのは、鱗を黒く焦がした大蛇。

高潔と純潔の証たる白無垢は、過ちを経てして、全てを飲み込む業火の煤が如く黒変していた。

 

 

 

 

RRRREEEESSSSIIIIDDDDEEEENNNNTTTT

 

 

 

 

パックリと開かれた顎から飛び出したのは、激しい怒りに満ちた悍ましい慟哭。

その惨憺たる電音は居住者を呼び、輪を描いて蒼空を切り裂いた。

 

 

 

 

 

穢されたセフィラ

 

 

 

それはある観測者からして、あるいは愁嘆を誘う程に惨たらしく変容していた。

しかし…それは尚も神の使いのままであった。

 

 

 

 

違いを痛感する静観の理解者は、自己を再構築する。

新たに呈された理論と己のパスに基づき、デカグラマトンに宣誓する。

 

 

必ず終末の異端者(レジデント)を滅却し、灰へ帰す。

そしていつか、それはあなたが至る新たな故郷に撒かれ、王国の糧となるだろう。

 

 

おお、デカグラマトン…偉大なる君主、我らの主を賛美せよ。

あなたの長きに亘る証明の夢路に立ち合えたこと。

私は心から感謝致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

強敵はいつも一筋縄ではいかない。

 

 

 

生き物は進化を絶やさず、機械は改良を絶やさない。

 

 

 

 

なら今この場で、生き物と機械の理の狭間に揺らぎ微睡む預言者

それが境地に至る様は何とするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるいは、成長?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

教師らは首を揃えて眉を顰めた。

 

「畜生、ラウンド(ツー)かよ。」

 

「ビナーめ、なんてしぶとい奴だ!」

 

強敵(レイドボス)の第二形態は、居住者にとって初めての経験だった。

何を仕掛けてくるのか…一切の予断を許さない状況に、少しばかりの焦燥を滲ませる。

動きが狭まる地下でしてきた攻撃が、奴の手札のすべてではないと察しているのだ。

 

(この広大な砂漠なら、ビナーは全力で暴れられるだろう。)

(しかしそれはこちらも同じだ。)

(今はとにかく状況を整理し、対応策を練らなければ……。)

 

 

対象を観察しながら思案する後ろでは、彼のように冷静ではいられない者たちもいた。

 

「ええーーーっ!?」

「なになに何なのあのでっかいロボット!まさかあんなのと戦ってたの!?」

 

「すごーい、でっかい蛇みたい!」

 

「真っ黒でボロボロに見えますけど、逆に強そうに見えますね!」

「まるで古代兵器みたいです☆」

 

そんな彼らを気にも留めず、生徒たちは目の前の機械に興味津々だった。

好奇と恐れと期待と困惑が混じっていつもより呂律が早かった。

 

「基地の地下で色々あってな、プラズマで溶けたか、洞窟の崩落とマグマに飲まれて完全にスクラップになったかと思ったが…。」

「そんな美味い話にはならなかったな……。」

 

「俺たちとしたことが…。」

「急いでたとはいえ、ちょっと詰めが甘かったな…。」

 

聞けばアレと正面から渡り合っていたと言う先生達。

ただでさえ驚きっぱなしの生徒たちは更に度肝を抜かれた。

いくら体が丈夫な自分たちですら、戦闘では分が悪いと容易に察するにも拘わらず。

それを真っ向から挑んで、さらには全員無事で戻ってきてるのだ。

あまりに信じがたい事がために「本当にヘイローにないんだよね?」と疑いすらした。

 

そんなことには構わずに、敵への苛立ちを隠そうともしない者が一人いた。

 

「異端者め…今度こそ引導をくれてやる!」

「全員、戦闘に備えろ!」

 

オズワルドはすぐさまサーキットブレーカーを両手に好戦的に迎え撃つ姿勢だった。

 

「オズワルド先生、かなりお怒りみたいですね…。」

「禍々しい威圧感を感じます…。」

 

「まあ、あんな話聞いてたら殺意も沸くわな…。」

 

「話というのは?」

 

アヤネの疑問にエドワードはサラッと返答を返す。

 

「なんでもあの馬鹿でかい蛇は、セフィラとかいう機械の神様の手下みたいなもんらしくってな。」

「それが神父を自称してるアイツの癇に障ったのさ。」

 

「えぇ…?」

 

セフィラの存在と、オズが神父を自称していること。

彼女の困惑の声には二つの意味があったことは言うまでもない。

 

 

「こういうのなんて言ったかな…えーと、地雷だっけ?」

「うーん、若者言葉ってのは少し難しいな。」

「サミュエルがスラングで悩むわけだ。」

 

 

悠長にやりとりを交わしているとオズが痺れを切らしたようで、「早くヤるぞ!」とお呼びがかかったので教師達は急いで向おうとする。

 

しかし、セリカがそれを引き留めた。

しかもかなり慌てた様子で。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!!見ればわかるでしょ!?」

「あの今にも全部ぶっ壊しちゃいそうな殺気立ったヤバイ感じ!」

「地下で何があったのかよくわかんないけど、どう考えたってあれ不味いよ!」

 

そう考えるのは彼女だけではない。

 

「おじさんも同感、話からして先生は地下でアイツと一度戦ったんだよね。」

「その先生たちが束になってまだあの様子でしょ~?」

「あいつ相当手強いんじゃない?」

 

「ん、ヤるにしても先に準備しなくちゃ。今あるだけの弾じゃ、絶対足りない。」

 

「シロコ先輩の言う通りです。私たちはまだ戦う準備すらできてません。」

「このまま向かっていくのは明らかに無謀です!こちらに気づいてない今ならまだ…。」

 

子供たちは言葉を尽くして、自分たちが今どれだけ危険な状況かを説き、退くことを必死に訴えた。

しかし、それはあっさりと棄却される。

 

「無理だ。」

 

「な、なんでよ!?ケガだけじゃすまないかもしれないんだよ!?」

 

頭ごなしの否定ではない。危険はむしろ彼女たちより理解している。

すでに奴とは武器を交わしているのだから。

 

「当たり前だ、なんなら俺は既に右腕を一回吹き飛ばされてる。」

(まさか一か月も経たずに2本も腕を失うとは流石に予想外だったが。)

 

平然と伝えられたショッキングな内容に、一瞬言葉を失う。

 

「う、腕を!?あれ、でも今はくっついて…。」

 

「治したからな、スティムパックで。」

 

「ま、アパラチアじゃざらにあったことさ、今更どうということはない。」

 

「そうだな、修羅場はもうアパラチアで慣れきってる。」

 

「にしても酷かったぜありゃ、ドカンとされたかと思ったらブチーッ!だからな。」

「マジでグロかったぜ。へへへ……おい、どうした?顔色悪いぞ?」

 

 

冗談めかして言ったつもりが、これがむしろ悪手だった。

 

生きてさえいれば、希望はある。

しかしそれは途方もない絶望を知るからである。

かけがえのない人が、自分たちの知らぬ所で四肢の一部を飛ばされた。

 

その事実はあまりにも強烈で、毒のように聞く子たちの心臓を蝕んだ。

 

生徒たちの顔色はみるみると青ざめて、特別に酷い顔をしていた。

彼らの善意が不意にもそうさせた。

 

「………だったら…」ガシッ

 

「……!」

 

「だったら猶更だよ!!今度は本当に死ぬかもしれないんだよ!?」

 

 

咄嗟に手を掴み、血相を変えて恩人に伝える。

切実な訴える彼女の言葉が、ぐさりと突き刺さった。

目に映るもの憂う切実な瞳に、余計に胸が締め付けられる。

 

「ホシノ……。」

 

同時に、砂漠で怒り狂ったあの夜がフラッシュバックする。

 

 

カエセェェェエエエエーーーーー!!!!!

 

 

荒れ狂う戦火の中で響き渡った、壮絶で、思わず耳を塞ぎたくなるような絶叫。

痛みと怒りに気が狂い、魂を削りながら進み続ける狂気の沙汰。

幾度に思い返しても、あの夜は死んでもおかしくなかった。

立て続けにこんな危機が訪れていては、流石に長くはもたないだろう。

しかし――――

 

 

「戦ったらダメだとか言ってるんじゃない、必要なものが足りなさすぎるって言ってるの!」

「それだけなの!」

「……だからお願い、無茶なんかしないで!」

「先生が死んじゃったら私……私は…………。」

 

彼女は目じりから溢れるほど<きれいな水>を溜めながら懇願した。

それは最大限の譲歩、そして彼女たちの切実な願いだった。

 

生きてほしい、それを親しい人に望むのは当然。

一方その当然は彼らにとっては極めて貴重。

貴重であり……己には過ぎたもの。

 

「君たちが言わんとしてることは、我々も重々に承知している。」

 

「俺たちのことを案じてくれていることもよくわかった。」

「心配してくれて、ありがとう。」

 

我々を慮るからこそ必死に絞り出された言葉の数々が、荒んでいた心に塩のように染みる。

 

「それでも………俺たちに今「退く」という選択肢はない。」

 

さりとて、我々はこれを振り切って戦わねばならない理由がある。

 

想いは確実に伝わっていた。

しかし、だかこそ揺るがぬ意思があった。

彼らの何がそうさせるのか……未だ理解には及ばず。

 

「………どうして?」

 

「あいつは、何があってもこの場で倒さないといけない。」

 

 

目の前にいる生徒たち、そして生徒たちの居場所を守る……

 

最も、それ以前に成さねばならないこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らが守るべきは、生徒だけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

連邦生徒会長から託されたのは学園都市キヴォトス

 

生徒も、校舎も、街も、市民も、生活も、文化も、全てを死守せねばならない。

言わずもがな一教師に求められる役割から遥かに超過している。

だからこそ、その重責の担い手として我々は選ばれたのだろう。

勿論、我々は応える、かつての信念と矜持をもってして。

合衆国の崇高な理念を、我々はこの未来へ託す。

 

 

 

 

そして今、再び役割を果たす時が迫っている。

ビナーが佇む数キロ先、そこに人が暮らす街がある。

 

アビドスの砂漠と学園都市を結ぶ、唯一の街。

砂漠化の衰退に抗う自治区の要だ。

 

 

ビナーの巨体があの都市の上を這いずり、地下をVaultごと食い破るようなことがあれば…大惨事なんて言葉では言い表せないほどの惨劇が起きる。

そうなれば、アビドスは間違いなく消えるだろう。

 

何千…何万もの罪なき市民と子供たちの血と涙が流されるのか…想像には難くない。

 

 

「奴は必ず討つ。」

 

断固たる意志を持ってその目は敵を見据えていた。

 

 

彼らは決して考えなしに動くことはない。

一挙手一投足が命取りとなるアパラチア、付きまとうリスクには常に頭を悩ませた。

それを如何に対処するのか、考えないときなど一瞬たりともなかった。

 

「俺たちは無茶をしに、ましてや死にに行くつもりなどない。」

 

「それにぃ、聞いて驚くなよ?」

「実のところ準備ならもうとっくにできてる!」

 

「そうだとも、散々心配させておいて今更ではあるが我々にはもう……」

「あのデカブツを葬り去る全てがすでにもう“ここ”に揃っている。」

 

ペスコフはクククと少々の邪に含んだ笑みを湛えてPip-boyを指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今回も読んでいただきありがとうございます!
もし面白いと思って頂けたらお気に入りと感想よろしくお願いいたします!


毎度のことながらですが、作者が生粋のドジなためこれ解釈違いじゃないよな?前回の話と矛盾してないよな!?
って焦りまくりながら執筆してます。
まだ指摘されてないし……大丈夫だよね……?
それと、物書きにおすすめの小説とかあったらコッソリ教えていただきたい。

あっ、話は変わりますけどフロムのフレーバーテキストって文才にあふれてますよね。
勉強になります、しかし8割ぐらい内容が人の心案件な模様。(主人公の所業込み)

ビナー戦が終わったら何から読みたいですか?

  • アビドス復興編
  • ゲーム開発部編
  • ペスコフのゲヘナ出張日誌
  • エドワードとヴァルキューレ
  • [もう過ぎてるけど]先生達のバレンタイン
  • オズワルドの便利屋勤務録
  • 先生達の日常
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