Fallout76 -once in a blue archive- 作:egguimen
ワカモとイチャイチャさせたかった……。
あとV.A.T.S.の表現をドットにしたらもっとそれっぽくなるんじゃないかと思いまして試しにやってみました。
「先生!」
ある日、アロナがかなり焦っている様子で俺を呼んだ。
「どうした、アロナ。」
「近くの街で暴走したオートマタたちの集団が…」
オートマタ、いわゆるロボットの一種……。人型で、内部に組み込まれた人工知能によって独立して行動できる。そして、火器を携行させることで軍事利用が可能な代物だ。
例えるならば頭部レーザーを剥がして銃を持たせたアサルトロンっといった所だろうか。
アロナ曰く、その暴走オートマタ達が街を襲撃し、無差別攻撃を行っており、現地のワルキューレ警察学校と呼ばれる治安部隊も対処しきれない状況らしい。
よもや学生に地域の治安を任せるとは、戦前の企業よりも質が悪い。
兎にも角にも、これは一刻を争う事態だ。
幸い、暴走した機械の対処にはアパラチアで嫌というほどに慣れてきた。
俺はすぐさまガスマスクをつける。
「わかった、すぐに現場に急行する。」
バッ!
俺は数階はあろうオフィスの窓から飛び出した。
ヒューーー…
…ッゴオオオオオオォォォォォォ…!!
落下中にジェットパックを展開し、現場に向けて文字通りに飛んで行った。
しばらくして、現場に到着する。
「ここか。」シュタッ
「………かなり派手に暴れられたらしいな。」
「ひどい有様だな。」
到着してすぐに目に写った光景は、凄惨の一言に尽きた。
建物や家屋は尽く倒壊し、そのそこかしこから火の手がのぼっている。
例のオートマの軍団が、銃を片手にそこら中を跳梁跋扈していた…。
住民達が巻き込まれる前に避難が完了していて本当に良かった。
だがそれは不幸中の幸いでしかない。
いつぞやに小耳にはさんだ警察学校とやらの生徒の姿はみあたらない。
おそらくは避難誘導に人員を割いた結果現場の収拾が後手に回ったのだろう。
町は既に奴らに占領されている…取り戻さなければ。
「全部ジャンクにしてやるとするか。」ググッ…
ダッ!
俺は安全装置を外したサブマシンガンをしっかりと握りしめて、集団への突撃を敢行した。
それに気づいたオートマタ達はすぐに腕に溶接されたマシンガンをこっちに向けて撃ってきた。
ダダダダダダダダッ!!
ヒュンヒュンヒュンッ…
迫る銃弾の嵐を、長年培ってきたPERとAGIを駆使して最小限の動きで躱す。
「狙いはともかく、精度が酷いな…さては整備されてないな。」
タッタッタッ…
- ジィーーッ…! -
- カチッ… -
「…ッ!」カチッ
タタタタタタタタタンッ!
駆け抜けながらV.A.T.Sでオートマタ達を補足、攻撃箇所を頭部に絞り込む…。
そして10mmサブマシンガンの引き金を引いた。
貫通力を上げた弾丸でセンサーや回路が詰まった頭部を貫かれた連中は次々とその場に倒れる。
ガシャン!
ドシャッ!
バ ギ ャ ア ッ !
わざわざ弱点を人間と同じ場所に設けるとは…いい趣味だな……。
カランカラン…。
薬莢が落ちる音が静かに響く…。
「………。」クルッ
振り返るとそこには破壊つくされたオートマタ達が横たわっていた。
辺りは即席のゴミ捨て場のような景色に変貌していた。
「さて、この区画はこれで全部だな…あとは。」
シッテムの箱をピップボーイに繋げる。
「アロナ、残りのオートマタをセンサーで調べてくれ。」
「らじゃー!じゃんじゃん片付けちゃいましょう!」
「早速ですが向こうの角に反応がありました!」
「わかった。」ダッ
彼女が指し示す先に従って、通りの曲がり角へ向かった。
「どれどれ…」
「あれは…ッ!?」
建物の物陰からゆっくり通りを除くと、小型ロケットランチャーを装備したドローンとオートマタ達が、最奥にある建物の壁際に立っている一人の少女を包囲していた。
そしてよく見ると、その少女は狐のお面を被っていた。
前に起こった事件のトラブルの関係者……ワカモだな。
壁際にいる状況からして、おそらく退路を絶たれてしまっている。
指名手配犯なんて物騒な立ち位置にいる彼女だが、仮にも生徒であって、守るべき子供であることに変わりはない。助けに向かうべきだろう。
「俺の生徒に手を出すな!」
「この屑鉄共がッ!」ドカッ!
メギャアアッ!
彼女が気づいた頃には、俺は近くのドローンに飛び掛かって渾身の右ストレートを見舞っていた。
ドローンが殴られた箇所は完全に陥没し、回路がはみ出ている部分から黒い煙を吹き上げなている。
そして……
シューーー……ドオオンッ!
墜落して爆散した。
その瞬間、包囲網を形成していた暴走したドローンとオートマタの部隊の注意はワカモから俺へと向けられた。
「まとめてかかってきな、スタッシュの肥やしにしてやるからよ。」
俺は敵を挑発しながらトゲ付き鉄板で破壊力をあげた消火斧を上段に構えた。
『くぁwせdrftgyふじこlp;@』ガタガタ…
ワカモの前に立ち塞がっていたオートマタたちは何かを喚き散らしながら震える腕で銃を向ける。
バッ
「撃たせねぇよ!」ブンッ!
ドゴォッ!!
引き金を引かれる前にそいつの懐に入り込み斧を力一杯横に薙ぎ払う。
そのまま残心し、ワカモと奴らの間に立つように包囲網に入り込む。
連中は状況を処理できていないらしい。とても好都合だ。
「まとめておねんねしとけ。」
懐からパルスグレネードを2つ取り出して通路の両脇を固めていたの奴らに向けて投げ込んだ。
ピンッ……ブンッ!
……ビリィィィィッ!
「0$_”、♯'”♯・-/~〈!?」
シューーー……ガシャン!
結果、ロボットとドローンの包囲網は完全に崩壊し、残るは正面のオートマタ複数だけ。
「お前たちで最後だ。手短に終わらせよう。」
効率的かつ迅速に破壊するためにガウスショットガンをインベントリから取り出す。
キュイーン…ッ
ニキシー管が99になったのを確認した瞬間引き金から指を離す。
ズドン!
放たれた散弾が青い軌跡を残しながら飛び、
磁力を帯びた爆発を起こす。
チュドオオン!!
それが直撃したオートマタはバラバラになり四方八方に飛び散った。
「よし、これで全部だな。あとは…」
俺は状況を確認し、すぐに後ろにいるワカモの方へ振り返った。
「えっとその…怪我はないか?」
「は、わわわ…///」
狐のお面が傾いて顔が少し見えた。
うむ、至って健康的でかわいらしい少女の顔つきだ…。
しかし様子がおかしい、何故か顔が赤い。
熱でもあるのだろうか。
それもそのはず。
彼女はとっても強いので別に一人でも制圧できたが……今回はどこまでもしつこいオートマタ達に囲まれて交戦を余儀なくされていた。
そんな所に突如、あのとき一目惚れしてしまった殿方との再開。
しかも、その人が自分を守るために駆けつけ、敵を蹴散らしたとなれば…乙女な彼女の顔が朱に染まってしまうのも自然で当然の事だった。
だがターキンはまだその事実に気がついていない。
彼は自己肯定感が人に比べてかなり薄いため割と朴念仁なのだ。
「おい、本当に大丈夫か?」
「せ、せ……///」
「せ?」
「先生ーッ!!」バッ
「のわっ!?」
ギュウッ
なんという予想外。驚くことにワカモは俺に抱きついてきたのだ。
イエスよ、一体何がどうなっているんだ。
「お、おいワカモ?ど、どうしたいきなり!?」
「嗚呼、まさかあなた様がこんなにも強く逞しく、勇ましい殿方だったとは……」
「もうワカモは先生以外考えられません!」
彼女の眼にはハートマークが浮かんでいた。
「な……!? 」
聞くと、なんとワカモは俺に対して一目惚れしていたらしい。
それもあの数日前のシャーレ奪還の時から…そして今その恋心が爆発したと……。
…にしても…ずい分とべた褒めされているが、中々どうして悪くない気分だ。
しかし、どうしたものだろうか。流石に生徒と[ロマンス]するのは…。
それに、俺みたいなやつなんかと………。
と、とりあえず話題を変えよう。
「そ、そうだ!オートマタをやっつけたことだし…。」
「アレやらないとな、アレ!」
その話題の変え方はかなり露骨だったが、割と上手くいった。
「あ、アレ…?」
ワカモはキョトンとしながら訪ねる。
「アレとは即ち……。」
スーーーッ…
俺は遠くを見つめて深く息を吸い、再度ワカモに視線を戻して答える。
「…ジャンク拾いだ…。」
「……?」
ワカモは完全に困惑していた。
「まあ要はゴミ拾いだが。」
「ほら、向こうにさっき私が破壊したロボットの残骸が転がってるだろ?」
「あれを全部バラバラに解体して、回路とかギアとか使えそうな部品を持ち帰るんだ。」
(これが俺の戦闘後の楽しみと言ってもいい。いいジャンクが見つかれば、その分いい物が後で作れるからな。)
「とまあ、そういうわけなので私はこの辺で失礼させてもらう。」
「それじゃ、気を付けて帰ってくれ。」ササッ
俺はジャンクを迅速に回収しつつその場を立ち去った。
ワカモはその後ろ姿を呆然と見つめていた。
「ああ、もう行ってしまわれましたか…。」
「でもまたいつか…すぐにでも。」
「ウフフフ…♡」
俺は、背中に身に覚えがない寒気を感じながらも、ジャンク集めに勤しんだ。
「よしよし、これだけネジやボルトがあればしばらく武器の整備には困らないぞ…。」ジャラッ…
「おっ!このバッテリーいいな。」ゴトッ…
「この液晶も…悪くない。おい、なんでトースターがここに?」ガタッ…
「未使用の銃弾も爆薬も結構持ってるじゃないか…こりゃプロテクトロンやMr.ハンディをバラすよりいい。」
「この銃…自分で作れるか調べるか…。」カチャ…。
「ああ、マジでジャンク漁りって最高。まさに至福のひと時だ!」ガサガサ…
それから2時間後…。
「ふう…。」
(今日は充実したスカベンジングだった。こんどは近くのゴミ処理場にでも行こうか。)
そう思いながら俺は一通り集めたジャンクをインベントリにしまってシャーレに戻った。
そんな翌日の昼下がり、俺はいつもより早く仕事が片付いたのでオフィスのソファで少しばかり昼寝をしていた。
するとそこになんと地上から数階はあるであろうシャーレの窓からワカモが入ってきたのだ。
もっと玄関から来るとか、もう少し手段を選べなかったのだろうか…。
「うふふ、ワカモ、再び貴方様に逢いに来ましたわ……♡」
「おっと…。」
しかし、当の俺はワカモの侵入に気づかずガスマスクをつけたままソファーでぐっすりと眠っていたのだ。
「あらら、今はお休みでしたか…。」
もちろんガスマスクをしているので、彼の寝顔は見えない。そもそもオフィスでガスマスクをしながら眠っているのも変な話である。
「しかし、部屋の中でまでこんなものをしていては寝苦しいでしょう。」
そう言ってワカモは些細な親切のつもりでターキンのガスマスクを外した。……外してしまった。
知っての通り、彼の素顔はそれはそれはもうとんでもないことになっている。
彼がいた
そしてそんなターキンの顔を初めて見たワカモは…言葉を失った。
「……先生………このお顔は…。」
「………ッ!!」
ニブニブニブニブニブニブニブニブニブ………
その時、ワカモは言葉にするのも憚れるほどの禍々しい感情に包まれた。
「んぅ…?」
なんとそんな最悪のタイミングで彼は起きてしまった。
(あ~久々によく寝たな…。)
そう思いながら呑気にあくびをしていたら、傍にワカモがいた事に気づいた。まさか会ってその翌日に来るとは思わなかったが。まあ別に迷惑でもないか。
「ファ~。」ゴシゴシ…
「……え。」
意識が半分微睡につっかえたままぼんやりとした目を擦った時に気がついた。
さっきまでしていたガスマスクがない。
焦って当たりを見回すと、俺のガスマスクはすぐ側のコーヒーテーブルに置かれていた。
ちょっとまて、今ここにワカモが来ていて、俺のガスマスクが取れている。
「……なんてこった。」
しまった。顔を見られた。
別に生徒に顔を見られること自体は大した問題じゃない。
問題は、見た相手がワカモだということだ。
災厄の狐と言われている彼女の一目惚れの相手がこの顔となると、何が起こるか想像もつかない。
失望するだろうか…あるいは騙されたとか言って風穴を開けられるかも。
「先生……。」
「な、なんだ…ワカモ?」ガタガタ…
仮面が外れた彼女は険しい表情を浮かべていた。
「誰が…いったい誰が、あなた様にこんなことを……!!」
それはもうとてつもない剣幕で、殺気立ってすらいた。
真っ赤に染まる心には、これでもかと負の感情が蠢いていた。
だが、それは俺にではなく、俺の顔に傷をつけた者に対して向けられていた。
しかし、そんな者たちはもういない。この世界にいないという意味なのは勿論のこと。
……そいつらは全員、殺した。
…………………この血塗れの手で。
ともかく、俺は溢れる激情に身を焦がされるワカモを慎重に宥めた。
「大丈夫だ。ワカモ。」
「"コレ"はもう過去のことだ。心配ない。」
俺の言葉にゆっくりと呼吸を深めたとき、彼女は意外なことを口にした。
「でも、こんな傷跡…きっと、お辛かったでしょう?」
それは俺を慮る言葉であって、初めての慰めであった。
俺が動揺の中で何とか絞り出した言葉はあまりにも情けなかった。
「仕方のない…ことだったんだ。」
「すまない…黙っていて。」
「……。」
なんとも言い訳がましいセリフにワカモは閉口する。
彼女が今何を考えてるのか、それを想像すればするほど、俺の体の内側が冷えていく感覚が強まっていく。
「いいんです。……先生。」
亀裂があった頬に手を添えながら、ワカモはそう言った。
「きっとその傷は、あの時のように…誰かを守るために負った傷なのでしょう?」
「……。」
俺は言葉では返せず、代わりに首をこくりと動かすことで肯定するほかなかった。
「それもこんなに沢山、きっとそれだけ多くの人を助けていたのですよね。」
「それも……想像がつかない程…。」
そして口を噤んだかと思えば、やはり堪えられなかったように彼女から言葉がもれる。
「………でも。」
ワカモは俺の裂かれた口の跡を指でそっとなぞり、声を震わせながら続けた。
「それでも……先生がこんな酷い目に遭わないといけなかったなんて…。」
「あまりにも…可哀想すぎます……。」
そう言って、彼女はその涙を静かに瞼から溢れさせた。
「ワカモ……。」
俺は彼女の肩に手を添える。
「……?」
グスンという音に混じりながら、ワカモは俺の言葉に耳を傾ける。
先ほどの自らの愚かしさを忘れ、俺は言葉を尽くした。
「これは、俺が選んだ結果だ。」
「だから私は、この選択に悔いはない。」
「私がそれを選んだから。助かった人たちがいる。」
「…これで……よかったんだ。俺はそれで満足だ。」
「………。」
「確かに、辛くないなんてことは…なかった……。」
「ありがとう……俺のために、泣いてくれて。」
「その涙のおかげで、俺の痛みは報われる。」
「せ、先生……。」
俺はそっと、ワカモを優しく抱きしめた。
彼女の涙が……制服に染みるのを感じる。
「先生は本当に……お優しいのですね……。」
「子を想うのは、人として当然。」
「しかし、今回は逆に……君に想われてしまったな……。」
「クスッ…私はいつもあなた様のことを想っております。」
「そうか……ふふっ…ありがとう…。」
それからしばらく、俺はワカモを自分の膝にのせて撫でていた。
それにしても、狐(一部が)だからだろうか。
ワカモはとても撫で心地がいい。
「あ、あの先生……?」
「ん?ああっ、すまない。つい夢中になってしまった。」
「いえ、むしろその……もっと、撫でて欲しいです……///」
「…そうか。」サスサス…
俺は彼女が望む通りに、再び彼女を撫でた。
そのしっぽはとても嬉しそうにゆらゆらと左右に揺れているし、こうされるのが好きなのだろう。
(この子結構、わかりやすいのかもな。)
そしてしばらく撫でていると彼女はふと俺に訪ねた。
「そういえば……先生はどうしてキヴォトスにいらしたのですか?」
正直、俺も何故ここに来たかわからない。
気がついたら、ここにいた。ただそれだけ……。
それでも、一つだけ確かなことがある。
「……助けを求める人がいた。」
「ここを、ここで生きる人々を、助けて欲しいと。そう頼まれた…。」
「だから私は、必ず助ける。」
こういうの意外とアリだと思うんです。(主観)
ワカモちゃん可愛いよね。
ってことで今回も読んでいただきありがとうございます。
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