ちび先生とゲマトリア会談   作:うろ覚え

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長文をダラダラ書くのが好きです。


ちび先生と学ぶ文学

 

 

 

「はい、と言う事で始まりました。ちび先生と学ぶ文学。お相手は先生と」

 

「ゴルコンダ&デカルコマニーです。」

 

「そういうこった!」

 

「さあ、この回ではゴルコンダ&デカルコマニーさんが考える文学を私、ちび先生にもわかりやすく解説して頂きます。さて、文学と言って真っ先に必要なものが文字、ですがゴルコンダ&デカルコマニーさんは文字をどうお考えに?」

 

「はい、私は文字を多数の認知を共有するものだと考えています。例をあげましょう。魂、と聞いて先生は何を思い浮かべますか?」

 

「魂と言うと、死後に墓地で浮かぶ炎や霊体、オバケと言うイメージですね。」

 

「魂を英訳するとspiritですが、これは確かに日本人のイメージする霊的な物も指します。

しかし、精神や信念と言う認識のされ方もある。これはアメリカの宗教の一つ、キリスト教が多大に影響を与えています。

 

日本で魂は輪廻する物と考えられています。それが近年の転生や憑依と言う小説のジャンルの基本的な考えですが、キリスト教では死後の魂は天国や地獄と言った別次元へ向かう。

 

そこで永遠を過ごすそうです。では、それらは何処にあるか?先生は分かりますか?」

 

「別次元、と言う時点で見えない所にある。と言うことでしょうが、先程の精神や信念と言う英訳をするのであれば、自分の心に在ると考えます。」

 

「自分の心が天国と地獄を創り出す。素晴らしい考え方です。先生の考え方は英語のfundamental spirit『基本精神』と言う単語を知っているからこそ、出てくる考え方だと思います。spiritを『魂』では無く『精神』と翻訳していますね。哲学的理論を用いた考え方です。

 

私は0次元に向かうと言う考えを持っています。私たちは3次元構造体を持つ時間軸に縛られた存在である。つまりは4次元生物とも言える。3次元構造体(肉体)を失って1次元(時間軸)を過ごすが、それを認識する為の機能を喪失している時点でそれは唯のエネルギー体でしかない。

エネルギーは時間経過で喪失していく性質があります。つまりは実質的な0次元体へ向かって行く。量子力学的な考え方で要するに、何も無くなると言う考えです。

 

さて、この様に文字を翻訳するだけでも意識に微妙な違いが出る。

最たる例は古代エジプトの事例です。古代エジプトのファラオはミイラとなって死体を保存されましたが、人は死後、太陽の様に星を一巡して蘇ると言う信仰からミイラを作った訳です。

 

ミイラがないと蘇る時に肉体がない為に困ると言う事ですが、彼らにとっての天国とは自分たちが今住む場所、つまりエジプトでした。」

 

「天国、と言っても信仰や宗教によって意味の差異が在ると。」

 

「その通りです。極楽浄土と天国でその意味は異なる。天国と聞いて古代エジプトを思い浮かべるのは当時の彼等だけでは無いでしょうか。そして、それこそが国独自に発達した文字と言う訳です。

 

古代エジプトの文字は神職が扱う神聖な物でした。それ故にそれらの文字は神秘で満ちている。

 

翻訳家によって複数の翻訳が成されるのはその為です。その国の風土や歴史を学ばなければ正しい翻訳が出来ないし、自国に無い概念があった場合はその概念の説明から始めなければならない。

 

最近では歌に英文を入れるものがありますが、他国の言語はその国のイメージによって形作られます。何と言っているのか分からないが、何となくカッコいい。

 

例としてfairy taleはそのまま和訳すると妖精の尻尾ですが実際の和訳は子供向けの物語。つまり童話や御伽話となります。イメージや意識の違いが文字となる。彼らにとって童話は妖精の尻尾、つまりはファンタジー色が強いと言う訳です。

 

外国人が変な日本語文字のプリントTシャツを着ているのは、何となくかっこいいからです。文字は意味を表すだけでは無く歴史風土やその国のイメージや神秘、真実を表す大切な宝物です。」

 

「では多数の認知を共有すると言うのはその国の風土と歴史を知る人々の間で、と言う意味でしょうか?」

 

「正しく翻訳する。と言う意味ではその通りです。しかし他国、つまりその文字を知らない人々の視点では大まかな雰囲気だけが伝わる。

 

日本人から見てイタリア語は気障でオシャレで詩的な雰囲気を持ちますが、そのイメージはその国の歴史や風土から来ています。オペラやクラシックの遠回りで想像を掻き立てる歌詞は端的に意味だけを伝える以上の情報がある。

 

外人が『いらっしゃいませ』とプリントされているTシャツを着ているのは意味は解らずとも文字から日本の雰囲気が伝わるからです。つまりは逆も然り。

 

『dark ring (ダークリング)』とプリントされたTシャツは米国人にとっては嘲笑の的となるでしょう。なにせ『尻の穴』の意味を持つ隠語ですからね。」

 

「成程、その国の知識量から文字の意味やイメージが変わってくると。それでは複数の文字を繋いで出来上がる文章についてはどの様なお考えでしょうか。」

 

「文字に指向性を与える物と考えます。状態や時間、状況や性質。【文章は行間を読む】と言う言葉が有りますが、『無いモノ』を『在る様に見せる』技術もある種、指向性です。先生は数字の【0】の成り立ちはご存知ですか?」

 

「はい、バビロニア人が最初、ゼロを示す方法としてただの空白を置いたが、「101」が「11」になるような混乱が起きがちで 、「↗︎↗︎」のような2本の斜線記号で空位を表したが「1」との混合が目立った為に、古代インド数学に於いて整数環、実数体における加法単位元であるという性質を持つ文字としての 0 の使用を始めた。

 

これによって位取りによる記数法の桁揃えに役立つ為計算がし易くなった。と。」

 

「その通りです。文字にも複数の意味合いが読み取れると言うのは先にもお伝えした通りですが、複数の意味を持つ文字を1つの意味に絞ったり、見えない物を見える様にする補助的な役割を持ちます。

 

例として、「殴る」でも「殴られたから殴った」と「怒られたから殴った」では与えられる印象が異なります。彼の性格や知性、環境と言う見えない部分さえも変化して見えるのです。

 

今回の例はかなり端的で単純なモノですが「がなり聲を鎮める為に身体が動いた」と遠回りな表現も出来ます。

言動は同じでも与える印象が変わってくる。理知的な人間が其れでも行動に移した。行間の意味が変化します。

 

これは読み手の精神状態、年齢や時代によってでも同じ事が起こる。昭和の汚いと令和の汚いの基準は余りにも違う。それを補う為に風景描写や心情描写が在るのです。」

 

「最近、蟹工船を読みましたが現代の基準から考えるに労働者は死が前提の奴隷扱いでした。あの様に悲惨な現場が有ったと考えるに現代基準のブラック企業は、未だマシと言わざるを得ない。確かにその悲惨さを補うならば風景描写は必須と言えそうです。

 

さて、今回は文学の基本となる文字と風景描写についてのお話でした。皆さんが感覚で理解している事を文字に落とす事で改めて学び直す良い機会となったなら幸いです。

 

それでは、本日はありがとうございました。」

 

「はい、ご清聴ありがとうございました。」

 

「そういうこった!」

 

 

 

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