闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「いくわよ、アゲハント!『ぎんいろのかぜ』」
「フィー!」
「からの『サイコキネシス』よ!」
「フィ!」
ポケモンコンテスト・カイナ大会が開催されるまで間もなくと言ったところ。
初のポケモンコンテストに緊張の1つでもしているのかと思ったがハルカはプレッシャーらしいプレッシャーを感じていない……今のところはだ。『ぎんいろのかぜ』を流して『サイコキネシス』で操りアゲハントに纏わせると言う器用なパフォーマンスの特訓をしている。
「うん!技の精度が段々と上昇してるかも!」
「まぁ、素人目でも上達してんのがわかるぜ」
『ぎんいろのかぜ』を『サイコキネシス』で纏うと言う技術は中々に絵になっている。
素人目で見てもハルカのパフォーマンスの技術が上がっている事が理解することが出来る。
「じゃあ、今度はキノガッサで……カッコよさを活かしたパフォーマンス!『タネばくだん』よ!」
「おい、ちょっと待て」
「キノォ!」
「きゃあああ!?」
アゲハントが仕上がったのだと感じるので他のポケモンのパフォーマンスにも手を出そうとする。
キノガッサのカッコよさをアピールしようと考えた結果『タネばくだん』を使うのだがそれはまずい。
オレ達が特訓をしている場所は海辺の砂浜、そんなところで爆弾を爆発させれば土砂が思いっきり巻き上がる。
オレが待ったをかける前にキノガッサが『タネばくだん』ぶちまけたせいで土砂が思いっきり巻き上がりセレナやオレが砂まみれになる。
「こうなるからそのパフォーマンスの特訓は別の場所で……ん?」
「あっ…………………他の人にも……」
「ちゃんと謝りに行くぞ」
『タネばくだん』を用いたパフォーマンスの失敗で土砂が巻き上がり砂まみれになったのだがオレ達以外にも砂まみれになってる奴がいた。ハルカはそれを見て顔を青くする。オレとセレナならばまだいいが全く関係ねえ奴に砂を浴びせてしまった。普通に怒られる事なので一緒に謝りに行くぞと言えばハルカと一緒に砂を被った男のもとに向かう。
「ご、ごめんなさい!キノガッサの『タネばくだん』で」
「この度はハルカが迷惑をかけてしまい誠に申し訳ありません」
「君……美しくないね」
「……は?」
「特になにも考えずに『タネばくだん』だなんて粗暴にも程があるよ……もしかしてそれでコーディネーター志望かい?美しくないにも程があるんだから潔くポケモンバトルにでもてんご!!」
「怒られる事をしたのは自覚してるがそりゃねえだろ?」
怒られる事をしたという自覚があるがこっちも怒りを抱く。
謝ったらキレられるかと思ったのだがなんか変な方向に話が拗れたのでとりあえず鼻フックを決める。
美しくないとか野蛮とか粗暴とかいきなりにも程があると軽くイラッとした。
「ぼ、暴力に走るだなんて野蛮な!!」
「オレはどっちかと言えばお前みたいなキザな人間を愚者と見ている……怒るならともかく否定はやめろ」
二本の指で男を持ち上げると野蛮だと言ってくるがオレ的にはお前は愚者だ。
怒ってくるなら10:0でこっちが悪いがそうじゃねえならば話はまた異なる。鬼灯の冷徹の鬼灯みたいに静かに怒りを露にしつつ軽く殺気を送ればビクッと反応した。
「こ、ここはホテルの一角のプライベートビーチだ!勝手に使うんじゃない!」
「スゲえ三下な事を言うな………あれがシュウタロウか……」
キザな二枚目だがオレと関わったことでなんか微妙になった。
スゲえ三下な事を言った後に男もといシュウはそそくさとホテルに逃げていった
「…………なんだったの?」
「……ここが自分の泊まってるホテルのプライベートビーチだって注意しに来たんじゃね?」
「そうなの……ここなら誰にも邪魔されないって思ったのに……はぁ……」
ポケモンコンテストが間もなく開催されるからポケモンコンテストに出ようというコーディネーターがゾロゾロと集まっている。
ポケモンセンターには大抵はポケモンバトルが出来るバトルフィールドが隣接してて大抵は負け抜けの勝負をしているがそれはあくまでもポケモントレーナーの場合、コーディネーターの場合は一次審査があり一次審査のパフォーマンスを重点的に鍛えねえと意味が無い、要するに練習場所の奪い合いが発生する。
「アゲハントが充分に出来てるから、焦らなくてもいいんじゃねえの?」
他にもパフォーマンスを仕込みたいと言う気持ちが分からなくもねえがアゲハントのパフォーマンスが充分に出来てる。
ハルカはアゲハントで挑むつもりなのでもう充分にパフォーマンスが完成しているので無理に詰め込みをしなくても良いはずだ。
セレナの方もなんだかんだでパフォーマンスをしっかりと仕上げてる……セレナやハルカの不安点があるとすればパニくらないかどうかだろう。
「それもそうね…………ホントだったらポケモンコンテストが終わってからにしようと思ってたけど……サトシ、セレナ……かき氷を食べに行きましょう!!」
「ハルカ、なんだかんだでちゃっかりしてるわね」
「だって、そういうのも旅の醍醐味じゃない!」
あんまり根を詰めすぎると厄介だと言えばハルカはそれもそうかとリラックスをしようとかき氷を食いに行く事を提案する。
美味しいご飯を食べるのが大好きな美少女なのは理解してるが何時の間にそんな情報を集めてたのかとセレナは少しだけ呆れるがハルカはなんだかんだでその辺のサーチはしっかりとしている。
「しかし、かき氷か……」
「サトシ、かき氷なんて何処も同じだなんて思ってたら大間違いよ!カイナシティのかき氷は冷凍庫じゃなくて天然の氷を使っててシロップも市販のただのシロップじゃなくて果物やきのみをベースに作り上げたジャムに近い物を使ってるの!でも、一番はそこじゃないわ!かき氷を食べる場所がとっても暑いカイナシティの海辺ってところ!ホウエン地方は全体的に気候が暑い地方よ!そんな暑い中でキンキンに冷えたかき氷、最高かもぉ!!」
オレどっちかと言えばカルピスかけたかき氷の方が嬉しいんだけどな。途中で溶けた氷水を最後に啜るのが意外と美味い。
とは言え美味しいかき氷を食べる機会なんて早々に無いわけでハルカは絶対に食べたいのだと燃えているので食べに行くことに。
海岸沿いにあるのかと思えばカイナシティ側にあるみたいで向かってみればカイナシティの博物館のすぐ近くにかき氷の店があった。
「わぁ……家で作るかき氷と段違いかも!」
「美味しいかき氷ってこんなにも美味しいのね!」
本当に美味しいかき氷を食べるハルカとセレナ。オレも食べてみるのだがかなり美味しい……いや、物凄く美味い。
まぁ、そもそもで美味しいかき氷を食べる機会なんて人生で早々に無いわけだ。美味しい料理の作り方を学んでた時期もあるがかき氷に手を出した覚えは無い。かき氷、極端な話氷の質と削る機械とシロップの3つだけでシロップしか工夫が出来ねえんだよな。
「ん〜キーンと来なくてキンキンに冷えて甘い……最高!!」
「クククッ……まぁ、楽しそうでなによりだ」
かき氷あるあるの食べれば頭がキーンとなる現象が起きない。
上質な氷とか削り方に工夫を入れておかなければ出来ねえ事でハルカとセレナは最高だと笑みを浮かべている。
間もなくポケモンコンテストだから色々とプレッシャーみたいなのを感じているのかと心配をしていたが……杞憂……いや、ぶっつけ本番か?
「おかわりぃ!!」
「はい、分かりました」
「すみません、かき氷1つ」
「あ、すみません今日はコレでラストでして」
「え!?」
「え、あ……えっと……どうぞ……」
ハルカがかき氷のおかわりを注文した後にかき氷を注文した人が現れた。
ハルカのおかわりが本日の備蓄している氷のラストみたいでおかわりで無くなると言われてしまったので凄く気まずそうにする。
こんな場面に鉢合わせてしまったのなら気まずくなるわなとハルカがかき氷を譲ればかき氷を注文した男性が笑顔になる。
「いや、すまない……おかわりを奪ってしまって」
「いえ、一杯は食べてますから…大丈夫です」
おかわりを食べられなかったことをそこそこショックなハルカ。
一杯は食べれてるからと妥協しようとしているが落ち込んでるのは目に見えている。なんか男性が申し訳無さそうにしていると何かを閃いた顔をする。
「君達、この後暇かい?」
「まぁ、暇かと聞かれれば暇ですけど……どうしたんですか?」
「カイナシティの海洋博物館のチケットがあるんだ……よかったらどうだい?」
「え、いいんですか!?」
「家族とかに配るものなんだけど、家族はもう飽きるぐらいに通ってるからさ……」
「こんなのを持ってるって事はあんた職員かなにかか?」
「ああ、海洋博物館のクスノキだ」
おっと、またビッグネームが出てきたな。
ハルカにかき氷を譲ってもらったお礼だとクスノキ館長から海洋博物館のチケットを貰う。
かき氷を食ったら予定が特に無かった事だしこりゃいい感じの展開になっているなとオレ達はかき氷を食べ終えた後に海洋博物館に向かった。
「ッチ。あ、招待客の方ですね。どうぞ」
「あの、聞こえるレベルの舌打ちやめてくれませんか?」
海洋博物館の入口でチケットを提示すれば聞こえるレベルの舌打ちをされた。
隣に絶世の美少女であるセレナとハルカが居るからおのれリア充的な感じで聞こえるレベルでの舌打ちをした。
こういう場所なんだからリア充来るのは当たり前……いやでも、アランとかなら1人で来ているイメージあるな。彼女居るって言ってたのに。
「クククッ……こういうとこ、意外と悪くねえな」
大人になってから美術館だ博物館だ巡ることが中々に無かった。
2人とのデートだが純粋に楽しむことが出来るのだと笑みを浮かべる……こう、綺麗な珊瑚とかそういうのが意外と楽しい。
潜水艦を実際に動かしてみよう!なシミュレーターで遊ぶことが出来るのも割と楽しい。こういうところって中々に行くタイミングが分からねえだけにな。
「う〜ん…………海って意外と神秘的ね……」
海から発掘したものとかが飾られている。セレナが説明文を見ても神秘的だなと感じる。
カロス出身で海と関わり合う機会が少ないので海との関わり合いを持って神秘を感じる……悪くねえ、こういうところを巡るのを……そう思っていると突如として電気が消えた。
「キャアア!?な、なに!?なんなの!?」
「ハルカ、胸を当てるの構わねえけど足は踏むな。地味に痛い」
「ハルカ、慌てないで!」
「で、でも……なにかのアトラクション?」
「いや、なんかのトラブルだろう」
突如として停電したが為にハルカがパニックを起こしてガッツリとオレの足を踏んでくる。胸も押し当ててくる。
足をガッツリと踏んでるので地味に痛いのだが言ってる場合じゃねえと思っているとセレナがハルカを落ち着かせる。オレの手を握っている手はまだ震えているが少しは気持ちが落ち着いてきたみたいでなにかのアトラクションかと聞くのだがなんかのトラブルだと見抜く。純粋に電気だけが消えるならばまだアトラクションかなにかだと受け入れれるが博物館に飾ってる物に対しての電力供給なんかを止めている。
「悪い奴等が泥棒に入った感じだな」
「…………泥棒!?そ、そんな」
「あ、言ってたら警報が鳴ったわ!!」
「なんで2人は平然としてるわけ!?」
「「馴れた」」
悪い奴等が泥棒に入った感じだなと冷静に考えていると警報音が鳴り響く。
オレとセレナがあまりにも平然としているのでハルカはなんでと言ってくるのでなんでと聞かれれば馴れたとしか言えない。
悪の組織が悪事を働いてる場所に遭遇していることが定期的にあるので馴れた、後いちいちビビってたらキリがねえよ。
「ああ、海底で見つかった貴重な石が!!」
「っちぃ!予備電力があったのか!」
「あ!貴方達コトキタウンに居た赤いの!!」
盗まれたのは海底で見つかった貴重な石のようで盗んだのはマグマ団だった。
メインの電源を落としたのだが予備電力があったのは予想外だったようで警報音が鳴り響く中で騒ぐ。
「ハルカ、アゲハントで『フラッシュ』だ!」
「え?」
「それが一番のダメージになると思うから頼む」
「わ、分かったわ!アゲハント『フラッシュ』よ!」
「フィー!」
「ギャアアアアア!!目が、目がぁああああ!?」
博物館全体が暗くなっている中で『フラッシュ』を使った。
眩い光をアゲハントは放てばマグマ団の団員が目がやられてしまったのだと叫ぶ。
「っく、逃げるぞ!」
「アゲハント『サイコキネシス』で足止めよ!」
団員全員がやられたわけじゃないのだと『フラッシュ』にやられてねえ隊員が逃げようとする。
『サイコキネシス』を使ってマグマ団の団員を物理的に動けないようにした。後はまぁ……オレがボコボコにする。
悪人ならばボコられて当然だろうと軽く関節を外して動けなくした後にジュンサーさんに引き渡した。
「すまない、こんな事になるだなんて」
「落ち込まないでくださいよ、逆を言えばオレ達が行ったから守り切る事が出来たんだから」
クスノキ館長がお礼を言いたいとお礼を言うのだがオレ達が事件を解決したのだと分かれば申し訳無さそうにする。
善意でチケットを渡したってのに結果的にトラブルに巻き込まれてしまった……だが、オレ達が居なければ大事な展示物が盗まれた。
そう考えると巡り巡ってクスノキ館長がやったことは悪いことどころかいいことだ。
「はぁ……サトシのおかげでなんとかなったけど、悪の組織ってホントに悪いことをしているのね……折角のデートが台無しかも」
「クククッ……ま、コレばかりはオレと付き合うんだったら覚悟しとけって話だ……かき氷は美味かったし博物館は楽しかったし割と楽しむ事は出来たか?」
「うん………なんか、ごめんねサトシ」
「なにがだ?」
セレナが申し訳無さそうに謝ってくるがなにを謝ってくるかが分からねえ。
「私とハルカに気を遣ってガス抜きをしてくれたのに……こんな事になっちゃって……」
「それはオレが謝らなきゃならねえことだよ……なに、ホントにヤベえ事はオレが処理するから安心しとけよ」
「……サトシ、カッコいいわ……」
ホントにヤベえ事は冗談抜きで命がかかる。ハルカやセレナに命は張らせたくねえよ。
ハルカがうっとりとしてるが純粋に巻き込みたくねえ善意なだけなんだがな。