闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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ハルカ、ポケモンコンテストデビュー

 

「う……ちょっと……」

 

「クククッ……ま、そうなるわな」

 

ポケモンコンテスト・カイナ大会が今日開幕なので会場に向かった。

会場は当然の様に大量の客が入っており、ハルカが徐々に顔を青くしていく。

人混みに馴れてねえではなくこんな大観衆の前でパフォーマンスを見せなきゃいけねえのかという圧に飲み込まれてる。

 

「オレから言えることは特に無い。オレはコーディネーターじゃなくてポケモントレーナーなんだ」

 

「うん……セレナも1回だけで他人にアドバイスすることが出来るぐらいに経験値を積んでるわけじゃない……ここは私自身の力で頑張らないといけないわ」

 

ポケモンリーグという大観衆の前で動じることなく戦っていた経験からなにか言おうと思えば言えるがそれはあくまでもポケモンリーグだからだ。ポケモンコンテストに出場しているハルカやセレナにここをこうすればいいと具体的なアドバイスを送ることが出来ねえ。

オレからなにも言うことは出来ねえことを伝えればハルカがオレに頼ろうという甘えを捨てて自分の足で歩こうと決めた。

ハルカもセレナも選手控室に向かう。オレは観客席、折角の2人の舞台なんだからなるべくいい感じの席に座りたいと頑張って出来るだけ前の席に座った。

 

「すみません、隣いいですか?」

 

「ああ、どうぞ」

 

「ありがとうニャ……ニャ!?」

 

「っげ、ジャリボーイ!?」

 

「クククッ……聞かなかった事にしてやるよ」

 

座席に座って開幕がまだかと待っていると隣の席に座りたいと言ってくる2名が居た。

オレ1人の虚しい観戦かと思っていたがコジロウとニャースが隣に座ってきた。なんとも言えない微妙な奇跡だ。

オレだと気付いていなかったので気付いた途端にヤベえと反応するが聞かなかった事にしてやる………………。

 

「お前等、悪巧みしてねえだろうな?」

 

「いやいや、ポケモンコンテストに関してはムサシのガッチガチのプライベートだから!」

 

「そうニャ!余計な事をすんなって言われてるニャ!」

 

そう言えばアドバンスジェネレーション編のポケモンコンテストは妨害工作があったなと思い出す。

純粋な実力で負けたのならばオレはなにも言わねえが、しょうもない妨害工作で負けたのならばそれは許せねえことだ。

コジロウとニャースに裏で妨害工作をしてないかを聞いてみればポケモンコンテストに関してはムサシのガッチガチのプライベートな事でロケット団の仕事とはなんにも関係無いと言っている……嘘なら後で〆る。

 

「まぁ、1回はその話は信じてやる……」

 

「そ、そうか……」

 

「だがホントにしょうもない妨害工作したら腹括れよ?」

 

「っひ!?……わ、分かった。分かったから威圧しないでくれ」

 

「ならいい……」

 

コジロウに威圧感を放っておいてビビらせておく。

ヤバいのが隣の席に居るなとコジロウは若干ながら怯えながらもポケモンコンテストは開幕される。

 

「さぁ、はじまりましたポケモンコンテスト・カイナ大会!司会は私、ビビアン!審査員は」

 

ポケモンコンテストの前振りをする司会者のビビアンさん。

審査員はポケモンだいすきクラブ会長、ポケモンコンテストの偉い人、その街のジョーイさんと言うのがお決まりだろう。

何時もの面々の挨拶を終えればポケモンコンテストが開幕する。

 

「トップバッターはキャンディムサリーナ選手!さぁ、どういくのか?」

 

「いくわよ、ハブネーク!」

 

「ハブァ!!」

 

トップバッターを飾ったのはキャンディムサリーナ……要するにムサシだ。

トップバッターを飾ったのだが全くと言って精神はブレてねえ、それどころかこの大会で目立ってやるという根性が見える。

1番手はハブネーク……とにもかくにも1番目立たなきゃいけねえパフォーマンスを魅せないといけねえ。後に繋がる人達より印象的だなと思わせなきゃならねえ……体を張った芸、と言うかコーディネーターも目立とうとするパフォーマンスをしたのだがそれが逆に受けて観客一同や審査員達から拍手が送られ高評価を受ける。

 

「2番手はロバート選手です!」

 

「いけ、ミロカロス!」

 

「コォオオ!」

 

「ミロカロス『しんぴのまもり』」

 

「コォ……」

 

「なっ…………なんて美しいんだ」

 

「ムサシの体張ったパフォーマンスが頭から消え去ったニャ!?」

 

2番手のロバートが出したのはミロカロスだった。

ミロカロスでなにをするのかと思えば『しんぴのまもり』を纏うだけだった……が、それで充分過ぎる魅力を発揮した。

もとから美しいミロカロスに変な泥臭い青臭い芸は不要、神秘的なオーラを纏う『しんぴのまもり』を纏い軽く鳴き声を上げる……やってることは至ってシンプルだ。ポケモンバトルと言う場所では使い物にならねえ技能だ……だが、ランクが違う。

稀少なポケモンであるミロカロスを持っているだけでもランクが違う。ミロカロスの美しさに依存していない、かと言って美しさを殺そうとしてない、絶妙なまでの魅せ方をする。その後にも何人かパフォーマンスをするがロバートが段違いに抜けている。

 

「さぁ、続きましてトウカシティのハルカさんです」

 

「が、がが、頑張りまーす!」

 

「おいおい、大丈夫なのか?滅茶苦茶アガってるぞジャリガール2号」

 

「……」

 

予想通りと言うべきかハルカは物凄くアガっている。

なにかやらかさないのか心配しながら見守る。コジロウとニャースが大丈夫なのかと心配しているが……ここで無理ならそこまでだっただ。

 

「アゲハント、ステージオン!!」

 

「フリャア!」

 

「先ずは『ぎんいろのかぜ』よ!」

 

「フリュー!」

 

ガッチガチの緊張をしていたハルカだったがアゲハントを出せば自分にはポケモン達が居てくれると意識を切り替えた。

緊張は消え去りポケモン達でパフォーマンスをしたい!と言う思いを表に出して先ずはとアゲハントに『ぎんいろのかぜ』を使わせる。

神秘的な『ぎんいろのかぜ』を発生させたと思えば『サイコキネシス』を発動し『ぎんいろのかぜ』を操り……アゲハントは姿を消した

 

「なっ!?消えた!」

 

「ジャリボーイ、どうなってるニャ!?」

 

「『ぎんいろのかぜ』を操って光を屈折させてアゲハントの姿を透明にさせたんだよ……言っとくがコレが出来るのは『ぎんいろのかぜ』と『サイコキネシス』を覚えてるポケモンだけでこのパフォーマンスは物凄く努力しないといけねえ」

 

原理的に言えばFateの風王結界(インビジブル・エア)に近い。

『ぎんいろのかぜ』と『サイコキネシス』を組み合わせたコンボ……戦闘じゃあんまり使えないコンボだ。

 

「アゲハント『フラッシュ』よ!」

 

「フリャアアアアア!!」

 

光の屈折を利用して見えなくなったアゲハントが翅を輝かせる。

突如として現れたアゲハントがキラキラと輝いた姿を見せてハルカが一礼をすれば拍手喝采が起きる。

取りあえずは掴みはOK……問題は……二次審査に通るかどうかだ。原作と違って審査員の3人が誰になんポイント配布なのかをやってくれねえ。審査終了した時点でポイントを決めているので同じポケモンを使った人の方が良かったような状況は少ない……筈だ……。

こういうのを見ればホントにオレはコーディネーターが向いてねえ、ポケモンバトルに能力値を割り切ってる奴だなと認識する。

 

「続きまして、セレナ選手!」

 

「いくわよ!リザードン!オンザライブ!」

 

「グォオオウ!!」

 

「リザードン『おにび』よ!」

 

シュウの出番があったりしたが、特に語るべき点は少ない。

間もなく終盤というところでセレナの出番がやってきた。セレナはリザードンを出したと思えば『おにび』を使う。

邪悪だが神秘的なオーラを纏っている『おにび』を放つがコレだとリザードンでなくリザードンの技が目立っているだけだ。ここからどうするかと思えばセレナは次に動く

 

「『はらだいこ』よ!」

 

リザードンは『はらだいこ』を使った。

ドッドドッドとリザードンはお腹を鳴らしそれに合わせて『おにび』も動いた。

 

「ジャリガール1号、こんな事も出来るのか……」

 

「いや、まだ終わりじゃねえよ」

 

「リザードン『フレアドライブ』『おにび』を通って!」

 

リザードンは『フレアドライブ』を使う。

先に放っている『おにび』に向かって突撃していき『おにび』の炎を纏っていき赤色の炎から青色の神秘的な炎に切り替わる。

 

「『はねやすめ』よ!」

 

「グォウ!!」

 

リザードンが『フレアドライブ』を終えれば炎を消して『はねやすめ』をする。

例えるならば祭りで徹底的に盛り上がった後に静かに終わりを告げる、そんな感じのパフォーマンスだ。

コイツはいいなと思っていると今までで1番大きな拍手が巻き起こる……リザードンのカッコよさを魅せつけた感じだ。

 

「さぁ、一次審査を突破したコーディネーターの皆様です!」

 

「やったニャ!ムサシが一次審査を突破したニャ!」

 

「2人も無事に出来てるか」

 

そんなこんなで一次審査が終わり、二次審査に突破したコーディネーター達が発表される。

ムサシ、ハルカ、セレナ、ロバート、シュウとこのコンテストでもレベルが違うなと思える面々が二次審査に突破した。

まぁ、なんだかんだで二人共才色兼備だから一次審査のパフォーマンスで落ちることは早々に無い……問題はここからだ。

 

「二次審査はコンテストバトル!魅せながらのバトルです!」

 

二次審査は魅せながらのバトルで……1回戦でムサシ、シュウが負けた。

今回のこのカイナ大会が特にレベルが高かったりする……特に目を引くべき存在はロバートだ。

 

「いけ、ミロカロス!」

 

「アゲハント、ステージオン!」

 

会場の雰囲気に飲み込まれかけていた最初が嘘のように自分のペースに乗れているハルカ

本来ならばシュウに負けていたがオレのおかげかシュウを倒すことに成功している……だが、厄介な存在が目の前にいる。

ハルカの対戦相手のロバートはこの大会で特段頭が抜けている、もう風格が漂っている。

 

「アゲハント『おいかぜ』からの『ちょうのまい』よ!」

 

ハルカは相手が格上だろうがなんだろうが関係無いと『おいかぜ』からの『ちょうのまい』を使う

風に乗って『ちょうのまい』を使う姿は見る人を魅了する……だが……………

 

「ミロカロス『ふぶき』」

 

「……あいつ、滅茶苦茶強い……ジャリガール2号が悪いってわけじゃないんだけど……レベルが違う」

 

ミロカロスの『ふぶき』1つで形成が一気に逆転した。

ほんの僅かだがアゲハントの翅が凍りついた。翼でなく翅で飛んでいるポケモンのせいかほんの少しの負荷でも上手く飛ぶことが出来なくなる。ウルガモス辺りならば『ほのお』タイプの技で翅に纏わりついている氷を溶かす事が出来るがアゲハントにその手の技は無い。

翅が一部凍ってなければ他にも色々な事が出来たが……アゲハントと言う種族が出来ない、純粋なポケモンバトルという観点でもミロカロス相手にアゲハントで挑むならば相当鍛え上げとかなきゃならねえ。

 

「……サトシ……」

 

結果的に言えばハルカは一方的に負けた。

アゲハントが悪かったのか?それともハルカが悪かったのか?その問いかけに関する答えはオレは持ち合わせてねえ。

選手控室に向かえば何時もの格好に着替え終えていたハルカが居た……そしてポロポロと涙を流した。

 

「悔しい……悔しいわ……一生懸命頑張ったのに、一方的に……………」

 

「そうか……………辞めるか?」

 

「ちょっと……………ちょっとだけお願い」

 

ハルカは物凄く悔しいから涙を流している。

一生懸命頑張ったのに決着があまりにもあっさりと付いてしまったと悔しいと涙を流している。

オレはコーディネーターを辞めるかと聞けばハルカはオレの背中に抱きついて涙をポロポロと流した。

コーディネーターを辞めるつもりはない、だが今はこの言葉にすることが出来ないどうしようもない悔しい思いを涙に変えて流す。

 

「ありがとう、サトシ……セレナを応援しないと」

 

「クククッ……ま、そうだな」

 

1回、トウカジムで同じことが起きただけあってかハルカの立ち直りは早い。

あんまり言いたくねえが、それが出来るトレーナーは少ない……自分ならば行ける!毎日あんなに頑張ってるんだ!そう思っても努力は必ずしも結果に繋がらない。非情な現実が纏わりついている。大抵の人は夢半ばで破れちまうのが現実だ。

 

『さぁ、決勝戦もいよいよと大詰めです!ロバート選手とセレナ選手、どちらが勝つのでしょうか!』

 

『リザードン『にほんばれ』よ!』

 

『ミロカロス『アイアンヘッド』』

 

観客席に戻るのも手間がかかるので選手控室から試合を観戦する。

対戦相手のロバートはやはり別格……だが、セレナも決して負けているわけじゃない。ロバートが別格過ぎる。

仮にコレが一次審査ならばセレナがそこそこの差があって負けていたのだがコレは二次審査、コンテストバトル…………

 

「勝てる要素は0じゃない……だが、それはコーディネーターとして褒められない勝ち方……」

 

「え?」

 

『リザードン、ミロカロスを投げて!』

 

ロバートから勝ち星を得る方法は浮かんでいるがそれはコーディネーターとしてあまり褒められたもんじゃねえ。

『アイアンヘッド』で突撃してくるミロカロスの額をガッチリと掴んではリザードンは空中にミロカロスを投げた

 

『『ソーラービーム』を打ち上げて!!』

 

投げられたミロカロスに対して『ソーラービーム』をぶつける。

フシギダネが使っていた打ち上げ花火な『ソーラービーム』でミロカロスにぶつかった途端に弾けた。

綺麗な花火がついたなとミロカロスのコンテストゲージを大幅に削っていき……ミロカロスを戦闘不能にした。

 

『ここで試合終了!!ポケモンコンテスト・カイナ大会を制覇したのはセレナ選手!』

 

「……やっぱりセレナは強いわね……」

 

「クククッ……褒められた形じゃねえの理解してるのか?」

 

「え?」

 

セレナがミロカロスを倒したことで今回のカイナ大会がセレナの優勝で終わった。

ハルカはセレナはレベルが違うと言えるぐらいに強いコーディネーターだと感じているのだがハルカは……気付いてなかった。

 

「確かにセレナは優勝した……ただコーディネーターとしてはロバートの方が格上だ」

 

「じゃあ、金星をゲットしたの?」

 

「いや……コレはコンテストバトルだ……ゲージを削り切っての勝利じゃなくてポケモンバトルとして勝利した。この前のマグマ団やお前と出会った時のロケット団達の様な悪い奴等と戦うための自衛の手段を学ばせてる…………それのおかげで乗り切った。仮にミロカロスがバトルも得意だったらセレナは負けていた…………仕方ねえといえば仕方ねえことだが」

 

オレと一緒に居るから嫌でも厄介な事に巻き込まれる。

自衛の手段として色々と鍛えている……基本的にはトラブルはオレが解決するから戦うことにはならねえがそれでもオレと一緒に旅してオレのバトルの特訓に付き合ってて優秀なポケモンを持っているから下手なリーグ出場者よりセレナの方が強い。

確かアレだったか?マサラタウンのサトシくんと一緒に旅している影響でハルカがマサラタウンのサトシの様なバトルの癖をつけてしまったってならなかったか?……まぁ、問題は無さそうだが。

なにはともあれセレナは2個目のリボンをゲットしハルカはポケモンコンテストの楽しさと厳しさを学んだ

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