闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「メタ」
「すまんが諦めてくれ」
次のジムで自分を出してくれとメタングが直訴してくる。
次は『ほのお』タイプのジムなので『はがね』タイプのメタングは相性が悪い。次のヒマワキジムに出すつもりだがフエンジムでは出さない。
「メタ……」
「そう落ち込むな、お前の腕は信頼している……実戦じゃ負け無しがその証拠だろ?」
ここぞという時の勝負に出してくれないことをメタングは不満に思っている。
なんとかしてメタングを……いや、なんだかんだでジム巡りも次で後半戦を迎えるから一度何処かでリフレッシュしなきゃならねえ。
オレ自身はそれなりに場数を踏んでいるからまだリフレッシュしなくても問題はねえがポケモン達はなんだかんだで疲れてるだろう。
「サトシ、ちょっと立ち寄りたい店があるんだけど」
「この辺になんか店があるのか?」
「うん……アロマのお店があるの」
既に街らしい街が見当たらないのだがセレナは行きたい店があると言う。
この辺になんか店があるのかと聞けばあるらしく、セレナが行きたいと言っているのだから無理に断る理由も特に無い。
アロマのお店に行きたいのだと言っているのでアロマのお店に向かった。
「わぁ〜いい香り!なんというか……心が落ち着くわね」
「そういうのがアロマの役割だからな」
「フフフ、気に入ってもらってよかったわ」
アロマの店に行けばとてもいいフローラルな香りがした。
ハルカが匂いを嗅いで心が落ち着くと言うがそれがアロマの役割だ……店主の女性が気に入ってもらえてなによりと言ってくれる。
しかし……こういうのと縁が無いんだよな。汗臭さや体臭は氣にしていたが下手にアロマとか柑橘系のスプレーしてたら怒られる。飲食の仕事してたからな……。
「あの……『みず』タイプのポケモンを落ち着かせるアロマはありますか?」
「ええ、あるわよ……………………なにか『みず』タイプのポケモンで悩んでるの?」
「はい……私が悪いんです……でも……」
ヒンバスだったころは素直だった……いや、素直なフリをしていた。
ミロカロスに進化したことで言うことを聞かなくなった……ハルカは自分の手に負えないと諦めて実家に転送する事はしなかった。
ミロカロスが言うことを聞かなくなったのはもとを正せば自分が撒いた種、ならば自分で解決するのがベストだろう。
「コレが『みず』タイプが好むアロマよ」
アロマを購入した。早速使ってみることに
「出てきて、ミロカロス」
「一応は頼んだミロカロス」
「まぁ、色違いと普通のミロカロス……綺麗だわ」
『みず』タイプのポケモンが好むアロマを焚いた。
いい感じの匂いがしているのでここが出すタイミングだとハルカはミロカロスを出した。
万が一が起きると怖いからオレもミロカロスを出せば……オレのミロカロスもハルカのミロカロスも気持ち良さそうにしている。
ボールから出せば暴れまくってそこかしこ破壊し尽くすって事はしなくなった。ヒンバスからミロカロスに進化したことで一先ずは最初の恨みを晴らすのだと攻撃した……それからは言うことを聞かない……。
「……スゴくリラックスしてるわね……ミロカロス」
「……」
「言葉だけ聞いて……私が貴女に失礼な事を言った。それは私がどう見ても悪いこと……だからミロカロスになったら嫌がらせ、きゃあ!?」
「コォオ!!」
「よくやった……まだまだか」
アロマで気持ちを落ち着かせたミロカロスに対して対話を求めようとするハルカ。
なにが悪かったかはまだ分からねえがハルカは自分が全面的に悪いと認めて謝るのだがミロカロスが『みずのはどう』を撃ってくるのでオレのミロカロスが『アクアテール』で防ぐ。オレならばともかく普通の人に『みずのはどう』は痛い。
「……ミロカロス……」
「………………なにも出来ないのが悔しいわね……」
セレナが先輩としてアドバイス!やオレが先輩としてアドバイス!が全く出来ない。
ハルカがミロカロスに対してどういう風に接すればいいのか……ハルカから干渉しなければ自由気ままにしているしポケモンフーズなんかの飯はちゃんと食う。暴れまくることはしていない……いっそのことバカみたいに暴れまわって慢心してくれた方がありがたい、それだけならばオレがスイクンを呼び出すかオレのミロカロスで真正面から殴り倒す……
「ハルカ、ポケモンの管理も大事だがコンテストとジムがある……一旦置いとけ……」
「……うん……」
ミロカロス問題は早々に解決することが出来ねえ。その問題ばかり向き合ったとしても意味は無い。
特にハルカは二刀流だから何処かでリズムを崩すことは許されない……次のコンテストはキノガッサだと決めているがその次のジム戦がキノガッサが活躍することは出来ない。『ほのお』タイプのジムだからしゃあねえけども。
場所を変えてハルカはキノガッサをボールから出してミロカロスをボールに戻したが……ミロカロスは勝手にボールから出てきた。ボールの中に入っているのが嫌なのか?そう思ったがそうでもないみたいで……ハルカがキノガッサでコンテストの特訓をしているのを見守っている。
「……言うことを聞かなくなるのはその気になれば最初の頃から……ミロカロスになる事は拒んでねえ……」
ハルカとキノガッサを見ているミロカロス。
ヒンバスだった頃にコンテストの特訓をしていたがそん時も真面目に取り組んでくれた。トレーナーとのバトルも進んでやってくれた
全てはハルカに対して嫌がらせのざまぁをしたいだけ……そういう根性がネジ曲がった腐れ外道は割と居るが、ヒンバスはミロカロスになることそのものは拒んでいない。同じ湖に住んでいたミロカロスと話し合う事をしてくれる。
「コォオ?」
「……どうだろうな……少なくともポケモンバトルの楽しさやポケモンコンテストの楽しさは気付いてる筈だ」
オレのミロカロスが大丈夫か?と聞いてくる。
ミロカロスは……強くなりたいという思いは多分だがあるんだろうがハルカを嫌っているのでハルカの言うことを聞こうとしない。
ハルカが自身に依存しているから言うことを聞かないようにしているとかそんなんじゃない……ただ純粋にハルカを嫌っているところがある。
「クククッ……どうにもならねえな……」
ハルカが招いた事だ。ハルカが自力で解決しねえといけねえことだが思うことがないわけでもない。
今までにあんまりぶつかってこなかったタイプの問題、ポケモントレーナーとしての経験からアドバイス出来るものもねえ。
「っと……オレ達も特訓するぞ……『アクアリング』だ」
ハルカのミロカロスが気になるがオレの事をちゃんと出来なきゃ元も子もない。
ミロカロスに『アクアリング』を使わせる……ゲッコウガは高速両刀アタッカー、ラプラスは豊富なタイプを使える特殊アタッカー、スイクンは特殊耐久アタッカー、ミロカロスは……何型にするか、定番を言えば特殊攻撃主体の耐久アタッカーだがミロカロスが出来ることの殆どがスイクンも出来る……今はまだスイクンをここぞという時のエースとして出している。もしアレになった場合、スイクンがエースになる。でもゲッコウガはここぞという時は絶対に呼び寄せる。主にアランやシンジ、チャンピオンクラスの怪物が相手ならばだ……
「……エースの役割か……」
今のところのオレのエース級のポケモンはスイクン、リザードン、ゲッコウガの3体だ。
ジュプトルも何れはジュカインに進化させる。そうすればエースとして運用するつもりで相性最悪過ぎない限りはバトルに出して重点的に鍛えておりジュプトルもそれに対して成果を出している……だが、それじゃあダメだ。
2度目のチャンピオンリーグ、ダンデ相手にフルバトルでキョダイマックスリザードンvsメガリザードンYの勝負でオレが勝利した……リザードン同士の対決だったがダイマックスの効果が切れてからメガリザードンYが奮起して勝利した感じで次のドラパルトに普通にボコられて負けた…………分かってる事だが地道な基礎訓練じゃないと得られない物がある。チャンピオン、アイリス以外は二十歳過ぎている経験豊富積み上げてきた物がある奴等ばかり、オレの冒険は濃い方だが……考え方を変えるしかねえか……。
「サトシ、普通の特訓なのに物凄くシリアスな顔になってるかも」
「クククッ……顔に出ちまったか……ちょいと考え事をな……ハルカもホウエンリーグに出るから考えておいた方が良いことだ」
「考えるってなにを?」
「エースの運用方法だ……お前にとってのエースポケモンはなんだ?」
「そりゃあワカシャモ……一番最初に貰ったポケモンでまだ進化を残してるしメガシンカもするって聞いてるわ」
「そのエースポケモンをどういう風に使うか……そこを考えねえとポケモンリーグは勝ち進めねえ」
「う〜ん……エースだからここぞという時とか開幕を任せたりしたらいいんじゃないかしら」
「そこだ、そこに疑問を抱いてるんだ」
「……エースだからここぞという時とか開幕を任せたりするのがベストじゃないの?」
エース運用方法について色々と考えてて顔に出ているとハルカに指摘された。
ハルカにもぶち当たる問題だからとエースについて聞いてみればここぞという時とか開幕を任せたりしたらいいんじゃないのかという尤もな意見が出てくる。
「開幕を任せるのも良いことだ。ここぞという時を決めるのも良いことだ……だがオレは相手の手持ち残り2体を確実に仕留めれる強さがあればそれがいいんじゃないかと考え出してな」
「残り2体?……確かポケモンリーグって使用ポケモン3体のバトルと使用ポケモン6体のフルバトルで構成されてるのよね?エースなんだからもっともっと多く相手のポケモンを倒した方が良いかも」
「……オレはジョウトリーグの本戦トーナメントで開幕エースをやった。相手との実力差が大きかったおかげで大差をつけれた……だが、2回戦や準決勝、決勝戦は色々とやったが上手くはいかなかった。ポケモンリーグに出ている奴等は基本的にはジムバッジを8個手に入れた確かな実力者だ。最初から開幕エースは途中でバテて使い物にならない……試合を終わらせる為の仕事をするのがエースでいいんじゃねえのかと考えている」
「このポケモンが出てきたらもう試合にならない、負ける、そう思わせるの?」
「そうだ……この前のキンセツジム戦で学んだだろ?1体を犠牲にして盤面を整えるという戦術を。フルバトルは5体、それ以外は2体、エース以外を使える。そこを上手い具合に運用して相手のペースを崩し相手が残りの手持ちが2体になったらエースを出して一気に勝負を決める。エースが最後の砦じゃなくてエースで最後の砦を潰す、そういう運用方法に切り替えるべきか否かだ……」
少なくともイッシュリーグでコテツは開幕サザンドラと言う事をして一時的に優勢に立ったが途中で負けて一気にペースを崩した。
ゲームみたいにコマンド入力したら後は数字だけの世界で終わる世界じゃないのがこの世界のポケモンバトルだ。動くだけで普通に体力は使う。だから開幕から最後までエースがフルで戦うのは余程の実力差がねえと出来ねえ。
「最後を任せるエース、試合の流れを切り替え掴むエース、切り込み隊長として先陣を切るエース、勝たなきゃいけないところで勝つ安定したエース、この4つのパターン以外にも色々とあるが基本的にはエースと言えばこの4パターンだ……だが、この4パターンじゃまだチャンピオンリーグを勝ち抜けねえ。相手の最後の砦とその前のみを確実に倒す事が出来るポケモン、それをエースにしてえ……少なくともオレはやっと精神的な余裕が出てきた」
「余裕って……サトシ、何時も余裕そうだけど?」
「手持ち的な意味合いじゃ何時もヒーヒー言ってるんだよ」
ポケモンを見つけてゲットするぞ!をあんまりしてない。
シンプルに育てきれないや扱いきれない、ピンとこないでゲットしてねえ。そのおかげで割とピンチだったりする場面はある。
例えば一通りのタイプを持ってると言っても『でんき』タイプはジバコイルだけ、そのせいで『でんき』タイプが有効打と分かればジバコイルが読まれる。欲しい『でんき』タイプのポケモンには目星がついてるがまだまだ先の話だから意外とジバコイルに負担が掛かってる。
「ポケモンを貰って旅立った頃は10体ぐらいが限界かと思ったが今じゃ手持ち重複せずにバランスよく6体のパーティを複数構築出来る。エースの運用方法で最後の砦を任せる、切り込み隊長を任せる、試合の流れを切り替える……色々と出来て色々と考えて……相手の最後の砦ともう1体のポケモンを倒すだけの仕事をするのがエースとして理想的じゃねえのか、エースを出す前に上手く試合を構築してエースを出せばその時点で試合は終わったと周りを思わせる、エースvsエースの熱いバトル!じゃなくてエースのポケモンが出てきた、終わったな、そう思わせるような試合展開をコレからは目指しておかなきゃならねえんじゃねえのかとな」
「……スゴく高度な事を考えてるわね……」
「クククッ……普通にやったら年季が入ってる才能を持ってる奴の方が上に決まってる……だから効率を求めるが理詰めだけじゃダメだ。少しぐらいは割に合わない逆転の発想をする」
相手のエースに対して自分のエースをぶつける理論は時には間違いだ。
そういうのはゲンガーの『みちづれ』やラプラスの『ほろびのうた』とかで強制的に終わらせるっていうやり方もある。
相手の最後の砦としてエースが待ち構えていることは多々あるが、それはそれで嬉しいことだ。残りのポケモンで集団リンチすれば大差が無い限りは勝てる。相手の最後の砦ともう1体を倒せる怪物級のポケモンを用意する、その怪物級のポケモンこそがエースでそれを出すまでの盤面を整える……2回のポケモンリーグの経験上、それが良いんじゃねえのかと感じる。
「でも、そういうことすればマサトみたいに色々と言ってきそうかも」
「塩試合になる可能性は高いだろうな」
サトシのエースである◯◯が出てきた、この試合はもう終わりだ。
そう思わせるような試合運びをすればマサトみたいにこんなのポケモンバトルじゃないやズルいの意見が出てきて塩試合になるだろう。
挑戦者側も絶望する可能性が高い……だが、冷静になって考えてみれば一般トレーナーと四天王やチャンピオンの間に大差がある。チャンピオンリーグ優勝者が四天王やチャンピオンに挑み大差でボコられた、それはよくある話でそれがつまらないと言わない……称号あるか無いか、それだけなのに扱いが酷い。
「まぁ、猪突猛進よりはマシだがな」
一度勢いを作り勢いに乗って戦う、その技能だけはマサラタウンのサトシに負けているんじゃねえのかと思っている。
自分のペースを作る事も乗せることもマサラタウンのサトシは天性の才能を持ち天才と言って過言じゃねえ……他の能力が圧倒的なまでにお粗末だからどうでもいいところで試合を落とすしシンジみたいに総合力高い奴にボコられるが。
エースとはなにか?エースをどういう風に扱うか?色々と考えているが、はいそうですかで答えが出てくるわけがない。
次のジム戦はミロカロスが大事だ……メタングとジュプトル『ほのお』タイプに弱いからラティアスとミロカロスで挑まねえと。