闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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フロントザ・フューチャー ハルカ

 

「まだ、まだよ!」

 

「いけません!!」

 

「君はさっきからパフォーマンスを重視していてフシギダネを見ようとしていないじゃないか!」

 

「貴女もコーディネーター、いえ、ポケモンを扱うものならばポケモンと親身になるべきです!」

 

ルイボスタウンのポケモンコンテストルイボス大会にハルカとセレナが出場した。

一次審査を無事に突破し今回は4人だけのトーナメントをするのだが……ハルカがTKO(テクニカルノックアウト)をくらった。

一次審査をバシャーモで乗り切り二次審査はフシギダネで挑んだ……だが…………フシギダネは飲み込まれた。ポケモンコンテストの会場が圧倒的なまでの人を見て、視線を受けて重圧に飲み込まれた。既に戦うことには馴れてきたハルカに対してデビュー戦のフシギダネ、何時もと同じノリで挑んだが……フシギダネの調子が悪いのを全くと言って気付かず何時も通りに行こうとして最終的にはルイボスタウンのジョーイさん、ポケモンだいすきクラブの会長、コンテスターさんからもっとフシギダネの事を見るように!と説教を受けてポケモンコンテストルイボス大会はセレナの優勝に終わり幕を閉じた

 

「……………」

 

そしてここから新たなる幕が開いた。

ハルカはモンスターボールをギュッと握りしめており俯いていた

 

「……」

 

「お前が行ってもなんも出来ねえぞ……ここはオレ達がどうこうする世界じゃねえ、ハルカが自力でどうにかしなくちゃならねえ世界だ」

 

「でもっ……ハルカは壁にぶつかったわよ?」

 

「クククッ……だからこそだろ?」

 

ホウエンリーグに出場する為のジムバッジを半分集め終えコンテストも2連勝とハルカは順調だった。

今度のコンテストも絶対に勝ってみせると燃えていて……その思いは結果的に空回りした。独りよがりのポケモンコンテストをしていた。

 

「……………………ん?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、気のせいか視線を感じたような気がしてな」

 

ハルカはルイボスタウンの湖の前で落ち込んでいる。

おそらく手に持っているのはフシギダネが入っているモンスターボールだがフシギダネをボールから出そうとしない。

1人で勝手に張り切って1人で勝手に動いてフシギダネをただただ傷つけただけだった。その事に関してフシギダネにごめんなさいと謝ることは出来る、改心する事もできる……だが、そこから新しい一歩を踏み出すことが出来るのかと聞かれれば怪しい。

 

「オレには縁遠いが……壁にぶち当たってる……自分で作った壁を自分でぶち当たってる」

 

この世界じゃポケモンを貰って旅立って最強のトレーナーや最高のコーディネーターを目指すのが普通な事だ。

だが、頂点の椅子は限られている。何人ものトレーナーが上を目指す過程で色々な適当な理由を作り上げる、代表例は自分には才能は無いだ。才能の有無を見てどうするのか?オレもなんだかんだで二十年以上生きているが……努力のどの字もしていないのに頂点に立った事がある存在は見たことはねえ。

 

「クククッ……ハルカは落ち込んでるが闘志は一向に落ち込んでねえ……熱い一流を目指そうと頑張ってやがる」

 

「でも……落ち込んでるのには変わりはないわよ?……私が行ってもアドバイスにもなにもならない、サトシもアドバイスもなにもならない……」

 

「だから自分の力で……ん?」

 

黒色の如何にもなローブを身に纏った人がハルカのもとに向かった。

何処から現れたんだ?と疑問を抱くがそれよりもハルカに厄介な事を言わないのか、ここはハルカが自力で乗り越えねえとダメな事だ。

 

「フシギダネと顔を合わせるのが怖いのね」

 

「……はい……心を通わせてなかった。1人よがりで」

 

「だったら先ずはごめんなさいって言わないとね……怖いんでしょ?」

 

「はい……でも……いえ……向き合わなきゃならないけど、それもまた身勝手な行動になるかもしれない、ホントはフシギダネは望んでないんじゃないのか、私が無理矢理やらせてるだけなんじゃないかって」

 

「だからこそ、ボールから出さないと…………貴女はね、おかしくなってるのよ」

 

「私がおかしい?」

 

「神域の男と一緒に居るから感覚が麻痺しているのよ……今の貴女は普通の人なら通ってる道よ……貴女はどうしたい?」

 

「……もっと高みを目指したいです」

 

「だったら他の理由を言い訳を作らない…………貴女はコレから何度も何度も何度も何度も何度も壁にぶち当たるわ。でも、ポケモンと共に困難を乗り越える事が出来るわ」

 

「なんでそんな事が分かるんですか?」

 

「だって……私は貴女だもの」

 

「ええっ!?」

 

「出てきて、ラブトロス!サトシとセレナの事だから隠れてるんでしょ!」

 

コイツは驚いたな。ハルカに声をかけたのは大人になっているハルカだった。

大人のハルカはモンスターボールを取り出したと思えばラブトロスを出した。なんだと思っているとラブトロスはオレ達のところにまで現れた。

 

「サトシ……ああ……サトシ……やっと……やっと会えたわ……あの頃のサトシに……」

 

「……なんだ、お前……いや、違うな……未来のハルカか……いい女になったな」

 

バシャーモについて来いと言われたので2人のハルカの前まで出てきた。

おっぱいがスゴくボインになったり美少女から美女に成長している……いい女になったなと笑みを浮かべれば未来のハルカは涙を流した。

 

「分かるのね……私が未来のハルカだって……」

 

「ああ……ちょ、抱きしめるな」

 

「少しだけ……少しだけね……サトシ……」

 

ギュッとオレを抱きしめる未来のハルカ。

涙を流しているのだが何事なのかと聞きたい。未来のハルカは気持ちを落ち着かせた後にオレを離してくれた。

 

「ホントに……ホントに未来の私なの?」

 

「ええ、ヤジロン文明の研究の第一人者のクルヨさんのタイムマシンに乗ってやってきたのよ」

 

「…………おいおい、下手に時間を遡るなよ。自分にとって都合の良い歴史を作るのは……んぐぅ!?」

 

「えっ!?」

 

「ハルカァ!!!未来の貴女だとしてもそれは許せないわよ!!」

 

ヤジロン文明の研究者のタイムマシンに乗ってやってきたことをハルカは教えてくれる。

セレビィの時渡りとかディアルガの時間を操る力で過去に移動したのでなく意図的に過去にやってきた。

過去を壊すことは誰にもやっちゃいけないこと、それなのにハルカはやってきたかと思えばオレにキスをして……なにかを飲ませた。

 

「おまっ、なにを飲ませた!?」

 

「よかった……よかったわ……コレでサトシは助かるわ!!」

 

「ど、どういうこと?」

 

「……サトシは数年前に死んだの」

 

「なっ!?」

 

オレにキスをした未来のハルカは飲んでくれたと喜んだのだが、何を飲ませたのかが分からない。

未来のハルカはやったと喜んでくれるのだが意味がわからずこの時代のハルカはどういうことなのかと聞けば未来のハルカは残酷な未来を語る。

 

「サトシは不治の病に侵されていたわ……簡単な計算なんかも出来なくなって最終的にはミュウツーに頼んで催眠術で意識を奪って心臓麻痺で自殺したのよ」

 

「そ、そんな!?サトシが自殺したの!?」

 

「…………まぁ、呑気に茶なんか飲んでるつもりはないな。不治の病に侵されたなら治せないなら死ぬのも別にな」

 

オレが自殺したと言えばありえないとセレナは否定しようとするがオレならば迷いなく自殺しただろう。

今のオレは勝負することが出来なきゃ面白くないのだと思っている。呑気にただたた日常を過ごすって言うのは今のオレの性に合わない。仮にそういうのがあったとしてもそれは次の勝負のための息継ぎだろう。

 

「そんな……………」

 

「サトシが侵された病を治す方法をサトシが死んだ後に見つけたの……セレビィがどんな病にも効く万能薬の作り方を知っている。サトシが侵された病もそれで治る……」

 

「クククッ…………いい迷惑だな」

 

「迷惑って、死んじゃったらなにもかもおしまいなのよ!」

 

「馬鹿野郎、始まりがあれば終わりもあるのが普通な事だ……長生き出来るようになったってのはいいことだ、だがオレは終わるところはキッチリと精算しておきてえ……死ぬと言う終わりをオレは否定しない、むしろそれを否定する奴を否定する」

 

少なくともオレは惰性に生きていた人生から一転したんだ。

そこから色々と激動な時代を駆け抜けていくのならば……死ぬと言うのならば本望だ。

 

「やっぱり……サトシならそう言うと思ったわ……あの時、7人が集まってサトシと最後の面談をして……サトシは最後まで自分らしく行くって……」

 

「当たり前だろ……セレナとハルカには申し訳ねえがオレを貫き通したいんだ」

 

死ぬのが怖くないって言えば嘘になる。そこは否定しない、生きていたいという思いもあるだろう。

だが、オレは介護施設や病院に入院している生きてるか生きてないかじゃない生かされているような生き方はしたくねえんだ。

あそこまで追い詰められているのならば一思いに安楽死させてくれた方が嬉しい。生きたいから生きる、そういう生き方をする。

 

「…………ハルカ、お前がやって来た……セレナはどうした?」

 

「…………セレナはサトシの意志を継いで世界最強を目指しているわ……でも……それはもう、無くなったわ」

 

未来のハルカはそう言うと光り輝き粒子になって消えていく。

 

「サトシがさっき薬を飲んでくれたからサトシが自殺する未来が無くなったわ。私がこの時代に来る理由も無くなった、だからここに居る私は存在しない存在になった……サトシが死んだ事そのものも無くなるから私達の今までの行動の意味が無くなった。行動そのものをしなくなった」

 

「お前よ…………他人を救う為に自分が死んで喜ぶと思ってんのか?」

 

タイムパラドックスか時空の修正力がハルカの存在を消そうとしている。

薬を飲んでしまった事でハルカが来た世界線が消滅した、ハルカは存在しない存在で存在が消えかけている。

オレが自殺してしまったことを悔やんで特効薬を探しその上で過去にまで来たってのに自らの存在を消しに来た。

 

「いいのよ、コレで……私の意思だから……アランにも何度も釘を差されたけど……新しい未来は今から築き上げるの……今の私、コレからサトシという巨大な壁にぶつかるわ!その壁を越えたい、そう思ったら……迷いなく動いて。今の私は未熟だけど1人前になりたいって証……それとミロカロスは心配しなくていいわ……あの子は……ううん……じゃあね」

 

「はぁ…………」

 

未来のハルカは存在を証明することが出来ずに存在が消滅してしまった。

余計な事をしてくれたなと思いながらもオレは空を見上げる…………未来からの自分が励ますとかドラえもんかよ

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