闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
オレは8個のバッジを揃えた。ハルカは7個のバッジと5つのコンテストリボンを揃えた。
最後のバッジは最初に言った通りトウカジムだがそれよりも前にグランドフェスティバルが行われるのでグランドフェスティバルの会場を目指すのだが道中に立ち寄った島で明日にカイナシティに直通する便が出るので一泊していくことになった。
パフォーマンスに関してはもう出来る限りの事はやっている。ミロカロスが言うことを聞くようになってからはハルカは鬼に金棒状態になったから無敵だなと思う。
「ここにあるきのみは好きなだけ使っていいの」
「え、いいんですか!?」
「大きくなりすぎたり小さすぎたりとかで一般の市場に出回れなくてね……だからコーディネーター達の練習道具になってるのよ」
そんなこんなで明日にカイナシティ行きの便があるのでそれに乗ることになったが、ポケモンセンターでポロック作りが無料だった。
どういうことかとジョーイさんが市場に出せない規格外品のきのみがこの島には物凄く実っているらしく、腐らせるのも勿体無いしかと言って野生のポケモンの住処にするわけにもいかないのだからコーディネーター達のポロック作りに好きに使って良いと言う。
きのみの代金が浮いたのは地味に嬉しい事だ。
「ん……大きすぎて味が大雑把になってるとかそういうのは無いな」
「サトシ、モモンのみ丸かじりはちょっと下品かも…………」
「味を確認せずに料理するバカが何処に居る」
「味の方も申し分ないし美味しいポロックが作れるわね……」
「よーっし、皆が大好きな味を作ってみせるわ!」
万人が好む味なんて早々に無い。
ハルカは結構な無茶を言っているなと思っていると先ずはきのみのチョイスから始まる。
クラボ、モモン、チーゴ、ナナシ、カゴ、ラム、オレン、オボン、キー、ヒメリと体力回復系と状態異常回復系はあまり手が出ない。
コレらは普通に食しても問題は無いきのみであり……料理に使っても美味しいが、それよりも美味しい上位互換のきのみが普通にある。
ゲームで言う状態異常回復もダメージ半減もなんの効果もないポロックやポフィンにすることにだけ特化しているきのみ、そういうきのみが割とある。定番でなくちょっと違うのを選ばなきゃポケモン達も飽きるだろう。
「見たことが無いきのみがいっぱいね……きっとどれも美味しいのだわ」
「クククッ……扱いが難しいぞ?」
定番のきのみ以外のきのみにセレナは注目する。
スターの実とか色々とあるが……それらのきのみは味が濃い。マトマのみは辛味が強かったり色々と欠点を抱えている。
ただそれだけでポロックを作るというのならばある程度は美味いポロックが出来るがそれは例えるのならば高級黒毛和牛をただ純粋にステーキにして食っているのと同じだ。それが悪いとは言わねえが他にも色々な調理の工夫がある。
味が濃いだけあってか他のきのみと混ぜれば味が支離滅裂になる可能性がかなり大きい、1つこの味にすると方向性を決めてからポロックを作った方が良い。とりあえずは甘いポロックを作るか……ジュカイン意外と甘党だったりするからな。
アッキのみをベースに他のきのみで味の調和を整えるかと考えていると……ハルカがザルにこんもりときのみを乗せていた。
「ちょ、ちょっと待ってハルカ!いくらなんでも多すぎない!?」
「大丈夫よ、セレナ!私の頭の中じゃコレが最高の味付けになるって言ってるわ!きっとポケモン達が大好きなハルカデリシャスが出来るわ!」
メシマズ系の女子に対して笑顔で美味いという描写があるがアレはハッキリと言ってアホだとは思っている。
メシマズならば飯が不味いとハッキリと言わなければ恥をかいたり女子力が上がらなかったりと永遠と酷い目に遭う。
ハルカは甘くてジューシーでスパイシーでと色々と言っているが一先ずはハルカのやりたい様にやらせてみるかとやらせた結果……白色のポロックが完成した。
「ハルカデリシャスの完成かもぉ!」
「白って……白って……」
赤とか青とか黄色とか緑とか桃色とか色々な色のきのみを混ぜた。
その結果生まれたのが白色のポロックだった……セレナはなんでこうなるのと困惑しつつもハルカデリシャスを手にする。
白色のポロックは味が複数混ざっている時にのみ作れるというある意味難易度が高いポロック……食べる事が出来るのかとセレナは匂いを嗅ごうとするがポロックなので匂いはしなかった。
「セレナ、騙されたらダメだぞ……匂いが香ばしくても味が不味いは普通にある」
「ちょっとサトシ、それどういうこと!ハルカデリシャスはその名の通りデリシャスな美味しさなのよ!」
デリシャスは美味いとか香ばしいって意味だ馬鹿野郎。
デリシャスだと言い張るハルカだが……口にしていない……自分で作った物だから先ずは自分が食えよと言いたいが感想を聞かせて!な視線で訴えかけるので仕方がないと舐めてみたら予想以上にクソまずかった。
「不味い」
「ごめん、ハルカ……コレは無いわ」
「そ、そんな事があるわけないかも!ポケモン達なら分かってくれるわ!出てきて!」
「シャモ!」
「コォウ!」
「サーッ!」
「キノ!」
「フリー!」
「チルッ!」
「皆、ハルカ特製のポロック!その名もハルカデリシャスよ!いっぱいあるから好きなだけ食べてね!」
バシャーモ、ミロカロス、サーナイト、キノガッサ、アゲハント、チルタリスを出した。
特製のポロックを作ったのだと大皿の上にハルカデリシャスをこんもりと盛りつけたが……誰も手が動かなかった。
バシャーモがチラリとオレを見てくる。オレは見なかったことにする。白色のポロックと言う見たことが無い色のポロックを見て困惑しているポケモン達……勇気を振り絞ってバシャーモはポロックを食べた
「シャア……モ…………」
「バシャーモ…………バシャーモぉおおおお!!」
「っく、なんて味なのハルカデリシャス!ポケモンを活かすんじゃなくて倒すポロックを作り出すだなんて!もはや兵器だわ!」
あまりの不味さにバシャーモは意識を失った。
ご丁寧にダイイングメッセージを残している……一舐めした時点でクソ不味いのは分かっていたことだが実際に食えば意識を失うレベルの不味さだったか。コレはなんて味なんだとセレナが結構酷い事を言っているのだがハルカは諦めない。
「バ、バシャーモの口に合わないだけで他のポケモン達には合うかも」
「クククッ……いや〜……………」
バシャーモが倒れたのを見て戦慄するハルカのポケモン達。
誰かが食べなければトレーナーであるハルカが悲しむがバシャーモが不味いと主張をしている、と言うか意識を失っている。
コイツは面白いことになっているなと愉悦に浸りながらもハルカのポケモン達は顔を合わせて頷いた。皆で一斉に食べよう、そうすれば犠牲は少ないという淡い希望を抱いている。
「フリ!フリー!」
「キノ……」
「チルッ……」
「コォウ……」
「サァ……」
アゲハントを除く5名のポケモンが脱落した。
ハルカデリシャスはどんだけクソまずいんだと思いながらもアゲハントを見つめる
「お前……セコいぞ」
「……フリ?」
「なに言ってるのよ!アゲハントはハルカデリシャスを気に入ったのよ!」
「クククッ……バカか。アゲハントの口はストローと同じだぞ?砂糖水で溶かさなきゃ食えねえ」
「あ……確かにそうだったわ!ちょっと待ってね、水に溶かすから」
「フ、フリャアアアア!!」
自分だけ逃げようたってそうはいかねえぞ。
アゲハントに水で溶かしたハルカデリシャスを食べさせればアゲハントは白目をむいて痙攣を起こした。
「そんな……皆……どうして、どうして美味しいって言ってくれないの!?」
「不味いからに決まってるだろう」
「う〜っ……一生懸命作ったのに」
「一生懸命作る=味が美味しくなるなんてフィクションの世界だからな」
自分が作ったハルカデリシャスが予想以上にクソまずいと判明したのでショックを受けて微妙に納得がいかないハルカ。
料理は真心なんて言うけどもそんなもんで美味しくなるわけねえだろう。技術と計算をして料理をしなきゃならねえんだよ。
「モモンのみのタルトを作ったから食ってみろ」
「……………百歩譲ってセレナは理解出来るわよ!セレナ、女子力とっても高いから!でもなんでサトシの方が料理上手なの!?」
材料をぶち込んで放置すれば出来るポロックなので片手間で作り、ついでだからとモモンのみでタルトを作った。
ハルカがパクリと口にするのだが悔しそうにしている。セレナならば料理上手と言われても納得が出来るがオレが料理上手であることに納得がいかないらしい。
「まぁ……料理は出来て当たり前だからな」
前世でホテルのバイキングの料理人やってたし、それ抜きでも普通に料理しなくちゃならない環境だった。
カップ麺とかレトルト食品が発達したとは言えある程度は美味い手料理を食べたいと思うのは日本人の性なので料理は自然とする。
オムライス、焼きうどん、カレーパンと色々な料理してきたからな。漫画飯を再現するのを趣味にしていたからな……炊飯器でパンを作ったのは楽しかった。
「ハルカ……先ずは基本からいきましょう。いきなりオリジナル要素を出すのは初心者にありがちな失敗行為よ」
「……うん……サトシ……美味しくなかった?」
「クソまずい……メシマズは離婚案件として有名だぞ」
「サトシは結婚する相手は料理上手じゃないとダメ?」
「いや、オレは自分で料理した方が……人が作った物はあんま受け入れられねえっていうか」
所謂手料理に関してはちょっと一線引いているぞ。
セレナの料理は食べれているし外食もいけるけども自分で料理した物の方がなんだかんだで1番落ち着く。
「メシマズならばそれ以外の女子力を磨き料理上手を捕獲するしかねえよ……にしてもどうするこれ?」
ハルカが限度を知らないと言うか材料をアホほど突っ込んだから当然と言えば当然だろうがポロックが大皿にこんもりと残っている。
それを笑顔で平らげる程にオレは優しくない。なにが悲しくて美味しくもない物を食べなければならねえんだ……でも……捨てるのは勿体ねえ。
「ゴンゴーン!」
「ん?」
「あら、また来たのね」
「このポケモンは……図鑑に載ってない!」
「この子はゴンベ、大食いポケモンのカビゴンの進化前のポケモンでこの近くの森に住んでる食いしん坊なの」
ポロックをどういう風に処理するべきかと悩んでいるとゴンベがやってきた。
ポケモン図鑑を開いてデータを確認しようとするがゴンベのデータは載っておらずジョーイさんがゴンベについて説明しているとゴンベはハルカデリシャスの匂いを嗅いではパクリと食べ……満面の笑みを浮かべた
「ゴンゴー!!」
「ハルカデリシャスを美味しそうに食べている……美味しいのね、ゴンベ」
「ゴン!」
「…………カビゴンの進化前だからな…………」
「ま、まぁ……喜んでるからいいじゃない」
ハルカデリシャスを嬉しそうにバクバクと食べるゴンベ。
カビゴンの進化前だから基本的にはなんでも美味しく食べる……腐ったものも食うことが出来るとか図鑑に載ってなかったか?
ハルカデリシャスは最高のポロックよと自惚れるハルカはゴンベを餌付けするのだが……ハルカデリシャスはゴンベやカビゴンみたいな大食いポケモン用のポロックじゃない。意識が吹き飛ぶぐらいにクソまずいポロックであり……ゴンベが一気にヒートアップする
「ゴンゴン!」
「あ!ボクのポロックが!」
「あたしのポロックも!」
「ちょ、ちょっとゴンベ!食べていいのはハルカデリシャスだけよ!?他の人達のポロックは食べちゃダメよ!」
他の人達のポロックをも食うゴンベ……ハルカが抑えようとしているがオレは経験上知っている。
飯を食っているときのカビゴンやゴンベが食事の邪魔をすれば怒るのを……止めようとしたハルカに対して牙を剥く。
「ゴォオオオン!!」
「っち、下手な餌付けは厄介だな……こういう時に限ってハルカのポケモン達全滅してやがるし……」
食わせろとハルカに対して『ずつき』をくらわせようとするゴンベ。
コレは危ねえなとハルカを抱き寄せた……ハルカデリシャスの処理は出来たが厄介な物を抱えてしまったなとバックステップを取ればセレナがモンスターボールを構えている
「テールナー『サイコキネシス』で動きを封じて!」
「テール!」
セレナがテールナーを出して『サイコキネシス』でゴンベの動きを封じ込めた。
グググと必死になってポロックに喰らいつこうとするゴンベ……食い意地は半端じゃねえな。
「ハルカ、こうなったらゲットするしかないわよ!」
「ええ……いけ、モンスターボール!」
「ゴォン!」
「ああっ!!食べられた!!」
『サイコキネシス』で動きを封じたゴンベだったが口は動いた。
顔に向かって投げられたモンスターボールを口を開いてゴンベはパクリとモンスターボールを口にし……そのまま開閉スイッチが押されたのでゴンベはモンスターボールに入りコロンコロンとモンスターボールが揺れてカチリと音が鳴った
「……ゴンベ、ゲットかも!」
「ふぅ…………なんとか終わったな……悪いな、ゴンベがお前等のポロック食い荒らしちまって」
「いや……大丈夫だよ。ポロックが食われただけだから」
ハルカがゴンベをゲットした。
なんとか終わったがゴンベがポロックを食い荒らしたのは事実なのですまなかったと謝ればポロックが食われただけで終わったからと素直に受け入れてくれた。
「はぁ……まさかハルカデリシャスでこんな騒動が起きるだなんて」
「クククッ……まぁ、とりあえず……バナナナマケロ園で教わったカビゴンなんかの大食いポケモン用のポロックでも作るか」
「うん……」
ハルカは新たにゴンベをゲットし、ゴンベ用のポロックの作り方を覚えた。