闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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ポケモンコンテスト・グランドフェスティバル(前編)

 

カイナシティに辿り着いた。

カイナシティに辿り着く前の道中に野沢雅子さんボイスの田舎っぺ大将と遭遇したが、なんというか理屈に合わない人間だった。

オレはサトシくんじゃないから向こうの話を一応は聞いてそれなりの好感度を得て一緒にリーグに出ようぜと言った。

 

「へぇ……思ったよりも来てんだな」

 

「う……嘘でしょ?」

 

「こんなところでやるの?」

 

グランドフェスティバルは5日後に開催されるので現地入りした。

会場の設営はとっくの昔に終わっている、と言うかホウエン地方ではミナモシティかカイナシティでしかグランドフェスティバルしねえみたいだ。会場に足を運べばポケモンリーグの規模と比較しても負けないぐらいには大きかった。

確かカントー地方のグランドフェスティバルはポケモンリーグ開催地であるセキエイ高原で行われる……客が満員御礼になったとしても問題はねえ、ポケモンコンテストもなんだかんだで一大行事なんだなと思い知らされる。

 

「クククッ……アガってんのか?」

 

ハルカとセレナが顔を青くする……と言うよりは少し固くなった。

ポケモンコンテストは魅せる勝負だから今まで何度も魅せる機会はあった。5回以上ポケモンコンテストにセレナもハルカも出場している。それでもグランドフェスティバルの会場は大きかった……今までの会場と比べてもかなり大きい、前にカイナシティで参加したのよりも大きいのだと2人は明らかにアガっている。

 

「サトシ……なにか秘訣は無いの?」

 

「おいおい、オレはポケモンコンテストは専門外だぜ?」

 

「でも、2回のポケモンリーグに出場してるんでしょ?だったらなにか秘訣とかがあるかも!」

 

ここでアガってないとか緊張してないとかそう言う虚勢を張らず素直に認めるのは成長している証だ。

セレナとハルカがなにかアドバイスの様な物を求めているがオレはポケモンコンテストは専門外、しかし2回もポケモンリーグに出場し優勝しているという確かな実績を持っている。大事な晴れ舞台でヘマをやらかさない事、それは割と重要だ。

 グランドフェスティバルに出るってことはコンテストリボンが5つ集まってるって証拠だ、5回以上ポケモンコンテストに出場しており優勝したと言う実績を得ている。少しの油断が命取りだ。

 

「そういう事をするからいけねえんだよ」

 

「え…………平常心ってこと?」

 

「平常心ってよりは何時も通りで構わねえんだ……こういう場所でこういう舞台に立つことになった。だから一手でもミスをしたらいけないと派手な手は打てない。そうすることでジリジリと追い詰められてく……だったらよ、派手に散ればいいんだ……ジリジリと潰れるのと派手に潰れるのも同じ敗けなんだから針を振り切るんだ」

 

平常心を保つ事とかそういうのも大事だがその逆、針を振り切ることも大事だと伝える。

いっそのこと楽になるならばと言うふざけた手が意外とバカにすることが出来ない。

 

「そんなバカみたいな真似、出来るわけがないだろう」

 

「シュウ……ここまで来ていたのね」

 

「君達こそよく来れたね」

 

オレの話を聞いて呆れるシュウ。

ここに来たという事は会場の下見に来たのだと理解するハルカ。セレナ+ハルカで10箇所廻らないといけないのでグランドフェスティバルは無理かと思っていたらしいが意外となんとかなるもんだ。

 

「聞く奴が聞けば馬鹿野郎に聞こえるがな……馬鹿ってのは案外ナメちゃいけねえんだ。自分の持ってる価値観や考えとは異なる一種の正論だって持ってる時がある」

 

「そう言うのは天才と呼ばれる存在なのさ、バカと天才は紙一重と言うだろう」

 

「ならテメエはシュウだけに秀才で納まるな」

 

「……それ、洒落のつもりかい?」

 

「ああ……つまらねえだろ……だがそれでいいんだ、無駄は時には大事なんだ」

 

オレの言っているつまらない洒落に白い目を向けるシュウ。会場に対してアガったりしておらず何時も通りキザな姿を見せる。

コイツ、こんな強キャラ感を出してるけど所々で負けている格下だったりする。主にオレが原因だけど何回かハルカとセレナがボコってるし……まぁ、うん……

 

「今回は惜しかったな」

 

「おい、なに勝手な事を言い出してるんだ!まだなにも始まってないじゃないか!」

 

「クククッ……オレはハルカかセレナのどっちかが優勝するって確信してるんだぜ?要所要所で格下に負けてる無様な醜態晒してるお前に負けるわけねえだろう」

 

「そうやって慢心して足を掬われるだろう」

 

「だったらよ、賭けてやろうか……セレナかハルカが優勝する事が出来なかったら、オレは今シーズンのホウエンリーグ・サイユウ大会を辞退してお前に3つのマスターボールをやる」

 

「なっ!?……僕にデメリットが無いじゃないか」

 

「ああ、だがお前には勝てばマスターボールが手に入る。マスターボールがあればここぞという時に激レアポケモンをゲットすることが出来る……鬱陶しいオレが動けなくて愉悦に浸れるんじゃねえか?」

 

「生憎、他人の不幸を喜ぶほど落ちぶれちゃいない」

 

「クククッ……自分が優勝したいって相手を倒したい、相手よりコンテストゲージが多くあってくれって願うのは相手の不幸を願ってるのと同意義だ。他人の不幸で自分の幸せが出来るんだ」

 

「ああ言えばこう言って……ホウエンリーグはどうでもいいがそこまで言うのならば乗ってやろうじゃないか!!」

 

「ああ、せいぜい腕磨いとけ」

 

シュウは静かな筈がメラメラと熱い闘志を燃やしている。

マスターボールが欲しいとかでなく、自分が優勝するためにここにやってきたのだから負けを疑わないでいる

 

「ちょ、ちょっとサトシなに勝手な事を約束してるの!?」

 

「ん?……ああ、シュウが負けた時の話をしてなかったな。まぁ、気にするな」

 

「そうじゃなくて冗談でしょ!?私とセレナが負けるとホウエンリーグに出ないって」

 

「いや、マジだぞ?」

 

「ハルカ……………サトシは本気で言ってるわよ……」

 

オレがホウエンリーグの出場を辞退する話になればハルカは慌てている。

マジで言っているとセレナは察しているが、ハルカはどうしようって慌てているので手を握る。

 

「先ずは落ち着け」

 

「で、でも……私が負けたら……」

 

「お前よ、なにしに今日まで頑張ってきたんだよ?」

 

よくある勉強の合間に息抜き感覚で始めた部活動とかじゃねえだろう?

それに自分を注ぎ込むことが出来る熱を注ぎ込むことが出来るものを確かにハルカは見つけた筈なのにそれに対して愚直に進むんだ。

 

「お前は今から熱い一流に、本物になろうってここまで来たんだ……それなのに1位になれなかったとか、新人ルーキーがそんな事を考えてどうすんだよ……お前はなにしに来た?」

 

「…………優勝しに来たわ……」

 

「そう、それでいいんだ」

 

「……コレよ……コレよね……サトシの強さの秘訣は」

 

オレの強さの秘訣についてなんかセレナが後方彼氏面みたいな感じで頷いている。

ハルカもコレがサトシの強さ!と驚いているのだが、オレはまだまだ未熟だったりするんだぜ。

 

「お〜い!お姉ちゃん!」

 

「ハルカぁ〜」

 

そんなこんなで開催4日前に差し掛かり、マサトとハルカのママさんことミツコさんがやって来た。

グランドフェスティバルの会場に足を運べば……ミツコさんが見惚れていた。

 

「スゴいわね……うちのコがこんな所にまで来れるだなんて……」

 

グランドフェスティバルは煌びやかな世界、こんな世界があるとは知らなかったとうっとりとするミツコさん。

ここがグランドフェスティバルの会場なのかとマサトは見たが、相変わらずだった。

 

「サイユウ大会の会場の方が大きいね」

 

「お前……本音が漏れてるぞ」

 

「いや、お姉ちゃんは本気で応援してるよ!ポケモンコンテストも案外悪くないじゃんって最近分かり始めてさ。でも、この後にサイユウ大会が待ち構えてるって分かってたらさ」

 

ポケモンコンテストよりポケモンリーグの方が楽しみだと本音が漏れている。

相変わらずなクソガキなところがあるなと思いながらもハルカはキョロキョロとする。

 

「マサト、ママ……パパは?」

 

「パパは、応援に来ないわ……ホントは1番応援に行きたがってたけれど、この後にハルカとの一戦が控えているわ」

 

「今、お姉ちゃんに会ったら気が緩みそうだって……パパは本気でお姉ちゃんを倒すために頑張ってるよ」

 

「クククッ……よかったじゃねえか」

 

本気で倒しに来ている、コレほどまでに喜ばしい事はトレーナーにはねえ。

マサトは色々とその事に関して言いたそうだったがそれはフェアじゃないとミツコさんが止めた。

 

「一次審査、二次審査、コンテストダブルバトル……二次審査からテレビが入るからハードかも」

 

「なに言ってるのお姉ちゃん!ホウエンリーグも本戦からはテレビが入ってフルバトルなんだよ?」

 

開催三日前に選手全員に通達が来た。

シングルで一次審査、ダブルで二次審査、その後ダブルバトルのコンテストバトルだと今回のルールについて説明された。

最初に64名に落とし次に16名にまで絞る、そこからはダブルバトルの世界……色々と厄介な感じであるがそれよりもハルカはテレビが入るのだと緊張する。マサトはテレビでアガってどうするんだと呆れているが……絶対にお前はテレビになれば調子に乗るとオレは思っている。

 

「まぁ、そいつはさておき……一次審査は1体、二次審査は2体で一次審査に使ったポケモンは禁止か……」

 

「そりゃやっぱ二次審査にミロカロスを」

 

「アホか、一次審査の方が審査される奴等が多いんだぞ?一次審査でミロカロスを出して心を掴む、二次審査で今まで鍛え上げたものを魅せる。二次審査は二次審査に通ったからと辛めの審査されるんだからな」

 

絶対に勝たなきゃいけねえから二次審査でミロカロスを出そうと考えているのだが、それは普通に悪手だ。

一次審査は全員が平等に魅せる機会が訪れている、だから魅せるところでド派手にしておかなきゃならねえんだ。

ただ純粋に戦うだけならば話は別だが、パフォーマンスとなれば話はまた別だ。1回目でこの子はと印象を得てから2回目で期待以上の成果を出す。そうすりゃ嫌でも認めざるおえない。

 

「サトシってコーディネーターじゃないのにそういうの言えるんだね」

 

「こんなもんちょっと頭捻りゃ分かるもんだ」

 

コーディネーターは畑違いだと申告している割には知識を持っているなとマサトが若干だが疑う。

だがこんなもんは頭捻りゃ誰だって分かるもんだと言えばそういうものなのか?と思っていると……マサトは無言でこっちを見つめてきた。

 

「サトシ」

 

「なんだ?」

 

「あの時はまぁ……悪かったよ……ごめん……」

 

「クククッ……少しは成長したんだな」

 

一番最初のバッジ、バランスバッジを手に入れようとした時にバッジを奪おうとしてきた事を謝るマサト。

多少は成長しているんだと笑っていればマサトはツンデレ気味になるが気にしない。

 

「改めてサトシのバトルの動画とか見てポケちゃんねるでスレ立てて議論したんだ」

 

「お前、なに勝手な事をやってんだよ?」

 

10歳未満のガキが掲示板でスレ立てんじゃねえよ。オレを題材にするんじゃねえよ。

スレ立てて議論を交わしたとか……なにしてんだよ?

 

「サトシ、強すぎるとか掲示板で叩かれまくってたよ」

 

「おい、そういう事を言うんじゃねえよ…………強すぎるで叩かれるって聞いたことねえぞ?」

 

「セキエイ大会の予選1回戦でトゲキッスで完封した試合がエグすぎるって……ゴルバットの特性が『せいしんりょく』じゃなかったのが神引き過ぎるとか言われてるよ……」

 

「……他は?」

 

「シロガネ大会の予選リーグで『ほろびのうた』をゲンガーに使わせてから戻してオーガポンを出して『アンコール』で動きを封じてボコったとか……………予選リーグのデータは始めてみたんだけどさ、サトシはもうちょっと手心を加えた方がいいんじゃないの?」

 

「クククッ……なにを言い出すかと思えばよ、チャンピオンの中で最強と言われてるシロナはまひるみキッスを使ってくるんだぞ?」

 

予選リーグでやったエグい手を見たが、あんなもんは現実じゃ割と見かけるもんだ。

エグい手とかそういうがホントにエグい手はまだまだある……特にダブルバトルのパチリスさんとかエグいぞ。

パチリスなんて弱いと思えるポケモンが割と洒落にならない耐久力を持っていて今でも伝説として歴史に名を刻まれているんだから。

アレで世界大会出れるってホントにどういうとち狂った考えだよ。リアルポケモンマスターだからなあの男は。

 

「後、数年もすればポケモンを貰えるんだろ?ハルカみたいにオダマキ博士からポケモンを貰うんだろ?」

 

「うん、最初のポケモンは絶対にキモリにするって決めてるよ!最初はホウエンリーグを回るつもりで、パパからポケモンの鍛え方とか色々と教わってて……最後のジムをお姉ちゃんと同じでパパにしようって……アレからさ、パパはホントに強いんだなって思い知ったんだ」

 

「クククッ……あの人はマジで強いからな……特にケッキングが」

 

ホントにイカサマとしか言えねえよ、『なまけ』の特性を持っている筈なのに『なまけ』が発動しねえのを。

ハルカのラルトスから『なまけ』を持っているのは分かるがそれなのに発揮してねえとか割と詐欺なのも大概にしろよと思ってるからな。ぶっちゃけサンドパンとかのカントー地方を旅していた頃の初期のポケモンでも倒すのが厳しい。ゲッコウガとリザードンなら確実に倒せる自信があるが……ホントに理不尽な性能してるからな、あのケッキングは。ゲンガーで倒したって言うよりはゲンガーで倒すしかなかったに近いからな。

 

「ゲットしたいポケモンももう決めてるんだ……サトシはヒトカゲを貰ったんでしょ?」

 

「いや、オレはちょいと裏技を使ってケロマツを手に入れた。ヒトカゲはまた別だ」

 

「そうなんだ……サトシ……まぁ……お姉ちゃんはきっとサトシを倒してくれるけども、少しぐらいはサトシを認めてもいいよ」

 

なにがだよ?とは聞かない。聞くと後々怖い……マサトじゃなくてセレナとハルカが怖い。

いや、オレは鈍感系主人公じゃないけれども今はそういうのはあんまり……もともとそう言うのには興味無かった。容姿に恵まれてるとかそういうのは無かったからな。人間内面が大事とか言うけども出会いの場とか割と無くて…………まぁ……些細な事か。

 

「っと、オーキド博士に連絡入れるか」

 

「え、なんで?」

 

「オレはもうバッジを8個ゲットしてるからホウエンリーグには出れるんだよ……だからホウエンで使わなかったポケモン達が変な技を覚えてなかったりとかの確認しとかなきゃならねえんだ」

 

「じゃあ生のスイクンを見れるの!?やった!」

 

「…………お前にスイクン見せたくなくなった…………」

 

「え〜見せてよ!スイクン!あの額の水晶がどうなってるとか生で見たいよ!お姉ちゃんが生で見たの知ってるからね!!」

 

「…………割と気高い奴だから下手な事をして怒られても責任取らねえぞ」

 

マサトならばなんか1回はやらかすだろうと思いながらもオーキド博士に連絡を取った。

ポケモン達のコンディションを確かめたいと連絡を取り早いところ地雷案件を処理しようとスイクンを呼び出した。

人目がつかないようにスイクンのデータを確認するがマサトがスイクンに乗ろうとして振り落とされた……スイクンはオレとセレナしか乗せてくれねえんだよな……。

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