闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「……コレ……夢じゃないわよね……」
「……夢じゃないかも……」
ポケモンコンテスト・グランドフェスティバルに出場を果たした私とハルカ。
サトシがとんでもない事を言い出したけれども、私達はやれることはやる……ううん、やる以上には優勝するつもりでここまでやって来た。今までと違ってグランドフェスティバルはコンテストリボンを5つ集めたコーディネーター達が集う場所でとにかくパフォーマンスの質も……なにもかもが今までで段違いだった。
準決勝で戦ったミロカロス使いのロバートさんに負けるかもと思ったけど、なんとか勝ち進み……控え室に置いてあるモニターに映る私の顔写真とハルカの顔写真を見て夢じゃないのかと困惑する。
「やったのね……遂にここまで……」
「ええ……ここまで来ることが出来たわ……サトシが鍛えてくれなかったらダメだったかも」
「……最初の頃は酷かったものね」
アチャモに対して『ひのこ』を指示しないといけないのに「『きのこ』」って堂々と叫んでいたハルカ、ポケモンの知識が不足してるって自覚してる私でももう少しまともな指示を出してあまりにも酷いからサトシがポケモンに関する知識を教え込んだ。
普段はあんまり勉強しているイメージが無いサトシだけども、勉強はしっかりと出来るタイプ、自主的に勉強することが出来るタイプだったのはちょっとした驚きだけど、ハルカはここまでやって来た。
「ポケモンを貰って旅立った年にトップコーディネーターと地方リーグの優勝……私って物凄く天才かしら!」
「ハルカ、そうやって調子に乗らないの!何時もそうやって調子に乗って痛い目に遭うでしょ」
「でも……サトシは通った道でしょ?」
「それは……そうなんだけど……」
サトシはポケモンを貰った年にポケモンリーグに出て優勝を果たした、何年もポケモンリーグに挑んでる人達も居る中で優勝した。
サトシが圧倒的に格が違うのがそれだけで分かることで、ハルカは同じ道を通ると意気込んでる…………サトシと同じ道……なんか嫌ね。
「お姉ちゃん、セレナ、おめでとう!!」
「よぉ、割と危なかったな」
「見ていたわよ」
マサトとサトシとミツコさんが控室にやって来た。
若干だけど気まずい空気が流れたと思っている中で来てくれたから少しだけ助かったと思いつつもモンスターボールを見つめる。
準決勝の相手は優勝候補No.1のロバートさん、勝つことが一番難しい相手でラティオスとギャラドスを導入して判定勝ちでなんとか勝つことが出来たわ。サトシはギリギリのところだった事を言ってくる
「……ラティオスは出せないわね……」
ロバートさんのミロカロスと渡り合うことが出来たのはラティオスだけだったわ。
ラティオスは大ダメージを受けてて、決勝戦に出すことが出来ない……ラティオスにばかり頼りすぎると痛い目に遭うからそれでいいと思うけれど、ラティオスを出せないのは結構痛手ね。
でも……決勝戦に出すポケモンはもう決まってる。ハルカがなにを出して来たとしてもテールナーとウーラオスの2体で戦おうって決めてるわ。
「ラティオスは毒にも薬にもなるからな……ここまで来た以上は頼らないのもありだ……」
「よかったね、お姉ちゃん」
「こら!セレナちゃんのポケモンが出れないからってそういうことは言っちゃダメよ!」
真正面からポケモンバトルをすれば負けるのは分かっているからかマサトは余計な事を口走りミツコさんに怒られる。
ここまで来たからには優勝する……やっと見つけることが出来た自分の熱意を注ぎ込める事が出来る競技を……ポケモンレースが悪いとかじゃなくて、こっちの方がスゴくしっくりと来ているわ。
「それでサトシ……私とセレナ、どっちが勝つって思ってるの?」
「クククッ…………聞かない方がお互いの為になるぞ」
「え……それって……」
ハルカ、いきなりとんでもない事を言い出した。
サトシにどっちが勝つのかを聞いてきたけどもサトシは何時ものようにあしらうのかと思ったけれども、意味深な事を言う。
それってつまりもしかして……サトシは私が優勝するって……ま、まぁ、そうよね。胸の大きさはハルカに負けてるけどそれ以外は大体は勝ってるわ。私のほうが先に好きになったんだからそういう風に……大丈夫よね?
「お姉ちゃん……勝てないよ……でも、大丈夫だよ。サトシは強い人=好きだからじゃないからさ」
「………………まぁ、そういうのはあんまりな……ハルカが優勝することに期待しているし、セレナが優勝する事にも期待してる」
「あら、サトシくん、上手いこと言って逃げようとしてないかしら?」
「じゃあ、キスの1つでもしろって言うんですか?」
「いや、そこまでは……」
まずい、ハルカ側に援護射撃が物凄く入ってるわ。
マサトとミツコさんがグイグイと来ればサトシはカウンターをくらわせる。流石にキスの1つは無いと思う……いや、でも未来から来たハルカがサトシにキスをしたのよね?薬を飲ませたってことは大人の方のキスをしたのよね?……あの時は気にしなかったけど、未来から来るなら普通は私の方が相応しいんじゃ……あ、後追いするから無理ね。
「さぁ、ポケモンコンテスト・グランドフェスティバル!遂にここまで来ました、決勝戦!先ずは1人目!トウカシティ出身、なんとホウエンリーグにも挑戦しているとの噂があるハルカ選手!!」
「応援ありがとうかも!」
「そんなハルカ選手と激闘を繰り広げるのはアサメタウンのセレナ選手!ラティオスと言う伝説のポケモンはロバート選手との激闘により疲弊しきっているという話、しかし優勝候補のロバート選手を倒した実績は本物!」
「いくわよ……バシャーモ、フシギソウ、ステージオン!」
「出てきたわね!テールナー、ウーラオス、オンステージ!」
ハルカはバシャーモとフシギソウを出した。私はテールナーとウーラオスを出した。
ここまで来たからには勝つ……試合開始のブザーが鳴り響けば時計のカウントが始まった。
「フシギソウ、『はっぱカッター』よ!」
「っ、コレは!」
「ええ『タネマシンガン』の応用よ!」
ハルカのフシギソウが『はっぱカッター』を撃ってきた。
『はっぱカッター』ならば対応することが出来ると思ったけども予想していた速度よりも速かった。
フシギソウのレベルが物凄く高いから成立している『はっぱカッター』じゃない、『タネマシンガン』みたいに連発する技を一発に絞った、『はっぱカッター』を複数放つんじゃなくて一発放つ……カッコいいパフォーマンスになっているから私のコンテストゲージが若干だけど減る。
「ウーラオス『アクアジェット』テールナー『ほのおのうず』」
「バシャーモ『かみなりパンチ』で受け止めて!」
「……見られてるからやりづらいわね……」
パフォーマンス関係はサトシは力になれないと言ってる、だからハルカと意見を交換しながら色々なパフォーマンスを考えている。
『ほのおのうず』を纏った『アクアジェット』もその内の1つ、ハルカはそれは知っているとフシギソウに向かっていくウーラオスを両手で『かみなりパンチ』を作り上げて腕を交差させて攻撃を防ぐ……けど、魅せる事は出来た。ハルカのコンテストゲージは削れている。
「フシギソウ、ウーラオスに向かって『いとをはく』」
「ソウ!」
「ウラ!?」
「テールナー『ほのおのうず』で」
「バシャーモ『とびひざげり』よ!」
身動きを取ることが出来なくなったウーラオス。
『ほのおのうず』で糸を焼こうと指示を出そうとしているとバシャーモが『とびひざげり』を当ててきた。
テールナーにダメージがあるけど、テールナーは倒れない。けど何発もバシャーモの『とびひざげり』を受けていたら戦闘不能になっちゃう。
「フシギソウ『つるのムチ』でウーラオスの足を引っ張って思いっきり回すのよ!!」
「っ!」
攻めの手が強い、純粋に魅せるバトルじゃないバトルの要素もハルカは混ぜてきている。
フシギソウはウーラオスの足に『つるのムチ』を括り付けて思いっきり引っ張ってはグルグルと回す。
この流れはまずい、この流れは知ってるわ。
「バシャーモ『とびはねる』よ!」
バシャーモは高くに跳んだ、2体の息が合っていないんじゃないかというのが見えるけれどもここからが肝。
フシギソウはテールナーに向かってジャイアントスイングの様に振り回したウーラオスを飛ばし……バシャーモはウーラオスの背中にサーフボードに乗るかの様に乗った。サトシが言うにはマッスル・インフェルノって言う人間の格闘技の技に似ている技
「テールナー『かえんほうしゃ』よ!」
ここはこうするしかないわ。
テールナーに『かえんほうしゃ』をウーラオスとウーラオスに乗っているバシャーモに浴びせる。
どっちも『かえんほうしゃ』はこうかはいまひとつ、コレでダメージになるなんて思っていないけれどもコレで『いとをはく』の糸を焼き切ることが出来る
「ウーラオス、お尻を動かして!」
「嘘!?」
「この技の攻略方法はこれしかないわ!」
お尻を動かしてと言えばウーラオスはお尻を弾ませた。
上に乗っていたバシャーモは弾かれて落下した。パフォーマンスを魅せようとして途中までは良かったから私のコンテストゲージは削られるけど、途中までで最後まで決めることが出来なかったからハルカのゲージの方が多く削られる。
けど、途中で勢いは消えない。『かえんほうしゃ』をぶつけて威力を軽減する事が出来たけれどもウーラオスはテールナーに激突した……コンテストゲージは私の方が気持ちちょっと多いけれどもポケモン達のダメージの方は私の方が大きい。
ハルカを相手に時間制限がある中で戦闘不能に追い込むのは絶対に無理、持久戦で粘るとかそういうのも無理……
「コレがサトシが見ていた景色ね……」
ポケモンリーグという大舞台でサトシは一瞬でも終われば命取りの世界、今そこに立っている。
パニックになってミスを犯しそうだけれどこういう時こそ余計な感情は要らない、何時も通りにしないといけない……でも、こっちが不利なのは変わりはない。流石に戦闘不能で負けることは無いけど……ピンチなのには変わりはない。
チラリと時計を確認しちゃう、残された時間的にもパフォーマンス攻撃は1回か2回しか出来ない。バシャーモとフシギソウを倒さずに魅せる攻撃を使わないといけない
「テールナー……いけるわよね?」
「テール……テェ!?」
「あ!」
テールナーにここが今まででここ一番の時だと言えば頷いてくれた……それと同時にテールナーは眩く光を放った。
この光は知っている、何度も何度も見てきた……そして何時か来ると思っていたけども中々に来なかった……けど……やっと来た!
「フォウ!」
「マフォクシーに進化したわ……っ!」
「進化した=強いって事じゃないかも!」
マフォクシーに進化したけど……そこからの訓練は一切積んでいない。
いきなり体重が10倍になるとかそういうのじゃないけども基本的な性能が上がっているだけ。なにかマフォクシーで良い感じのパフォーマンスをしないといけない、進化をしたことで観客や審査員がどんな事をしてくれるのかと言う期待の視線が向けられている。この期待に応えないといけない、この期待に応える事が出来れば勝てる……
「ウーラオス、その場で回転して移動せずに『アクアジェット』よ!」
ウーラオスは広範囲な波状攻撃が使えない。
『アクアジェット』をその場で維持し回転する。サトシが使っているカウンターシールドを『アクアジェット』を使って再現する。
コレでもう一手、
「バシャーモ『ブレイブバード』フシギソウ『つるのムチ』でバシャーモにくっついて」
バシャーモは地面を蹴ってウーラオスに向かって突撃してくる。
フシギソウはバシャーモにくっつく、水上スキーみたいな感じで『アクアジェット』のカウンターシールドを突破しようとする。後一手……
「マフォクシー『ほのおのちかい』よ!!」
使えるかどうか分からない、けど最初に貰える『ほのお』タイプのポケモンなら覚えることが出来る『ほのおのちかい』
私のイメージ通りならばこの技が成功するか成功しないかで勝負が決まる。イメージ通りにいってほしい、その願いは……通じた
「ソウ!?」
「シャモ!?」
水の柱が回転して渦を描いている中で火柱が出現する。
水と炎のイリュージョンを魅せる事が出来ていて勝負を決めに来たバシャーモは火柱が当たる。
『ほのお』タイプのバシャーモなら『ほのおのちかい』は受けれるけども今のバシャーモはフシギソウが『つるのムチ』で縛っている。
炎に触れることもダメでその上でフシギソウに『ほのおのちかい』が命中し、フシギソウはバランスを崩し……ブザーが鳴った。
「ここでタイムアップ!試合終了です!」
「ど……どっちなの?」
「分からないかも」
司会進行役のビビアンさんが試合を止めるように言えばバトルは終わる。
ここでモニターに注目する私とハルカ、私達の目から見てもコンテストゲージは同じに見える。
棒グラフだから具体的な数字じゃないからどっちが多いのか、それが分からない。私とハルカは結果が気になるけど私達だけじゃない、他の皆も結果が気になっている。
「優勝おめでとう………………セレナちゃん」
ポケモンコンテストの審査員長のコンテスタさんがそう言った。
モニターにはハルカの顔写真とバシャーモとフシギソウの顔写真が消えて私が優勝したと映し出された
「勝った……やった……やったわ!!」
「セレナ……おめでとう……負けたのは悔しいけど、自分の全部を出し切る事が出来て清々しいかも!」
「ポケモンコンテスト・グランドフェスティバル!200人以上のコーディネーター達が集う中、遂に決まった!!トップコーディネーターはアサメタウンのセレナ選手!」
私、やったんだわ…優勝することが出来たんだわ!
ポケモンコンテスト・グランドフェスティバルを私は優勝、ハルカは準優勝で終わった。
ポケモンリーグと違って3位決定戦みたいなのは無いみたいで、私は見事に優勝し表彰式が行われる。
「ありがとう……貴女が居てくれたから勝てたわ」
「フォウ!」
テールナーがマフォクシーに進化した、マフォクシーに進化したことで一か八かの賭けである『ほのおのちかい』に成功した。
私は遂にここまで来ることが出来た……マフォクシーがテールナーのままでマフォクシーに進化しなかったら私は負けていてハルカが優勝をしていた。それぐらいの激闘だった。私はマフォクシーにお礼を言って抱き着くとマフォクシーも嬉しそうな声を出してくれる。
「はぁ……準優勝か……あ〜もう!悔しいかも!……もっともっと強くならないと!」
「ハルカはその前にホウエンリーグ、の前にセンリさんとのジム戦でしょ?」
後一歩のところで優勝が出来ると思っていただけに本気で悔しいと涙を流すけど直ぐに受け入れるハルカ。
気持ちを新たにするけどハルカにはまだホウエンリーグに挑まないといけない大事な場面がある。なんだったらホウエンリーグの出場権を賭けてセンリさんとのジム戦があるわ。
「おめでとう、コレで今日から貴女もトップコーディネーターの仲間入りよ!」
ハルカが準優勝のトロフィーを貰えば次に私が優勝トロフィーを貰う。
サトシが2度も手にしていたトロフィーとは違うトロフィーだけど……それは重い物だって直ぐに伝わった。
「これからも期待してるわ」
「はい!…………あれ、でも……」
ポケモンコンテスト・グランドフェスティバルはコレで終わりでビビアンさんがこれからも期待していると言ってくれる。
私はこの大会で全てを出したと言っても過言では無いぐらいに頑張った、その結果優勝した。他の地方でもポケモンコンテストが行われているけど、そこでトップコーディネーターになった人達同士で競い合うチャンピオンリーグの様なものは存在しない
「……私、終わった……終わっちゃった……」
優勝して1つの目的を終えた、やりたいと思えるものに対して熱意を注ぎ込んだ。
悔いのないように戦い最高の結果を叩き出した、コレからも頑張ってと応援されたけれど……私にはコレからのビジョンが見えなくなった……他の地方のポケモンコンテストに出る、そういう感じの思いが無くなっている。サトシの言葉を借りるなら熱が冷めようとしていた