闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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開幕!ホウエンリーグ・サイユウ大会

 

「で……どうすんだ?」

 

ホウエンリーグの開幕式が今日、行われる。

今日の昼までに大会にエントリーしなければならず、マサムネがやって来ていない。

マサムネならばなんだかんだでやって来るのは分かっているが……ここで1つの問題点というかどうするのかをハルカに聞いた。

 

「サマヨールをヨノワールに進化させるなら今が最後だ」

 

サマヨールをヨノワールに進化させていないハルカ。進化させる機会は幾らでもあったがミロカロスの一件で尾を引いている。

だがそのミロカロスも今ではハルカに心を開いてしっかりと言うことを聞くようになっている。サマヨールもハルカの言うことはしっかりと聞くつもりでヨノワールに進化したら暴走する的な事は無い筈だ……

 

「大会が終わってから考えるわ」

 

「……まぁ、そこまで旨味は無いからな」

 

ヨノワールに進化すれば耐久力が上がるがぶっちゃけしんかのきせきサマヨールの方が硬かったりする。

無理にああだこうだするんじゃなくて終わってから考えた方がなにかと気楽……しなくてもサマヨールは充分に戦う事が出来る。

 

「それよりもゴンベの方よ」

 

「ゲットしてそんなに時間が経ってなくて覚えてる技もそんなに良いものじゃないからポケモンリーグで使うのは止めといた方がいいよ」

 

「ゴン?」

 

サマヨールは戦う事が出来る戦力だが、ゴンベはどうなのかという問題に直面する。

ゴンベは……まだそんなに育っていない。元からそれなりの強さを持っているがジム戦とコンテストに併用して鍛えていたポケモン達とステータスを見比べたとしても結構劣っている。強い技もそこまで覚えていないし今直ぐに使用するのはいいことじゃないとマサトがアドバイスを送るがゴンベがなんの事?と首を傾げる。

 

「ぶっちゃけ、サトシのカビゴンみたいな運用方法は無理だろうな」

 

「アレはあいつが特殊個体だからだ」

 

ゴンベがどういう考えなのかは知らないが、進化するつもりがあるならばカビゴンになる。

カビゴンの理不尽な強さをアランは知っているがアレが出来るのはオレのカビゴンが何故か重量級のくせに軽量級の素早さを持っているからだ。もっともジュカインやゲッコウガみたいな素早さが売りのポケモンには敵わない、あくまでもその見た目でそんなに素早いのか!ぐらいの素早さだ。オーキド博士も今まで見たカビゴンで1番のカビゴンだって言ってたな。

 

「待てぇ!オイラのおにぎりぃ!!」

 

ゴンベはまだ実戦に導入することが出来ないで話が纏まっていくと大きな声が響く。

おむすびコロリンとおにぎりを追いかける田舎っぺ大将……そう、マサムネだ。マサムネはコロコロと転がっていく三角のおにぎりに向かって走っていくのだが……ゴンベがそこに立ち塞がる

 

「ゴン」

 

「あ、ゴンベ!!」

 

「お、オイラのおにぎりぃ!!」

 

ゴンベが転がってきたおにぎりをパクリと食べた。

まだご飯前で専用のポロックを食べさせていないからお腹が若干減っている……そこでおにぎりとはなんというかどんまいだ。

ゴンベがパクリとおにぎりを食べたら落ち込むマサムネ

 

「マサムネ、お前なにしてんだ」

 

「おぉ!サトシ達じゃねえか!見ねえ顔も居るが友達か?」

 

ここでオレ達だと気付くマサムネ。

アランとマサトははじめて見るので友達かと聞いてくるのでそんなもんだと答えればマサムネは腹を鳴らした。

 

「オイラのおにぎり……」

 

「マサムネ、ここに来たってことは」

 

「おう!オイラ、8個目ジムバッジをゲットしたぞ!」

 

おにぎりが食われて空腹状態を思い出すマサムネ。

ハルカが話題を変えようとここに来た目的を聞けば何処のか分からない見たことが無いバッジを見せる。

アニメオリジナルのジムバッジなんだなと思っているとぐぅ〜と腹の音が鳴った。豪快な音だ。

 

「あぁ、腹減って力が出ねえ……これからホウエンリーグだってのに」

 

「クククッ……まぁ、一先ずはホウエンリーグの参加申込だ。今日の昼には締め切りだから、行くぞ」

 

腹が減っていた事を思い出すマサムネ。

飯屋はサイユウシティに沢山あるがそれを利用するにはホウエンリーグの参加者になってからだ。

ホウエンリーグの参加申込を出せばダッシュで駆け抜けようとするが、方向が違うと一緒にセントラルのポケモンセンターに向かう。

ホウエンリーグへの参加申込はあっさりと終わり、マサムネはおにぎりとコロッケを食べる。美味いと満面の笑みを浮かべている。

 

「意外だな、あの手のタイプは苦手そうだと思ったのに」

 

「別にオレに害意が無ければ問題はねえさ」

 

マサムネみたいな根性論で動く奴は苦手かどうか聞かれれば苦手だろう。

だが、マサムネ自身がオレに対して害意を持って接してきているわけじゃねえ。だったら問題らしい問題無い。

アランが少しだけ意外そうにしているがそうでもない……そんなこんなでホウエンリーグの開幕式を終えた。夜に開幕式を終えて翌日から試合だ。

 

「先ずは予備選からだね」

 

「おう!……で、予備選ってなんだ?」

 

「使用ポケモン1体のポケモンバトル、今回のホウエンリーグは9回勝ち抜かないといけないみたいだよ」

 

予備選1回、予選のダブルバトル3回、決勝トーナメント5試合……セキエイ大会以上にハードな試合回数だ。

マサムネが予備選がなんなのかを聞いてくるのでマサトがルールを説明すれば成る程と納得し9回勝たなきゃいけないハードなスケジュールだと言う。

 

「セキエイ大会以上にハードね」

 

「まぁ、それぐらいやってもらわねえとこっちも面白味に欠けるから良いんだがな……んじゃ、ここからはお互いの健闘を祈っとけ」

 

「……え?」

 

「おう!サトシ、絶対に勝ち上がって来いよ!」

 

ここから先は正真正銘の真剣勝負、些細なミスが命取りになる世界だ。

健闘を祈ると言えばハルカがポカンと固まっておりマサムネが絶対に勝ってこいと言ってくる……

 

「ここでは1人だ」

 

今まで色々とアドバイスを送ったりしてきたが、ここからは対戦相手になる。

だからここでは1人で色々と考えろ、ハルカが一人前のポケモントレーナーになれるかどうかはここが1番の正念場だ。

何時もの様に色々とアドバイスを貰ったり作戦を一緒に考えたりすると思っていただろうがここからは1人でやればいい。

 

「いきなりだな」

 

「いきなりだ」

 

マサトがアドバイザーになるから大丈夫だよと言ってきたのでハルカとマサトを置いていく。

マサムネは……何時に戦うのかの確認をする。対戦相手の情報収集とかそういうのはしない。

アランはいきなり突き放した事に対して驚いているがいきなりであることは自覚している。だがそれでもだ。

 

「ハルカに対してここはこうと自分の分身になる様には鍛えてねえ、効率だけを求める効率厨になってねえ……ポケモントレーナーに必要な基礎的な知識、自主的に学習しようという考え、ここぞという時の勝負の度胸を教えている。後はそれを自分の中で消化して昇華させる……」

 

どのタイミングでハルカとぶつかるかは分からないがハルカとの対戦は確かに起きる。

ホウエンでゲットした手持ちだけでどうにかしようなんて甘えた考えをオレは持っていない。自分の持っている力を全てぶつける。

大会出場者に面白そうなのは特に居ない……ハルカとの対戦が面白いんじゃないのかと思えるぐらいの認識だが過度な期待は出来ない。

 

「…………俺がアドバイスの1つでもって思ったがそれやったらハルカのホントの意味での成長を妨げるか」

 

「教えた後に出来る事は頑張れって口にせずにありのままの結果を見守ることだけだ……なに、そこらのトレーナーよりは遥かに強い」

 

「……実際ハルカってどれくらいなのかしら?」

 

今までこう、ホウエンリーグを目指してジムバッジ6個だぜ!とか言うのと戦ってこなかったのでセレナが疑問を抱く。

一応は野良トレーナーを相手にしているからそれなりには強い……だが、ここはそういうトレーナーが集まってしのぎを削る戦いをする場所だから多少の腕自慢じゃダメだ。

 

「そこが分かるのはホウエンリーグだ……心配だったら見に行けばいい」

 

「……サトシの試合とハルカの試合をどうにかして同時に見る方法はないかしら……」

 

「んな都合の良い話はねえ」

 

ハルカが失敗しないのか負けないのか心配をするセレナ。

気になるならば見に行けば良いのだがオレの試合もどうしても見たい、サイユウ大会は予選を同時進行で行って決勝トーナメントから全国中継が入るシステムでそこから1試合ずつ繰り広げられる。どう頑張ってもハルカとオレの試合を見れない時が出てくる。

 

「いやいや、サトシが秒殺すればハルカの試合に間に合う可能性が」

 

「ゲッコウガ、スイクン、リザードン、オーガポン、ジュカインのどれかで行けばなんとかならない事もないわね」

 

「RTAは意味ねえからな」

 

オレが対戦相手を秒殺すればハルカの試合を見に行く時間を作れると言えばその手があったわ!とセレナが妙案を得たかの様な顔をする。確かに最速で勝てば理屈や理論の上ではハルカの試合を観戦する時間は増えるが、そういうのをする意味は無い。相手によってポケモンを変えとかなきゃポケモンバトルじゃねえ。

 

「で、最初はなにで挑むつもりなんだ?はじめてポケモンリーグに出場した頃と比べて手持ちに大分余裕がある……予備選の使用ポケモンは1体、とにかく1番強いカードを切るのが良いだろうが」

 

「ジュカインでやる」

 

「ジュカイン……成る程、レベルを推し量る感じか」

 

「そういうことだ」

 

予備選は最も強いカードでぶつけるのが最善手と考えているが、オレは開幕ゲッコウガはしない。

別にサトシゲッコウガを使えば余裕で倒すことが出来るがオレは今回のホウエンリーグのレベルを知らない。

今までのポケモンリーグも強い奴は強い、弱い奴は弱いで強さがイマイチ測れない感じだったがあんまりアテにならないかもしれねえがホウエンリーグ出場するには最低でもこのレベルが必要だの基準を見極めなくちゃならねえ。

ホウエンのポケモンの中で1番レベルが高いジュカイン、元々エースとして運用する為に育成しているところもあるし初戦でどれくらいの力が出るのかを見ておきたい。

 

「やったわ!!」

 

「お姉ちゃん、それで喜んだらダメでしょ……」

 

「どうしたの?」

 

対戦相手の情報を集めたところで意味は無い、ジュカインで出ると決めたらジュカインで出る。

出場するポケモンの登録をしているとハルカが大きくガッツポーズを取っておりそんなハルカを見てマサトが呆れている。

なにを喜んでるのかとセレナが聞けばハルカはピースをしてくる。

 

「私、予備選に出なくていいの!自動的に予選出場が決まったの!」

 

「それを喜んじゃってどうするの?」

 

「…………その分、作戦に時間を割けるだろう」

 

ハルカが予備選に出場せずに予選に駒を進めた。

なんでそんなと思っていればマサトが持っているポケナビに人数調整の都合上でハルカが予備選無しで予選に突破した。

予備選を含めれば9試合ある……512人ちょうど出場しないとコレは成立しないが512人以下の人数が出場してる感じだ。

ハルカはラッキーだと喜んでいるがマサトがこんな事で喜ぶだなんて情けないと思っている……運も実力の内、不運も実力の内、そういう風に割り切った考えを持てば良い。

 

「ねぇ、サトシ……お姉ちゃん大丈夫かな?」

 

予備選を一応は通過したハルカを見て情けないと思っているマサト。

このまま予選に出場したらあっさりと負けちゃうんじゃないのかという心配をする。

 

「大丈夫はなんの大丈夫だ……弱い奴が負ける、そういう世界だ」

 

「それは分かってるけど」

 

「ならなにを……ハルカが強いと言う認識が取れないのか?」

 

「うん」

 

「ハッキリと言うんだな……実力は確かだ……」

 

「でもお姉ちゃん強いって雰囲気がしないけど」

 

「いや、その認識自体が間違いだろう」

 

弟目線では強いとは認識出来ていないマサト。

アランはその認識自体が間違いであることを主張するのでマサトはどういう事だと首を傾げる。

 

「実力ってのは持っている力の事じゃなくて持っている力を発揮して生み出した結果の事を言っているんだ」

 

「そうなの?」

 

「まぁ、そうなるわな」

 

アランが実力=スペックではなく実力=結果だと主張する。

実力=結果、コレは間違いじゃない。マサトがイマイチ理解していない。

 

「例えばレシピ通りにやって作った料理とレシピを少し大雑把にやった料理があるだろう……どっちも同じ料理だが大雑把にやった料理の方が美味かった。手順通りにやる=絶対に成功する安定して強いとかじゃない……大雑把でも美味い方が美味い、例え過程が悪くても結果的にそっちの方が美味いのならばそっちの勝ちだ」

 

「……そういう考えがあるんだね……アランってもしかして物凄く強いの?」

 

「俺はエンジョイ勢だからなんとも言えない」

 

ガッチガチのガチの廃人は攻撃を完璧に読み切る知性があったりする。

アランは一応は廃人だが世界大会を目指して手持ちを構成とかをしていないエンジョイ勢……廃人の時点で強いのは確定なんだがな。パチリスさんを用意している時点で大分……。

 

「ここでは勝ったか負けたがハッキリと分かる場所だ、勝った=結果=実力だ……だから見た目や中身に騙されるな……でないとお前がトレーナーになった時に痛い目に遭う」

 

割とまともなことを言うアラン。一応はポケモンバトル学に精通しているポケモン研究者なんだなと思い知らされる。

マサトが今出来ることはアドバイスとかよりも見守ること、姉の勇姿を見守る事だが……肝心の姉の試合が無かった。

 

『さぁ、ホウエンリーグ・サイユウ大会!続きましてはなんとポケモンリーグ・セキエイ大会、ジョウトリーグ・シロガネ大会を制覇したマサラタウンのサトシ選手!今大会の優勝候補No.1と噂されている圧倒的実力者!』

 

しかしオレの予備選はある。

オレが出るってだけで割と注目はあるのか立ち見している人達が居たりするがアラン達は無事に席を確保している。

 

「これより予備選を行います!使用ポケモンは1体のシングルバトル、Zワザ、メガシンカはどちらか1回のみ!同時にポケモンを出してください!」

 

「いけ、ジュカイン」「いけ、サワムラー!」

 

相手は格闘家のゲンキ……出してきたのはサワムラーだ。

やっぱり1体しか出せないという条件の中では出来るだけ強いポケモンで挑む、ベタだがコレは間違いな作戦じゃない。

ジュカインは煙管を取り出して咥える。今回はメガシンカはしない感じの方向で行く……メガシンカのカードは切るときには切るが、こういうところで使っても意味は無い。

 

「サワムラー『メガトンキック』だ!」

 

「ジュカイン『リーフブレード』……『メガトンキック』にぶつけろ」

 

試合開始の合図が告げられたので早速動いてくる。

サワムラーの長いリーチを生かした『メガトンキック』がどれくらいなのかを『リーフブレード』で対抗させて確かめる。

ぶつかるか『メガトンキック』と『リーフブレード』結果は『リーフブレード』が押し切った……が、サワムラーの足以外はジュカインの直接攻撃型の『リーフブレード』の範囲外……なるほどね……

 

「ジュカイン『タネマシンガン』……オンリーワンタイプでいけ」

 

「ジュ!」

 

とりあえずサワムラーの力がどれくらいなのかは見れた。

ジュカインよりは下なのは分かったので『タネマシンガン』を指示する、普通の『タネマシンガン』でなく『タネマシンガン』を一発に集束した『タネマシンガン』だ。素早さも威力も凝縮されている『タネマシンガン』でサワムラーは反応することが出来ずに『タネマシンガン』が命中して背中から転げ落ちる

 

「間合いを詰めろ!」

 

サワムラーは特防が高いポケモン、中距離以上の戦闘になった場合は自慢のバネの様な足が伸びて蹴りが飛んでくる。

ここで取る選択肢は間合いを一気に詰めること、『かくとう』タイプのサワムラーは当然近距離戦が得意だが素早さではジュカインが遥かに上回ってる

 

「ジュカイン『リーフブレード』だ」

 

サワムラーとの間合いを一気に詰めた。

『リーフブレード』でジュカインは攻撃すれば……パタリとサワムラーは倒れた。

立ち上がってくるかと思ったがそんな事は無く、倒すことに成功しており……審判が旗を上げた。

 

「サワムラー、戦闘不能!ジュカインの勝ち!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!」

 

『き、決まったぁああああ!!マサラタウンのサトシ選手、ジュカインの目にも止まらない素早さを生かしてほんの数十秒でサワムラーを蹴散らした!なんという圧倒的な強さだ!』

 

「……数十秒か」

 

戦闘不能の判定がくだり試合終了となった。実況の人が圧倒的な速さと力で瞬殺をしたと叫んでいる。

数十秒……割とあっさりと決着がついたなと思っていたが数十秒って事は一分行くか行かないかぐらいか……

 

「割とあっさりと終わっちまったな」

 

「ジュ……」

 

もうちょっと苦戦するかと思ってたが予想以上にあっさりとバトルを終えた。

ジュカインもこんなレベルかよと落胆している……まぁ、一番最初の試合だから仕方がねえと言えば仕方がねえ事か。

格闘家の男は負けたと涙を流している。コレでコイツのホウエンリーグは終わった……まぁ、勝負の世界じゃよくある話だ。

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