闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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開戦!ホウエンリーグ・サイユウ大会!

 

「さて……ダブルバトルか……」

 

オレの中にある原作知識を引っ張り出してみれば、ホウエンリーグは予選がダブルバトルだった。

ただ……使用ポケモンが2体のダブルバトルだ……使用ポケモン4体になってるのはなにかしらのバタフライエフェクトかと思えばいい……コイツはむしろラッキーだとオレは考える。ダブルバトルの経験は少ないがコレで色々なポケモンを使う機会が増える。

セキエイ大会で最後の最後までゲッコウガを使わなかったとかそういうのが普通にあるからな。

 

「う〜ん……どうしよう……今までみたいに弱点をつけばいいって感じじゃないかも」

 

予選からはハルカも参加する……ハルカはパソコンを起動して対戦相手のデータを確認する。

使っているポケモンがタイプや戦闘スタイルが偏っていると言う事は無くジム戦の様に弱点を突いての戦闘をする、と言うことが出来ない。アドバイスは送らない。アランも送らない。マサトは予行演習だとハルカの手持ちで行くならばどういう風に挑むのかを考えているが……コレはあくまでもハルカの戦いなのだと出しゃばる真似はしない。

 

「サトシはどうするんだ?」

 

「まぁ、安定の水統一で行こうかとは考えてる」

 

「と言うと……ゲッコウガ、ラプラス、ミロカロス、スイクンか……豪華だな」

 

「いや、ゲッコウガは入れずにオーガポンにする」

 

「オーガポンに?……まぁ、オーガポンのスペックならなんとでもなるが……ゲッコウガを出し惜しみしてる盤面じゃないだろう?」

 

大会はまだ始まったばかりでドクターストップをくらっても1日を費やせば治る系のダメージを受けても後日の試合で出せる。

決勝トーナメントではポケモンを慎重になって選ばなきゃならねえが予選トーナメントだったら回復に専念をする時間が生まれても問題は無い。オーガポンもいいがゲッコウガも良いんじゃないのかというもっともな考えを持っているが……

 

「ゲッコウガはダブルバトルじゃ使えないんだ」

 

「……どういう事だ?」

 

ハルカがグランドフェスティバルで頑張っている中でポケモン達を調整して色々と試していた。

そんな中で分かったこと……それはゲッコウガがダブルバトルに向いていないという事だ。

 

「ゲッコウガはオレとシンクロしてサトシゲッコウガになる。だがダブルバトルの場合はオレは他に意識を割かないといけない、中途半端なシンクロ率で中途半端なサトシゲッコウガになり逆に弱体化する……色々と試したがダブルバトルではサトシゲッコウガになってしまうゲッコウガが使えない」

 

「……そんな弱点があったのか……」

 

サトシゲッコウガは便利に見えても決して万能じゃない。

色々とやってみたがシングルバトルでしかゲッコウガは使えない、他の個体のゲッコウガならばどうにかなっただろうがオレのゲッコウガだとどうしてもサトシゲッコウガが……まさかサトシゲッコウガが足を引っ張る時が来るとは思っていなかった。

 

「まぁ、そんなに都合の良い話はねえんだ」

 

「ゲッコウガの代わりにオーガポンを入れるけど問題無く戦えるはずよ」

 

サトシゲッコウガは決して無敵じゃない。

セレナはゲッコウガじゃなくてオーガポンだけでも問題無く戦えるのだと背中を後押ししてくれる。

アランも問題は無さそうだなと思っている。ここで負けるってことは余程だからな。

 

『さぁ、ホウエンリーグ・サイユウ大会!予選トーナメントが開幕しました!ここからはネット中継を挟んでのバトルです!』

 

「これより予選1回戦第7試合を行います!使用ポケモン4体のダブルバトル!交代はあり」

 

そんなこんなで1回戦が行われる。

ハルカも今頃は別の場所で戦っているから負けてられねえなと思いながらもルーレットを見る。

ルーレットはオレか対戦相手のトレーナーか、どちらが先にポケモンを出すのか決めるルーレットで……オレが先にポケモンを出すので決まった。

 

「いけ、ラプラス!スイクン!」

 

「キューン!」

 

「クォオオン!!」

 

「なっ……ス、スイクンだって!?」

 

先ずはラプラスとスイクンで行くのだが対戦相手のトレーナーに驚かれた。

こんな序盤にスイクンを使ってくるとは予想外、決勝トーナメントまで温存していると思っていたんだろう。

だが……今までと違ってオレの手札は余裕がある。だからスイクンを使うという選択肢が増えている。

 

「っく……いけ、マルノーム!マルマイン!」

 

「マァル」

 

「リッ……」

 

コイツは完全に予想外だと対戦相手のトレーナー、出てきたのはマルマインとマルノームだ。

どっちもそれなりに強そうだなと思いながらも試合開始の合図が告げられる。

 

「マルマイン『10まんボルト』マルノーム『タネばくだん』……スイクンに向かってだ」

 

「……スイクン『おいかぜ』ラプラスはマルマインに向かって『ハイドロポンプ』だ」

 

向こうにとって厄介なのはスイクンだ……マルマインもマルノームもスイクン狙いでいく。

『10まんボルト』と『タネばくだん』弱点の『くさ』と『でんき』を物理攻撃と特殊攻撃に分けて攻撃している。

コレは中々だなと思いながらもスイクンに『おいかぜ』を使う……マルマイン、スイクン、ラプラス、マルノームの順番で動いている。

素早さだけならばマルマインの方がスイクンを上回ると言うのは流石の『でんき』タイプ……スイクンは『10まんボルト』を浴びるが大したダメージになっておらず『おいかぜ』を発動しラプラスは『ハイドロポンプ』を放ちマルノームにぶつける。

マルノームの放った『タネばくだん』はスイクンに当たるがスイクンには全くと言ってダメージにならない

 

「クククッ……理不尽だな……だがそれでこそだ」

 

ゲームならばそれなりのダメージになるが、この世界じゃ伝説のポケモンは無駄に強い。

理不尽なところもあるのだと見せつけるかの様にスイクンは耐えた。ダメージらしいダメージは特に無い。

相変わらず理不尽な性能をしているなと思いながらも次の手を考える。『おいかぜ』のおかげでこちらが暫くは有利に動ける。

 

「ラプラス『あまごい』だ」

 

「その『あまごい』貰った!マルマイン『かみなり』だ!」

 

「スイクン『ミラーコート』だ」

 

「えっ!?」

 

「見え透いた嘘に乗っかるなよ」

 

今度はラプラスが『あまごい』を使えばそれを貰ったのだとマルマインに『かみなり』を使わせる。

『あまごい』で『あめ』状態ならば『かみなり』は必中になるからそれでスイクンをとスイクンにばかり意識が向いている。

スイクンを倒さなきゃいけないという意識が強いのは分かっているが、あまりにも誘っているというのが丸分かりな『あまごい』に乗っかってきた。『でんき』タイプのポケモンがいる中で『あまごい』を使うって事はそういうのを狙ってるって言ってるも同然だ。

マルマインが『かみなり』を落とすがスイクンが『ミラーコート』を使い反射した。この世界の『ミラーコート』と『カウンター』はタイミングがシビアだがダメージを受けずに攻撃を倍返しにすることが出来るから便利だ。

 

「マルゥ……」

 

「マルマイン、戦闘不能!」

 

「戻れ……頼んだぜ、ダーテング!」

 

「ダァッ!!」

 

「……ラプラス、マルノームに向かって『サイコキネシス』スイクンは『じんつうりき』だ!」

 

「ダーテング、立ち塞がれ!」

 

マルマインの次に出てきたのはダーテングだった。

また地味に厄介なのが出てきたなと思いながらも先ずはめんどそうなマルノームから撃退しようと『エスパー』タイプの技で攻める。

思念波の様な物が飛んでいくのだがダーテングが壁になる。『あく』タイプのダーテングには効果は無いので『サイコキネシス』も『じんつうりき』も不発……ダブルバトルはこういうのがあるから頭を使わなきゃならねえ。

 

「ダーテング、マルノーム……タイミングを合わせるぞ!」

 

向こうにはなにか連携技があるみたいだ。

ダーテングとマルノームが出来る連携技、なんかあるのかを考えているとダーテングは腕の団扇を扇いだ

 

「ダーテング『ぼうふう』だ!」

 

「こりゃ『あまごい』失敗か……」

 

『ぼうふう』を使ってくるダーテング、強力な技だが命中率に問題があるがフィールドは『あめ』状態。

『あまごい』を使ったのはミスだったのかと思っているとマルノームが『ぼうふう』に吹き飛ばされる……スイクンとラプラスが大してダメージを受けてない、マルノームを移動させる為の『ぼうふう』……

 

「マルノーム『だいばくはつ』だ!」

 

「っ!」

 

マルノームをスイクンとラプラスの中間ぐらいにまで移動させれば『だいばくはつ』を使った。

巨大な爆発で素早さが増している状態とは言えこの状態で動くことは難しい。いや、『だいばくはつ』だから爆発の規模も洒落にならねえ。回避するのは不可能であり『だいばくはつ』に飲み込まれるスイクンとラプラス

 

「キュォ」

 

「なっ……」

 

「ラプラス、マルノーム、戦闘不能!」

 

『こ、コレは!マルノームの『だいばくはつ』はスイクンを飲み込んだ!しかしスイクンは倒れなかった!なんというタフさだ!』

 

スイクンには確かなダメージがあった……だが倒されなかった。

スイクンの圧倒的な強さのおかげでラプラスのみ戦闘不能になった……コイツの狙いならばコレでラプラスとスイクンを戦闘不能にしようって腹だろうが、スイクンを倒せる威力を持っていない……スイクンの強さが自分がイメージしているよりも遥かに格上だと思い知らされた。

 

「戻れ……いけ、ミロカロス!」

 

「コォオオ!」

 

『サトシ選手の3体目はミロカロス!果たしてどう動くのか!』

 

「いけ、トロピウス!」

 

「ロゥ!」

 

相手のトレーナーの4体目はトロピウス。

マルノーム以外は機動力が高い感じだな……『あまごい』の『あめ』状態はもう少し続きそうだ。

向こうは2体とも『くさ』タイプで機動力がある、1体は足が速い、もう1体は空を飛ぶことが出来る……

 

「ダーテング『ぼうふう』だ!」

 

「スイクン『エアスラッシュ』で掻き消せ……ミロカロス、トロピウスに向かって『れいとうビーム』だ!」

 

ダーテングは迷いなく『ぼうふう』を使ってくる。

コレはまともに受け続けてると危険な技なので危ない感じの風を『エアスラッシュ』で相殺する。

ダーテングよりスイクンの方がパワーがあるからスイクンの『エアスラッシュ』は威力の高い『ぼうふう』を消せている。

そんな中で道筋を作る……この『ぼうふう』状態では空を飛べるポケモンもまともに空を飛ぶことが出来ねえ。トロピウスの空を飛ぶことが出来るという利点をかき消してしまっているがこっちはまだ動ける。『ぼうふう』に左右されないビームを放てると『れいとうビーム』をトロピウスに向かって放てばトロピウスは飛んで回避しようとするが『ぼうふう』が原因で変な風に飛ばされていく。

動く的に当てるぐらいミロカロスにとっては簡単な事だ。トロピウスに向かって『れいとうビーム』をぶつければトロピウスは倒れた。

 

「トロピウス、戦闘不能!」

 

「っ……」

 

「クククッ……技の選択肢をミスった……もしくはそれを想定して鍛えてなかったな」

 

こっちに風を操る権利があるのだと『ぼうふう』に乗って回避するという手段はなくもなかった。

『ぼうふう』に乗ってマルノームを移動させるという技術があるならばトロピウスを『ぼうふう』内で動かすことが出来るように育成することも可能かもしれない……無理なら無理としても『ぼうふう』以外にも色々と選択肢はあった。

この状況で1番威力があるのは『ぼうふう』だが、使い道を完全に誤っている。強力な技を使っているが上手く扱えてない。

 

「っく……クソ……」

 

「ミロカロス、地面に向かって『れいとうビーム』スイクンは『エアスラッシュ』だ」

 

ここまで来ているだけあってかある程度は実力を持っているトレーナーだ。

自分が絶体絶命に追い込まれていることぐらい簡単に理解出来る。この状況で逆転はイカサマでもしなきゃ無理だ。

ミロカロスに『れいとうビーム』で地面を凍らせてスイクンに『エアスラッシュ』を使わせる。ダーテングは回避していくのだが『れいとうビーム』で凍った地面では自慢の脚力を生かすことは出来ない。足を滑らせたところに無数の『エアスラッシュ』が叩き込まれた。

 

「ダーテング、戦闘不能!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!」

 

先ずは予選1回戦、『だいばくはつ』と言う予想外のハプニングが起きたものの手持ちを丸々1体温存して勝ち抜いた。

スイクンには無茶をさせたなとヘビーボールにスイクンを戻しながらさっさとポケモンセンターに向かうかとなったがアランとセレナがスタジアムの外に居た。

 

「ハルカは残り2体で相手は1体、マサムネは残り3体で相手は1体、テツヤは1対1になってるぞ」

 

「どれを見に行くの?」

 

「……いや……スイクンを回復させる」

 

『だいばくはつ』を受けたから万が一があるかもしれねえ。

アランとセレナは他のトレーナーの試合を見に行かないのかと言うが今は録画された動画をネットで見ることが出来る時代だ。

他の試合を気にしている場合じゃねえ……スイクンを回復させる事を言えばセレナはハルカの試合が気になるから見てくると言った。

 

「この盤面でスイクンを出すのは意外とか言われてたな……もうちょっと温存するって」

 

「使わないカードになんの価値があるってんだ……昔と比べて大分余裕を持って試合をすることが出来るようになった」

 

観客席で見ていたアランから色々と聞かされる。

スイクンはスゴい、その一言に尽きる感じであり……こんな序盤にスイクンを出して良いのかというが使いもしないカードに価値は無い……セキエイ大会の頃と比べて使える手札が物凄く増えたんだ。

 

「でも、まだ足りない要素は大きいだろう……特に『でんき』タイプ」

 

「『でんき』タイプは色々と魔境だからな」

 

余裕が生まれたところはあるが、それでも足りない部分がある。

『でんき』タイプのポケモンはジバコイルの1体しか持っていない……いや、ゲットしてないってのが正しいか。

他の『でんき』タイプのポケモンで出来ることがジバコイルで出来る、だから他の『でんき』タイプをゲットしようって気持ちが沸かねえ……だがまぁ、欲しい『でんき』タイプのポケモンには目星がついてる、原作通りにある程度事が運ぶならばゲットする機会は訪れる。

 

「そんな事を言うならピカチュウゲットした方が良いんじゃないのか?」

 

「あのな……それすればピカチュウに依存するぞ」

 

「依存って……そこまでか」

 

「ピカチュウが居るからを理由に『でんき』タイプのポケモンをゲットしないし『でんき』タイプの技を覚えさせようとしない」

 

アランが冗談半分でピカチュウをゲットした方が良いんじゃないかと言ってくるが、ピカチュウはゲットしない。

世界最強クラスのピカチュウになれたのはマサラタウンのサトシのおかげでもあるし、ピカチュウを持っていれば『でんき』タイプの枠をピカチュウでいいやで埋めてしまう。まぁ、確実に大人の事情だろうがサトシは『でんき』タイプのポケモンをピカチュウ以外1体も持っていない……完全に大人の事情でそうなってるが依存してると言っても過言ではない。

 

「それは大人の事情だろう……『なみのり』使えるの便利だぞ」

 

「ウォシュロトで大体はどうにかなる」

 

「身も蓋もない事を言うなよ……と言うかそれが狙いか」

 

「クククッ……廃人御用達のポケモンだろ?」

 

「この世界じゃ馬車馬の如くこき使われてるポケモンだがな」

 

ポケモン図鑑にドローンに家電になんでもロトムが入っている。

ロトムってジャンル的に言えばなにポケモンなんだ?準伝説か?一般ポケモンなのか……謎だな……。

とりあえずポケモンセンターに向かってポケモン達をジョーイさんに預ける、スイクンのダメージは酷くはなかったが軽くもなかった。

『だいばくはつ』を真正面から受けるのは危険だなと再認識するが……まぁ、無事に勝つことが出来たからそれでいい。

ハルカもマサムネも無事に1回戦を突破した。

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