闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「………」
「どうした?」
ホウエンリーグ・サイユウ大会。
決勝戦はハルカvsサトシというカードになった。面白いカードになっており、マサト達は喜んでいる。
そんな中でハルカはジムバッジが入っているバッジケースを開いている……ゲームの順番通りじゃないがゲームと同じバッジを手に入れている。本来は5つ目のジムバッジのバランスバッジが8個目に入っている。
「……私……ここまで来れちゃったわね……」
「……なんだ?実感が沸かないのか?」
「うん……私ね、ポケモンを貰って色々なところに旅立つことが出来れば良いかなって思ってた……けど、外の世界には悪い人達も多く居て、心細いからサトシとセレナについていったの。……サトシとセレナは目標があって羨ましくてやりたいことが特に無かったから……ジム戦とコンテスト両方に挑んで……ここまで来た」
「……後悔とかしてるのか?」
「ううん、逆よ……サトシに出会えて良かったって思ってる。あのまま1人で旅立ったとしてもここまで成長することが出来なかったかも」
「……」
サトシのやつ、あくまでも基礎しか教えてないんだがな。
ホントに大事な応用とかそういうのを身に着けてない……まぁ、基礎がしっかりと身につけば後は自分なりのオリジナリティを出す。
ハルカはサトシに出会うことが出来て良かった……そう思っている…………
「ハルカは……今のスタイルがしっくりと来るのか?」
「うん……ポケモンバトルの楽しさも分かってきたし、コンテストにも魅力されてる。どっちか1つだなんて決められないかも!」
「…………」
「どうしたの?」
「遊びじゃなくて本気で上を目指すつもりはあるか?」
「あるに決まってるじゃない!サトシの方が圧倒的に優勢だって言われてるけど、私は負けないわ!」
「……だったらさ……一人立ちしないといけないぞ」
「……え?」
「サトシはサトシのやり方で成功してる、サトシが基礎だけを教えた後に特になにかを教えてないのはそこからお前らしさを出すためだ……でも、サトシがそれの邪魔になっている」
このホウエンリーグ・サイユウ大会、明らかに頭1つどころじゃないレベルでサトシは抜けている。
どんなトレーナーでも地方リーグに挑んでチャンピオンリーグに挑んでなシビアな世界だからそこは仕方がない。
でも、サトシがハルカの成長の妨げになっている。ハルカは未熟どころじゃないレベルから地方リーグの決勝戦にまで駒を進めた。1年目でそれは割とスゴいことだ……そもそもで地方リーグに出る時点でこの世界ではある程度の実力が無いとダメだ。
「もしお前が1人の挑戦者として頂点に立ちたい、最強になりたい……そう思う時が来れば、そこでは確実にサトシが立ち塞がる」
「……今もじゃないの?」
「今のサトシのレベルはチャンピオンリーグ優勝するかしないかレベル、何体かはチャンピオンに届くレベルのポケモンだ……俺は純粋にポケモンバトルを楽しむからどっちかを応援ってことはしない。面白いバトルが見たい、ただそれだけだ。でも、お前が一人前で超一流を目指すなら……その時は誰かを頼りにするんじゃなくて自分の力で這い上がらないといけない」
この世界は色々とシビアなところはシビアだ。だがその分、勝った場合のリターンは大きい。
ハルカは1人のトレーナーとしてサトシに勝ちたいと思っているが、サトシに対してホントの意味で敗北していない。
グランドフェスティバルで一度でも負ければ終わりの正真正銘の真剣勝負をしたが、それでもまだ足りない。次があるって前向きになれている……それが1回ならまだいい、2回、3回となればそれが屈辱に成り代わる。
ハルカがサトシに勝てる可能性は限りなく0に近い……サトシはハルカが相手だろうが関係無く何時も通りにしている。
『激闘につぐ激闘を繰り広げていたホウエンリーグ・サイユウ大会!遂にここまで来ました決勝戦!先ずは今年はじめてポケモンを貰って旅立った新米トレーナーにしてコーディネーター!ホウエンの舞姫と噂されているハルカ選手!』
戦いに出すポケモンは登録している。
遂に決勝戦が始まるのだと実況者が決勝戦にまで駒を進めたトレーナーの紹介をする……ハルカがこの時点でホウエンの舞姫の異名を持っているのか……なんというかスゴいな。
『対するはポケモンを貰った年にポケモンリーグ・セキエイ大会優勝!翌年にジョウトリーグ・シロガネ大会優勝!三連覇に王手をかけた神域の天才の異名を持つサトシ選手!』
「おいおい、誰だそんな異名を流したのは」
ハルカがバトルフィールドのトレーナーが立つ場所に立てば逆サイドからサトシが出てきて歓声が鳴り響く。
サトシの異名が神域の天才となるように掲示板で書き込んでて正解だったなと思いながらも歓声の大きさを確認する。
4:6……ハルカに対する期待が籠もってハルカが4になっているがサトシの方が格上であると思っている。
「遂に始まるんだね……」
「……応援するお前が飲み込まれてどうすんだ?」
ハルカとサトシならばハルカの方を応援する。
サトシの方が上なのは分かっているけども1人の弟として姉の勝利を素直に願っている。
ただ会場は4:6でサトシ優勢の応援だ……マサトもそれは分かっている事で会場の空気に飲み込まれている。
甲子園の魔物と似た性質の魔物がポケモンリーグにもあるし、ビギナーズラックだなんだで色々と言い訳をしたりする奴も居る。
運も実力の内だと言うならば不運も実力の内である事を認めないといけない、何でもかんでも読み通りに行けば演算能力が高い奴が勝てる。理に適う事ばかりやらせるのはAIにでも任せればいい、理に適わない感情論での行動こそ人間の出来る最強の武器だ。
「コレよりホウエンリーグ・サイユウ大会決勝戦を行います!使用ポケモンは6体のフルバトル、どちらかのポケモンが先に3体戦闘不能になった時点でバトルフィールドの交代を行います!交代及び時間無制限!」
……公式戦とかもそうだがポケモンコンテスト以外でタイムアップで試合終了したところ見たことねえんだが。
どっちが先にポケモンを出すのか決めるルーレットが回る……実はこのルーレットを止めているのはタマランゼ会長だったりする。
ルーレットがピタリと止まった……ピタリと止まるタイプは良い、押してから減速するタイプのルーレットは目押しとか出来なくて面白味に欠けるからな。
「先行はサトシ選手から」
「いけ、メタグロス」
「メタァ!」
サトシの1体目はメタグロス……難攻不落のバンギラスが出てくるかと思ったがでてこなかった。
今回の大会で1番のインパクトは決勝トーナメントでバンギラスで6タテするというとんでもない事をした事だからな。
バンギラスでなくメタグロスが出てきた…………どっちにせよ化け物と言える600族のポケモン、バンギラスとメタグロスは『ドラゴン』タイプじゃない600族だから厄介だ。
「サーナイト、出番よ!」
「サァッ!」
「試合開始!」
「サーナイト『シャドーボール』よ!」
「メタグロス『コメットパンチ』だ!」
試合開始の合図が告げられればどっちも攻撃に動いた。
サーナイトは『シャドーボール』を放つ。メタグロスは図体がデカいので当てやすい的、回避するかと思ったがメタグロスは回避せずに『コメットパンチ』で突撃し『シャドーボール』を破壊するが『シャドーボール』を破壊するまでの間ほんの数秒を使っている。
一直線に飛んでくる『コメットパンチ』を右に移動して回避する時間が生まれたのでサーナイトはメタグロスの『コメットパンチ』を回避する……メタグロスの『コメットパンチ』なんてまともに受けたら負けているからそれでいい……が……
「セレナ、ハルカとサトシはどれぐらいバトルしてる?」
「何度もバトルしているわよ……でも、こういうちゃんとした戦いの場はお互いはじめてで」
「……」
サトシの奴、『コメットパンチ』を使ったがコレはハルカの力量を確かめる為に使った。
戦いの中で成長する、戦いの中でのみ力を発揮する、バトル漫画みたいな展開は普通にある。
ハルカはこのホウエンリーグで一回りも二回りも大きく成長した……サトシが下地を作っていたのが1番大きいだろう。
「サーナイト『テレポート』よ!」
「サァ」
「メタグロス、フィールドの端にまで行け」
サーナイトが『テレポート』を使った。
『テレポート』を使って背後などに回り込んでの奇襲はサトシは何度も何度も見ているし戦っているから知っている。
自分の周囲、真正面以外から現れるのは分かっているのだとメタグロスはフィールドの端に移動しサーナイトはメタグロスが居た場所の背後に出現した。
「やっぱりサトシくんの方が経験が違うか」
「まだ試合は始まったばかりなのでなんとも」
相手の手を即座に対応しているからサトシが積み上げた物が上でそれがバトルに有利に運んでいる。
ただ、まだお互いノーダメージだ……ここでポケモンの交代する権利がある……ここが決勝戦だから後を気にしなくて良い、最強のパーティで挑むことが出来る。1体目から手持ちを交代するという事はしない。
「サーナイト『サイコキネシス』よ!」
「メタグロスに『サイコキネシス』って、全然ダメージが入らないよ!」
次に動いたのはサーナイトだった。
『サイコキネシス』を発動した。メタグロスには0,25倍のダメージ計算になる『エスパー』タイプの技だ。
全然ダメージが入らないとマサトが叫べばメタグロスに『サイコキネシス』が通った……
「メェ……」
「なんと!サーナイトの『サイコキネシス』のパワーを浴びても動けるのか!」
『サイコキネシス』の念動波にメタグロスが捕まった。
メタグロスが弾き飛ばされるのかと思ったが一歩また一歩とメタグロスは動いている。
『エスパー』タイプの攻撃に対して滅法強くかなりのレベルにまで鍛え上げているからこそ出来る芸当だ……ただハルカのサーナイトも充分な強さを持っている……どうするかと思っているとサーナイトは自らの体を浮かせてメタグロスの頭の上に乗ろうとした。
「『バレットパンチ』だ!」
そこが命取りだと気付かずにだ。
メタグロスを抑えるのにサーナイトは集中しないといけない、移動しながら『サイコキネシス』をするという芸当が出来るポケモンは見たことがない。必死の思いで『サイコキネシス』で動きを鈍くしているのに緩めたら力技で突破される。メタグロスには強力な『エスパー』タイプの耐性とパワーの2つを持ち合わせている。
『バレットパンチ』を受ければ完全に『サイコキネシス』を解除してしまうサーナイト。
「『バレットパンチ』」
追撃の『バレットパンチ』が飛んでくる。
物凄い速さで当てれてメタグロスのパワーなら大きなダメージを与えれる『バレットパンチ』、サーナイトは『フェアリー』タイプも持っている上に『はがね』タイプが弱点だ。
「サーナイト、自分自身に『サイコキネシス』よ!」
「『サイコキネシス』を攻撃じゃなくて自分に使うの!?」
「ああ……アレは恐らく……避ける為だろう」
攻撃技である『サイコキネシス』を自分自身に使った。
物理攻撃が得意じゃないので近付かれればその時点で色々と危ういサーナイト。
『サイコキネシス』を使うことで自らを動かす。メタグロスの素早い『バレットパンチ』を体で動くのでなく意識で動かし回避しメタグロスの背後を取った。
「『シャドーボール』よ!」
やっと当てることが出来た。
ハルカはサーナイトに『シャドーボール』を指示してサーナイトは『シャドーボール』をぶつける。
ここに来るまでが長いが『シャドーボール』を当てることが出来た……だがまだだ。サーナイトと言えども一撃でメタグロスを倒せない。サトシと一緒に居るから『みちづれ』は当然の様に覚えているだろうが……アレはホントに使い所とタイミングがシビアなものだ。
少なくともフルバトルの1体目のポケモン相手に『みちづれ』は使うべき技じゃない。
「メタグロス『バレットパンチ』だ」
『バレットパンチ』の手は止めない。
『サイコキネシス』で移動しないといけないが『サイコキネシス』を使うのに一手間を置かないといけない。
その一手があれば『バレットパンチ』を叩き込む事が出来るのだと『バレットパンチ』を叩き込めばフィールドの岩に向かって飛んでいく
「サァ……」
「サーナイト、戦闘不能!メタグロスの勝ち!」
先ずは1体目……だがメタグロスも一応はダメージを受けている。
まだ試合が始まったばかりでハルカは焦ることをしない……何時も通りの平常心、余計な雑念は捨てている。こういうメンタル面が強いのはスゴいと素直に思う。
「……チルタリス、出番よ!」
「チルゥ!」
「ハルカの2体目はチルタリスか……」
「……サトシのメタグロス『れいとうパンチ』を覚えてるわよ?」
「チルタリス、飛んで!」
ハルカの2体目はチルタリスだった。
ここでチルタリスだがセレナがメタグロスは『れいとうパンチ』を覚えているという。
だが……チルタリスはそんな事は気にしないと空を飛んだ……メガメタグロスならば追いかける事が出来るがメタグロスは空を飛べない
「チルタリス『コットンガード』よ!」
「戻れ、メタグロス!」
迷いなく『コットンガード』を使った。
コレはまずいとモンスターボールを取り出してメタグロスをボールに戻す……冷静な判断を下している……メタグロスじゃジリ貧だからな、あの状況じゃ。
「いけ……ラティアス!」
「キューン!」
「ラティアスだって!?」
サトシがメタグロスを戻して次に出したのはラティアスだった。
ラティアスを持っていることをセンリさんは知らなかったみたいで声を出して驚いている。
スイクンも持っている。ラティアスも持っている……割と反則級だな……伝説級のポケモン持ってる俺が言えた義理じゃないが。
「出てきたわね、ラティアス!チルタリス『ムーンフォース』よ!」
「『めいそう』だ」
空を飛ぶことが出来るポケモンを出して空中戦を繰り広げる!と言う展開にはならなかった。
チルタリスは『ムーンフォース』を放ちラティアスは『めいそう』を使う。ラティアスが『めいそう』を使う方が早かった
「ダメだよ!そのやり方は!」
「マサト?」
「ラティアス『めいそう』」
「チルタリス『ムーンフォース』よ!」
再び炸裂する『ムーンフォース』に『めいそう』を使う。
大ダメージの筈だがそれでも耐えているのは伝説のポケモンが持つ圧倒的なポテンシャルだ。
だが弱点である技には変わりはないとセンリさん達が思っている中でマサトがそれじゃダメだと言う。
「『めいそう』」
「っ……ダメージは確かに入ってるわ!『ムーンフォース』よ!」
3度目の『ムーンフォース』になるが3度目の正直にはならなかった。
徐々に徐々に与える事が出来るダメージが減っている……そしてこの状況……
「「『じこさいせい』」」
俺とサトシは同じ事を同時に言った。
ラティアスは『じこさいせい』を覚える、コレで今まで与えた『ムーンフォース』のダメージが無くなってしまった。
マサトはこの展開を読んでいた、『ムーンフォース』で削り切る事が出来ないのであればとなっている。
「ラティアス『りゅうせいぐん』突撃タイプ」
ラティアスは『りゅうせいぐん』を使うが、雨の様に降り注ぐ『りゅうせいぐん』を使わない。
最終無印でカイリューが使っていた『りゅうせいぐん』と一緒になって突撃する『りゅうせいぐん』を使う。
アレは頑張れば回避することが出来るがその分通常の『りゅうせいぐん』よりも威力が高く多段ヒットするという鬼畜仕様。一応は『りゅうせいぐん』なので能力が大幅にダウンしている
「っ……『ほろびのうた』よ!」
コレは『ムーンフォース』で消せない。『りゅうのはどう』で消せない。
『りゅうせいぐん』を同じ風に使っても素のパワーもラティアスが上で『めいそう』で積み上げているからかき消す事が出来ない。
ハルカが取った行動は『ほろびのうた』……ラティアスは確かに『ほろびのうた』を聞いたが『りゅうせいぐん』をチルタリスにぶつける事に成功しチルタリスは地面に落下した。
「チルゥ……」
「チルタリス、戦闘不能!ラティアスの勝ち!」