闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
ホウエンリーグ・サイユウ大会はオレの優勝で幕が降りた。
なんと言うか……………………面白くない大会だった。
「サトシ、つまらなさそうね」
「分かるか?」
「何時も淀んでる目が真っ直ぐになってる……誰だっておかしいって気付くわ」
優勝したのでマサラタウンに帰る。
オーキド博士とママさんは先に帰っており、オレとセレナは飛行船を経由して帰っている。
ハルカは一旦、実家に帰った……オレに負けてトロフィー授与の時になにかショックを受けていた。
帰路についているとセレナがオレがつまらなさそうにしている。何時もと目が違う純粋で真っ直ぐな目をしているから異変に気付いている。
「ホウエンリーグ・サイユウ大会、あんまりだったからな……」
サトシキラーのテツヤとハルカ以外は特に強いとか思わなかった。
テツヤはサトシキラーだから警戒していたが思っていた以上に弱く、ハルカは文字通り全力で挑んだ。
決勝戦だったから後のことを考えてのバトルをしなくてもいいと考えに考えた切り札級のポケモン達を導入した最強パーティで挑んだ。
「サトシはもうそのレベルをとっくに越えてるのよ」
ポケモンリーグは基本的にジムバッジを8個集めて、そこで8個以上集めた人同士で戦う。
ベテラントレーナーだろうが新米トレーナーだろうがそのルールは変わらない、なんかこう物凄く強いから3回戦から試合に出るシード枠みたいなのはない。セレナは既にオレが地方リーグレベルを越えていてチャンピオンリーグクラスの実力者だと言う…………
「チャンピオンリーグでダンデと引き分けになるレベルだ……そのダンデはガラル地方のチャンピオンになってバリバリ活躍してる」
「だったらサトシもチャンピオンリーグで優勝しないと!チャンピオンリーグに優勝すれば四天王戦、四天王戦に勝利すればチャンピオンへの挑戦権、そこで勝てばチャンピオン、そこから数回防衛してマスターズリーグに」
ガラルチャンピオンのダンデを倒している、引き分けに終わっている。
既に一部のポケモンはチャンピオンクラスか四天王のエースポケモンクラスの実力を持っている。
カントー地方でゲットしたポケモンは全員チャンピオンリーグで勝ち抜ける力を持っている……ホウエンで捕まえたポケモン達も追いかけている。1が2になるのは簡単だけど50が51になるのは難しい、数字が1増えているので同じ様に見えるが、成長と言う度合いでは大分異なる。ホウエンで捕まえたポケモン達はまだまだ成長出来る、だがカントーで捕まえたポケモン達はそろそろ停滞期に入るだろう。ゲットしたての頃に比べて成長やレベルアップが遅くなる、それが原因で焦る。オーバーワークを起こして怪我をする。よくある話だ。
「うぉっと!?」
「あ、大丈夫ですか?」
「あたしゃ大丈夫だよ」
停滞している気もしなくはないなと思っていると1人の婆さんが自転車の前カゴに乗せている荷物を落とした。
セレナが落ちているジャガイモなんかを回収して婆さんに大丈夫か聞けば特に怪我らしい怪我は無いと言った。
「こんなに多くの荷物を……普通のママチャリじゃ無理あるだろ」
「あたしゃもそう思うよ……でも、買いだめしておかなきゃ厄介でね……早いところ次が見つかってくれたら良いんだけど」
「あ、持ちますよ」
「すまないね」
婆さん、後ろに籠が無いのに後ろにも荷物を括り付けている。
買い過ぎだろうと言えば買いだめしておかないと厄介だとワケアリの事を言う。1人でこの量はキツいだろうとセレナは荷持を持つ。
コレもなにかの縁なのかと荷物を持っていけば……トキワジムに辿り着いた
「え、トキワジム!?」
トキワジム……原作と違って木っ端微塵になっていない。
セレナの記憶は弄られているがトキワジムのジムリーダーが誰なのかぐらいは覚えている。
婆さん、トキワジムの関係者だったのかと驚いていると1台の車が停まった。
「やぁ、キクコさん。買い物の帰りかい?」
「ああ、エニシダか……いや〜ホントに馴れない事はするもんじゃないね」
「次が決まるまで待たないといけないから仕方がない事だよ……そっちの2人は?」
「荷物を持ってくれた旅のトレーナー……もっとも、1人は別格だけど」
「クククッ……こりゃ光栄だ」
車から如何にもアロハな男が降りてきた。
景気が悪いねぐらいの感覚で話しかけてきており、婆さんが大変だと愚痴を零した後にオレ達について聞いてくる。
旅の親切なトレーナー、そういう風に説明をしてくれるが……1人の強者としてオレの事を見つめており、アロハな男が首を傾げる。
「やれやれ、あんた私財を使って作ってる割にはそういうのに疎くてどうすんだい……今年のホウエンリーグの優勝者だよ、彼は」
「なっ……き、君があのマサラタウンのサトシくんかい!?」
「ええ……一応聞くけど……なんで四天王がジムを?」
ジムリーダーと四天王を兼任している一例は知っているが、目の前の婆さん、キクコは四天王だけの筈だ。
なんだ知ってたのかと何処かつまらなさそうにしているキクコは理由を教えてくれる。
「前のトキワジムのジムリーダーがロケットコンツェルンの偉い人で、そっちの仕事が忙しくなったからジムリーダーを辞めたのさ。ジムリーダーの資格はまだ持ってるけどね……あたしは新しいジムリーダーが決まるまで代理でジムリーダーを務めてるけど、全然歯応えが無くて退屈してたところさ」
「退屈ね……オレも正直な話、退屈してる所だ。強い奴と真剣勝負してえって思ってたのにあんまりいい結果じゃなかった」
「地方リーグを優勝するのでもやっとなのに……流石、神域の天才は違うね。あ、そうだ!どうせならバトルをしたらどうかな?審判ならやるよ」
「そりゃいい、歯応えが無さすぎてこのままだと腕が鈍っちゃうからね」
「………調整とかそういうの特にしてねえから使用ポケモン1体でなら」
ここで四天王と戦えるのは色々とラッキーだ。
ただ四天王に備えてポケモンは用意していない……それに合わせて用意していないし今からポケモンセンターに向かえない。
使用ポケモンは1体だけ、それだけならバトルをすると言えば婆さんはニヤリと笑みを浮かべた。
「あたしのポケモンはお前だよ、ゲンガー!」
「ゲン!」
「……おぉ……」
自分が四天王だからと先にポケモンを出してくれた婆さん。
出てきたのはゲンガー……明らかにレベルが高い、ホウエンリーグで出てきたポケモン達よりもレベルが高い。
オレのゲンガーと同じかちょこっと上ぐらい……ゲンガーは戦術次第で化けるポケモンだから、おそらくはオレのゲンガーより上だ。
「いけ、コノヨザル」
「ブギャ!」
「アレは……見たことがないポケモンだね」
「ヘッヘッヘ、知ってるよ。そいつはコノヨザル、オコリザルの進化系……あたし相手に『ゴースト』タイプのポケモンで挑んでくるだなんていい度胸じゃないか」
「コレぐらい出来ねえと上なんて目指せないさ」
コノヨザルを見たことがないと言うエニシダさん。
婆さんはコノヨザルについて知っていると笑う……自分を相手に『ゴースト』タイプのポケモンで挑んでくるのは相当に自信があると見ており、目の色が変わる……さっきまでの荷物に苦労している婆さんとは異なっており四天王と言う強者に成り代わった。
「試合開始!」
「コノヨザル『シャドーパンチ』」
「ゲンガー『シャドーパンチ』」
エニシダさんが試合開始を宣言すれば早速お互いに動いた。
『シャドーパンチ』拳が飛んでいく技でゲンガーもコノヨザルも同時に使った……物理攻撃はそこまでなゲンガーが物理攻撃が高いコノヨザルの『シャドーパンチ』に引き分けになるとか相当にレベルが高い。『シャドーパンチ』を相殺されればゲンガーは浮いた……『ふゆう』ゲンガーだな。
「ゲンガー『こごえるかぜ』」
「……」
「なにも、しない?」
ゲンガーが『こごえるかぜ』を使ってきた。思っていた以上にガチ目の技を使ってきた。
『こごえるかぜ』を受けて苦しむコノヨザルだが『こごえるかぜ』自体はそこまで火力が無い。だが確定で素早さを下げる。
セレナはなにもしないの?とオレに対して疑問を抱く。ここで何手かを想定しており……
「『ビルドアップ』」
次の指示を出す。
『こごえるかぜ』で大したダメージになっていない、だったら『ビルドアップ』を使う。
コノヨザルは寒さに耐えながらも筋肉に力を入れる。コノヨザルに赤色のオーラが出てきて攻撃と防御が上がる。
「成る程、こりゃ違うね……『こごえるかぜ』」
「もう1度『ビルドアップ』」
「ふふふ……狙いは『ふんどのこぶし』だね?」
『こごえるかぜ』を受けるが大したダメージになっていない。
『ビルドアップ』を使って着実にパワーを上げていくが……婆さんには読まれている。
コノヨザルが使える『ふんどのこぶし』その技を使ってゲンガーを倒すのを……ゲンガーに対して有効打で確実に倒すことが出来るのはこの技しか無い。だから『ビルドアップ』を使っている……相手が四天王クラスだからなるべく強い一撃を当てないといけない。
弱い攻撃の連打だったら弱過ぎてスーパーアーマー的なの装備し状態に近い感じになる。
「確かにあたしのゲンガーとやりあえるレベルのコノヨザルから『ふんどのこぶし』を受けたら負ける……けど『ふんどのこぶし』を受けなきゃ負けにはならない」
「当たらない攻撃に意味は無いか……確かにその通りだ。だが『こごえるかぜ』は相手を倒すのに向いてねえ技だぜ?」
「強い技だけ使えば勝てるほどポケモンバトルは甘くはない……そんな安い挑発に乗るほど四天王は弱くはないよ!『こごえるかぜ』」
「……」
婆さんにはオレが『ふんどのこぶし』を狙っているのがバレている。
『ふんどのこぶし』は物理接触攻撃技で相手を殴らないと成立しない技、その為に『こごえるかぜ』で機動力を奪っている。
コノヨザル自身が素早さを増す技を覚えていない……
「やれやれ、目が曇ってんじゃないのか?」
「なんだって?」
「『シャドーパンチ』」
「ゲンガー『シャドーパンチ』……っ!」
「コノヨザルを遅くしてもこの技は遅くならない」
『ふんどのこぶし』を当てるのが物凄く難しくなったがこっちにはまだ『シャドーパンチ』がある。
『シャドーパンチ』を使えばゲンガーも『シャドーパンチ』で対抗してきた……だがコノヨザルの『シャドーパンチ』の方が威力が高くてゲンガーの『シャドーパンチ』を貫いてゲンガーに『シャドーパンチ』を当てた。
ゲンガーが『シャドーパンチ』を使ってなかったら大きなダメージを与える事が出来たけど……コレは仕方がない事だ。
「『シャドーパンチ』の連発だ」
「っは!小刻みに連打したら威力が拡散するよ!ゲンガー『シャドーボール』」
『シャドーパンチ』を左手で連打する。
小刻みに『シャドーパンチ』を連打して飛ばしており、そういう技は大抵は速度重視の為に威力が落ちるのを婆さんは知っている。
だが『ビルドアップ』で積み上げた分があるから通常の『シャドーパンチ』よりもほんの少し威力が低いぐらい、ゲンガーが受け続けるのは危険だなと感じたのか『シャドーボール』を使ってきた。『シャドーボール』は無数の『シャドーパンチ』を飲み込んでコノヨザルに命中した。
「ブギャア!」
「……ゲンガー『アンコール』だよ!」
「ゲンゲ!ゲンゲ!」
「クククッ…………分かってんじゃねえか」
ゲンガーが『アンコール』を使ってきた。
この状況で『アンコール』を使ってくる、その意味がセレナもエニシダさんも分かっていない。
「あんたの狙いはコノヨザルの『ふんどのこぶし』……『シャドーパンチ』を使ってゲンガーを倒そうだなんて最初から考えてない。最初から『ふんどのこぶし』一択」
「確かに『ふんどのこぶし』なら倒せる可能性が高い……それ狙いで『アンコール』を使われたのは痛い」
これから色々な手を使って最終的に『ふんどのこぶし』で倒す、そういうプランを練っていたが『アンコール』で封じてきた。
こっちは完全に『シャドーパンチ』しか使うことが出来ない……
「だがな、『シャドーパンチ』でも勝てなくもねえんだ……『シャドーパンチ』の連打だ」
「どんなに速くてもゲンガーに当てる為の『シャドーパンチ』なら……『シャドーボール』を打たずに壁にしな!」
『シャドーパンチ』でも勝てないわけじゃねえ。
『シャドーパンチ』の連打を叩き込みに行くが『シャドーボール』で防がれる……『シャドーボール』を出してそのままの状態を維持、そこから徐々に徐々に『シャドーボール』が大きくなっていき真正面からゲンガーを『シャドーパンチ』で倒せない。
通常よりもパワーが多く籠もっている『シャドーボール』作るのに時間が掛かるからあんまり使えなさそうだが盾にすることによって『シャドーパンチ』の攻撃を防ぐ…………
「『シャドーパンチ』の連打だ」
「今度はなにが狙いだい?」
「決まってんだろ『ふんどのこぶし』狙いだ」
「おや、正直に答えるんだね」
「なにをするか分かっていてもどうにか出来るのがバトルだ…………コノヨザル『ふんどのこぶし』」
「ゲンガー、その『シャドーボール』を発射しな!!」
『アンコール』状態が解除された。
ここならばいけると『ふんどのこぶし』でゲンガーに向かって殴りかかろうとするが婆さんのゲンガーが作り上げてきた通常よりも大きな『シャドーボール』が放たれる。コレは回避することは出来ない、と言うよりはコノヨザルに向かって飛んできてるのでぶつかり合う。コノヨザルは『ふんどのこぶし』をぶつけて……『シャドーボール』を破壊し
「『ふんどのこぶし』」
「っ、『シャドーボール』」
もう片方の手で『ふんどのこぶし』で殴りかかりにいけば二発目の『シャドーボール』を放つ。
即座に放たないといけないから通常よりも小さめ、威力も速度も低いが直ぐに発射することが出来てコノヨザルのもう片方の手の『ふんどのこぶし』が命中するがあっさりと『ふんどのこぶし』が貫きゲンガーに『ふんどのこぶし』が命中し……コノヨザルとゲンガーが地面に立った。互いに背中同士を見せているコノヨザルとゲンガー……ゲンガーが先に倒れた。
「ゲンガー、戦闘不能!」
「………いや………」
「エニシダ、よく見なよ」
「……コノヨザル、立ったまま……コノヨザルも戦闘不能!……この場合は」
「時間差での戦闘不能だからあたしゃの負けだよ」
「……『ふんどのこぶし』でどうにかする事が出来ると思ったんだがな」
ゲンガーが作り上げた盾として使う『シャドーボール』
アレを破壊するために『ふんどのこぶし』で殴ったのだが予想以上のパワーが込められておりコノヨザルにダメージが入った。
なんとかしてコノヨザルは2発目の『ふんどのこぶし』をぶつけることが出来て倒せたが、コレが試合ならば普通に両者戦闘不能の引き分けか判定勝ちだった。
「いや〜負けたよ……今シーズン、ジムリーダーとして1回も負け無しで通ってたのにこんなところで負けるだなんて」
「勝てるって思ったんだがな……」
「サトシがここまでなんて……流石は四天王だわ」
ジムリーダーとして1回も負け無しだったのがちょっとした自慢なのに負けたと悔しそうにする婆さん。
オレも勝つつもりで挑んだんだが流石に計算通り上手くはいかない、セレナもオレのこの姿を見るのは久しぶりだと言い、四天王の凄さを感じ取る。
「スゴい!スゴいよ、サトシくん!!チャンピオンリーグ優勝者と同格なのが四天王なのにそれを破るだなんて!」
「……いや、引き分けなんで」
「そう謙遜しないで」
「そうだよ、負けたあたしに嫌味になるよ」
「…………そう言えばずっと気になったんですけど、エニシダさんは何者なんですか?」
オレが引き分けな勝利をして大興奮のエニシダさん。
当たり前のごとく居るので聞かなかったがセレナがここでエニシダさんが何者なのかを聞いた。
「私はエニシダ、バトルフロンティアのオーナーさ!」
「バトルフロンティア?」
「そう!私財を使って作り上げた……まぁ、個人経営のジムみたいなもんだよ。ただし、7つのバトルフロンティアのフロンティアブレーンは四天王と同格と言ってもいい実力者達だ。サトシくん、それだけの実力があるのならば是非ともバトルフロンティアに挑戦を」
「待ちな、その子はこの後にチャンピオンリーグが控えてるんだ。バトルフロンティアに挑んでる暇は無いよ」
「……エニシダさん」
「なんだい?」
「四天王クラスって話、嘘偽りないよな?」
「ああ、その点に関しては保証する!フロンティアブレーンは四天王と同格それ以上の実力を持っている!」
「なら、決まりだ……今年のチャンピオンリーグは蹴らせてもらう」
「………え!?」
今やったみたいな熱いバトル、そんなバトルをオレはしたい。
チャンピオンリーグ優勝者クラスと互角に渡り合えるのならばチャンピオンリーグもあんまり期待は出来ない。
四天王クラスのトレーナーと確実に戦えると言う保証がついているのならば……今回のチャンピオンリーグは蹴らせてもらう。
「サトシ、折角今まで頑張ってきたのに」
「地方リーグがあのレベルならば何回やっても勝ち抜ける、それよりも四天王クラスの実力者と戦う方を優先したい……」
折角頑張ってきたのに、ここでその権利を捨てるのかと戸惑うセレナ。
地方リーグのレベルが見えた……厄介な次のシンオウ地方と1番の難所であるカロスリーグはともかくイッシュリーグならまず負ける事は無い。チャンピオンリーグに駒を進めようと思えば何時でも進めることが出来る。
「オレがやりてえ勝負がフロンティアブレーンとなら出来る……」
「ああ……君ならば私が満足する熱い激闘を繰り広げる事が出来るはずだ……折角のチャンピオンリーグを蹴ってまでこっちに来るんだ、後悔はさせないよ!」
エニシダさんにチャンピオンリーグに挑まずバトルフロンティアに挑むと言った。
エニシダさんは是非とも来てくれと後悔はさせないと言ってくれるのでその言葉を信じる。
とりあえず今シーズンは捨てにかかることにし、家に帰った
「おう、おかえり!」
そして何故か家にタケシが居た