闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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サトシと波導の勇者ルカリオ(前編)

 

「おぉ!」

 

今更な事だがオレ達が旅をしているのはカントー地方、カントー地方だ。

オレがはじめてポケモンを貰って旅立った、バッジを集める為に色々と歩いた場所だ。

 

「スゴいお城ね」

 

「素敵かもぉ!」

 

そんな地方の筈なのに……バカでかい城があった。かつてここに栄えていた王族とかそういうのでなく今も現役バリバリの王様がいる。

王様じゃなくて女王様……王族の末裔、貴族の末裔、特別な一族の末裔が当たり前の様にいる。

まぁ、百歩譲ってそれは認めようじゃないか……だが、現役バリバリの王族が居る……女王様だけどなんでだよ!と言うツッコミはしない。タケシが驚きセレナも驚きハルカも笑みを浮かべている。

 

「サトシ、陛下御前試合があるみたいだぞ」

 

「そうか……出るか……タケシは出ないのか?」

 

「俺は今回はパスするよ」

 

ロータの街の闘技場を見ていると今からポケモンバトルの大会が行われるという。

勇者を称える女王陛下御前試合、女王陛下が見てくれる試合なのでタケシがカッコイイところを見せようという下心満載な理由で参加しなかった。

ハルカとセレナもこんなところにまで来てバトルって色気が無いなと呆れているが、勝負が出来るようになった人生で勝負が出来なくちゃなんの意味もねえ。

 

「それではこれより決勝戦を行います!」

 

ただまぁ……出なくても別に良かったんじゃないのかという後悔は少しだけある。

ホウエンリーグみたいなガッチガチの公式戦じゃなくて非公式の大会、言い方が悪いが街のローカルな大会だ。

出てくるのは腕自慢の猛者!と言う感じでなく割とあっさりと決勝戦に駒を進めた。

 

「いけ、マニューラ!」

 

「んじゃ、こっちはカビゴンだ」

 

「カンビ」

 

決勝戦に駒を進めた……退屈な大会なのは理解しているがやるべきことをやっておかなきゃならねえ。

1vs1のシングルバトルで相手はマニューラを出してきた。こっちはお前だとカビゴンを出した。バトルの場所だなとやる気を出すカビゴン。

 

「マニューラ『れいとうビーム』」

 

「カビゴン、連続で『あくび』」

 

審判が試合開始と言えばマニューラが攻撃を仕掛けてきた……『れいとうビーム』

マニューラのレベルはポケモンリーグに出てもおかしくないぐらいに強いがマニューラの『れいとうビーム』が思ったより強くない。

コイツは……様子見じゃなくてガチの手加減をしている『れいとうビーム』だ………………

 

「審判、チェックだ!」

 

「え?」

 

「この大会の参加基準を満たしてない」

 

やる気が無いのが丸分かりの試合をしているのでイラッとする。

オレがどうにかしなきゃならねえ案件なのは理解しているがこういう事をされるのはシンプルにムカついた。

そっちがその気ならばこっちにも考えがある……このロータの街のローカルなバトルの大会、出場条件に男性限定だ。

 

「な……なんで……」

 

「……そういう事をしてくるからだ」

 

男性限定の大会に女性が出ている、性差別とか言われたらそこまでだがそういう大会だ。

ジャッジキルで優勝を飾る……今までローカルな大会に何回か出たがここまで歯ごたえと言うか気持ちが良くない試合ははじめてだ。

マサムネとの試合とまた異なった胸糞悪い思いをしたが繰り上げ……向こうの反則負けでロータの街のポケモンバトル大会が終わり、優勝後にオルトラン城でパーティをした。

 

「…………」

 

「そう睨まれてもな」

 

ドレスにスーツを着ての中世風の衣装を身に包んでのダンスパーティーが行われる。

その後に豪華な立食パーティーをする感じであり、セレナとハルカがオレと踊りたいという視線を送るというか睨んでくる。

オレと一緒に優雅なダンスを踊りたいという思いだろうが……そもそもでオレはダンスをすることが出来ない。音ゲーとかもセンス無いって言われてるぐらいだからな。

 

「オレは社交ダンスなんて言う高度な技能は持ってねえんだ」

 

社交ダンスが出来るのは上流階級の人間だけだ。

そもそもでバレエとかダンスとかって……衣装代がエグいぐらいにかかる。フィギュアスケートとか月50万ぐらい掛かるとかいう噂もあるからな。アレが出来るのは生まれた地域、近くにスケート場があるのと親が金を持っているの……沖縄出身でウィンタースポーツのプロって見た覚えがない。仮に居てもホントに限られている。

 

「私はサトシと踊りたいの!」

 

「私も!」

 

「ちょうど2人だから2人で踊れよ……タケシを見習ってみろ、当たりまくってるぞ」

 

「「タケシは砕けまくってるわ!」」

 

パーティに出席している包容力のある大人のお姉さんをナンパしている。

失敗率100%、驚異の失敗率……タケシって家族が多い以外はハズレ要素が全くと言って見当たらない当たりなんだ。

料理上手で勤勉で優しくて……近い将来医者になるとかそういうルートに入るし高学歴……。

 

「式典が終わるまで動くことはなりません!」

 

女王様のお付き人みたいな婆さんがダメだと言う。コレは逆らったら後で痛い目に遭うなとハルカとセレナは悔しそうな顔をしている。

こんな肩苦しい仕事をしないといけないから主人公はめんどくせえなと思っていると1本の杖が運ばれてきた。

このオルトラン城の主であるアイリーン女王陛下がその杖を手にし、オレに渡してくる。

 

「……コイツは」

 

「コレこそがこのオルトラン城に伝えられし波導の勇者アーロンが実際に使っていたと言われている杖です」

 

「……世界観によっては特級呪具だな」

 

アイリーン女王陛下はこの大会は勇者アーロンを讃えての大会であり、優勝者はこの杖を使って平和と安定を願う。

アーロンが実際に使っていた本物の杖……この世界じゃこういうガチのアイテムは定期的に見かける。べにいろのたまとかそういうのだ。なんだったらオレが持っているにじいろのはねもそれの一種だ。

伝説の勇者と称えられている英雄が実際に使っていた杖、オカルトマニアとかが見れば涎ものの激レアな一品、場合によっては特級呪具だ。

 

「しかしこの様な偶然もあるのですね、貴方が選んだ衣装がアーロンと同じ衣装と言うのは」

 

「…………」

 

適当に選んだ筈なのだが勇者アーロンが着ていた衣装と同じ衣装を着ている。

なんというかミラクル……でなく、運命だな……こういう運命を感じるのは……不思議じゃない……。

自分が特別な存在とかそういう感じの思いは無い、オレはオレらしく生きようとしているのだがこういうのも運命なのならば……受け入れる。

 

「『アーロン様!』」

 

アーロンが実際に使っていた杖を持たされると頭に声が響く。ミュウツーが声を聞かせてきた時と同じかと思ったがなにかが違う。

なにが違うのか、ミュウツーはテレパシーを使って人間の言語を使ってきたが……ミュウツーのテレパシーは脳に響く、だが今の声は魂に響いている感じ……ミュウツーのテレパシーと今の声は最終的に人間と会話が出来るという原理は一緒だが、色々と異なるんだな。

 

「え〜っと……アレか」

 

勇者アーロンが杖を構えている肖像画があった。

何時の時代の肖像画かは分からねえがクオリティ高い、その高いクオリティのおかげでやり方が分かる。

アーロンが持っている杖と同じ構えを取れば、アーロンが使っていた杖が光り輝いて……ルカリオが現れた。

 

「アーロン様!」

 

「…………オレはアーロンじゃねえぞ?」

 

「っ、誰だ!?」

 

現れたルカリオがこっちに向かってアーロン様!と言ってくるがオレはアーロンじゃないという。

オレの声を聞けば誰だと驚く……とりあえず目を開けろと言いたいが目が砂でやられているので目薬を使ってルカリオの目を洗う。

それと同時にパーティは強制的に終了となる……

 

「サトシ、このポケモンは……」

 

「オレよりも詳しい奴が居るだろう」

 

「貴方はもしや伝説に残っている勇者アーロンの相棒、はどうポケモンのルカリオ?」

 

「なにを仰っているのですか、リーン様?」

 

タケシは見たことがないポケモンでオレならばなんか知っているだろうと聞くがオレよりも詳しい奴が居る。

アイリーン女王陛下が伝説の波導の勇者アーロンの相棒のポケモン、ルカリオだと聞けばルカリオはなにを言っているんだと聞いてくる。

 

「私はリーンではありません……アイリーン、リーンは私の先祖です」

 

「なにをバカな事を……ここはオルトラン城ではありませんか!」

 

「ルカリオ、貴方が勇者アーロンと共に生きていた時代より数百年以上が経過しております」

 

「……とりあえず、城下町が一望出来るところに連れてきましょうよ」

 

ここがオルトラン城で目の前にいるのは自分が仕えていた主だとルカリオは言う。

しかし女王陛下は数百年以上の時が経過していると言えばルカリオは信じられないという顔をしている。

オレが城下町が一望出来るところに連れて行く事を提案すればルカリオを城下町が一望出来る場所に向かい……ルカリオが知っているロータの街よりも遥かに栄えているロータの街があった。

 

「私は…………私は…ホントに……そんなバカな、1日眠っただけなのに」

 

「ルカリオの感覚で1日でも現実とは違う……この石の中と外の時間は時間の流れが異なるみたいだな」

 

ルカリオはロータの街を見て自分が数百年以上眠りについていた事を認める。

オレはアーロンが実際に使っていたルカリオを封印していた杖を手にして杖についている石を確認する。

見たことがない石……アランに頼んでそっち系に詳しい奴が居ねえのか……一応魔法使いとか超能力者とか普通にある世界だからな、この世界は。

 

「ッ……」

 

現実を受け入れることが出来ないルカリオ。

拳を強く握るのだが殴りたい相手は何処にもいない。城下町が一望出来る場所からパーティ会場に戻った。

パーティは完全に解散でハルカ達も何時もの衣装に着替えている。

 

「まさか文字通り伝説のポケモンに出会えるなんてな……なんでルカリオは杖に封印されていたんだ?」

 

「……はじまりの樹に向かう私をアーロン様が封印をした……」

 

「そうなの……でもなんでサトシが封印を解除出来たの?」

 

「……コイツとアーロン様は同じ波動を持っている」

 

伝説のポケモンに出会えるのは光栄だなと少しだけ嬉しそうにするタケシだが素朴な疑問をぶつける。

ルカリオはアーロンに封印をされていた、それを聞けばハルカはすんなりと納得するがどうしてオレが解除出来たのかを聞けば同じ波動を持っているという……オレはマサラタウンのサトシじゃねえんだが、アーロンと同質の波動を持っている……。

 

「…………」

 

ルカリオはオルトラン城を一周する。

城自体はアーロンが居た頃からある者だからと内装とかは変わっていない……逆にそれがルカリオの心を苦しませる。

 

「勇者アーロンって最後はどうなったんですか?」

 

「それが……世界に平穏を齎した、そう伝わっていますがそれ以降はなにも伝わっていないのです」

 

セレナがアーロンが最終的にどうなったのかを聞いた。

アイリーン女王陛下はアーロンは勇者として戦乱の世を鎮めて世界に平穏を齎したと言われているが、その後についてはなにも伝わっていない。

 

「こういうのってお姫様と結婚してハッピーエンドじゃないの?」

 

「クククッ……甘い考えだな」

 

絵本の童謡とかならばお姫様と結婚してハッピーエンドを迎えるとハルカは言うが甘いお花畑みてえな考えをしてやがる。

 

「甘いって、おとぎ話ならそうじゃない」

 

「コイツはフィクションじゃなくてノンフィクションだぜ……戦争をしている世界に平穏を齎した、言い方を変えれば戦争を終わらせるとんでもねえ力を持ってやがる……魔王を倒した奴は魔王以上の化け物、勇者を倒せるのは何時だってただの村人達なんだ」

 

甘いって言えばムスッとするハルカ。

コイツはフィクションでなくノンフィクション……ドラクエの漫画であった魔王を倒した奴=魔王よりもヤバい奴が現れた理論が通じる。それを持っての抑止力の一種になるならばいいが……現実だと色々なクソみてえな展開が巻き起こる。英雄を殺せるのは化け物でなく民衆、コレだけは代わりが無い事実だ。

 

「サトシ……貴方は勇者アーロンと同じ波動使いの素質があるようですね」

 

「…………なにが言いたいんですか?」

 

「ルカリオと共にはじまりの樹に向かってはくれないでしょうか?……勇者アーロンが最後に成し遂げた偉業、世界を二分する戦争を食い止めた。コレは事実ですが勇者アーロンがその後にどうなったのか、当時の文献等を調べてみましたが勇者アーロンが世界に平穏を齎した以降の勇者アーロンの行方が分からないのです」

 

「………………それは最悪の結果でも受け入れる覚悟はありますか?」

 

「それを決めるのはルカリオです……ルカリオ、今のオルトラン城の女王として命じます。彼と共にはじまりの樹に向かいなさい」

 

「…………私は…………」

 

「先ずは気持ちの整理をしましょうよ……こんな状態じゃルカリオも受け入れる事が出来ねえよ」

 

浦島太郎と似たような現象に巻き込まれている。

ルカリオにはじまりの樹に向かうように言うのだが、こんな状態じゃ気持ちの整理はつかない。

一日は休めと言うので1日休みを取らせる……ルカリオは休んでいるって言うよりは気持ちを整理しようとしている感じだ。

アーロンについてアイリーン女王陛下から色々と聞いている。伝承のアーロンと自分が知っているアーロンと大体は同じ

 

「……サトシ、だったな」

 

「ああ……行くのか?」

 

「……戦争を無事に終わらせたという事実は今の世の中を見れば理解出来る。だが、アーロン様のその後については知らない……あのあとになにがあったのかを知りたい。私に力を貸してくれ」

 

「クククッ……まぁ、乗りかかった船だ……と言いたいんだが、はじまりの樹に向かってなんか手がかりがあるのか?」

 

「あそこにはミュウが居る……ミュウは数千年以上を普通に生きる。ならばアーロン様がどうなったのかを知っている」

 

……まぁ、どういう結末を迎えたのかは知っている。

ルカリオは全てを知っている存在、ミュウにアーロンはなにをしたのかを聞きたいと言った…………

 

「行くのはオレとお前とだけだ。ハルカ達は連れてかねえ」

 

「なに、仲間じゃないのか?」

 

「だからだよ……ルカリオがアーロンと一緒に居て活躍してた頃はどうだったかは知らねえがよ、どうも立ち寄っちゃいけない場所とか触れちゃいけねえ物とかがある。お前を封印していた実際にアーロンが使っていた杖がいい一例だ」

 

Fateとか呪術廻戦とかの地球が舞台でオリジナル要素が少ない史実なファンタジーが流行ってきたせいで、そういうのが浮上している。

特別な訓練を積んでたり霊感、霊能力を持ってないと立ち寄ってはいけない危険な場所……沖縄にはそういう場所が沢山ある。ニライカナイとかがそんな感じの場所であり、確実に厄ネタだ。

この世界のオカルトはマジのオカルトだ、対抗策らしい対抗策を持っていないといけない。

ガチの霊能力者のYouTuberもそっち系に強くないのならば祟られるから悪ノリで関わるなと言っている。

 

「ルカリオ……」

 

「なんだ?」

 

「お前はアーロンの事が大好きだったか?」

 

「……ああ、大好きで尊敬していた」

 

「そうか……なら、それ以上はオレからはなにも言わねえ。ミュウの口から色々と聞く」

 

全ての真実を知っているが、オレの口からなにも言えることは無い。

ルカリオと一緒にはじまりの樹を目指す事にした。

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