闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「この辺りでエニシダさん、登場しそうだが……」
「出ないな」
6つ目の施設、バトルタワーが間もなくというところ。
毎回コレぐらいでエニシダさんが出てくるのだが今回はエニシダさんが出てこない。
何時もならばコレぐらいのタイミングで出てくるのになとタケシと呑気に会話をしながらバトルタワーを目指す。
「ずっと気になっていたがあのエニシダと言う男は何者なんだ?」
「なんか……スゲエ大富豪だとは聞いている」
ルカリオがエニシダさんが何者なのか聞いてきた。
ルカリオ基準でも尋常じゃねえぐらいに強いポケモン達を操るヤバい連中、それがフロンティアブレーンだ。
実際に戦ったから分かるが、四天王と同格クラスの実力というのは嘘じゃない……一歩間違えていたら負けていた、そういう薄氷を歩き続けている。そんなトレーナーを7人も集めている。ポケモンバトルを愛していて熱い激闘を見たいから個人の資産で個人経営のジムみたいなのを作っている。非公認のジムとかは何回か見かけたがバトルフロンティアは別格だった。
「……バゥ!」
「どうした……って、おい!」
「サトシ、ルカリオ、バトルタワーはそっちじゃないわよ!」
バトルタワーはどの辺だろうと歩いているとルカリオが反応した。
いきなりどうしたんだと言えばルカリオは走り出したので追い掛けていく。
セレナ達が追いつかない物凄い速度で走っていく。オレならば余裕で追いかけれるが、それはさておきルカリオはなにに反応したのか
「スピ!」「スピ!」「スピ!」
森を駆け抜けて出た先にあったのはスピアーの群れとそれに囲まれている奴が1人。
スピアーが荒ぶっているなと思っているとルカリオはなんの迷いもなく『はどうだん』をぶっ放した。
おいおい、そんな事をすればどうなるのか分かってんだろと呆れているとスピアーがこちらに向かって飛んでくる。
「ったく……こういう荒事はめんどくせえな……」
暴力だけで解決出来る事だから気楽だがややこしい。
久しぶりの特殊警棒を取り出したと思えばルカリオが『ボーンラッシュ』を発動し、骨を作る。
1体1体を確実に倒していくのでオレも適度に倒す……最近こういう暴力で解決すれば万事OKな案件が無かったせいか体が鈍っている。マグマ団とアクア団をボコってやろうかと考えてたらアランの奴が一切の慈悲なくレックウザで『はかいこうせん』使ってくるからな。
「牙突・六連刃!」
しかしスピアー程度ならば筋肉を解すのにちょうどいいアップぐらいの良い感じになる。
圧倒的な力……伝説のポケモンならぬ伝説の超マサラ人の領域に徐々に徐々に近づいて行っている。
水の上を歩くことが出来る程度では満足が出来ねえ……ルカリオから波動の特訓を受けているが一応の才能は開花しているらしい……よくわからねえんだがな。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ありがとう」
「……………ほぉ……」
「おい」
「コレは面白い者だな」
「ポケモンが喋った!?」
スピアーをボコった後に追い返すことに成功した。
大丈夫かどうかの確認をしたら怪我らしい怪我は特にしていない。それならば大丈夫だなと思っているとルカリオはなにかを感じ取った。感じ取ったと思えばルカリオは喋った。そして驚かれる……正確に言えば波動での念話なんだがな。
「ルカリオ、何が面白いんだ?」
「この者は特殊な力の資質を感じる」
「…………………お前、オレが相手だから良いけど場合によってはバカと言われるぞ」
「バカとはなんだ!」
「えっと、ありがとう……僕はリラ……喋るポケモンだなんて珍しいね」
「…………割と見るぞ?」
ルカリオがバカな発言をしているなと呆れているとお礼を言ってくる襲われていた人ことリラ。
喋るポケモンだなんて珍しいと言ってくるが割と見る……人間の言葉を理解している上で人間の言語を喋るポケモンは割と見る。
大抵はテレパシーとかだがそれでもまぁまぁ、見る……ロケット団のニャースは物凄い例外だけど。
「リラとか言ったな……お前……なにか普通の人とは違う事が出来るんじゃないのか?」
「普通の人とは違う事か……ポケモンと心を通わせる事は出来るよ」
「……それって普通の事じゃないのか?」
「ううん、違うよ……ポケモンの気持ちが分かって言葉が通じなくてもなにを言ってるのか分かるんだ」
「……それって普通の事じゃないのか?」
ポケモンと言語が違うのは分かっているがなにを言っているのかぐらいは大体は分かる。
こう、ジェスチャーとかそういうのを見なくても普通に分かる。それは何か特別な事じゃなくて普通の事じゃないのか?
「……言語が違うんだ。理解することは普通は不可能だ」
「……え、待ってくれ。オレ、ポケモンが言ってること大体理解することが出来てるんだが?」
「……妙なところで波動の力が扱えているな……アーロン様と同等の素質を持っている……ちゃんと鍛えればどうなるんだ」
ポケモンが言ってることは大体は理解出来る、セレナとかがなんて言ってるの?とか聞いてきて当たり前のように聞いてくるので返事してる。コレってそういう感じの特殊技能なのか?探知しか出来ない波動能力とかそういうののジャンルなのか?
ルカリオに呆れられるがコレがそういう技能だというのは全くと言って分かっていない……波動を鍛えるってどういう風にやるんだろうか……石破天驚拳もどきが出来るぐらいだからな……。
「っと、見晴らしのいい心地良い場所だけどこういうとこは大抵は野生のポケモンの住処だ。なんも無しで来るのは危険だからいくぞ」
「セレナ達は……追いかけるのをやめたか。私達が帰ってくると信じているな」
一騒動が終わったので帰ろうとする。こういうところは野生のポケモン達の住処だから、油断は出来ねえ。
ルカリオがセレナ達が追いかけるのを途中でやめたのだと波動で探知をすればリラと一緒に歩いて向かう。
「ルカリオ、急に飛び出していって驚いたじゃない!」
「サトシが一緒だから大丈夫だとしてもなにをするかぐらい言ってほしいわ」
「……すまない……」
ルカリオと一緒に帰ればルカリオはハルカとセレナに怒られた。当然と言えば当然なので特にフォローらしいフォローはしない。
ルカリオは直ぐに謝罪をして謝ったらあっさりと許してもらえる……のだが、直ぐにハルカとセレナの視線が変わりルカリオがビクッとなった。
「「誰、その子?」」
ハルカとセレナの眼から光が失われている。
コレは色々と大変だなと呑気に思いながらもルカリオを見ればルカリオは警戒していた……女の思いはしどろもどろであり、男が突っ込んじゃいけねえ世界が中にはある。♂のルカリオであるルカリオが介入していい世界線じゃない……そもそも色香や俗世とは色々と断ち切っている波導の勇者の相棒なのでそういうのと触れ合う機会は無い。
「僕はリラ……さっきスピアーに襲われかけているところを助けてくれたんだ」
「……そう……」
「こういう時を吊り橋効果って言うんだったかしら?」
リラが危ないところを助けてくれたと言えばセレナ達が静かになる。
ハルカが吊り橋効果と言う効果を何処で知った…………いや、アランか。あのロクデナシならばロクなことは教えねえ。
ハルカとセレナは自分の胸を揉んだ……普通に大きなおっぱいであり……なんだろうと思っている。
「と、とりあえずバトルタワーに向かわないか?」
色々と恐ろしい空気を発しているのをタケシは察した。
空気が重くて気まずいからこの状況から抜け出したいとバトルタワーに向かうことを提案する。
当初の目的はそれであり、道中のあれこれは小休止みてえなもんだ。勝負出来なきゃ面白くない。
「え、君達バトルタワーを目指してるのかい?」
「ああ……サトシが挑戦するんだ」
バトルタワーを話題に出せば驚くリラ。
タケシがオレが挑戦することを言えばオレの事を見てくる……リラの纏っている空気が変わった……今までと異質な空気を纏っている。
「やぁ、待っていたよ」
異質な空気を纏っているかと思えばバトルタワーに辿り着いた。
何時もながら先回りしているエニシダさん。ここで面白いバトルが見れるんだとワクワクしている。
「フロンティアブレーンは何処に居るんですか?」
「おや……隠してたのかい?」
「別に隠しているわけじゃないですよ……僕がこのバトルタワーのフロンティアブレーン、タワータイクーンのリラだよ」
「…………」
「驚かないんだね」
「色々と他に気になる点があるからな……」
「気になる点?」
オレ達の事を驚かせようと素性を隠した状態でバトルタワーにまで案内したリラ。
知識的に知っていることだから特には驚かない……気になることが他にありすぎる。
リラからは強者の雰囲気を感じ取れる。それは間違いないだろう……フロンティアブレーンの称号は飾りじゃねえからな。
ただ……なんと言うか他の人とは違う異質な雰囲気を感じ取れる。
「…………リラはなにか特別な才能がある?」
「ああ、リラはポケモンと意思疎通をすることが出来るんだ」
「…………ルカリオ」
「波動使いとはまた異なる存在だろう……こういうのは極々稀に居る。ある意味アーロン様もその1人だ」
特殊な才能を持っている、その才能から発する力とかが異質だ。
バトルタワーのシンボルはアビリティシンボル、アビリティとは才能を意味する。
ポケモンが持っている可能性でなく才能を引き出す……もしくはポケモンバトルの天性の才能……どっちか分からねえな。
ただどうも超能力のジャンルでも波動のジャンルでもない、特殊な技能でありアーロンもその一例と言えるとルカリオは自己完結する。
「隠していてごめんね……」
「別に謝られる事じゃねえよ……その辺は些細な事だし、なによりも隠すことが出来てねえぞ?」
「え?」
「お前から漂う圧倒的な強者……今までのフロンティアブレーンの中で1番若い、オレと大して年齢変わらねえだろ?」
「うん」
「……サトシくんの感覚はどうなっているんだろうね……バトルフロンティアのフロンティアブレーンは四天王と同格、中でも最年少のリラ、そしてリラを突破して6つのフロンティアシンボルを集めた者のみがいける最後の施設で待ち構えるあの男、この2人は特に別格だ」
オレと大して年齢が変わらねえ……リラの方が若干だが歳上だろう。
それでも今までの5人のフロンティアブレーンとは別格……今までの5人も充分と言うかホウエンリーグで無双する事が出来るぐらいには強えが……コイツは更に格上だ。
「クククッ……いいねぇ……」
「使用ポケモンは3体のシングルバトル、チャレンジャーだけが交代あり……僕が使うポケモンはこの3体だよ」
リラがそう言うとモンスターボールを投げた。
モンスターボールからポケモンが3体出てきた
「なっ!?」
「嘘でしょ!?」
「コレは……今までで1番の強敵だな」
リラの出したポケモンは1体目はルカリオ、2体目はエンテイ、3体目はラティオス。
セレナとハルカは驚く……タケシは今まで戦った相手の中で特に強いと言うのがポケモンを見ただけで分かる。
……覚悟はしていたつもりだ……フロンティアブレーンがちょいちょい準伝説のポケモンを出してくる。最後に待ち構えているのがとんでもないのを出してくるのを知っている。だがその前にルカリオ、エンテイ、ラティオスの強いポケモン。
「……どうする?必要であれば私もいくぞ?」
「……そうだな……」
ルカリオが出てきたのならば同じルカリオとして戦うぞとルカリオは言ってくる。
タワータイクーンから一気に次元が異なるのは覚悟出来ていたから……こっちもマジで行かなきゃならねえ。
ここでルカリオで挑む……別にバトルフロンティアで同じポケモンを使わないっていう誓約をしているわけじゃねえし、対策なんてされて当たり前の住人だからルカリオを出しても問題は無い……だが……
「お前は最後のバトルピラミッドだ……」
「……それは絶対なんだな?」
「なんだ、出たいのか?」
「熱い激闘を見て胸の中が燃えてきたんだ」
今回は見送る、バトルピラミッドには出すつもりだがルカリオはそれが絶対なのかの確認を取る。
出たいのかと聞けばオレがポケモンバトルをしていくのを見れば1人のポケモンとして闘志がメラメラと燃えだした事を教えてくれる。
それぐらいに闘志を燃やしてくれるならば問題は無い。
「コレよりタワータイクーン・リラvsチャレンジャー、マサラタウンのサトシの試合を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です」
「いくよ、ルカリオ」
「バゥ!」
「こっちも飛ばしていかなきゃヤベえか……頼んだぞ、サンドパン」
「サァン!」
リラの1体目はルカリオ……オレのルカリオよりはレベルが低いが充分過ぎる完成度を持っている。
ここは飛ばしていかなきゃまずいなとサンドパンを出す。1体目から相性が良いポケモンで挑む……が、油断は出来ねえ。
「ルカリオ」
「バゥ」
「『じしん』だ!」
ルカリオと顔を合わせて頷くリラだが指示らしい指示は出していない。
リラから感じる神秘的な雰囲気がルカリオとリンクしている……サトシゲッコウガに近い感じか。
ルカリオは『しんそく』で攻めて来ようとするので『じしん』を使う。結果は引き分け……ルカリオは『じしん』の衝撃波が飛んでくる前に『しんそく』で突撃することに成功したが『じしん』の衝撃波は後で発生する。だから『じしん』を受けて弾き飛ばされる
「サァン……」
「……コイツは強えな……」
カントーでゲットしたポケモン達は既にチャンピオンリーグで暴れることが出来る実力に至ってると認識してる。
サンドパンはオレのポケモンの中で、エース級と準伝説を除けばレベルが1番高い。そのサンドパンが苦戦するとは今までと大分違う。
とは言え向こうにダメージを与えることが出来ていないかと言えばNO、しっかりとダメージを与えることは出来ている……
「サンドパン『ストーンエッジ』を並べて防げ」
今度は『はどうだん』を使ってくる。
『ストーンエッジ』を地面から生やす、一列に生やしてサンドパンに届かないようにする。
ダン!!ダン!ダン!と音が鳴り響く……威力が徐々に弱まっていく証拠だが並べるタイプの『ストーンエッジ』じゃねえと『はどうだん』は確実に命中していた。
「サンドパン『ストーンエッジ』だ」
「ルカリオ」
今度もまた指示を出さずに頷いた。
ルカリオは『ストーンエッジ』の岩を飛び越える……中々と思っているがコレは読めている。
サンドパンは『ストーンエッジ』をルカリオが飛び越えた時点で攻撃の手を止めており、技を使うタイミングを残している。
「『カウンター』…………おいおい、マジかよ」
ルカリオは『インファイト』で攻撃してきた。
物理攻撃で攻撃させるように誘導し『カウンター』を狙う……が、ルカリオは立ち上がった。
今ので確実に落とせるという自信があったのだがルカリオは立ち上がってきた…………
「サンドパン、戻れ」
これ以上はこの後の事を考えればまずいと判断し、サンドパンをボールに戻す。
2体目に出すポケモンは決めているとモンスターボールを投げた。
「ガァ!」
「ヘルガーか……いけるね?」
「バゥ」
2体目に出したのはヘルガー……実は相性だけを考えればリラの3体の手持ちとヘルガーは物凄く相性が良かったりする。
倒されていないが確かなダメージを与えることは出来ている……問題はここからどれだけ削ることが出来るかだ。
ルカリオは『はどうだん』を撃ってくる、こっちは『かえんほうしゃ』で対抗する……パワーは互角……
「『いちゃもん』だ!」
「っ!?」
「バ、バゥ!?」
「クククッ……『かえんほうしゃ』だ」
ルカリオとリラは以心伝心、心が繋がっている。
そこは間違いないだろうが勝利の道筋が見えた……『いちゃもん』を使うことで連続で同じ技を出せないようにした。
『はどうだん』がルカリオのヘルガーに対する決定打、それをどういう風に当てるかが勝負で『はどうだん』を封じた。
リラは考えないといけない。ルカリオはそのリラが考えないといけない間が生まれたところでヘルガーから『かえんほうしゃ』を浴びせられた
「バゥッ……」
「ルカリオ、戦闘不能!ヘルガーの勝ち!」
「戻って……ありがとう……頼んだよ、エンテイ!」
「グォオオウ!」
「……コレが対戦相手の視点か」
2体目に出てきたのはエンテイだった……3体目にはラティオスが潜んでいるのを知っている。
エンテイと言うとんでもねえ化け物を倒したと思えば更にヤバいのが出てくる、オレが何時も対戦相手のトレーナーに与えている絶望か。コレは面白いが笑い事じゃねえ。こっちも油断してたら負ける。
「戻れ、ヘルガー。頼んだぞ、サンドパン」
ヘルガーをサンドパンと交代した。まだラティオスが控えている……だからこそサンドパンでいく。
「エンテイ」
「サンドパン迷わず『いかりのまえば』だ!」
エンテイに声をかければエンテイは『おにび』を発動した。
ここで『かえんほうしゃ』で仕留めに来ずに『おにび』だから確実に潰しに来るつもりだろうがそんなの関係無い。
迷うことなく『いかりのまえば』で噛みつけばエンテイは体力を半分にされる。
「エンテイ『せいなるほのお』」
「もう1回『いかりのまえば』だ」
しがみついているサンドパンはもう一度『いかりのまえば』を使う。
エンテイは『せいなるほのお』を身に纏って走り出せばしがみついているサンドパンは落ちて『せいなるほのお』が当たった。
2回『いかりのまえば』を当てることが出来た…………
「サンドパン、戦闘不能!エンテイの勝ち!」
「戻れ………………ああしてこうしてだから……頼んだぞ、ヘルガー」
「え、ヘルガーなの!?」
サンドパンが戦闘不能になり2体目に出したのはヘルガー。
スイクンを今回用意しているのをセレナは知っているが、ヘルガーで行く。
「エンテイ……『もらいび』か……」
「そうだ……『あくのはどう』」
「『めいそう』」
「『あくのはどう』」
「『めいそう』」
「『あくのはどう』」
「『めいそう』」
「っ……この流れはマズイわ!」
『ほのお』タイプはお互いに通じない、エンテイにはダメージはあるが雀の涙程度だ。
だから『あくのはどう』で攻撃するが『めいそう』を積まれる。2発、3発とぶつけるのだが手応えが物凄く悪い。
この一連の流れは過去の試合で何度か見たことがある流れだとセレナは危険を察した。
「エンテイ『ねむる』」
「戻れ、ヘルガー。いけ、スイクン」
「クォオオオオン!!」
「っ!?」
「このタイミングを待っていた!『ぜったいれいど』だ!」
ここから『ねむる』で一気に体力が回復される。
『いかりのまえば』や『あくのはどう』で着実に与えていたダメージを0にされる……コレは過去に何度か見せた流れだが、この展開をオレは待っていた。エンテイとリラは以心伝心だが気持ちが通じない時がある……エンテイが眠っている時!眠っていたら意思疎通が出来ない。この瞬間の為だけにとスイクンを出して『ぜったいれいど』を浴びせるとエンテイは倒れた。
「エンテイ、戦闘不能!スイクンの勝ち!」
「戻れ……この展開……読まれていたんだね……」
「あの状況で攻めずに耐えて積んで回復して……そういう事をしてくる……問題はここからだ」
「……いけ、ラティオス!」
「クォーン!」
色々と作戦を考えてエンテイを倒したと思えば現れるラティオス。
近い将来にコレと似たような状況に追い込まれるから心は折れない……
「戻れ、スイクン。いけ、ヘルガー」
「……」
「クォーン」
「ヘルガー『ちょうはつ』だ」
「そう来ると思ったよ、ラティオス『はどうだん』」
「……」
「ヘルガー、戦闘不能!ラティオスの勝ち!」
「さて……………危ねえな……」
ヘルガーで上手いこと頑張ろうと思って『ちょうはつ』を使ったが読まれていた。
『はどうだん』を使われた……『ちょうはつ』読み、『いちゃもん』を使っていたから読まれていたか。
「クォオオン!」
「まっさらなスイクンとまっさらなラティオスか……いいねぇ……」
シゲルとのフルバトルの後半戦を思い出す。
伝説のポケモンvs伝説のポケモンのカード、中々に見れないカードだが……シゲルとのフルバトルと似ているが、異なる。
互いにまっさらな状態、『ぜったいれいど』があると分かっているので下手な事は出来ない。『ねむる』を使っての回復は当然無理だがラティオスは『じこさいせい』を覚える。デバフ技兼専用技の『ラスターパージ』がある。攻撃技として充分な性能をしているくせに50%で特防を下げる冷静に考えればぶっ壊れている技……シゲルのサンダーを相手にした時よりもヤベえ状況だ。
「スイクン『おいかぜ』」
「ラティオス『ラスターパージ』」
『おいかぜ』を使って盤面を有利にする。
『ドラゴン』タイプのポケモンだから『あまごい』を使っても大した成果は得られねえ……
「『しんそく』だ…………コイツはまずいな……」
少しだけ手を変えてみるかと『しんそく』で攻撃したが大してダメージにならない。
スイクンレベルの『しんそく』を受けて平然としている
「ラティオス『ラスターパージ』」
「避けろ」
『ラスターパージ』を既に1回受けている。
特防が一段階下がっているので受け続けるのは危険だと回避させるが『おいかぜ』のおかげで避けることが出来ている。
『おいかぜ』の効果が切れれば『ラスターパージ』が当たるようになる。再び『おいかぜ』を使えば『ラスターパージ』は確定で一発ぶつけられる。リラならば2分の1の『ラスターパージ』の追加効果を引き当てる…………そこからだが……
「スイクン『れいとうビーム』だ」
「ラティオス『10まんボルト』」
『れいとうビーム』に対して『10まんボルト』を放ち……『れいとうビーム』を押し切る。
ラティオスを相手にパワー勝負をするのはバカがすること、タイプ不一致の『10まんボルト』とタイプ不一致の『れいとうビーム』が当たれば相殺することなくラティオスが押し切る…………『めいそう』の耐久ゲーはラティオス相手じゃ難しい……。
このままジリジリといけば負けるのはスイクン…………なにかしらの奇策と言いたいが奇策を打って確実に倒すことが出来る保証は無い。リラクラスの実力者ならば確実に1試合で同じ奇策を2回使っても意味は無い………………
「『どくどく』だ!」
「っ!?」
ならば、一か八かの博打に賭ける……負ける確率が高い博打にかける。
負けたのならば負けたのだとあっさりと受け入れることが出来るからオレは引かない。
スイクンは『どくどく』を使いラティオスを『もうどく』状態にすればリラはこの状況でその手を使ってくるのかと驚いた。
「持久戦をすれば君の方が不利だって言うのに」
「分が悪い賭けだと思うだろ……だが、こういうのがあるからポケモンバトルが出来る……」
「ラティオス『10まんボルト』」
「発動前に『しんそく』だ!」
『10まんボルト』で攻撃しようと電撃を溜めようとするラティオスに『しんそく』を使う。
発動前に『しんそく』で攻撃した……『しんそく』そのもののダメージはあまり期待出来ねえが『どくどく』のダメージは期待出来る。
徐々に徐々に体力が減っていく。
「っ……『りゅうせいぐん』」
「スイクン…………今だ!『しんそく』で突き飛ばしてそこで待機だ!」
ラティオスはスイクンを倒せるが一撃で倒す事が出来ない。
『どくどく』で体力が減っていく中で『りゅうせいぐん』、確実に潰しに来たのだが『りゅうせいぐん』の攻略法は知っている。
それは『りゅうせいぐん』を放った奴が居る場所にだけは絶対に『りゅうせいぐん』が降り注がないのを。スイクンは『しんそく』でラティオスが居る場所を奪えば全ての『りゅうせいぐん』が外れていき『おいかぜ』の効果がここで切れる。
「『れいとうビーム』」
「『10まんボルト』」
再びぶつかり合う『れいとうビーム』と『10まんボルト』
強力な特殊攻撃がぶつかり合い爆発を巻き起こして衝撃でスイクンとラティオスが吹き飛ばされた。
「クォオオン……」
「クォーッ………ゥン」
ボロボロになりながらもスイクンとラティオスは立ち上がる。
ここでラティオスが倒れた……『もうどく』がラティオスの体力を奪った……
「ラティオス、戦闘不能!スイクンの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!」
「………Zワザとかメガシンカとかあったら負けていたか……だが、勝ちは勝ちだな……」
6つ目のフロンティアシンボル、アビリティシンボルをゲットした。
準伝説のポケモンを使いこなしている実力者から手に入れたフロンティアシンボルには価値があるから嬉しいもんだ。
「いや〜……まさか1度の敗北も無くここまで勝ち進むとはね」
バトルが終了し、いい試合だったとエニシダさんが拍手をしてくれる。
そして1度の敗北も無くここまで勝ち進んできたことを驚いている。
「……他の……他の挑戦者とかはどんな感じなんですか?」
「大抵は最初のダツラで躓く……そこからなんとか勝ち進んでもリラかウコンでストップが掛かる。数年前に挑んだレイジと言うトレーナーはリラを倒したが最後に待ち構えているバトルフロンティア最強の男、ピラミッドキングのジンダイに破れる……彼以降にジンダイにまで届いたのは君が最初だよ……ただし、ジンダイは強い。リラよりね」
他の挑戦者がどんな感じかと聞けば大抵はダツラで躓く。
最初の壁がなんだかんだで分厚い……仮にハルカが挑んでいたら何処かの段階で躓いているなと感じる。
そしてエニシダさんは言う。最後に待ち構えている最強のフロンティアブレーン、ジンダイはリラよりも強いと。