闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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アオプルコの休日

 

青い空、白い雲、そして海が広がる。

サントアンヌ号が沈んだのはホントに洒落にならない事でお詫びというか次の船が来るまでの間にビーチで遊びたい放題、ロケットコンツェルンが全ての費用を持ってくれる……ロケット団は作戦に失敗した上に賠償問題云々で大赤字だな。

 

「…………いや〜…………悪くねえな」

 

楽園で言うところの楽を手にする為の努力云々を避けてたりしてたこともあり、園を味わえば中々に抜け出せない。

グラサンを掛けて椅子に寝転びノンアルコールカクテルを飲み……マサラタウンを出てバッジを3つ集めてでまだまだ旅は始まったばかりなので油断は出来ねえ……と言いたいが今は休むしかない。カントー地方の本土から若干だが離れてるから、ジムとか一切ねえんだよな。

 

「お待たせ!」

 

「おう……似合ってるぜ」

 

「そ、そうかな……」

 

セレナも水着に着替えやって来た。グラサンを外してセレナの水着姿を見るが将来が色々な意味で楽しみボディをしている。

こういうときは褒めるのが大事だと一言褒めればセレナは笑みを浮かびあげている。

 

「よぉし、フォッコ出ておいで…………あれ?」

 

「……出たい奴は出てこい」

 

モンスターボールを構えてフォッコを出そうとするのだがフォッコが出てこない。

セレナのフォッコは綺麗好きでオシャレも好きで遊泳出来る海辺とは言え自分の苦手な水に加えて泥がある。そんな所には出たくないの意思を見せており、オレもモンスターボールを出せばヒトカゲ以外は出た。

 

「サン!」

 

「ゲンゲロゲ」

 

「ゲコ……」

 

「わざわざ外に出てまですることか……人のことを言える義理じゃねえか」

 

サンドパンは地面に穴を掘って砂風呂を作った。

ゲンガーは海を見て笑みを浮かべており、ゲコガシラはパラソルの下で寝転んでいる。

 

「もう!サトシ、それじゃダメよ!」

 

「なにがだよ」

 

「折角海に来てるんだから、遊ばないと!ゲンガーと私とゲコガシラとサトシでビーチバレーをしましょう!」

 

「……まぁ、そうか」

 

海に来たってのに何事もないように寛いでいる姿にセレナはプンプンと怒っている。

折角の海なのに普段の休みとはなんら変わりばえしない事をしているのならば海での遊びのON/OFFのスイッチが出来てねえ証拠だ。事細かなルールなんて関係無いとビーチバレーが出来るレンタルスペースを借りてビーチバレーを行う。

 

「じゃあ、いくわよ。そーれ!」

 

「ゲコガシラ!」

 

「ゲコ!」

 

「ゲンゲロゲ!?」

 

先ずは軽くボールを打ち上げるセレナ

オレはボールをレシーブすればゲコガシラは即座にトスの体制に入りトスを上げたと思えば一気にスパイクを叩き込む。

セレナではなくゲンガーに向かってスパイクを叩き込んでゲンガーは怯んだ。

 

「え……え……Dクイック!?」

 

「まだまだだな」

 

セレナはほのぼのとしたビーチバレーをするつもりだろうが、オレは遊びだからこそマジでやるタイプだぜ。

遊びをマジでやる奴をプロというんだからな。ゲンガーはジャイアンパンチを受けたのび太の様に顔面が凹んでいるが何事も無かったの様に顔をキュポンと戻してバレーボールを拾ってオレ達に渡してくる。

 

「秘技……ハリガネサービス」

 

普通のサーブを打つ……ボールが来るのだとゲンガーとセレナは落ちてくるところを予測するのだがネットの上にぶつかり、そのまま地面に落ちた。これぞ秘技、ハリガネサービス、サービスエースを高確率でもぎ取る必殺技だ。

別に難しい細かなルールの取り決めはしてないのでセレナ達の番で今度はゲンガーが……浮きながらサーブを打ってくる。こいつ、『ふゆう』の個体じゃないのにどうして浮いていられるんだ?

 

「ゲコ!」

 

「今度は油断しないわ!」

 

ゲコガシラがレシーブを決めればセレナ達は即座に構える。

ボールがオレの所に向かって来ているのでスパイクの駆け足に入っているゲコガシラに対してゲコガシラが調整をしなくてもいい様にゲコガシラのペースに合わせてトスを打ち上げてゲコガシラはスパイクを叩き込めばセレナが受け止める。

すごく今更な事だがセレナの身体能力も大分凄まじいな……ポケモンの動きに合わせることが出来るとかこの世界的に言えば忍者とかじゃないと出来ない芸当をサラリと成し遂げている。

 

「アタック!」

 

3種の返し技(トリプルカウンター)、羆落とし」

 

「え、嘘!?」

 

「覚えておけ、コレがある限りはオレにスパイクでの攻めは不可能だ」

 

「え〜………え〜…………………」

 

麻雀的な意味でのツバメ返しも剣術的な意味でのツバメ返しも出来るし、相手がスマッシュ的な事をしてきた場合の羆落としも出来る。

やろうと思えばシオカラトンボールとかWボールとかも投げることが出来る超次元ベースボールが出来るんだ。

セレナはあまりのオレのチートっぷりにそんなのありなのかと困惑していると言うか不満を抱いている。伊達にマサラタウンのサトシじゃないからな、運動能力に関してはもう世界観を間違えているぐらいには強い。

 

「はぁ……結局サトシの1人勝ちね……サトシってなんでも出来るわよね。運動神経抜群で頭もいいしポケモンバトルも強いし……追いつけるのかしら?」

 

「苦手な分野がないわけでもねえぞ……ポケモンを用いたパフォーマンスとかは苦手だ」

 

既に自分との大きな溝が生まれているのだとセレナは落ち込むのだが、オレにだって苦手分野の1つや2つ存在している。

パフォーマンスとかそっち系に関しては殆ど学んでいない。即興で誤魔化す事ならば簡単に出来るが本格的なものになればまず負ける。

一次審査を突破したとしても二次審査のコンテストバトルとかでバトルとして勝つのであってコンテストとして勝つことは出来ねえ。立っているステージが違うからな。

 

「ふぅ……染みるな……」

 

「思った以上に美味しいわね」

 

遊んだので腹が減ったと海の家に向かい、カップうどんを食べる。

焼きそばとかかき氷とか色々とあるがこういう時はカップうどんが一番だと1日外出録に書かれていたので試してみれば思った以上に美味かった。セレナもカップうどんを食べることに疑問を抱いていたが直ぐに納得する側になりラムネで一杯引っ掛ける。

 

「やぁやぁ、何処かで見たかと思えばサートシくんじゃありませんか」

 

「なんだシゲルか……いや、なんで居るんだ?」

 

「それはこっちの台詞だよ、この近隣にはジムが無いってのに来ちゃったの?」

 

「んなわけねえだろう」

 

カップうどんに身を染み込ませていればシゲルが現れた。

この近隣にジムは一切ない、カントー本土に向かわなければポケモンジムは無いのだが何故かシゲルは此処に居た。

何故にここにいるのか聞く前にシゲルは水着を着た女の子達と触れ合う……

 

「ハーッハッハッハ!ガールフレンドの数では僕が上だね!」

 

「おめえ、それ自慢して良いことなのか?」

 

よく彼女の1人や2人ぐらい居るだろう云々の例え話があるが冷静になって考えれば彼女が2人居るのは間違いだ。

シゲルはガールフレンドを数が多いことを自慢してくる。この野郎、真面目にやってるんだよな?色々と尻を蹴って突き動かしたりしてみたがこれで原作通りでなんにも変わらないって言うんだったら笑い話だ。

 

「やっぱりサトシも大量の花の方が」

 

「バカな事を言ってるんじゃねえよ……シゲル、トレーナー同士が目を合わせたなら」

 

「それはポケモンリーグまでお預けだ!……と言いたいところなんだけどね、今の君が何処までレベルなのかを知りたい。しかし今回は遊ぶのだと頭のスイッチを切り替えている……落とし所としては……代理でポケモンバトルをしてもらうってのはどうだろうか?」

 

「ほぉ……続けろ」

 

「使用ポケモン3体の交代ありのシングルバトル、君は彼女にポケモンを託し僕はガールフレンド達にポケモンを託す……彼女は君のポケモンを3体使い、僕のガールフレンド達3人と戦う」

 

「…………お前、それは色々と面白いことをしてくれるな」

 

シゲルとバトルをしたいのだと言えば、シゲルはポケモンリーグじゃないと嫌だと断る。

しかしシゲルとしても戦いたいというトレーナーの闘争本能はあるみてえで妥協出来るところ、ガールフレンドに代理で戦ってもらう。

 

「つーことだ、セレナ……いけるか?」

 

「えっと……」

 

「なに、軽い暇潰しみたいなもんだ。気軽にやってくれよ」

 

「……うん!」

 

いきなりのポケモンバトルをしなきゃならない状況になったがセレナは直ぐに承諾してくれた。

ゲコガシラ達が入っているモンスターボールを渡して砂浜のバトルフィールドに移動した。

シゲルの複数居るガールフレンドの中の1人、家長カナに似ている女の子がボールを手にしており気楽に行ってねとシゲルは笑いながら言う。

 

「出てきて、ニドキング!」

 

「ニド!」

 

「ニドキング、だったらこっちは…………」

 

「おやおや、悩んでいるようだね」

 

「コスい手使いやがって……まぁ、それを覚悟の上で承諾したんだがな」

 

ニドキングを出した家長カナ風、めんどくさいからカナでいいだろう。

セレナはニドキングを知識の上で知っている、だからポケモンを出そうとするが誰を出せば良いのかがわからない。

カナはニドキングにだけ集中してバトルをすればいい。だがセレナはオレの手持ち4体の中から3体を自分の考えで選んで出さなくちゃいけねえ。1体のポケモンに集中すればいいカナに対して4体の内の3体を上手く活用しなければならないセレナ……圧倒的なまでにセレナにかかる負荷が大きい。こっちにも3人いれば話は別だが致し方が無い事だ……シゲルはそれが分かっていたからこの勝負を決めた。自分がある程度は好きにルールを決めれる側に居たから自分に優位なルールを決めた…………不条理だが、これこそが戦いだ。

 

「ゲコガシラ、お願い!」

 

「ゲコ」

 

「ゲコガシラ、今回はセレナの言う事を聞いてくれ」

 

「ゲコ!」

 

状況をボール内部で見ていたのかすんなり受け入れるゲコガシラ。

試合開始の合図が告げられれば先に動いたのはニドキングだった。

 

「ニドキング『メガホーン』よ!」

 

自慢の角を黄緑色に輝かせて突撃してくるニドキング。

角による攻撃で最初から大技を使ってきた。

 

「ゲコガシラ『かげぶんしん』を使ってから跳んで!」

 

「ふっ」

 

「クククッ……そいつはどうかな?」

 

「……むぅ……」

 

『かげぶんしん』を使ってから地面をジャンプした。

砂浜のフィールドだからクッキリと足跡が残ってしまいそこを経由して本物のゲコガシラを見抜くことが出来る。

シゲルは勝ち筋を見つけたと笑みを浮かべるのだが、カナはその事に気付かず分身のゲコガシラを攻撃してしまう。可能性としてなくはないだろうと思っていたがニドキングの使い道を間違えてるな。ニドキングは見た目がゴツいゴリゴリのパワーポケモンに見えるがその実態は器用貧乏なポケモン、技のデパートの異名を持つぐらいに豊富な技を覚える。開幕『メガホーン』で外したのなら即座に『10まんボルト』辺りに切り替えていない。

 

「ゲコガシラ『みずのはどう』よ!」

 

攻撃を外して大きな隙が生まれたのでゲコガシラに『みずのはどう』を使わせ、ニドキングにぶつける。

タイプ相性の上では有利だがシゲルのニドキングは耐えて立ち上がった……かと思えば『みずのはどう』の追加効果である『こんらん』状態になった。

 

「戻って、ゲコガシラ。ゲンガー、お願い!」

 

「ゲンガ!」

 

「ニドキング『だいちのちから』よ!」

 

「ニドドドド」

 

「ゲンガー『サイコキネシス』」

 

『こんらん』状態になり……セレナはゲコガシラで攻めることをせずにゲンガーに交代した。

相手がゲンガーならばと『だいちのちから』で攻めようとするカナだがニドキングは『こんらん』状態で理由もわからず自分にダメージを与えて再び隙が生まれたので『サイコキネシス』でニドキングを弾き飛ばせばニドキングは戦闘不能になった。

 

「自分でつけた枷が思った以上に重荷になってやがるな」

 

あの状況ではニドキングは交代を視野に入れたほうがよかった。

だが今回は1人1匹にしているからか後続に繋ぐと言う考えが出来ていない、一見セレナに不利に見える部分が、クソみたいな手が少しだけ回るだけでいい手に切り替わる。これだからバトルはやめられねえ。

 

「中々やるじゃねえか!次はアタシの番だ!」

 

次に出てきたのはイナズマイレブンGOの瀬戸水鳥似の女子だ。

シゲルからモンスターボールを受け取り、モンスターボールを投げればエレブーが出てきた。

 

「戻って」

 

「って、逃げるのか!?」

 

「違うわ、サンドパンお願い!」

 

「……ふっ!」

 

「どう転ぶかはまだ分からねえぞ」

 

ゲコガシラ、サンドパン、ゲンガー……コレでセレナが持っている特権の使用ポケモン3体を好きに選べる権利を無くした。

出てきたポケモンがサンドパンだと分かれば笑みを浮かびあげている。この感じからして確実に覚えているのだろうが、まだ結果が見えていない。

 

「エレブー『れいとうパンチ』だ!」

 

「サンドパン、耐えて!」

 

「なに?」

 

『れいとうパンチ』で攻めてくるエレブーに対して何かしらの技で捌くのかと思えば攻撃を耐えろと言う

サンドパンは真正面からエレブーの『れいとうパンチ』を受けきった。『こおり』状態になると言ったアクシデントは起きない。

 

「『がむしゃら』よ!」

 

『がむしゃら』でエレブーの体力を一気に削る。

コレで互いに一撃受ければ負ける可能性にまで持ち込んだ……様に見えるが、コイツはダメだな。

 

「エレブー『でんこうせっか』だ!」

 

あの作戦が成功したのはマチスのライチュウがピカチュウだった頃に覚えれる素早い動きを覚えていなかったからだ。

エレブーは先制技を覚えることが出来る。レベル1の状態で『でんこうせっか』を使うことが出来るのだと『でんこうせっか』で激突してサンドパンを戦闘不能にした。

 

「っ……お願い!ゲコガシラ!」

 

「クククッ…………いいな」

 

「エレブー相手にゲコガシラだと?」

 

セレナに残された選択肢はゲコガシラとゲンガーだ。

この状況で出すのならば、ゲンガー……理に適っているのはゲンガーだが、理に適わない事を時にはしなければ強い相手には敵わない。

オレでもここはあえてゲコガシラを出す……ただセレナは問題はそこから次の一手を打つことが出来ているのかどうか。

 

「エレブー『10まんボルト』だ!」

 

「ゲコガシラ、地面の砂を『はたく』で巻き上げて!」

 

「なっ!?」

 

エレブーは『10まんボルト』を放ち、ゲコガシラのもとに向かう。

ゲコガシラは地面を強く叩き砂を巻き上げて砂のカーテンを作り上げてエレブーの『10まんボルト』を防いでゲコガシラは跳んだ。

 

「『みすのはどう』よ!」

 

「ゲコ!!」

 

「レビゥ!?」

 

「エレブー!?……クソッ……」

 

『みすのはどう』を叩き込んだ……『がむしゃら』で削りきっていたから倒すことに成功した。

『かみなりパンチ』ならば結果は変わっていたかもしれないが、今回は勝つべくしてエレブーに勝った。瀬戸水鳥似の女は悔しそうにしながらもモンスターボールをシゲルに返した。3人目に出てきたのは望月あざみ似の少女……シゲル、お前のガールフレンドってどうなってるんだ?こう、モブっぽい見た目じゃないのか?いや、確かに女の子をナンパしてる姿は何度か見たが……。

 

「いけ、フーディン!」

 

「ディン!」

 

出やがったな、第一世代最強格のポケモン。

持っているとは思っていた……コレはある意味いい機会だ。次に挑むジムはヤマブキジムだからな、フーディンと戦えれば色々と経験値になる。

 

「戻って、ゲコガシラ。ゲンガー、お願い!」

 

「セオリーを無視したりセオリー通りに行ったり、中々に無茶苦茶なバトルをするね彼女は」

 

「セオリー通りってのは決して悪いことじゃねえ。ただそれだけなら二流のまんまだ。セオリーを無視したからこそ出来るバトルがある……少なくとも、セオリーにだけすがるなら今頃ワタルはチャンピオンになれてねえ」

 

『みず』『こおり』『でんき』『フェアリー』とメジャーなタイプに対して滅法弱いカントー四天王兼ジョウトチャンピオンのワタル。

セオリーを無視しているからこそ強いところもあるんだ。

 

「………勝負事じゃねえ勝負だって分かってるからか強えな」

 

セレナはまだゲコガシラを残した上でゲンガーを出している。

タイプ相性の上で有利を取っているのだがホントの意味で有利な点はそこじゃねえ。セレナはなんの重圧も受けてねえ。

オレとシゲルのポケモンを使っている。オレとシゲルの代理で戦っている、トレーナーによってポケモンのポテンシャルを引き出せる出せないがあるがオレ達の代理で戦っているという事実は変わりねえ。

勝って喜んでいるシゲルを見てみたいと思っているのだろう。負けたらシゲルが真剣に育てているポケモン達のポテンシャルを引き出せてないと思ってしまう。だからなにが何でも勝たなきゃならねえ。だが、セレナにはそう言う重圧が掛かっちゃいねえ。

セレナが考えているならばオレならばどういう風に動いているか?どうすればオレのポケモン達のポテンシャルを引き出せるのか、オレの真似事をしようとしている。

 

「フーディン『テレポート』」

 

「ディン!」

 

「『シャドーボール』」

 

「ゲンガ!?」

 

「『ゴースト』タイプの対策ぐらいしているさ!さぁ、ここから逆転してくれるぞ!」

 

『テレポート』でゲンガーの背後を奪い『シャドーボール』を叩き込む。

当然と言うべきか『シャドーボール』は覚えているが……真に厄介なのは『テレポート』だ。ゲームは戦闘から脱出するゴミ技だったがこの世界じゃ文字通りの瞬間移動なチート技……に見えるが移動範囲は限られている。フーディンの視界に入るところまでしかテレポート出来ねえ。

 

「フーディン、連続で『テレポート』」

 

「ゲンゲロゲ」

 

「……………………ゲンガー、止まって!」

 

フーディンが連続で『テレポート』で移動し、ゲンガーを翻弄する。

何処だ何処だと追いかけるゲンガーに対してセレナが出した指示は止まれ……『テレポート』よりも早く動けないなら無理に追う必要はねえ。

 

「ディン!」

 

「『テレポート』」

 

「ゲンガー、後ろに向かって『シャドーボール』よ!」

 

「ゲンゲ……ロ?」

 

「っ!?」

 

「甘い、『テレポート』はこういう使い方がある。『シャドーボール』でとどめ」

 

「コイツはやられちまったな」

 

フーディンが真正面に現れたと思えばセレナは背後に回り込むと予想し、ゲンガーに振り返って『シャドーボール』を撃たせた。

だが背後にはフーディンは居なかった。フーディンはゼロ距離と言ってもいいぐらいにゲンガーと真正面の間合いを詰めただけ『テレポート』の連発で真正面以外からの攻撃を連想させる。最初に背後からの『シャドーボール』で攻撃に成功したから背後からの攻撃に関しては警戒心が強めで、真正面からの攻撃だけは無いのだと認識している。だからこそ『テレポート』で消えて背後に回り込むと見せかけて真正面に更に突き進み、背後に移動するのだと読んで振り向いていたゲンガーに『シャドーボール』を叩き込む。

 

「中々にやるじゃねえか」

 

「君の方こそ……僕はてっきりニドキング1体で終わると思ってたんだけどね」

 

「クククッ、ゲコガシラにはまだ手も足も出てねえだろう」

 

オレが直接バトルすればよかったのだと思えるぐらいにはシゲルのポケモンは強い。

シゲルはオレのポケモンをニドキングだけで終わるのだと虚勢を張るが、お前にとって完全に想定外なところだろう。

 

「ごめんね、ゲンガー……ゲコガシラ、コレで最後よ!」

 

「ゲコ!」

 

ゲンガーに謝った後にゲコガシラをボールから出す。

さっきの『テレポート』からの『シャドーボール』戦法は心理戦が上手い奴には通じず1度のバトルで何度も使えばクセが読まれる。

 

「ゲコガシラ『かげぶんしん』」

 

加えて、攻撃をする対象を見つけなければならない『かげぶんしん』がある。

『サイコキネシス』や『シャドーボール』は強力な技だが相手を定めないと当てることが出来ない。無数に分身したゲコガシラに翻弄されるフーディン。

 

「フーディン『スプーンまげ』」

 

「ゲコガシラ、地面を『はたく』」

 

どれが本物のゲコガシラなのか見抜く為に『スプーンまげ』を使いゲコガシラの視線を動かす。

本物を見つけるための手だが見えなければ関係無いのだと地面を『はたく』で叩いて砂を巻き上げどれが本物なのかを見抜けない様にし

 

「『あくのはどう』」

 

フーディンに『あくのはどう』を叩き込み、戦闘不能にした。

 

「フィールドに救われたね」

 

「ふっ……今なにを言っても意味はねえ。格付けは済んでねえが結果だけは出してくれた」

 

フィールドが砂だったから砂を巻き上げる『はたく』が出来たのだとシゲルは余裕を見せる。

それが無ければ負けていた可能性があるなんて言えば負け犬の遠吠えだ。オレのポケモン達はシゲルに勝ってくれた。

とは言え完全な勝利じゃない、セレナがシゲルに挑んで勝ったと言うのならば格付けは済んじまったがシゲルはまだ本気を出していない……が、心の底から悔しいと握り拳が震えているのが見える。なにを言っても意味ねえのが分かっているのかシゲルはガールフレンド達を引き連れて去っていった。

 

「か、勝ててよかった…………危なかったわ……」

 

「お疲れだな」

 

「だって、シゲルのポケモン達物凄く強いしサトシみたいにバトルしなきゃ勝てないって」

 

「勝てないか……合理性を求める事はAIにでも任せればいい、お前はお前の考えでやればいい。ただそれだけのことだ……そこに余計なものを入れるな。オレみたいって言ってるが、セレナらしさが出ているポケモンバトルだったぜ」

 

オレならあの『テレポート』からの『シャドーボール』のコンボを見抜けていたとは言わない。

あそこまで露骨な誘い、人を嵌めようって考えなのが丸わかりなんだから余裕で回避する事が出来る。いや、ゼロ距離で『シャドーボール』を当てれるか。中々に良いバトルだった……たまにゃ他人のバトルも悪くはねえ。そしてシゲルの女遊びはいいのか?

あいつ、町長の応援団じゃなくてシゲル親衛隊とか言うのを自力で作りやがっててナンパしてるからな…………女遊びは何時か痛い目が遭うな。

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