闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「え〜っと」
ポケモンセンターのパソコンを使う。なにをしているのかと言えば旅のルートの算出だ。
一応はゲーム通りにジムバッジを集める予定だが、この世界はゲームに登場しない街とか普通にある。
場合によっては行かなくても良いんじゃないかの寄り道なんかがあるわけだが……どういう風にしようかとは悩んでいる。
「最初のジムはクロガネジム……あ、セレナ、コトブキシティでポケモンコンテストが開催されるみたいだぞ」
「…………………」
「……セレナ、どうしたんだ?シンオウ地方のポケモンコンテストに挑まないのか?」
「…………少し……考えさせて」
コトブキシティでポケモンコンテストが開催されるという情報が手に入った。
ポケモンコンテストが開催されるのは良いことだと思ったのだがセレナは真剣な顔をしている。
タケシはセレナがコーディネーターとして活躍していた事を知っているからセレナはシンオウ地方のポケモンコンテストに挑戦するつもりだと思っていたのだが違うのかと困惑していた。
「……なにをすりゃいいのか分からねえみてえだ」
「……セレナは1度トップコーディネーターになった……そのまま他の地方に挑戦するのが普通だが」
「出し切ったんだよ……セレナは元々コレをやりたいという思いは無い。偶然にポケモンコンテストを知ってたまたまそれがしっくりと来た。のめりこんでたが1番上に立った……上には上が居るが夢中になってた物の熱が冷めている……」
この世界じゃポケモンを貰ってポケモンリーグを目指すぜ!か普通に学校に通って就職するぜ!のどっちかだ。
どちらが花形かと聞かれれば当然ポケモンリーグだ……ただ、セレナはハルカと同じでポケモンを貰ったら色々とオレと一緒に見て回りたかったなと言う思いがあるだけで、あくまでもオレについていきたいだけで目標らしい目標が無い。
ジョウト地方でたまたまポケモンコンテストに遭遇し……ポケモンコンテストにのめり込んだがハルカとの決勝戦で出し切った。
「燃え尽き症候群ってやつか……俺達が出来るのはこの世界の魅力を教える事ぐらいだからな」
「なにに対して熱意を向けるのか……少なくとも今は色々な事に挑戦する事が出来る猶予がある……まぁ、長い猶予だと先延ばしで逃げる悪癖が出るがな」
燃え尽き症候群に近い状態になっている。
タケシは自分達が出来ることと言えばポケモンの世界の魅力を教える、タケシはポケモンの育成の醍醐味を教える、オレは圧倒的なポケモンバトルを見せつける……そこからどういう風に熱を貰うのか、熱い物を貰えればそれはいいことだ。
とりあえずのルートの算出を終えた……そして旅を再開し、コトブキシティ→クロガネシティを目指す事に。
「スボ」
「…………どうすっかな……」
道中にスボミーと出会った。スボミーと言えば最終進化系のロズレイドは強いポケモンだ。
特殊攻撃が強くて技範囲も広い……だが……『くさ』タイプのポケモンはジュカインとオーガポンで大体はどうにかなる。
ゲットしてもそれジュカインで出来ること、オーガポンの下位互換とか言うオチが普通に待ち構えている。
ロズレイドは強いポケモン、だが既に持っているポケモンで大体似たような事が出来る……
「スボミー、ここにいましたか」
「……なんだ野生のスボミーじゃねえのか」
野生のポケモンかそうじゃないのかが分からねえ。
出てきたスボミーは野生のポケモンでなくゲットされているスボミーだったと思えば……少しだけ良かったと思っている自分が居る。
問題を先送りにしただけ……コイツはいけねえことだなと両頬を叩いて……スボミーが欲しいのか不要なのかについて考え……不要だと認識する。
「私のスボミーがどうかしましたか?」
「ああ、スボミーってポケモンを何処かでゲットするかどうかを考えてな……色々考えたが無しって事になった」
「おや、そうなのですか……皆さんは旅のトレーナーでしょうか?コーディネーターでしょうか?」
「オレはポケモントレーナーだ」
「俺はポケモンブリーダーです」
「私は……一応コーディネーターです」
「なんと……コレは幸運ですね……」
「……なにが幸運なんだ?」
吟遊詩人みたいな見た目の男がトレーナーかどうかを聞いてくるので答える。
俺はトレーナー、タケシはブリーダー、セレナは一応はコーディネーター……それを聞いた男は嬉しそうな顔をした。
「失礼、私はナオシ……今のところは吟遊詩人と言ったところ」
「マサラタウンのサトシだ……で、なにがラッキーなんだ?」
「実は……ポケモンリーグに挑戦するかポケモンコンテストに挑戦するか悩んでいたところなのです。他の地方の地方リーグを生で見ました。グランドフェスティバルも生で見ました。どちらも熱い世界で、私は熱を帯びた…………しかし…………しかし、どちらに挑めばいいのか、悩んでいるところです」
ポケモンコンテストの熱とポケモンリーグの熱、2つの熱に当てられたナオシ。
どちらに出るべきなのかと悩んでいるところ……
「どっちも出ればいい話じゃねえか……片方しか出来ないって決まりはねえんだから、色々と難しいが何人か出来てる奴が居るぞ」
「どちらも……どちらもですか……それは考えていなかった事ですね……」
ハルカという二刀流が一応は居る。探せば二刀流で成功している奴はそれなりに居る
二刀流で行けばいいだろうと言えばナオシはそれは全くと言って考えていなかったと反応する。
しかしそれでいいんじゃねえのと言うのがオレの意見である。
「では……ポケモントレーナーとしてそしてコーディネーターとしてデビューを……トレーナーとしてのデビュー戦、受けてもらえないでしょうか?」
「トレーナーとしてのデビュー戦は受けるがコーディネーターは無理……でいいか?」
「あ、うん」
コーディネーターとしてのコンテストバトルはまだできない。
セレナの方が色々と不調な状態になっているのでしないという方向性で行く。
「いきますよ、スボミー」
「いけ、ムックル!」
ルカリオで挑んだら全くと言って経験値にならない……ポケモンバトルの世界の厳しさを教えるとかでルカリオで挑むつもりは無い。
ルカリオも出番じゃないのか黙ってくれているが静かにムックルに頑張れと応援をしている。
「ムックル『つばさでうつ』だ」
「スボミー『すいとる』攻撃です」
試合開始の宣言は無いがバトルはする。
ムックルが使えるのはこの技だと『つばさでうつ』攻撃をする……まだ『つばめがえし』は覚えさせていない……『つばめがえし』を覚えさせたら『はがねのつばさ』を覚えさせねえとな。『すいとる』攻撃で緑色のオーラを飛ばして体力を吸い取るスボミーだがムックルはそれで止まらず『つばさでうつ』攻撃をくらう。
「…………」
まだゲットしたばかりだからそこまでの威力……育て甲斐があるポケモンなのは確かだ。
『つばさでうつ』攻撃で与えたダメージと『すいとる』で吸い取られて体力に還元される分を考慮すればダメージの方が大きい。
ただ……向こうはまだまだ手札を残している。
「ムックル、連続で『つばさでうつ』だ」
「『はっぱカッター』です」
「…………」
『はっぱカッター』を使ってきた。
ムックルは連続で『つばさでうつ』攻撃を決めるのだが『はっぱカッター』をぶつけられてムックルは動きを止められる。
『はっぱカッター』の使い方が上手いなと思えば追撃の手を使ってくる。
「『じんつうりき』」
「ムックル『でんこうせっか』だ」
「ムクォ!」
「スボッ!?」
『はっぱカッター』で動きを封じて『じんつうりき』を当てに行く。
それは当たるとムックルには厳しいと『でんこうせっか』を使って攻撃し『じんつうりき』を発動前に封じる。
『じんつうりき』は強力な技、ムックルに当たれば下手したら負ける可能性が高い。
「ムックル『つばさでうつ』」
「……スボミー『ソーラービーム』」
「え!?この状況で『ソーラービーム』」
相手の手札は色々と見えた。指示をしっかりと聞いているが、ポケモントレーナーのポケモンなのかと見たら話は別……レベルが低い。
『ソーラービーム』の大技で決めに来る。フィールドは晴れているわけではないので『ソーラービーム』を溜めるのに時間がかかる。
どれだけレベルが高いポケモンでも『ソーラービーム』を即座に溜める事は出来ない……が、ナオシのスボミーは出来ると信じている……
「ムックル、一発当てたら『すなかけ』だ」
「っ」
ここまで何度も何度も『つばさでうつ』でダメージを与えているが中々に倒れない。
ムックルのレベルもそうだがスボミーがデビュー戦だから絶対に倒れてたまるかと根性を見せている。
そういう相手は厄介だ……何時もならば高火力系の技で潰しに行くがムックルはまだゲットしたてで限界がある。
『つばさでうつ』をムックルは一発当てる……当てた後に『すなかけ』で砂を巻き上げれば砂を吹き飛ばす『ソーラービーム』が飛ばされるのだがムックルはそこに居ない。
「『でんこうせっか』だ」
スボミーの位置は分かっている。
『ソーラービーム』を誤射したスボミーに向かって『でんこうせっか』で激突して突き飛ばせば……スボミーは戦闘不能になった。
「参りました」
「……凹んでねえな」
「いえいえ、コレでもショックです……ですが貴方からジンジンと漂ってくるのです、圧倒的な強者の風格が」
「…………あるか?」
ナオシがオレから圧倒的な強者の風格が漂ってくるという。
そういうのがわかるのは賢い人間なのだが、オレに圧倒的な強者の風格があるのかどうかを聞けばルカリオは首を横に振った。
喋らなければただのマサラタウンのサトシだから……最近になって命を賭けた闇のポケモンバトルとかが出来るようになったけれども、それ以外は特にはな。
「コレがポケモンバトル…………とても強い熱を感じます……この熱を帯び、戦う……素晴らしい」
「クククッ……ポケモンバトルの熱に惚れ込んでくれてなによりだ……シンオウリーグに挑むならポケモンセンターで出場登録しとけよ」
「ええ、ありがとうございます……では」
ナオシはそう言うとポケモンセンターがある方向に向かっていった。
「伸びるな、あのナオシと言う男は」
「駆け出しだからそりゃ伸びるだろうよ」
「それを踏まえた上でも伸び代は高い」
ルカリオが去っていくナオシを見て感想を述べる。
駆け出しだから伸び代はある意味無限大……だがルカリオの目から見てもナオシは才能アリらしい。
シンオウリーグはカロスリーグの次に魔境……いや、シンオウリーグの方が魔境か。カロスリーグは原作だとサトシとアランが異常なまでに強かった。ただシンオウリーグは全体的にレベルが高い。
「ムックル、よくやった」
「ムクォ」
「ふっ……なに、まだまだ始まったばかりだ……サトシはお前を必死に探し求めていた。サトシならば結果を出すだろう」
ムックルによくやったと褒めれば嬉しそうにするが思うところがあるみたいだった。
まだ旅は始まったばかりでオレがムックルを求めたからゲットした。ルカリオはオレならば今よりも強くしてくれると信頼してくれた。
アーロンこそが仕えるべき主だが一応はオレの事をトレーナーとして認めてくれているみてえだな。
「……セレナ……オレはシンオウリーグに挑む。コレは最初から決めていることだ……挑まねえなら挑まねえで別に構わねえ……なにか目的や目標がある=偉いとかそういうのを決めつけるな」
セレナはナオシとコンテストバトルをしなかった。
することが出来ていたにも関わらずコンテストバトルをしなかったので一応は言っておく。
オレやタケシみたいになにか目標がある、それはいいことだ。今のセレナは目標らしい目標を持っていない。
なにか目的や目標を持たないといけない。それを持たなきゃいけないっていう思いは分からなくもない、とりあえずの目標が無いのが今時の現代っ子、それで就職に苦しんでる奴等も多い。やりたいことが無いならばやりたくない事を見つければいいなんて言うけども働くことすらしたくない色々と手遅れなのも居たりするしな。
「オレはお前の親じゃねえ、人生の先輩としてアドバイス出来るほどに出来た人間でもねえ……ただ1つ、オレの背中を見とけ……オレは挑む……ホウエンリーグは生ぬるかったがシンオウリーグは別、今までで1番過酷だろう」
「………うん………色々と悩んでるけど……サトシを応援したい。その思いだけは最初から変わらないわ……だから、今回は見る……サトシがシンオウリーグで1番になる姿を」
セレナは一旦コーディネーターを休業すると決めた。
コーディネーターを休業するならばポケモンコンテストが開催されるところは立ち寄らない、立ち寄る理由が無くなる。
とは言えある程度はゲーム通り原作通りにしないといけねえ……ダイパ編は地球が滅びる案件が結構な割合で起きるからホントに洒落にならねえ。