闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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クロガネジム vsヒョウタ

 

「お兄ちゃん、ありがとう!このマリルリ大事に育てるね!」

 

「ああ」

 

「……お前」

 

「あのマリルリは俺の望むレベルには至れない」

 

シンジがクロガネジムを終えた翌日、シンジはポケモンの回復待ちをしている。

割とギリギリな勝ち方をしていた……1番の原因はマリルリが活躍しなかった事だろう。

マリルリで『ハイドロポンプ』で決めようとしていたのだが普通に負けた……シンジはマリルリを年下の男の子に譲った。いや、逃がしたと言うのが正しいだろう。

 

「ったく……厳選すんのは良いがもう少し考えとけよ」

 

「ここは『いわ』タイプのジムだ。『みず』や『くさ』タイプのポケモンを用意して当然だ……だが、あのマリルリは俺の望んだレベルにはならない」

 

「それを判断するのはお前だが、お前のやり方が合わなかっただけかもしれねえぞ?」

 

「俺には俺のやり方がある……今まで何度も言われたさ。だがそういう奴は口だけで大した実力は無い使えない連中ばかりだ」

 

「……だろうな」

 

自分には自分のやり方があるのだと言い切るシンジ。

今までも何度か色々と言われていたみたいだがシンジはそういう奴らを実力で倒した。

そういう奴らはシンジの事を認めないだなんだの言うだろうが、そいつらに認められなくてもシンジは別に構わないと思っている。

そういう奴らは精神論……特に若い奴らは知識に偏るか精神論に偏るかのどっちか。ポケモンリーグや実戦の壁にぶち当たって知識に偏っていたこと、もしくは困ったらの精神論で逃げていた事に気付く。例え残酷であろうともシンジはしっかりと現実と向き合っている。

そりゃ同じ世代の中で頭1つ抜け出ている強さを持ったトレーナーになる……優しさでなく厳しさを持っている。コレは良いことだ。

 

「まぁ、オレが言えることは……マリルリの使い方が悪かったとだけな」

 

「なに?」

 

「お前がポケモンを厳選しているのなら『ちからもち』マリルリを用意し『はらだいこ』からの『アクアジェット』だったらもう少し」

 

「『そうしょく』マリルリの方が強いだろう。『くさ』タイプの技が効かないんだぞ?」

 

「いや、『くさ』タイプ相手にマリルリを出すなよ……『はらだいこ』+先制技、この2つを両立しているのはパーティ次第じゃ相手を簡単に全滅出来る。『はらだいこ』+『しんそく』を使ってくるマッスグマとか割とバカに出来ねえぞ」

 

やっぱりと言うかシンジのマリルリは『ちからもち』マリルリじゃなかった。

『そうしょく』マリルリで『くさ』タイプの技が通じない利点があると言うがそもそもで『くさ』タイプ相手にマリルリ出すな。

余程追い詰められているとしても『はらだいこ』+『アクアジェット』で大抵は落ちる。

 

「ポケモンの性質をしっかりと見抜かなきゃ勝てるものも勝てねえよ」

 

「そんな基本的なミスをしているとでも?」

 

「クククッ……こういう話をするってことはそういうことだぜ」

 

シンジはしっかりとしてるがそれでもまだ甘い。テンテケテケテンとポケモン治療が終わる音が流れる。

ポケモンの治療が終わった……シンジはエレキッドとヒコザルが入ったモンスターボールを手にしたのでオレは背を見せる。

雑談は終わったのでジム戦をする……ズガイドスの時点で厄介だがラムパルドになれば更に厄介だ。

 

「コレより、クロガネジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」

 

「マサラタウンのサトシくんが相手か……ゆけ、ラムパルド!」

 

「ムァアアア!!」

 

「昨日と順番が違う、いきなりのラムパルド!?」

 

「大丈夫……コレで乱れるサトシじゃないわ」

 

「……ま……1番手なら1番手でそれはそれで構わねえか。ルカリオ、あの暴れん坊倒すぞ……ルカリオ?」

 

「…………シンジが見ている」

 

1番手のポケモンがラムパルドだった。

昨日と順番が違うので色々と乱れるんじゃないのかとタケシは心配するがこの程度で調子を崩すほど弱くない。

セレナは大丈夫と信頼をしてくれているので早速ラムパルド退治をするかと思っていると……ルカリオがフィールドの外を見ていた。

今から大事なジム戦だから余所見はするなと思っているとルカリオはシンジがこっちを見ていると言う……観客席にはシンジが居ない。オレには見えない位置で覗き込んでいる……見てってくれとは言っていない。見るとも言っていない……なんかめんどくせえな。

 

「ルカリオ……見ている以上はミスは許されない……特にお前は知られていないからな」

 

ホウエンリーグ以降にゲットしているポケモンで既に完成された強さに至っているルカリオ。

ラムパルド相手に何処まで戦いを繰り広げるのかをシンジは気になっている。

 

「ルカリオ、やるぞ!」

 

「バゥ!」

 

「試合開始!」

 

「ラムパルド『れいとうビーム』」

 

「ルカリオ『はどうだん』」

 

「バゥ!」

 

「パァッ!?」

 

「なっ!?」

 

「クククッ……『れいとうビーム』で滑りやすいフィールドを使って機動力を上げる。そんなところだろうが1つ、ルカリオの強さの認識を見誤ったな」

 

「ラ、ラムパルド戦闘不能!ルカリオの勝ち!」

 

試合開始と同時に一撃『はどうだん』をお見舞いした。

ラムパルドの自慢の頭にぶつかりラムパルドは弾き飛ばされて一撃で戦闘不能になった。

相性最悪の『れいとうビーム』はラムパルドの足りない機動力を補強する為のものだろうが肝心のラムパルドは一撃で戦闘不能になった。ヒョウタのエースはこのラムパルド、一撃で戦闘不能になるのは完全に予想外の事だがルカリオのスペックならばコレぐらいは出来て当然だ。

 

「戻れ……いけ、イワーク」

 

「ルカリオ、終わりだ」

 

ヒョウタのポケモンで1番厄介なラムパルド退治を終えた。ラムパルドを退治するかしないかでこのバトルは左右される。

まだ成長段階のポケモンでラムパルドに挑んで勝てるなんて思っちゃいねえ……ラムパルドを倒すことが出来たのでルカリオにはフィールドから退場してもらいモンスターボールを構える

 

「いけ、ナエトル」

 

「ナァウ!」

 

「イワーク、『ステルスロック』だ!」

 

「ナエトル『ねむりごな』だ!」

 

「なに!?」

 

「クククッ……覚えるんだよな、コイツが」

 

とりあえず『ステルスロック』を撒いたら『ねむりごな』が飛んできた。

『ステルスロック』を撒くのに集中しているから『ねむりごな』は非常に当てやすく……『ねむり』状態になった。

 

「コレは……」

 

「どうしたの?」

 

「ヒョウタさんが乱されている」

 

「え?」

 

「一撃で倒されたラムパルド、2体目のイワークで慎重にならないといけない。『ステルスロック』は悪くない選択だがサトシがポケモンを交代しない可能性もある……『ステルスロック』の牽制も『ねむり』状態になったイワークじゃ」

 

「クククッ……目、大丈夫か?」

 

ヒョウタが乱されている……昨日のジム戦では強敵感を出したがオレを相手にしてペースを崩している。

ここで『ステルスロック』を撃つのは悪手とは言わない、だがこっちがポケモンを入れ替えないというのもある。

他にも色々と選択肢がある中での『ステルスロック』……開幕『ステルスロック』だがコイツは乱れている。

 

「ナエトル『やどりぎのタネ』」

 

「起きろ!起きるんだ!イワーク!」

 

「……」

 

「コレで『がんじょう』は剥がれた、『はっぱカッター』乱れ打ちだ」

 

『やどりぎのタネ』を頭の出っ張り部分にくっつける。

赤色のオーラが出現して体力を奪った……体力満タンの状態から少しだけ体力が減った。コレで『がんじょう』が剥がれた。

『はっぱカッター』を乱れ打ちする。イワークは着実にダメージを与えられる。吸い取られる。

 

「ナエトル『のろい』だ」

 

「ナァウ?」

 

「ムクバードに繋げなくても問題は無い」

 

イワークが中々に目を覚まさない。コイツはラッキーだなと思いながらもムクバードに繋げずナエトルだけで終わらせると決める。

ナエトルは『はっぱカッター』を撃つのを止める。『のろい』を使って素早さを落として攻撃力と防御力を高めていく。

 

「……!イワァアア!!」

 

「イワーク、目を覚ましたんだな……よし『ボディプレス』」

 

「1枚だけの『はっぱカッター』」

 

「ナァウ」

 

「イワ!?……ァアアア」

 

「イワーク!?」

 

イワークが目を覚ました。

ここからが戦いになるのだと『ボディプレス』を指示して動こうとするがそれよりも前にナエトルの『はっぱカッター』が炸裂する。

1枚にだけ全ての力を込めた『はっぱカッター』素早さがそこそこあるイワーク、ナエトルは『のろい』で鈍足になっているがそれでも『はっぱカッター』が炸裂し……イワークは戦闘不能になった。『やどりぎのタネ』と1枚だけの『はっぱカッター』が上手い具合にフィットしたな。

 

「イワーク、戦闘不能!ナエトルの勝ち!」

 

「戻れ……コイツで最後だ!いけ、イシツブテ!」

 

「ラッシャイ」

 

イワークが戦闘不能になった……そのおかげで冷静になれたみたいだ。3番手にイシツブテが出てくる。

ナエトルだけでもう終わらせる……『のろい』を積んでいるからな……

 

「イシツブテ『ころがる』だ」

 

「ナエトル1枚だけの『はっぱカッター』」

 

「っ!」

 

「あの1枚だけの『はっぱカッター』、ホントに厄介だな……1枚だけに力の全てを収束しているから一撃だけだが威力も速度も尋常じゃない。ヒョウタさんのイシツブテがなにかをする前に封殺されている」

 

1枚だけの『はっぱカッター』は強い。

タケシが物凄く厄介な技でヒョウタが上手く動けない、動く前に潰されていることを見抜く。

 

「イシツブテ『あなをほる』」

 

「……」

 

「どうやらその『はっぱカッター』連発が出来ないみたいだね?」

 

「まぁ、そういう『はっぱカッター』だから」

 

この『はっぱカッター』が強力と言えば強力だが撃つのにパワーを溜めないといけない。

『ソーラービーム』や『ゴッドバード』みたいなタメじゃなくほんの少しだけ力を込める感じで連発が出来ない。

『はっぱカッター』を連発することが出来ないと見抜かれればイシツブテは『あなをほる』で地面に潜った。ドダイトスになっていたら迷いなく『じしん』を使っていたが、今のところ使える武器は『はっぱカッター』だけだ。

 

「ナエトル、一発は当たっている。それに加えて『のろい』を積んでて相性の良い『じめん』タイプの技だから『あなをほる』なら余裕で耐えれる……次に使うのは一発タイプじゃない威力拡散タイプの『はっぱカッター』だ。下は気にするな」

 

「『あなをほる』なのに下は気にしない?」

 

「……俺ならこの状況……そうか!」

 

「イシツブテ、地面から出るんだ!」

 

「ナエトル、『のろい』」

 

「イシツブテ『ほのおのパンチ』だ!」

 

「やっぱりそうか!ナエトルとの間合いを縮めての『ほのおのパンチ』……それも読んでいたのか!」

 

イシツブテは地面から出てきた……ナエトルの真下でなくナエトルの背後から出てきた。

反応しても遅い、ならば別の行動をすると『ほのおのパンチ』を背後からくらったのだがナエトルは余裕で耐えた。

追加効果の『やけど』状態を引き当てることはなく、そのまま追撃の一手をくらわせる。

 

「『はっぱカッター』」

 

『はっぱカッター』の連発、威力は低いが数が多い連射タイプの『はっぱカッター』

4倍弱点のイシツブテには1発1発の威力が低くて物理攻撃だとしても大きなダメージになり……イシツブテは倒れた。

 

「イシツブテ、戦闘不能!ナエトルの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!マサラタウンのサトシ!」

 

「よし……勝てたな」

 

「ああ……上手くいったな……開幕ラムパルドがいい感じに動いた」

 

開幕イワーク『ステルスロック』とかだったら確実にペースを崩していた。

ラムパルドをルカリオで一撃で倒した、コレがきっかけで勝負が大きく変わった……いや、流れを掴んだが正しいか。

ヒョウタのラムパルドをルカリオで倒す……他のポケモンでいけば負ける可能性が高い。

ルカリオがジム戦に勝てたことを喜ぶ……今回、クロガネジムを勝つことが出来たのはルカリオでラムパルドを処理したから、他で処理していたら……いや、ルカリオが居る時点で大体はどうにかなるか。

 

「……あっちだな」

 

「ああ、合っているぞ」

 

ジム戦を終えたので何時ものようにジムバッジを受け取りに行く……のをする前にシンジの気配を感じ取った。

あっちに居るなと言えばルカリオが正しいと頷き、シンジの前に立った。

 

「どうせならちゃんと見とけよ……こんな真似しなくてもいいんだぜ?」

 

「……あの『はっぱカッター』は」

 

「ああ、威力の調整をした『はっぱカッター』だ……追尾機能持ちとか出来るかと思ったがそいつは無理だったみたいでな威力を調整する……つってもあくまでも威力と数を変えてるだけで耐えれるポケモンは余裕で耐えれる。ちょっとした小手先の技術みたいなもんだ」

 

色々とパワーを調整している不思議な『はっぱカッター』

シンジにはその発想が無かったのか度肝を抜かれた……肝が据わっているから驚いては……るな……ああいう使い方もあるのかと思っている。

 

「お前は確かドダイトスを持っていた……ドダイトスに進化しているならこの『はっぱカッター』は使える……だが、対策の1つや2つちゃんと頭にあるとだけは言っておく……例えばこの『はっぱカッター』は外そうが当てようが確実に一手間が開く。この『はっぱカッター』を耐えられれば大抵の技は1回はくらう」

 

意外とデメリットはある。

 

「……なんでそれを教えた?」

 

「教えようが教えまいがお前はコレを勝手に取り組む……お前は自分のやり方こそが絶対、正しいと思い込むことなく強くなる方法を模索している。自分の中で使えると思った技術は迷いなく取り込み自分の物にする……」

 

「デメリットの方はまだ気付いていない、何処かの段階で気付くにしてもそれで大きなミスをする!」

 

「そんなしょうもねえやり方でハメても面白くもなんともねえ」

 

「面白くないだと……」

 

「そうだ…………なんだ、お前……初歩的な事を忘れてるのか?」

 

オレが面白いか面白くないかで判断しているとありえないとなるシンジ。

面白くないから教えている、ただそれだけ……それなのにシンジはありえないという……ああ、ああ

 

「バトルを楽しむ……それを忘れてなんの為にポケモンバトルをしてるんだよ?」

 

「…………」

 

ポケモンバトルは楽しい、熱い要素が色々と詰まっている。

だから世界中で見られるメジャーなものなのにポケモンバトルを楽しむ気持ちを忘れている。

心のゆとりが無いというのもあるが、ポケモンバトルが楽しかった頃を忘れかけている自分が居るのを気付いたみたいだ。

 

「ポケモンバトルは楽しい、真剣勝負は楽しい……だからやるんだろう」

 

「…………それが言えるのは、余裕がある奴だけだ」

 

「かもしれねえ……オレが言っているから上から目線だと認識しても構わない。だが、それを見失ったら意味が無い……辛い現実を見てなにをしているのか、ポケモンバトルを心から楽しむ愛しさの輝き、強さの原点を極め儚さを知った切なさの輝き、己の強さと弱さを知った心強さの輝き、その輝きを失っている」

 

「ポケモンバトルを楽しむ……」

 

「クククッ……ま、まだまだ先は長いかもな」

 

ポケモンバトルを楽しむ、そのことを言われてシンジは考える。

考えながらクロガネジムを後にした……オレはクロガネジムを制覇した証であるコールバッジを手に入れた。

先ずは1つ目のジムバッジをゲット……残りは7つ……厄介なのは最後のバッジ、やる気が無いならば無いで引導を渡してやる。

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