闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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神域の歩み

 

「バォウ!!」

 

「ルカリオ……」

 

スモモがシンジにボコボコにされて凹んでいる。

あの暴言製造機はホントにロクな事をしねえなと思っているとルカリオはこのままじゃダメだとスモモを励ます。

しかしスモモが簡単には元気にはならない……バッジの重さについて考えているんだろうが、バッジの重さは人それぞれだろう。

記念受験のノリでジムに挑むアホもいるし、ガチで勝ちに行くために挑んでるし、シンジみたいなのもいる。

 

「落ち着け……お前が言いたいことは分かる。だが、気持ちの整理というのも大事だ」

 

オレのルカリオがこのままではダメだ!と言い続けているスモモのルカリオを落ち着かせる。

気持ちを一旦整理させる……気持ちを整理してもそれでも倒れる奴は倒れたままだ。誰も彼もが前向きに起き上がらないのが現実だ。

 

「綺麗な言葉で複雑で難しい心の問題を解決したように見せるのだけは止めとけ……ジムリーダーとしてなにも出来なかったって悔やんでるならジムリーダーとしてどうしたかったか、それをするにはどうすればいいのか……お前はどうしてえんだ?」

 

「……それは……」

 

「ゆっくりと考えろ。オレ達はちょっとトバリシティを巡ってくる」

 

迷っているスモモに対してズバッとしたアドバイスは送らない、挑戦者のオレがなにを言っても意味は無いから。

コレはスモモの問題……セレナもタケシもそう認識し、ルカリオもスモモのルカリオに気持ちの整理をさせて一歩ずつゆっくりと刻んでいく様にアドバイスを送った。

 

「さて…………出禁状態が解除されているな……」

 

「来たわね……」

 

「コレが噂に名高いトバリシティのゲームコーナーか」

 

隕石とかギンガ団のオフィスとかがある中でオレ達が向かったのはゲームコーナーだった。

ホウエン地方の一件でゲームコーナーの出入り禁止は解除されている。ここでも思う存分に遊ぶことが出来る。

店の中に入るが……ゲームと違ってスロットしかないと言う状況とは違い色々なゲームが存在している。とりあえずお金を両替した後に各々が各々のゲームコーナーに向かう。

 

「サトシ……賭場場で遊んでいていいのか?」

 

「馬鹿野郎、遊びじゃねえ!真剣勝負だ!」

 

ジム戦後ならまだしもジム戦前にゲームコーナーで遊んでいる事に対してルカリオは呆れるが遊んでいるわけねえだろう。

博打は常に真剣勝負、特にこういうところは相手が程よく勝ったり負けたりをするか絶対に負けたりする様に仕組まれている。

オレの直感だろうがここは勝ったり負けたりする場所だ……しかし、勝ち過ぎると厄介なのが現れる。

 

「くそっ!まだだ!」

 

そしてそれと同じぐらいに惨めな敗者が生まれる。

スロットの台を台バンしているおっさんがいる……あのおっさん、運気ってやつを持ってないな。

博打に関しては知識よりも運と揺るがない意思が大事……そうじゃないと流れってやつを引き締めねえからな。

 

「お、ポンジャンがある……やるか」

 

ポンジャンがあった……コイツは定期的にやっとかないと頭の体操にならないからな。

ポンジャンの雀卓に座り全自動ポンジャン配牌システムがやってくれる……いいねいいね……

 

「このポンジャン、ポンはありだ」

 

「クククッ……随分と大胆なルールだな」

 

ディーラーが親、他3名がお客のポンジャン。

一件ディーラー側が敵かと思うが巻き上げるところから巻き上げれるのがポンジャンだ。

ツモした時はともかくロンした時は相手からコインを巻き上げる事が出来る……麻雀みたいに何回もしない、1回限りの勝負。

手牌はヒコザル2枚、ポッチャマ、ポッタイシ、ピカチュウ、ムクバード、ムクホーク、イーブイ……毎度のことながらピカチュウ何時も居るな。アニポケ世界の顔とも言える存在だけどもオレは全くと言って興味を抱いてねえぞ。

牌をツモればヒコザルが出てきたのでピカチュウの牌を捨てる……ポンはしてこない。

捨て牌にピチュー、ライチュウがありイーブイ系統もある……イーブイ、ブースター、シャワーズ、サンダース、ブラッキー、エーフィ、リーフィア、グレイシア、ニンフィアのイーブイとイーブイ進化系統を揃えるのは難しい……いや、逆だなコイツは。

右の奴の狙いはイーブイ進化系統セット……コイツだけはポンが出来ねえが配当がデカい……

 

「……」

 

2枚目のイーブイを引いた。役を揃えて上がりたいところ、しょうもねえ上がり方はしたくねえ。

ここはイーブイを捨てる……が、手に取ったイーブイの牌は捨てない。元から手にあったイーブイに牌を捨てる。

捨てたイーブイ牌を見て……右隣にいる男はチラリと視線を動かす。捨て牌でなく自身の手牌を見ている。

 

「……っ……」

 

左の奴がイーブイを引いたが直ぐに捨てた。

イーブイ進化系統しかイーブイではもう役を揃えられない……どうにかしないといけねえと思っているが焦りは禁物だ。

シャワーズ、ブースターが捨てられる。着実にイーブイ進化系統を揃えることが出来なくなりオレが次に引いたのはムックル

コレが麻雀だったらリーチをかけることが出来ていたんだがそう上手くはいかない。もう一度イーブイを捨てればピクリと反応する。

イーブイを2枚握っていたのかと驚いている……一応はヒコザルが完成しているがどういう風に動くのだろうと牌をツモっていき……あらゆる牌の代用品のマスターボールを引き当てる。ならばここで切るのはポッタイシ

 

「ポン!」

 

ポッタイシを切ればポンが飛んできた。

ポッチャマ系統があんまり出ていないから誰かは握っていると思っていたがポンが飛んできたか。

ポンが飛んできたがツモる……中々にリーチにならないがオレは良い感じに流れておりムダヅモが無くなってきた。

最初はあんまり良くない手札も気付けばヒコザル3つ、ポッチャマ2つ、ナエトル1つ、マスターボール、といい感じの手になっており……来る

 

「モンスターボールの牌は捨て牌から牌を1つ拾える……ナエトルを拾ってリーチだ」

 

「「「っ」」」

 

ここまで来てのモンスターボールをゲット、迷いなくリーチをかける。

手元には単騎待ちでなく2個待ち、ポッチャマが来ようともナエトルが来ようともロンが出来る。

ポッタイシ系統がポンで死んでいる。ナエトルを拾ったということはと考えてでていない牌を考える……手元にナエトルがあるってことはそれは出しちゃいけねえ牌……麻雀と違って捨牌からなにを握ってるのか読みやすい

 

「悪いな、そいつはロンだ」

 

「っ!?ポッチャマ狙い」

 

「クククッ……よく見てみな。ヒコザル、ポッチャマ、ナエトル……シンオウ地方最初の3体セットだ」

 

男が出したポッチャマの牌でオレは上がる。

男にはナエトルが握られておりポッチャマ単騎狙いであったことに気付く……クククッ……いいねぇ……真剣勝負の味は最高だ。

シンオウ地方最初3匹という役を無事に揃えて高配当な金額を貰う……中々に良い稼ぎだがコイツと戦ったらいけねえと2名の客は思っているんだろう。

 

「クソォ!この台も当たりじゃねえ!」

 

「おっさん、五月蝿い」

 

「ああ、ガキがこんな所に来るな!うちの娘とジム戦でもしてろよ!」

 

当たりの台じゃないと台バンをしているさっきからハズレまくりのおっさん。

シンプルにうるせえなと思っているとなんかとんでもねえ事を言いだした。

 

「うちの娘って、あんた……」

 

「おう!うちの娘はなにを隠そうトバリジムのジムリーダースモモ、稀代の格闘センスとポケモンバトルのセンスを併せ持っている。つまり家にはお金がガッポガッポ入って遊び放題というわけだ」

 

最高に終わってんな、この親父。いや、音信不通になって何処にいるのかすら分からないうちの親父も似たようなもんか。

いったい何処でなにしてんだうちの親父は。ポケモンマスターになるって言ったっきり帰ってきてない。祖父さんも同じ理由で帰ってきてない……オレも成功を積み上げまくったら潰すためにフラッと並行世界に移動するつもりだから人のことを言える義理じゃねえか。

 

「さぁ、今回の目玉だよ!」

 

「あ……なんだ?ポンジャンか?」

 

タケシがビンゴゲームで勝ったりセレナがスロットで勝ったりとツキが回っていると目玉のゲームが出てきた。

フシギダネ、フシギソウ、フシギバナ、ヒトカゲ、リザード、リザードン、ゼニガメ、カメール、カメックスの9種類の牌が2個ずつある。ポンジャンでもやるのかと思ったがポンジャンでないという。

 

「その名も(ナイン)……ルール自体は至ってシンプルだけど奥深いバトルだ」

 

「クククッ……どういう勝負なんだ?」

 

「互いに9つある牌の中から1つ選び選出する……例えばコレがヒトカゲとフシギダネだった場合、ヒトカゲを出した方に3ポイント入る。『くさ』タイプは『ほのお』タイプに弱いからね……ここまで聞けば3分の1を引き当てる為のゲームに思えるが実は違う。例えばヒトカゲとフシギバナで勝負した場合……3ポイントでなく1ポイントになる。1回進化しているポケモンに当たればマイナス1ポイント、2回進化しているポケモンに当たればマイナス2ポイント……そしてリザードンでフシギダネ等のレベルが低いポケモンを倒した場合も3ポイントだ……」

 

「ほぉ……」

 

ルールは至ってシンプルだが点数計算をした場合は出すポケモンの牌を決めないといけねえ。

意外としっかりと考えられているゲーム……9って奴は面白そうだなと思い勝負をすることにした。

 

「リザードン」

 

「フシギバナ」

 

リザードンを出せばフシギバナが出てきた。

 

「フシギソウ」

 

「カメール」

 

フシギソウを出せばカメールが出てきた。

 

「フシギダネ」

 

「ゼニガメ」

 

「なっ……1番相性の良い牌を当てる……9×8×7……504分の1を引きずり出すだと!?」

 

9が開始し、リザードン、フシギソウ、フシギダネを出す。

3連続で1番良い牌をぶつけることに成功しておりスモモの親父さんはありえない確率を引き当てていると驚く。

 

「カメール」

 

「リザード……っ、少々よろしいですか?」

 

「選手交代は無しだぜ……イカサマ用のコンタクトレンズが存在してるのは知ってんだ」

 

更に最高の手で潰していけばディーラーは慌てる。

少しいいかと聞いてくるので選手交代は無し……そういうイカサマをしてるのは無理だ。

 

「貴方が牌を先に出してください」

 

「んなの簡単だな」

 

オレは牌を伏せた……自分の持っている残りの牌も合わせて伏せる。

そういうイカサマを平然と行うやつは行う……ポンジャンの牌を手にしては離し他の牌を手に取ろうとするフリをする。

そういう揺さぶりを仕掛けオレからなにかを得ようって魂胆だったら意味はねえ……オレはオレの直感に突き進んでやっている。

 

「カメックス」

 

「リザードン」

 

コレでまた当たりだとなればありえないと驚く。

なにかイカサマらしいイカサマをしているのかとイカサマをしているか確認をしている私服警備員を見るが首を横に振る。

残っているのはゼニガメ、リザード、ヒトカゲ、フシギバナ……相手に残されているのはフシギダネ、フシギソウ、ヒトカゲ、カメックス……出すのは危険だが出すしか道は無い。

 

「リザード」

 

「フシギソウ」

 

6回目、出したのはリザード、相手はフシギソウ。

残りはヒトカゲ、フシギバナ、ゼニガメ……相手はカメックス、フシギダネ、ヒトカゲ。

綺麗に3体が出来ているがどういう風にするべきかと真剣に悩んでいる……

 

「クククッ……ここが勝負どころ、そういう時ほど人はミスするもんだぜ」

 

「カ、カメックスがフシギバナに……っ……」

 

カメックスをフシギバナで封殺した。

相手の残りの手はヒトカゲとフシギダネ、こちらの手はヒトカゲとゼニガメ。

このままだと完璧に殺されるのでなんとしてでもヒトカゲでヒトカゲを相殺したいと思っている。

どっちにすべきか……それを真剣に悩んでいるが、オレは迷いなく牌を切る……

 

「こんな……こんな事が……」

 

「9×8×7×6×5×4×3×2……い、幾つか分からないが万分の一の可能性を引き当てやがった!?」

 

ヒトカゲをヒトカゲで相殺できなかった。フシギダネを出してきてヒトカゲで潰し、ゼニガメでヒトカゲを倒す。

362880分の1を引き当てた。スモモの親父さんはありえないものを見たと言う顔をしている。

 

「カッカッカ……パーフェクトだから掛け金もその分沢山戻ってくるよな?」

 

最初は数十枚だったコインも気付けば数十万枚まで稼ぐことが出来た。

ゲームコーナーのディーラーはありえないという顔をしている……スモモの親父以外にもコレを見ておりありえないという顔をしている。

 

「……恐ろしいまでの豪運だな」

 

「クククッ……コイツを手に入れるのは難しいことじゃない、自分の行動や考えを信じて動くだけだ」

 

隣で見ていたルカリオもありえないものを見たという考えに至っている。

この豪運は恐ろしいと思っているがオレは持っている方だ。なにせ杉浦開智と言う何処にでもいるマヌケからマサラタウンのサトシになるという超高校級を通り越した圧倒的なまでの運を持っているから。サトシになり自分を信じて、手を選んでからは基本的には負けなしだ。

 

「ちょっとお父さん、またゲームコーナーで遊んでるの!?」

 

「遊んでるんじゃない、先行投資をしているんだ!」

 

「そう言って今まで返ってきてないじゃん!」

 

「今はまだ帰ってきてないが近い将来にドカンと返ってくるんだ!」

 

パチンカスが言う常套句をスモモに対して言っている。

ホントに色々な意味で終わっているオヤジだなと呆れた目で見ているとスモモがオレに気付いた。

 

「サトシさん……ジム戦、受けます」

 

「いや、受けますじゃなくて受けてくれねえと困るんだが……」

 

ヨスガシティでヨスガジムびメリッサが居なくここでジム戦が出来ないって言うなら色々とツキに目を離されてたぞ。

ジムリーダーならばジム戦を断らずに挑む……受けてもらわねえと普通に困るんだ。

 

「言っとくがよ、オレはなんか徳が高いありがたい言葉は言わねえ……テメエが歯応えが無いジムリーダーだったらオレは迷いなく叩きのめす」

 

オレは真剣勝負を楽しんでいるが、やるからには勝ちたいと思っている。

スモモが気持ちを整理してやる気を取り戻したがそんな事は知ったことじゃねえ……一切の慈悲無く倒す。

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