闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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vsタマムシジム 焼き尽くせ草のフィールド

 

「お〜デケえ街だな」

 

タマムシシティの中心街を歩いてポロッと零す。

タマムシシティはカントー有数の大都会、現実で言うところの世田谷区辺りじゃなかったっけ?ゲームフリークがあるならゲームフリークのある土地だ……ただ言えることは1つ、ベトベターが生息してたりロケット団の施設があったりと治安が悪い。

 

「マサラタウンが田舎だから、こういう所に来ればやっぱり気持ちが上がるな」

 

「私はちょっと歩けばミアレシティだったから……でもミアレシティって探索した事は無かったような」

 

「あそこめちゃくちゃ広いだろう」

 

田舎者と言われればその通りだ。タマムシシティを詮索しておきたいが目当てがある。

此処に来たのはタマムシジムに挑むためだ……今は遊ぶことに頭を回している場合じゃない……が、視線を田舎じゃ見ないコスメ系の店にセレナは魅せられる。

 

「入りたきゃ入ればいい」

 

「でも、タマムシジムに」

 

「どうせ此処で勝ってもドベなのは変わりはねえんだ」

 

既にシゲル達はタマムシジムを制覇してレインボーバッジを手にしている。

今から勝ったとしても遅い、最後にジムバッジを持ってマサラタウンに帰省する事が出来ればそれでいいんだ。

セレナに店に寄り道しても構わないと言えば嬉しそうに香水の店に入る……ポケモンの体液が原材料の香水とかあるから値段は安かったり高かったり。フォッコをボールから出して香水を軽くプシュッと腕に付けては匂いを嗅いでいる。

 

「彼氏さんも、どうぞ」

 

「野郎に香水は似合わねえよ」

 

「最近はメンズ系の香水も増えてるんですよ……香水は女性だけのものじゃない。いいパルファムが」

 

「飯を作ったりしてるから、下手に香水の匂いを染み込ませるのはまずいんだ……セレナにはいいのを頼む」

 

セレナが香水を試しているので待っていると店員が声をかけてくる。

野郎に香水は似合わねえしメンズ系の香水があったとしてもオレは料理人をやっていた経験からか、その手の物を使えないし使わない。

ギャ◯ビーの消臭と冷却を兼ねたスプレーとかが限度で、メンズ向けのいいパルファムだったら料理に染み込む……煙草なんて当然禁止だ。

 

「えへへ……どうかな?」

 

「セレナ……それは匂いを嗅いでくれって意味か?」

 

「え、あ……………………………………………っっっっっっ!!!!!!!」

 

「自分で爆弾を設置して自爆してどうするんだ」

 

色々と悩んだが最終的に1つの香水を購入した。フォッコ用の香水も購入した。

セレナが女としての魅力が上がったアピールをしてくるが香水を付けていてそれをアピールしているという事は匂いを嗅いでくれって意味だ。自分でなにをアピールしているのか、そして自分がなにをしてほしいのか?大方ラブコメ漫画や柔軟剤のCMでよくあるあの香りは!的なのを期待していたんだがそれをするには匂いを嗅がなくちゃいけねえ。オレはクンカーの趣味はねえぞ。

 

「ちょっと2mぐらい……いや、でもサトシになら」

 

「自爆したいのか誤爆したいのかどっちだ……まぁ、いい」

 

クンカーしてほしいと中々の爆弾発言をしようとしているセレナに呆れながらもタマムシジムに辿り着いた。

見た目がドーム状の植物園だがポケモンジムの看板が立てられている。タマムシジムの看板もあったのだがなんか……覗いてるおっさんがいる。

 

「いや〜……タマムシジムはええのう!ピチピチギャルが多くてたまらんわい」

 

今時ピチピチギャルなんて使うやついねえだろう。

アレに関わってはいけないし関わりたくはないのだと無視してジムの中に入って受付にジム戦にやって来たのだと言えばジムリーダーのエリカが生け花中でもう少しで終わると教えてくれる。

 

「わぁ、綺麗!」

 

「……綺麗、なのか?」

 

「ポケモンにああやって衣装を着せるだなんて見たことがないわ!!」

 

「あらあら、それは光栄ですわ」

 

ポケモンもといナゾノクサで生け花をしているエリカを見て目を輝かせるセレナ。

ああいうのは女の子の憧れなのも分かるがナゾノクサで生け花をしているのがまたなんとも言えない微妙なところで心が動かない。

セレナは心が動いていると生け花を終えたエリカが嬉しそうに微笑んでこちらに向かってやって来る。

 

「『くさ』タイプのポケモンをお持ちでしたら、よければ伝授致しましょうか?」

 

「あ……『くさ』タイプのポケモンを持ってません」

 

「まぁ、それは残念でございます……こう言った花びやかな物は奥深いものですが、楽しいですわ」

 

「他にも色々あるんですね!」

 

「ふふふ、中にはポケウッドで使われた物もあるのでございますわ」

 

「ポケウッド?」

 

「映画の聖地、様々な名作が生み出された伝説の撮影所でございます……もしイッシュ地方を旅する事があれば見ておいて損はないでございますわ」

 

「ポケウッドね……」

 

セレナ的には面白いところだろうが、オレからすればそこまでだ。

映画は好きか嫌いかで言えば好きな方だがポケウッドの映画は金がかかっているが故にくだらない物が多い。

名作と呼べる作品、バック・トゥ・ザ・セレビィとかは面白いが四天王はつらいよとかはイマイチだ。1回売れた映画をリメイクしたり女性版とか作ったりしてコケたりでな。

 

「映画撮影か……サトシはどういうのを?」

 

「失ったキーのみ 史上最悪の二日混乱とか」

 

「また随分とコメディな映画が好きなのですわね」

 

「法則性が読める話よりもコメディの方が好きだ」

 

史上最悪の二日混乱は面白いぞ。確実にハングオーバーのパロディな映画だが、普通に笑える。

混乱に任せた勢いであんな事になるという爆笑話だ……後は純粋に特撮好きだな。平成ライダーを見終えてからのオーマジオウを見たら如何にしてオーマジオウがチートなのか思い知らされる。ああいうのを見ると本格的な公式設定集が売ってないのかが気になる。

 

「っと、無駄話はここまでだ……」

 

「そうですわね……では」

 

「これよりタマムシジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみ可能です!」

 

「先ずは小手調べ、モンジャラ!」

 

「いけ、ヒトカゲ!」

 

「カゲ!」

 

モンジャラを出してきたのでヒトカゲで挑む。

対人戦は色々としているがジム戦は今回が初なので緊張しているかと思ったがそうでもない。ヒトカゲはやる気に満ちている。

 

「ヒトカゲ『げんしのちから』だ!」

 

「モンジャラ『つるのむち』で弾くのよ!」

 

試合が開始したので早速動く。

岩を出現させモンジャラに向かって飛ばしていくのだがモンジャラは無数の触手を出して岩を弾く。それと同時にヒトカゲが赤色のオーラを身に纏う。『げんしのちから』の追加効果である能力値の上昇に成功した。

 

「モンジャラ『グラスフィールド』」

 

「ヒトカゲ『かえんほうしゃ』だ」

 

地面に緑を生い茂らせるモンジャラ。ヒトカゲは『かえんほうしゃ』を放てばモンジャラに命中したがモンジャラは倒れない。

『げんしのちから』の上昇込みで『かえんほうしゃ』で倒れない……特殊防御は低いが『ほのお』攻撃はしてくるのだと読まれているか。だが、確実なダメージを受けている。前に出会ったサンドみたいに水を克服したとかそういうんじゃない。

 

「モンジャラ『げんしのちから』」

 

「ヒトカゲ『でんこうせっか』だ」

 

『げんしのちから』を使ってこようとする。

流石にそれの対策はしているかと『げんしのちから』を撃つ前に『でんこうせっか』で突き飛ばし

 

「『かえんほうしゃ』だ」

 

『かえんほうしゃ』で一気に焼く。

モンジャラは今度は立ち上がることはなく戦闘不能の判定をもらうが……『グラスフィールド』が貼られたのは痛いな。

 

「お次はこの子ですわ!」

 

「ドン」

 

「ウツドンか……ヒトカゲ『かえんほうしゃ』だ」

 

「ウツドン『グラススライダー』ですわ!」

 

やっぱりそれが来たか。

ヒトカゲが『かえんほうしゃ』を放つ前にグラスフィールドを軽快に滑り『グラススライダー』を叩き込む。

『グラススライダー』は『くさ』タイプの技だからヒトカゲは耐えることが出来た…………最後のポケモンは何なのかは大凡の見当はつく。

 

「ウツドン『クリアスモッグ』」

 

「ヒトカゲ、地面に向かって『かえんほうしゃ』だ!」

 

向こうがヒトカゲが厄介なのは分かりきっている。

モンジャラの『げんしのちから』みたいに対策する事が出来る技を持っていないので先ずはと『クリアスモッグ』でヒトカゲのランクをもとに戻す。透明な煙だから回避は不可能、厄介なのは『グラスフィールド』だと地面に向かって『かえんほうしゃ』を撃ってもらえば引火してフィールドは焼き尽くされる。

 

「まぁ『グラスフィールド』を焼き尽くすだなんて」

 

「フィールドを利用する戦法は十八番なんでな……戻れ」

 

「もう戻すのでございますか?」

 

「ヒトカゲは終盤まで取っておきたい。いけ、オコリザル」

 

「ブギャア!」

 

厄介な『グラスフィールド』状態を解除する事が出来た……この感じだと全てのポケモンに『グラスフィールド』を覚えさせてる可能性が高い。だからこそ、オコリザルでいく。

 

「フィールドをもとに戻したと思いですか?ウツドン『グラスフィールド』ですわ!」

 

「クククッ……甘いな。オコリザル『アンコール』だ!」

 

「なっ!?」

 

「それがねえと困るんだろう?」

 

再び『グラスフィールド』を展開するウツドン。

それは読めていた。自分の得意なフィールドで倒す、『グラスフィールド』を『かえんほうしゃ』で焼いてコレで厄介な『グラスフィールド』状態は消えた。そこで普通は心のゆとりを持つが、そうさせないようにと『グラスフィールド』をもう1度展開する。厄介な『グラスフィールド』が再び出てきてしまったのだと心が揺らぐだろうが、そこを利用させてもらう。

 

「っ…………」

 

「オコリザル『ほのおのパンチ』連発だ」

 

『アンコール』状態のウツドンは『グラスフィールド』しか使えない。

ジムリーダーはポケモンの交代は禁止、ルネジムでやったモンスターボールに戻してもう1度出すなんて技は反則なのでやってはいけない。『アンコール』状態が切れることを祈るしかないのだがそれよりも前にオコリザルは拳に炎を纏わせて『ほのおのパンチ』を連打し、ウツドンを戦闘不能にした。

 

「お見事……力自慢のオコリザルに『アンコール』を覚えさせているだなんて」

 

「真正面から切り込むだけがポケモンバトルじゃねえよ……この手の技は使い所を誤ればやらかすが、あんたは『グラスフィールド』状態を維持したがる……『くさ』タイプのエキスパートならば尚更な」

 

「ふふふ……でしたらこの子はどうでしょうか?いけ、クサイハナ!」

 

「ハナ……」

 

『グラスフィールド』状態にしてからのバトル、『くさ』タイプはメジャーなタイプが弱点だから自分にとって得意な土俵で戦う。

グラスメイカーゴリランダーが典型的なそれだ。開幕『グラススライダー』で攻めてくる、やる前にやれだ。

 

「最後のポケモンはクサイハナ、サトシはまだ3体も残してるから今回、もぉっ!?」

 

「ブギャアア!?」

 

「うふふ、いい匂いでしょう?」

 

最後のポケモンはクサイハナで勝てるとセレナが確信したが鼻を摘んだ。

クサイハナはその名の通り臭い花、尋常じゃないほどに臭い匂いが漂ってきてオコリザルは悲鳴を上げる。

セレナも臭いのだと涙目になっている。

 

「こんな匂いなのによく平気だな」

 

「クサイハナが臭いと感じるのは貴方達だけ、ホントに心を開いた者にはいい香りで香料の原材料にもなってますわ……………匂わないのですか?」

 

「鼻じゃなくて口だけの呼吸に切り替えているだけだ……」

 

その気になれば30分ぐらいなら呼吸は止めれるが今回は技の指示をしねえと。

オコリザルは……臭さに苦しんでいる。口だけの呼吸にしろと言っても即席で出来る芸当じゃない。

 

「オコリザル、振り切れ。『あばれる』攻撃だ」

 

こうなればやれることは限られている。こういう盤外戦術はホントに困ったもんだ。

オコリザルに『あばれる』を指示する。頭を一気に振り切らせる、理性を無くして攻撃すれば匂いを気にすることはない

 

「無駄ですわ!クサイハナ『あまいかおり』」

 

「ハナァ〜」

 

「ブ……」

 

「この甘い香りは本能を擽るもの!理性を失ったとしてもこの匂いに抗えないですわ!クサイハナ『ムーンフォース』」

 

「ハナァ!!」

 

光を集めて三日月型のビームを放つクサイハナ。

オコリザルに命中してオコリザルはオレの前まで吹き飛ばされて戦闘不能になった。

 

「オコリザル、戦闘不能!」

 

「戻れ」

 

「物凄い臭さと甘い匂いの2つを使ってくるだなんて……匂いをどうにかしなきゃ……」

 

理性ある攻撃は悪臭の前では上手く使えず、臭さを無視する理性を振り切った攻撃は『あまいかおり』で頭を刺激する。

この匂いを利用した戦法は確かに恐ろしいものだ。『ムーンフォース』をぶつけやすいのもある……

 

「いけ、ヒトカゲ」

 

「カゲ!……カゲェ!?」

 

再びヒトカゲを出せば元気よく出てくるが直ぐにヒトカゲは鼻を押さえる。

クサイハナの悪臭が酷いのだと苦しんでおりオレに助けての視線を送ってくる……ゲンガーを出しての『こごえるかぜ』で匂いを誤魔化す戦法はあるが、この戦法も使える筈だ。

 

「ヒトカゲ、フィールドに向かって『かえんほうしゃ』だ!」

 

「何度やっても無駄ですわ!『グラスフィールド』」

 

草が生い茂る『グラスフィールド』状態のフィールドを『かえんほうしゃ』で焼き尽くす。

当然だがクサイハナも『グラスフィールド』を覚えているのだと焼けた後から草を生やしてくる。

 

「もう1度『かえんほうしゃ』だ!」

 

「サトシが自棄に…………」

 

もう1度『かえんほうしゃ』を放ち『グラスフィールド』を焼き尽くす。

オレが自棄になってしまったのかと心配そうに見つめてくるセレナだがオレは諦めはしていない。

 

「なにを狙っているかは知りませんが、このままではなにも出来ませんわよ!」

 

「クククッ…………あんたは耐性が付いているから逆に気付かないか。ヒトカゲ、クサイハナに向かって『かえんほうしゃ』だ」

 

「カゲ!!」

 

「……どうしてクサイハナに攻撃が……『グラスフィールド』の草を焼き尽くすことで無理矢理匂いを……いえ、『グラスフィールド』の草は香草でなく芝生で燃やしてもなにも匂いは」

 

「んな事が出来るかよ……熱い空気は何処に向かう?」

 

「まさか、上昇気流!?」

 

一か八かの博打だったが、成功してくれた。ヒトカゲが『かえんほうしゃ』でフィールドを熱くした事で空気が上昇している。

ドーム状の建物だからチンタラしていられないがこの物理的に熱いバトルフィールドはヒトカゲを有利に戦わせてくれる。

 

「ヒトカゲ、とどめの『かえんほうしゃ』だ」

 

「カァアアゲエエエエ!!」

 

常に匂いを垂れ流して部屋が冷えたりすれば元に戻る。

時間を無駄に消費するわけにはいかないと『かえんほうしゃ』をクサイハナに命中させればクサイハナは倒れて悪臭が完全に消え去った。

 

「クサイハナ、戦闘不能!ヒトカゲの勝ち!よって勝者、チャレンジャーのマサラタウンのサトシ!」

 

「ふぅ……やっと鼻で呼吸が出来るぜ」

 

クサイハナを無事に倒し、ジム戦に勝利した。

コレが無理だったらゲンガーに交代して『こごえるかぜ』で空気を操る戦いをしていた……ヒトカゲに経験値を積ませたいし、マサラタウンのサトシの様に限界ギリギリのバトルでなんとか勝利してのジムバッジはあんまり好みじゃねえから余裕を持っての勝利が出来て良かったぜ。

 

「お見事です……コレがタマムシジムを制した証、レインボーバッジですわ」

 

5つ目のジムバッジを無事にゲットすることが出来た。

オコリザルの『あばれる』攻撃でクサイハナを倒せるのだと思ったが『あまいかおり』でやられるのは予想外だ……ポケモンバトルは奥がホントに深い。だからこそ面白いな。

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