闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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ロトムと羊羹

 

ミオシティに辿り着いた……が、ミオシティのジムリーダーのトウガンが居ない。

炭鉱に出張に行っている……シンオウのジムリーダーはジムを不在にさせる事が多いなと思う。いや、ジムリーダーだから絶対にジムに居ろとは言わねえけどよ。

 

「また一旦ストップか……こうもペースが乱れればなんとも言えんな」

 

「そうだな、今までは割とすんなりだったからな」

 

ジムに向かえばジムリーダーが待ち構えてくれていてジム戦を引き受けてくれる。

ルカリオがまた一旦ストップな事について言えば今までこういうのは無かっただけに違和感を感じる。

いや、こうなるのが分かってる。原作に登場しないジムに行くってのもアリだ……特に今回はホウエンの頃と違ってグランドフェスティバルとかがない。多分だけどそれなりに余裕が生まれるだろう……でも、既にホウエン以前のポケモンのチェックとかしてるしやることがねえんだよな。

 

「この街の名物のもりのヨウカンでも食べに行かないか?」

 

「……まぁ、それでいいか」

 

ミオジムが閉まっている以上はなにも出来ない。

タケシがこの街の外れにある洋館で作られているもりのヨウカンを食べないかと提案をする。

戦い、ジム戦を前にして呑気に茶を飲んでるのもどうかと思うがそのもりのヨウカンに対して目当てのポケモンが居る。

街外れのホテル・森の洋館に向かった……が、閉まっていた。どういう事だとタケシが聞けば電線が切れたから少しの間工事中で閉館している。

 

「羊羹とやらはないのか?」

 

「ホテルにレシピがあるらしいが……オバケが出るとか」

 

「お、オバケ?」

 

「お前、今更なにをビビる?」

 

ここで羊羹が食べれる、羊羹の口になっていたルカリオ。

ホテルにレシピがあると言うがレシピは一種の知的財産なので簡単に盗んじゃいけねえ。

タケシがホテルにオバケが居ることを言えばセレナがビビるが……ドラえもん程とは言わねえがそれなりの冒険をしてきたって言うのになにを今更ビビる必要があるんだか。

 

「っは!……」

 

「開いたな」

 

ビビっているセレナに対して呆れていると森の洋館のドアが開いた。

中には誰も居ない……それなのにドアが開いた。コレは明らかにオレ達を誘っている。

セレナはどうして急にドアが開いたのだと怯えている

 

「ほら、握るぞ」

 

「う、うん」

 

色々とあったからオバケ程度にビビらないと思ったがセレナはビビっている。

怖いならば仕方ねえなと手を差し伸べる。セレナはオレの手を握った。セレナの手は震えていたがオレはしっかりと握る。もちろんセレナに痛みは感じさせない。

 

「……サトシはいい……」

 

オレが手を握れば満足そうにしているセレナ。

まさかとは思うけどもコレが目当てでビビっているフリを……いや、そんな芸達者な人間じゃねえか。

タケシがやれやれと呆れているがタケシはタケシでアザミと手を繋いでないプラトニックな関係性だ……プラトニックな関係性だ……いや?プラトニックか?

 

「このドアは開かない……う〜ん、どうやら既に開いているドアしか入れないみたいだな」

 

とりあえずホテル内を散策する、と言うことをしたいのだがパカッと開いているドア以外は開かなかった。

タケシは他のドアに入ることは出来ず、案内されている……まるで注文の多い料理店みたいな感じだな。今時の若い奴等、注文の多い料理店を知ってるかどうか知らねえけど。

 

「ここは厨房だな」

 

奥に進んでいけば本格的なホテルのレストランの厨房に辿り着いた。

前世を思い出す……朝から晩までヒーコラ言っていた……今となっては良い思い出になる……わけねえだろう。地獄だぞマジで。

タケシは厨房のテーブルに触れる。埃も油汚れも一切無い、厨房を完璧に綺麗にしている。漂白剤の嫌な匂いもしないので整備をしっかりとしている。

 

「サトシ、コレは……なにが書かれてるか分からないが」

 

「小豆に砂糖に寒天にって、羊羹のレシピじゃねえか」

 

ここに案内されたという事はと思っているとルカリオがテーブルの上に置かれているメモを見つける。

言葉は喋れるが文字を読むことが出来ないルカリオはなんなのかを聞いてきたのでメモを見れば羊羹のレシピだった。

名物になるほどに有名な羊羹のレシピを置いてるって……まぁ、羊羹の作り方は基本的に小豆を寒天で固めるだけで火の入れ具合とか素材にこだわりを持つ以外は特別な調理は浮かばねえ。

 

「流石に森のヨウカンが置いてある……って、都合の良い事は無いわよね」

 

「けど、コレは森のヨウカンのレシピだ……見た感じ素材に拘ってるが特別な調理は無いみたいだ」

 

羊羹のレシピを見てもしかしたらとなるセレナだが流石に都合の良い話は早々に無い。

タケシも森のヨウカンに関するレシピを見る。素材には拘りがあるが調理は特別じゃない。隠し包丁とか入れるとかそういうのは無い。

料理が出来るレベルの人ならば作ることが出来る羊羹、素材に拘っているのならば味はさぞ美味いのだろうと思っているとバタンと厨房の入口が閉まった。

 

「…………………さ、サトシ?」

 

「向こう側の要求はコイツ、っぽいな」

 

「森のヨウカンか……俺達でも作れるけど、肝心の材料はあるのか?」

 

急にバタンと入口が閉じたのでセレナは顔を青くする。

なにか法則性があると言うか目的がある……大事なレシピなのに不自然に置かれている森のヨウカンのメモ、コイツを作ってくれって言っているも同然だ。タケシは作るしかないなと受け入れるが材料があるのかとオレンジ色の冷蔵庫に触れる。

 

「お、小豆はあるな」

 

「黒糖も寒天粉もあるわ」

 

「水も火もつくぞ」

 

タケシは小豆を見つける。セレナは黒糖と寒天粉を見つける。ルカリオは水道とガスが通っているという……。

まぁ、小豆は分かる。黒糖と寒天粉も分かる……だが、ガスと水道が通ってるのはおかしいんじゃねえのか?電気工事中だよな?

 

「ま、たまには甘いものもいいか」

 

色々とツッコミたいことがあったが、帰れない。力技を使えば帰れるがそれは最終手段で。

小豆を煮込んで柔らかくしペースト状にして砂糖に混ぜたり寒天粉を混ぜたりする。

 

「よし、後は冷やすだけで完成だな」

 

素材が黒糖とか色々拘りがあるが調理自体は特別だ。

タケシは後は冷やすだけだと熱々の森のヨウカンが入っている容器を冷蔵庫に入れた。

 

「マカロンとかクッキーとか作ったことはあるけど、羊羹ってスゴく手間がかかるのね」

 

「まぁ、小豆からになると嫌でもそうなる。市販の既に出来ているあんこを買ってそれを寒天で冷やしてが普通で小豆からだとな……っと、冷やしている間の時間を無駄にすんなよ。この間に皿洗いだ」

 

洋菓子ならそこそこ作った経験はあるが、あんこははじめてなセレナ。

思った以上に手間がかかることについて言う。あんこ系に和菓子は専門店以外は、それこそ自宅で作るとかなら既に完成品のつぶあんやこしあんを使って作るケースが多い。あんこを作る段階で味に大きな差が生まれるのが和菓子だったりするんだが……今回はホテルで作ってる高級な森のヨウカン、素材も黒糖とかあずきも最高級品だったりするので味には期待出来る。

それよりも使った調理器具を片付けないといけねえ。料理は後片付けまでしっかりしてだ。

 

「…………………なにか、忘れてないか?」

 

「忘れてる?……ジム戦はジムリーダーが居ないから無理だし……なにかあるか?」

 

後片付けをしているとルカリオがなにかモヤモヤしていた。

タケシはミオシティに来た本来の目的、ミオジム戦はジムリーダーが居ないから出来ない……忘れている事はなにかあるのか?とタケシは聞き返すがルカリオはモヤッとしている。そしてそのモヤッとの正体に関して気付く。

 

「このホテル、今電気工事をしているのだろう……タケシ、なにで冷やしている?」

 

「なにって冷蔵庫……冷蔵庫!?」

 

「昔の冷蔵庫ならともかくホテルにあるのは最新の冷蔵庫!電気は当然必要だから」

 

「ロトトト!!」

 

タケシが自分が森のヨウカンを冷蔵庫に入れたことを思い出し冷蔵庫に入れてしまったと気付く。

今の冷蔵庫は電気は必需品、ホテルのものならば尚更だ。水道とガスは通っているのはまだ受け入れられるが冷蔵庫が動いているのはおかしい。セレナもその事について気付けば冷蔵庫がパカッと開いた。

 

「バゥッ!?」

 

「お、オバケ!?」

 

「いや……このポケモンはロトムだ」

 

パカッと冷蔵庫が開けば極寒の吹雪が飛んでくる。

いきなりの攻撃に吠えるルカリオ。セレナはやっぱりオバケが出てきたのだと怯えるがオレは冷静になる。

タケシが冷蔵庫だと思って使っていたのはフロストロトム……ロトム家電は割と見るがホントに食材とか入ってるのは始めてみる。

パカッと厨房のドアが開いたので出る。寒いから、冷風が飛んでこないところにまで避難すればセレナはポケモン図鑑を取り出す。

 

『ロトム、フロストロトムの姿 特殊なモーターで動く冷蔵庫に入っている。冷気を吐き出し戦う』

 

「フロストロトム?」

 

「ロトムは色々な姿がある……風が止んだな」

 

ロトムはロトムでもフロストロトムだったのでフロストロトムだと説明をされる。

フロストロトムってなに?となるセレナ。ロトムには色々な姿があると説明すれば風が止んだ。

なんだったんだと開いている厨房の入口を覗き込む……フロストロトムはタケシが中に入れた羊羹を冷やしている……冷たい風に晒してじゃない、雪が発生するレベルの冷気を飛ばしている。

 

「ロト!?」

 

「おいおい、それじゃダメだろう」

 

もりのヨウカンを食べたいフロストロトムだが食べられなかった。

羊羹は冷やして食べる物だが凍らせるものじゃない。ゆっくりじっくり時間をかけて冷やすものだ。

冷気をぶつけて時間短縮したらまた別の料理になる……あずきバー的なのにはならないだろうが。

 

「ロト……」

 

「このホテルにオバケが出るって話があったがお前だったのか……もりのヨウカンを食いたいのか?」

 

色々と手間がかかることをして、やりたいことはもりのヨウカンが食べたいフロストロトム。

食いたいのか聞けば頷くのでカチンコチンに冷やすんじゃなくてゆっくりと冷蔵して食べるものだとフロストロトムの中にもりのヨウカンを入れる。

 

「ゆっくりじっくり待つ……コレも大事だ」

 

「ロト……」

 

「ああ、見つけたぞ!!」

 

ロトムに待つことも大事だと思えばせっかちな奴、ジュンが現れた。

見つけたぞという事はオレを探していたという事……

 

「お前、なにしに来たんだ?トレーナーならジムに挑みに行けよ」

 

「ヘッヘーン!ここのジムバッジはとっくの昔にゲットしてんだ!それよりもよくもオレのバトルを見て行かなかったな!」

 

「お前、負けただろ?」

 

「うっ……なのでそのことを……でも、リベンジしてレリックバッジはしっかりとゲットしたぜ!」

 

あ、やっぱり負けたか。ジュンみたいなタイプはメリッサみたいなタイプと相性が悪い。

1回は負けたが2回目は無事にリベンジを果たした……1回で綺麗に勝つことが出来ねえのは情けねえな。

 

「サトシ!オレと勝負しろ」

 

「いいぞ」

 

「嫌とは言わせねえぜ!今ならミオジムがどんなジムなのかってバトルしてくれんのかよ!?」

 

「んだよ、お前からふっかけてきたバトルだろうが。なにが不満なんだ?」

 

「いや、不満って言うか……ああもう、なんか調子狂う!罰金ものだぜ!」

 

ジュンがバトルを挑んできたのでバトルを受ける。

断られると思ったが羊羹が冷えるまで時間があるし軽くポケモンを動かせるとバトルを受けるんだがジュンは調子が狂うという。

んなことを言われても、お前のせっかちなペースに合わせるわけねえだろう。ホテルに隣接しているバトルフィールドに向かう。

 

「使用ポケモンは1体のシングルバトルだ!オレは当然コイツだ!いけ!エンペルト!」

 

「ペェーン!!」

 

「……ルカリオ、頼むわ」

 

ジュンが出したのはエンペルトだった。

おそらくは最初に貰ったポッチャマがエンペルトになったものでレベルはそこそこ、とりあえずやるかとルカリオで挑む。

 

「ルカリオか!だったらコイツだ!『ドリルくちばし』」

 

「ェーン!」

 

ルカリオが『かくとう』タイプなのを知っているので『ドリルくちばし』で攻める。

素早さもパワーもある一定の基準を満たしている……地方リーグに出場しててもおかしくないレベルだ。

 

「ルカリオ、飛んで避けろ」

 

「バゥッ」

 

「エンペルト、追いかけろ!」

 

「ェーン、ペェ」

 

「なっ!?なんだよなんだよ、高すぎんだろ!?」

 

真正面から突撃してくるエンペルトの『ドリルくちばし』

ルカリオは飛んで回避するのだがエンペルトは追跡してくるがルカリオはエンペルトの遙か上空に居る。

ルカリオのジャンプ力をナメてもらったら困る。エンペルトの『ドリルくちばし』は届かなかった、空中をヘリコプターの様に飛べるわけもなくエンペルトは回転を止めた。

 

「『はどうだん』」

 

「バゥッ!」

 

今が狙いどころだと『はどうだん』をぶつける。

エンペルトに『はどうだん』が命中し、空中にいるエンペルトは地面に叩きつけられた。

 

「エ、エンペルトォオオオ!!」

 

「ェー……」

 

ルカリオの『はどうだん』をまともに受けたエンペルトは戦闘不能になった。

ジュンはエンペルトが大丈夫かどうか駆け寄る。ポケモンセンターに行かなきゃヤバいとかいうレベルの怪我じゃない、ポケモンバトルをしていたらついてもおかしくないレベルのダメージだ。

 

「ったく……もうちょい腕磨け」

 

「クソッ……こうてつじまで特訓だ!エンペルト!」

 

「その前にポケモンセンターに連れて行くんだ」

 

圧倒的な力の差で敗北し、強くなると決めるジュンだがタケシがその前にポケモンセンターにエンペルトを連れて行けと言う。

ジュンはエンペルトをモンスターボールに入れる。物凄く悔しそうに拳を握っておりさっきまでの自信がなんだったのかと思うがコレがジュンの実力、コレが現実だ。

 

「ジュンのエンペルト、強そうだったけど……」

 

「決して弱くはない。だが強くもない。なんとも言えない微妙なところだ」

 

エンペルトは強そうだったがあっさりとルカリオに倒された。

セレナは不思議そうにしているが戦ったルカリオはなんとも言えない微妙なラインの強さだった。

原作のサトシくんはあんな感じのトレーナー……なんか普通に嫌だな。

 

「ロトム、冷気を強めるなよ」

 

ジュンとのバトルの時間で羊羹を冷やそうと思ったが割とあっさりと終わっちまった。

調理器具を洗うとかも終えたしやることがない…………のでオレはここでモンスターボールを取り出す。

 

「もりのヨウカンを食ったらバトルだ」

 

シンオウ地方でゲットしたいポケモンの1体、この世界で近い将来物凄くこき使われるロトムだ。

なにロトムにするかは決めていねえが持っているだけで充分な武器になる。戦力になる。フロストロトム状態のロトムはモンスターボールを見る。数十分後キンキンに冷えたもりのヨウカンを一緒に食べ……フロストロトムはポケモンバトルをせずにそのままゲットされた。オレの事を気に入ってくれたのかどうかは不明だがロトムはモンスターボールの中に入ってくれた。

 

「さてと……なにロトムにするか……」

 

次のジムは『はがね』タイプのジム。

ヒートロトムにして『オーバーヒート』、ハガネールが来る可能性があるからウォシュロトにして『ハイドロポンプ』……スピンロトムは価値がない。

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