闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

210 / 234
ホントならば『ボルトチェンジ』とかも必要

 

「先に言っておくよ。事前に調べることが出来る情報通り、私は『こおり』タイプのポケモンを使う。『こおり』タイプのポケモンならばって色々と対策していると思うから……見せるね」

 

テニヌを終えた翌日、キッサキジムに集う。バトルフィールドにスズナとサトシが立って向かい合う。

スズナは自分が『こおり』タイプのエキスパートである事を認める、事前に集めることが出来る情報の中で『こおり』タイプの使い手なのを知ることが出来る。俺と一緒に旅をして大幅に成長した

 

「マンムー」

 

「ムォウ」

 

「ユキノオー」

 

「ォオオウ!」

 

「ガラル地方のヒヒダルマ」

 

「ダゥ」

 

「アローラ地方のキュウコン」

 

「コーン!」

 

「フロストロトム」

 

「ロトト!」

 

「そしてグレイシア」

 

「レイ!」

 

「先輩の手持ち……先輩の得意な『こおり』タイプとは言え大幅に変わってる!?」

 

マンムー、ユキノオー、グレイシア、ガラルヒヒダルマ、フロストロトム、アローラキュウコン、その6体をスズナは見せた。

ノゾミはスズナの事を詳しく知っている。『こおり』タイプの使い手、だが知っているのはユキノオーだけだった。その事について驚いているが……サトシは不満そうな顔をしている。

 

「ブリザポスは?」

 

「ブリザポス、フリーザー、レジアイスは今回は出さない……伝説のポケモンは強いけど毒でもある。使い続ければ依存しちゃう。普通のポケモンを伝説と呼ばれるポケモンと戦えるレベルに持っていく、それがポケモントレーナーの仕事。最初から強いポケモンが欲しいって思うんだったらマスターボールを集めて各地に居る伝説のポケモンと呼ばれるポケモンをゲットすれば良い、それだけで最強格のポケモントレーナーになれるけど……それってホントに強いトレーナーって言えるの?私の答えは強いトレーナーって言えない」

 

サトシはブリザポスが居ない事について言えば、伝説のポケモンは今回は頼らないと決めている。

ゲームならば強いポケモン程度の認識だがこの世界ではとにかく強い、だからそれが毒になる可能性がある。

伝説と呼ばれているポケモン自体をゲットしているポケモントレーナーが居ない。サトシとサトシに影響されたハルカとシゲルぐらい。公式がちゃんと用意したのはタクトぐらいでタクトはただの大人の事情の塊だ。

スズナは『こおり』タイプに特化したポケモントレーナーじゃない。『こおり』タイプに特化しているジムリーダーだ。ジムリーダーはただ強ければいいというわけじゃない。模範となるトレーナーじゃないといけない。

 

「トレーナーの中には最初から強いポケモンを求めるトレーナーが居る。それは悪いことなのか良いことなのかは永遠の問題だけど……ブリザポス、フリーザー、レジアイスが居なくても、この子達は強いよ!」

 

「オレとしてはその3体と戦いたいが……まぁ、そうじゃなくても充分に楽しめるか」

 

スズナがゲットしている3体の伝説のポケモン、そいつらが居なくても面白い試合が出来る。

サトシはボールを5つ空中に投げる。リザードン、コータス、ヘルガー、ゴウカザル、コノヨザル……そしてボールに入っていないルカリオ

 

「随分とビビった編成してきてるな」

 

「え……ビビった編成?」

 

「アレは何処からどう見てもスズナ対策をしているパーティ編成だろ?」

 

スズナに対しサトシがビビった戦術をしている。

その事について言えばセレナやタケシが何処がビビってるのか分かっていなかった。

 

「だからだ……なにかしらのコンセプトがあるパーティ、普段のパーティ、それとも違う。スズナの様な『こおり』タイプの使い手を徹底的にメタる事にのみ特化している。普段の編成じゃ勝てない、ピンポイントメタじゃなきゃ勝てないって言っている……サトシがだ」

 

「……確かに、言われてみればそうかも……弱点を突いたりする時はそれなりに見ているけれど、それでもその時の手持ちとかに応じて色々としてる。戦術で相性をフォローしていたわ。でも、今回に限っては徹底的に相性を優先している」

 

「それって普通の事じゃないの?弱点のタイプで攻めるのはポケモンバトルの基本でしょ?」

 

「ああ、基本だ……だが、弱点のタイプで攻めるだけで勝てる程にポケモンバトルは単純じゃない。だから弱点を突ける以外にもタイプ相性が普通な関係性のポケモンを出して臨機応変にバトルをする。ジム戦は1つのタイプに特化したジムリーダーと戦うが、ポケモンリーグではなにかに特化していると言うトレーナーよりも色々なタイプを持っているトレーナーが多い、そうなると相性も一応はあるが基礎的なスペックを上げる、技の精度を上げるの世界になる」

 

セレナがサトシがビビった戦術を取っていることについて言えばそうかもしれないと納得する。

ノゾミはポケモンバトルなんだから少しでも有利に立つようにバトルするのは基本だ、基本だがそれはジム戦でのことだ。

ちゃんとした大会、それこそポケモンリーグになれば様々なタイプを持ったトレーナーと戦う、そのポケモンとぶつかることが出来る時の運も大事だがもっと大事なのは基礎的なスペックを上げる、技の精度を上げる、そういう世界に入る。

 

「……サトシがとことん相性の上で有利、盤面の上で有利、そこまで徹底している……セレナ、シンオウ以前にここまで徹底していた事はあったか?」

 

「カントーを旅していた頃は……でも、ここまで徹底してなくて……何時もみたいにギリギリじゃなくて余力を残しての勝利が出来ない」

 

「まぁ、俺が教える前のスズナならリザードンとルカリオのどっちかだけでどうにかなったぞ」

 

シンオウのジムリーダーは手持ちが酷いと思われていてプラチナ版で物凄く修正される……と言うか第3世代以前のポケモンが第4世代で進化した系が多いから出すに出せなくてプラチナで出した……その結果がヒコザルを選ばない場合はポニータ一択とか言う悪夢だが。

 

「これより、キッサキジムジム戦を行います!使用ポケモンは6体のフルバトル!交代は両者可能です!」

 

「いけ、マンムー!」

 

「ムォウ!」

 

審判が試合を行うと言えばスズナは1体目、マンムーを出した。

 

「いけ、コノヨザル!」

 

「ブギャア!」

 

「……見たことが無いポケモンだね」

 

「アレはコノヨザル、オコリザルが更に進化したポケモン。『ゴースト』『かくとう』タイプのポケモンだ」

 

サトシが1体目に出したのはコノヨザルだった。

ノゾミが自身のポケモン図鑑を取り出すが載ってないので説明を入れる……何時ものように解説役だが悪くはない。

 

「試合開始!」

 

「マンムー、先ずは先手必勝!『こおりのつぶて』」

 

「コノヨザル『ビルドアップ』だ!」

 

試合開始の宣言がされれば『こおりのつぶて』をスズナは指示する。

先制技の『こおりのつぶて』、重量級だが思ったより素早さを持っているマンムー……

 

「初手でやらかしたな……」

 

「え、いきなりなの?」

 

「何処も悪いようには見えないんだが」

 

「コノヨザルには『ドレインパンチ』『ビルドアップ』『ふんどのこぶし』がある、見た目に反して短期決戦じゃなくて持久戦が出来る。特に厄介なのは『ふんどのこぶし』攻撃を受け続けて最大にまで高まった『ふんどのこぶし』は『ゴースト』タイプのZワザ『むげんあんやへのいざない』を余裕で上回る」

 

『こおりのつぶて』は威力が高くない、マンムーの持つ圧倒的なパワーを考慮してもコノヨザルを確実に倒せない。

そしてサトシは初手に『ビルドアップ』を使ってくる……マンムーは見た目通り物理型のポケモン、『ビルドアップ』で攻撃と防御を底上げしてからの『ドレインパンチ』からの『ふんどのこぶし』はまずい。

 

「コノヨザル『ビルドアップ』だ!」

 

「マンムー『つららばり』で『ビルドアップ』を乱して!」

 

呼吸を整えて筋肉に力を入れる『ビルドアップ』

1回目の『こおりのつぶて』で思っていたよりもダメージが入っておらずそれを『ビルドアップ』のおかげだとスズナは読む。

その認識は間違いじゃねえ。だから『ビルドアップ』を上手く使えないようにする『つららばり』を使うがそれは1番の悪手……

 

「じゃないんだよな」

 

「ブギォ!?」

 

「クククッ……まぁ、そんな初歩的なミスは犯さねえよな」

 

コレが素人ならばミスを犯すだろうが、スズナは俺がしっかりと教えて鍛えているんだ。

『こおり』タイプの使い手として強くなるだけでなく、それで戦えるように知識をしっかりと蓄えさせている。

スズナがマンムーに使わせた『つららばり』は通常の『つららばり』でなくサトシがよく使う複数回の技を一発に凝縮した『つららばり』だ。コノヨザルに命中すればコノヨザルは突き飛ばされる。サトシも初歩的なミスは犯さないのだと納得する。

 

「1回は積めてこの感じで、2回目はどうするか……」

 

「スピードは見たところマンムーが絶対に追いつけない感じじゃない」

 

先ずは互いに知っている情報、持っている武器を用いて数手を交わした。

ここからは相手をどういう風に出し抜くのか、自分の持っている武器を最大限にまで扱うバトル。

見ていて思うのはこのバトルに関しては絶対にマサラタウンのサトシが出来ないバトル、直感的に動くだけのバトルじゃない、考えて動くバトルだ。

 

「先輩……こんな感じじゃないのに……」

 

「イケイケドンドンで勝てない相手、それがサトシだ」

 

俺が色々と教えたからパワーアップをしてて戦闘スタイルもしっかりと考えたりするスタイルにある。

深く考えずにイケイケドンドンは悪いとは言わない、流れに乗って戦うは勝負の世界では普通にある。でも、それは言い方を変えれば自らで流れを生み出せなかったり、流れに乗れなければ同格以上の相手に勝つことが出来ない、基礎的な部分が足りないと言っているも同然だ。それじゃあ勝つべくところで勝てない、どうでもいいところで負けてしまう。

 

「コノヨザル『アンコール』だ」

 

「……っ!」

 

「最後に使った技は『つららばり』だ。連撃タイプでも一撃タイプでも構わない。真正面からねじ伏せる!コノヨザル『ドレインパンチ』だ!」

 

「マンムー、一撃型の『つららばり』だよ!」

 

コレは上手いというかなんと言うか……『アンコール』を使ってきた。

ホビーアニメのお約束とも言うべきか脳筋思考に寄りがちな奴等が主流でこういう搦手に関して弱い奴はとことん弱い。

スズナがマンムーが『アンコール』を受けて『つららばり』しか撃てなくなった。マンムーには連撃の『つららばり』と一撃の『つららばり』がある。それを上手く使い分ければいいと普通ならば考えつくが、今回の相手は攻撃を何発も当て続けたらZワザ以上の攻撃を普通に使ってくるコノヨザルだ。一撃型の『つららばり』がコノヨザルに向かうがコノヨザルは左手の『ドレインパンチ』で『つららばり』を破壊する。そして右手の拳で『ドレインパンチ』を入れた。殴ると同時にマンムーからオーラが出現し、マンムーのオーラがコノヨザルに吸収される。

 

「『ふんどのこぶし』『ドレインパンチ』『ビルドアップ』そしてコノヨザルの種としての能力……無駄が無い」

 

ピンポイントで相性の利点で殴る以外に倒すのが意外と難しいのがコノヨザルだ。

下手に長期戦に持ち込めば負ける。『ドレインパンチ』警戒で『ゴースト』タイプを出しても『ふんどのこぶし』がある。

『フェアリー』タイプとかならばと思うのだが……う〜ん……割と無駄が無いんだよな。

 

「コノヨザル『ふんどのこぶし』だ」

 

既に『こおりのつぶて』と一撃型の『つららばり』を受けている。

『ふんどのこぶし』の威力は150,威力高いけど命中率が低かったり自傷したりステータスが大幅ダウン系の技クラスになった。

マンムーは体力が多いが物理防御力が物凄く秀でているわけではない……が、それでも耐えた。ユキメノコ辺りなら詰んでた……いや、違うか。

 

「コノヨザル『ふんどのこぶし』」

 

もう既に詰んでいる……攻撃そのものを当てたら後々厄介な事になるコノヨザルに『つららばり』しか当てられない。

技の応用性は幾らでもあるが威力150の『ふんどのこぶし』ならば一撃型の『つららばり』は破壊出来る。連撃型の『つららばり』はわざと受ける。そして『ドレインパンチ』を叩き込んで体力を回復する……割とクソゲーだ。

 

「マンムー、戦闘不能!コノヨザルの勝ち!」

 

「……」

 

サトシがバトルを、ジム戦をする光景をはじめて見るノゾミは驚いていた。

スズナのマンムーは明らかに強い、それなのにサトシは軽々と上回ったのを……コレがサトシ……ホントに強い。

スズナはモンスターボールを取り出しマンムーをボールに戻す……いきなり出鼻が挫かれた感じがするがだからといってスランプに陥る程にメンタルは弱くない。

 

「いけ、ロトム!」

 

「ロトト!」

 

スズナの2体目はフロストロトム……そうなると狙いが見えてくる。

この狙いはサトシならば余裕で気付くだろう……ただ、スズナはそれを分かっている。今回の対戦相手は今までとは別格なのを。

自分の戦術がバレている……分かっていても攻略出来ないクソゲーを押し付ければいいだけの話だ……

 

「クククッ……見ちまったもんな『アンコール』を」

 

サトシのコノヨザルは『アンコール』を覚えている。滅多なことでは使わないではなく普段使いしている。

コノヨザルをどうにかするには『おにび』がいいだろう……だが、『おにび』では敵を確実に倒せない……今回はジムリーダーも交代がありなルールだが手を悩んでいる。サトシは押すだけでなく引くことを知っている。コノヨザルの『ふんどのこぶし』はムカつくことに交代しても威力上昇のカウントが無くならないとかいう感じだ。

 

「ロトム『おにび』」

 

「……『アンコール』だ!」

 

「戻って!」

 

『アンコール』があると分かった上での『おにび』を使った。

コノヨザルは『やけど』状態になったが迷いなく『アンコール』を使う。

 

「今回、サトシがガチを要求したのに救われたな……」

 

ジムリーダーも交代がありなルール……コノヨザルに『おにび』を回避させる事に意識を割かせてからの『アンコール』で詰んでいた。

スズナはフロストロトムをボールに戻し、3体目のポケモン、ユキノオーを出した。

 

「ユキノオー『オーロラベール』」

 

「やっぱそう来るか」

 

「戻って!」

 

ユキノオーを出して『オーロラベール』を使った。そして直ぐにボールに戻した。

ユキノオーの特性によって『ゆき』状態になりユキノオーからポケモンを切り替えた。

 

「レイ!」

 

グレイシアに……

 

「……最強の盤面だな」

 

パオジアンとかを除けば『こおり』タイプの中でもトップクラスの特殊攻撃力を持っているグレイシア。

火力も充分で防御力も高く『こおり』タイプなので大抵のタイプに通りが良く……『みず』タイプの技も覚える。

しかし唯一の欠点、足が遅いがある。コータスの様な物凄い鈍足ではないが遅い方で……『こおり』タイプなので弱点の『ほのお』『かくとう』『はがね』『いわ』の4つのタイプのどれかを大抵のポケモンが覚える。

 

「あの状態のグレイシアはスゴくヤバいな」

 

「……『オーロラベール』と『ゆき』に加えてコノヨザルに『やけど』を負わせているから……」

 

「多分『ふんどのこぶし』をベースにした『むげんあんやへのいざない』でも倒せない」

 

サトシが最強の盤面だなと笑みを浮かべた。

あの状態のグレイシアはとにかくヤバいと言えばタケシが盤面を整理する。

『オーロラベール』でダメージ半減!『ゆき』状態で防御が1,5倍!『やけど』状態で物理攻撃半減!……グレイシアの足の遅さを消せた上で圧倒的な硬さを手に入れた。Zワザをぶつけても余裕で耐える……ここでスズナは特別ななにかをしたりはしない

 

「『ふぶき』」

 

グレイシアに『ふぶき』を指示した。

『ゆき』状態で必中の『ふぶき』……グレイシアの圧倒的な火力でコノヨザルをカチンコチンに凍らせ氷が砕け散ればコノヨザルは倒れた。

 

「コノヨザル、戦闘不能!グレイシアの勝ち!」

 

「……この理不尽は面白い」

 

「ロトム、ユキノオー、グレイシアで出来るコンボだよ」

 

審判がコノヨザルの戦闘不能の判定をくだす。

ロトムの『おにび』ユキノオーの『オーロラベール』と『ゆきふらし』からのグレイシアをぶつける。

この世界じゃメガストーン以外のアイテムを持たせる概念が無いからヤチェのみを食べるという考えはないが、それがあってもコレを耐えるのは難しい。

 

「……スゴく考えられたコンボだね。フロストロトムが『おにび』を使う、ユキノオーが特性で『ゆき』状態にして『オーロラベール』を使う。そしてグレイシアに任せる……少しの間だけど無敵の鉄壁が生まれる。その上で『ふぶき』を確定で押し付ける……」

 

「……そうか?」

 

ノゾミはこのコンボはスゴく考えられていると言うが俺はそうとは思わない。

天候パや氷統一パならばこの盤面は直ぐに想像する事が出来る筈だ……『だいもんじ』や『ハイドロポンプ』なんかの強力な技を全員に覚えさせている技統一パと違ってタイプ統一兼天候パを両立出来る『こおり』タイプならば簡単に出来るはずなんだがな。

どっちにしよう

  • でんきテラスタルヌケニン
  • メガリザードンX
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。