闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
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毟れるなら毟り取る倍プッシュだ
です
俺にとって兄貴は憧れの存在だった。
減らず口が多い俺に対して何事もなく接してくれていて尊敬していた。
「君のポケモンバトルを見せてもらった!綺麗に纏っているだけで君らしさが無いポケモンバトルだ!自分のポケモンバトルが出来ない者にバトルフロンティア最後の砦であるバトルピラミッドは攻略出来ん!」
そんな兄貴が負けた。過去に兄貴がポケモンリーグで負けたのを見たことがある。
シンオウの初心者用のポケモン、ナエトルを貰ってカントーのバトルフロンティアを巡っている兄貴の試合を見た。
兄貴はドラピオンを使った。ジンダイさんはレジロックを使った……相手が伝説級のポケモンでも兄貴は過去に何度か勝利した事がある。だからと思っていたけれど兄貴は大敗した。
まだ素人な俺でも分かる、兄貴は強いがジンダイさんはもっと強い。
兄貴が今まで危機的な状況でも勝利したのは見てきたがジンダイさんは軽々とそれを上回った……兄貴は兄貴のやり方で成長したけど、ここが限界だった。バトルフロンティアはポケモンリーグと違って時間制限は無い。だから再挑戦しようと思えば再挑戦することが出来る。兄貴はポケモンを改めて鍛え直すことをせず……トレーナーを引退した。
兄貴には兄貴のやり方がある。そのやり方でしっかりと上に上がってきた。
だがそれでも、下手なチャンピオンよりも強いピラミッドキングのジンダイさんに勝てなかった。そして兄貴は諦めた……それはつまり、兄貴のやり方じゃ限界がある、兄貴のやり方だと勝てないと言っているも同然だ。
だったら探すしかない。自分ならではのポケモンバトルを。
最初はカントーを巡るか、シンオウを巡るか悩んでいたがあえてどちらも巡らずにホウエン地方を巡った。
ポケモンの鍛え方はしっかりと知っている、家が育て屋だからポケモンの鍛え方は普通の人よりも知っていると思っている。最初に貰ったナエトルを鍛え、ポケモンをゲットしていったが……大半は特訓についてこれなかった。
俺は本気で上を目指している、一番になりたいと思っている。
何度か色々と言ったが無理だった。ポケモン達は特訓することそのものに怯えてしまった……だが、一部のポケモン達はそれでもついてきた。俺の出している厳しい特訓についてくることが出来た。そいつらはジム戦でキッチリと成果を残した。ついてこれなかった奴は使えない、俺はそう判断し逃がすことに決めた。
本気で上を目指す以上は努力よりも才能が大事だ。
努力すれば才能を上回れるなんて言葉はあるけれども、そんな事を言えるのは才能があって努力して成果を残した奴だから言えることだ。四天王やチャンピオンと呼ばれるトレーナー達の持っているポケモン達は才能に恵まれている。
だから切り捨てる……このやり方に対して文句を言うトレーナーはそれなりに居た。
だがそういう奴に限って俺には勝てなかった。ポケモンを思いやれだなんだ言ってきたが全くと言って勝てない口先だけの奴だ。そんな中でホウエンリーグ・サイユウ大会に出てベスト4になった。
優勝出来なかったことがとてつもなく悔しかった。
だが……年季の差、工夫をしても届かない時間の世界が存在しているのを知っている。まだ自分なりに色々と試行錯誤していると自覚している。過去を悔やむのも大事だが前を見るのも大事だ……そう思っていたが、予想外の事が起きた。
ポケモンリーグ協会の本部があるセキエイ高原で開催されるポケモンリーグ・セキエイ大会、俺と同じ年にポケモンを貰った奴が優勝した。そのトレーナーの名前はサトシ……俺が出来なかった優勝を成し遂げた。対戦相手のジョーイさんが伝説のポケモンを使ってきたがそれを倒した。
そいつがどうなるのか気になった。チャンピオンリーグでいいところまで行ったが体調不良で負けた。
神童だなんだと言われていても上の奴等には通じないものなのかと悩みながらも今度はジョウトリーグに挑み……当たった……マサラタウンのサトシに。クククッと笑い勝負を楽しんでいる……勝つと分かっているから楽しんでるんじゃない。勝つか負けるか分からない、負ければ全てが終わるジョウトリーグ・シロガネ大会で奴と当たり、負けた。
これがポケモンリーグを優勝した経験があるトレーナーかと思ったら決勝戦、ライバルらしいシゲルと言うトレーナーと戦った。
それを見て驚いた……明らかにレベルが違う。俺がしていたバトルはなんだったのか、ただ力任せのバトルじゃないのかと、互いに伝説のポケモンを持っていた。だがそんなの関係無いと他のポケモン達が凄く活躍し考えられていた。どっちが勝ってもおかしくないバトルだった。
俺は知らない間に天狗になっていた。次にどこのリーグに挑むのかを聞けば、今の俺じゃチャンピオンリーグは無理だと言われた。
そんな事があってたまるかと修行に時間を費やした。ポケモンリーグ・セキエイ大会に出場し決勝戦まで出た……相手はアローラ地方を代表するポケモン博士のククイ博士だ。1体、また1体と追い詰めていったがアローラ地方独自の文化、Zワザの前に敗れた。
Zワザさえ無ければ俺は勝つことが出来ていた……一時期はそう言い聞かせていたが、Zワザを手に入れる時間はあった。
俺が研鑽を怠ったから、だから負けたのだと受け入れるが胸の内でモヤモヤし故郷であるシンオウ地方でシンオウリーグに挑もうと思えばサトシに再会した。
バトルフロンティアに挑戦し突破した。
俺の中のモヤモヤが大きくなっていった。その時偶然にもムックルを探していた。いい個体のムックルはこの場に居ないと言えば目的のムックルがいる……ムックルに関する知識を特に苦しむこともなくペラペラと語った。
俺も俺で自分なりに勉強している。大抵のトレーナーは経験して学ぶが俺は自主的に学ぼうとしている。だから知識の面でも問題は無い。そう思っていたがそれを軽々と上回った。
俺の中のモヤモヤは焦りだった。
同世代でチャンピオンや四天王クラスのトレーナーとバチバチと戦うどころか倒しているサトシ、誰かが神域の天才と言っていた。
例年通りならば俺レベルが同年代で最強になる。でも、サトシはあまりにも別格過ぎた。一度戦ったからサトシとの実力差は分かる。
だが、ふざけるな。それで諦めろと諦める理由にはならない。
サトシのライバルであるシゲルは必死になってサトシに喰らいついた。
それでも勝てるのがサトシだがシゲルでもいけるのならば俺だっていける……サトシゲッコウガに対してコイツならばいける!そんなヒコザルをゲットし『もうか』をコントロール出来る特訓をしたが成果は出ずに諦めた。
そんなヒコザルを手放しサトシがゲットしゴウカザルにまで進化させ……使いこなした。
俺が何度試してもダメだった『もうか』を使いこなした。
「お預かりになったポケモンは元気になりました」
「ありがとうございます」
エイチ湖のポケモンセンターでポケモン達を回復してもらった。サトシとのフルバトル、サトシは本気で俺とバトルをしてくれた。
その結果、俺は大敗した。サトシのポケモンを1体も倒せず、俺が使えないと判断した異常な『もうか』をサトシは使いこなした。
「出てこい」
「ドゥ」
「…………」
エイチ湖の森の中でドダイトスを出した。
ドダイトスは俺が一番最初に貰ったナエトルが進化したポケモンだ……色々手持ちを入れ替えたりしているがドダイトスが一番レベルが高く……一番俺のやり方を知っている。最初からずっと見てきていた……
「俺は……間違っていたのか?」
「ドゥ?」
「俺なりのやり方を探し俺は切り捨てることをした。それなのにアイツは俺が切り捨てたポケモンを使って俺に勝った!……ポケモンじゃない、俺自身が無能だって言っているも同然だ!」
俺は俺が使えないと判断したヒコザルを手放した。見限ったのにサトシはしっかりと使いこなした。
それは俺のやり方以外のやり方で成功させることが出来るということ、俺のやり方が間違い無能だって言っている。
ドダイトスはしっかりと育てた。大事な場面で勝つべきところは勝っている。だが今回のフルバトル、最初にサトシはスイクンを出した。トリトドンを手持ちに入れているからトリトドンを出せばよかった。それなのにドダイトスを出した。『れいとうビーム』を覚えているのを知っているのにも関わらずだ。
俺に余裕が無いのは分かっている。焦っているのも分かっている。だがやり方が間違っているとは思えない。
「俺とサトシは……なにが違うんだ……」
「決まってんだろ、ポケモンバトルを楽しんでるか楽しんでないかだ」
なにが違うのかが分からない。
アイツだって優秀なポケモンをゲットしようとしているし過酷な特訓だってしている。それなのに埋められない差を感じる。
どれだけ答えを考えていても答えが見つからない。サトシというどうしようもない壁にぶち当たっていれば……アランが現れた。
「ポケモンバトルを楽しむだと……俺はポケモンバトルを……」
アランが楽しんでいるかどうかの違いを答えた。
でも、それは違うと言いたかったが……言えなかった……
「俺は……何時からだ…………」
ポケモンバトルは熱中することが出来るものだ。色々と真剣に考えることが出来るものだ。
でも、兄貴の姿を見てしまった。だから自分なりを探そうとしていた……だから、分からない。何時からポケモンバトルが楽しいとかそういう思いを感じなかったのを。仏頂面なのは分かっている。バトルに勝利して大きくガッツポーズを取った記憶は無い。
まぁまぁだ。これぐらいだ。慢心をしないように自分やポケモン達に対して言い聞かせてあった……燃えることはあった。でも楽しいと思えることは、嬉しいと思えることは……………
「…………サトシと俺の違いがポケモンバトルを楽しんでいるかどうかの違いなら……俺は……勝てない……」
「ああ、そうだな。それじゃあ勝てない。ポケモンバトルを愛しく思い切なく思い心強さに変えている愛しさと切なさと心強さを持っているサトシには勝てない……でも、お前にはお前が刻んだ時間がある。お前が歩んだ道がある」
サトシの様にポケモンバトルを真剣勝負を楽しむ、そんな事が出来るのかと聞かれれば無理だと感じた。
それが俺とサトシの間にある絶望的な差なのか?今回のフルバトルでサトシの背中が見えたと思ったが一瞬で遠くなった。
「ポケモンバトルに対する思いは人それぞれだ。お前は頑張った、頑張っている……だから俺は無責任に頑張れって酷い言葉は使わない。それを使えばお前は頑張ってないって言ってるも同然だから」
「ドゥ!ドダァ!」
「お前のやり方は酷い方だ……でも、本気で上を目指そうとしている。お前に足りないのが楽しむ思いでそれを満たす事が出来なくてもお前は死ぬ気で藻掻いてる……そして今、ポケモンと向き合った。お前ならではで行っているがホントにそれはお前だけだ。ポケモンと向き合う事をしていない、一人よがり、自分勝手なポケモンバトルだ」
「……ドゥ……」
「でも、そんなお前にもついてくるポケモンはしっかりといる。今、お前は向き合う事にした……」
「………ダメだ………それだけじゃダメだ」
今までのポケモンバトルが一人よがり、ポケモンと向き合おうとしないやり方だと言われた。
それに関しては納得した。俺なりの向き合い方でポケモン達と接することが出来る。それだけで胸の中のモヤモヤが取れかけた……多分、これだけじゃダメだ……俺の感覚がそう言っていて……俺はアランに頭を下げた。
「……なにをしてる?」
「頼む!……俺を、俺をお前の弟子にしてくれ!ポケモン達と向き合うだけじゃダメだ……サトシの背中が見えたと思ったが、直ぐに遠くに行った。見えなくなった。ポケモンとの向き合い方以外にも足りないものは沢山ある。それがなんなのか分からない。自分の中で必死に答えを探した。それでも分からない。言われないと気づけない……俺の考えが間違いじゃないなら……お前はサトシより強い」
キッサキジムに挑んだがあっさりと敗れた。
サトシがフルバトルで挑んだから俺もフルバトルで挑んだが『ゆき』状態で『オーロラベール』を纏ったグレイシアの必中『ふぶき』の前になにも出来なかった。レジアイスやフリーザーを前になにも出来なかった。
事前に掴んでいたキッサキジムの情報とは違う。ジムリーダーが修行に出ていると聞いたが明らかに異常なまでのレベルになっている。スズナの才能もあるだろうが……一番はアランが力を貸していることだ。
アランはダークライしか覚えない『ダークホール』をドーブルに覚えさせるという事をしている。
ドーブルと言うポケモンがほぼすべてのポケモンの技を使えるから専用技を多く覚えさせている……アランの真の力を見ていない、それでも俺が敵わない別格の強さを持っていてそれを人に伝授する事が出来る。ポケモンバトルに関するポケモン研究者で俺に足りない物を多く知っている。
「…………お前のやり方で成果は出ているだろ?」
「それなりの成果じゃダメだ……俺は……俺は兄貴を越えたい……サトシを倒したい……1番になりたい!」
なりたいんだ!ポケモントレーナーの1番に、頂点を極めたいんだ!
俺のやり方でそれなりに成果が出ていてもそれなりでもっと成果を出している奴を、サトシを倒し1番になりたい。
俺は心の底からそう思った。言葉にしたら心の中のモヤモヤしたものが無くなった……。
「…………俺の教え方でお前が強くなれるかは知らないけど……色々と悩んで苦しんで出した答えだ。だったら少しぐらいなら応える……俺のやり方で教える。それをしっかりと聞け。しっかりと学べ。しっかりと考えろ。しっかりと刻め」
「聞くのと学ぶのと考えるのは分かるが刻む?」
「なに、ポケモントレーナーでよくあるパターンだ。1歩ずつ成長していきたいがお前みたいに極端に強さを求める奴は一気にレベルを4とか5とか上げようとする。その為に通常よりも過酷な特訓をする……教科書を手に取りノートに必要事項を書いたりする事で刻む1がある。ジムリーダーや四天王なんかの強いトレーナーとの戦いで会得する4とかがある。大きさばかりを求め、ハードルを無理矢理上げすぎている。普通はその逆をしないといけない。なにかしらのイベントが起きることで手に入る4や5でなく細かな積み重ねの1が大事だ……自分が出来る様にならないといけない事を一歩ずつ刻んで歩くんだ」
「……ホントの最初の一歩が出来なかったら」
「なに言ってるんだ……そこに居るドダイトスがお前の歩き方でここまで来れたんだぞ?それはお前がお前なりの努力で成果を出したって証拠だ」
「!」
「教えれることは教えてやるよ……大抵の奴は点を取るところを評価するがそれじゃ勝てない」
俺はアランの弟子になった。アランは俺のダメだったところを教えるつもりだ。
これからサトシの背中を追いかけていく。なんとなく分かる……遠ざかっていたサトシの背中が再び見えてきたのが。
「倒す以外にも…………ん?」
「どうした……?」
「…………ほぉ……こりゃ面白い……」
俺の頭になにかついた。なんだと思い手にとってみれば羽根だった。
この辺りに羽根を持ったポケモンが居るのかと思っているとアランは笑みを浮かべた。どういう事だと思いながらも上を見る。
「キュォーン」
「っ、な!?」
「どうやらそいつはお前を認めたようだ……お前についていた垢が落ちた。お前は新しい一歩を歩む……ゲットされる為に来たんだろ?」
「そう、なのか?」
俺の目の前に現れたポケモン……伝説のポケモンの1体、クレセリアは頷いた。
俺がモンスターボールを取り出せばクレセリアはモンスターボールの開閉スイッチを押し……自らでゲットされた。
「伝説のポケモンは自らのトレーナーを求める時がある。サトシのスイクンがその一例。クレセリアは自分のトレーナーを求め……お前だと認めたんだ……」
お前自身が成長したって認めてやってきた。
アランはそう言いとりあえずはポケモンセンターに戻って手持ちが7体になったからどれかを送り返せと言った
毎月1日だけ公開状態にしたりします
どっちにしよう
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でんきテラスタルヌケニン
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メガリザードンX