闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「え〜っと……ダクマは『かくとう』タイプのポケモンでウーラオスってポケモンに進化するのね」
「なんだ知らないで選んだのか?」
タマムシシティを後にし、セキチクジムを目指す。道中立ち寄った街のポケモンセンターでセレナはダクマについて調べる。
ダクマについてなにも知らないで選んでいたみたいだ。セレナの持っているカロス地方のポケモン図鑑に対応しているポケモンじゃない……ポケモン図鑑のアップデートは何時頃に、もう最新のスマホロトムじゃダメなんだろうか。
「あの中でこの子が良いって決めて……サトシは即決だったわね」
「コイツが居てくれるなら色々と便利だ……ご丁寧に道具までくれたしな」
オレは景品のポケモンを選ぶのには手間取らなかった。
色違いのポケモンは興味無い、生息地不明なイーブイとかもあったがこのポケモンが居るならばと即決した。
カントーの残り3つのジム戦で使う機会があるかどうかが怪しいところだが、ちゃんと育てれば強いポケモンだ。レックウザやボルトロスみたいに最初から強いポケモンじゃないが、それでこそのトレーナーだろう。
「ダクマをゲットして順調なのはいいことだ。オレもまだ欲しいポケモンは居るが、なんだかんだで手持ちが6体になった…………そろそろやりたいことを見つけることが出来たか?」
「…………」
やりたいことを見つけることが出来たかどうかの確認をする。
セレナは旅で色々と見ている、ポケモンの醍醐味であるポケモンバトルは勿論のことポケモンブリーダーなんかも見ている。
トリマーになりたいとかの明確な目標が出来たかどうかを聞いてみる。後はセキチク、グレン、トキワだけだからあっという間とは言わないが直ぐに終わる。バッジを集め終えればポケモンの育成に集中したいからマサラタウンに帰省する。
「皆、一生懸命だった…………サトシは常に真剣勝負で、怯える事をしていなくてカッコよかったわ!」
「負けたら終わりで怯えてもなにも意味は無い。負けたら終わりならば死線を潜り抜ける覚悟が無ければ、ただ自滅するだけだ」
この前のポンジャンもポケモンバトルも常に真剣勝負で挑んでいる。
なにの迷いもなく倍プッシュも出来る……生というものを実感して尚も死の道へと挑むのが不条理で面白いんだ。
「サトシが真剣に注ぎ込んでるのを見れば……」
「オレと同じぐらいは難しいな」
オレの熱量を見て、オレぐらいに真剣にならなきゃいけないと思っている。
自分の意志でやると決めたからには真剣にやるのが極々普通のことだ。学校だから周りがやってるからと外に理由があり惰性にやっているのとは大きく異なる。セレナにポケモンコンテストでも勧めたいが、何故かポケモンコンテストが開催していない……ポケモントレーナーがメジャーでポケモンコーディネーターがマイナーな業種かと思ったが既にミクリとアダンは存在している。
「サトシ達が真剣にやっている事に生半可な気持ちで挑むのは失礼だし」
「いきなりの覚悟を決めろ、そういうのが無茶な部分もあるだろう……とにかくやってみようの思いを忘れたらいけねえ」
まぁ、無理にあれこれ手を出して中途半端な成績を残すことだけはいけねえ事だがな。
この世界で二刀流を成功している有名どころがアダンとミクリだけで他はポケモントレーナー一筋にしてたりする。
考古学者とかポケモンGメンとか女優とか色々とやっているがポケモントレーナーという職業1本に絞っている……そういえばダイゴは業種的になんだ?アイツ、なんの仕事してるんだ?御曹子は仕事じゃねえぞ。こち亀の中川的ポジションか?……分からんな。
「冒険をして色々と見てみたい、そこでなにか熱を上げるものを見つければいい……だが、今のところ見てたのは外の世界の過酷さだ。外の世界は厳しいことや危険なところが多い。ポケモンを鍛えておいては損は無い」
「ブギャア!」
「そうね……じゃあ、ダクマを鍛えましょう!!」
「クマ!」
オコリザルを出して最終的にはバトルしようぜに落ち着いた。
最終的にこのオチに向かうのが毎回の恒例行事になりつつあるがポケモンの育成はしておいて損は無い。
ポケモンセンターに隣接するバトルフィールドで向かい合うオコリザルとダクマ。
「ダクマ『いわくだき』よ!」
「オコリザル『ビルドアップ』だ」
ダクマは『いわくだき』で攻めてきた。
『ビルドアップ』で能力値を上げて攻撃を受けきるのだがオコリザルは青色のオーラを身に纏う。『いわくだき』の追加効果が発揮したんだろう。『いわくだき』は威力が低い技だからかオコリザルは全くと言ってダメージを受けていない。
「パワーが足りないなら『つるぎのまい』よ!」
「『ビルドアップ』だ」
『いわくだき』によるダメージが薄いのだと察して物理攻撃力を上げる。
こういうのを見せられればダクマは一撃か連撃かどっちかでいいのでとっととウーラオスに進化させなきゃいけねえのが分かる。
パワー不足とかじゃなくて純粋にウーラオスと言うポケモンがゲームバランスを崩している……特に連撃のウーラオスはな。
「ダクマ『いわくだき』よ!」
「『ビルドアップ』」
「『いわくだき』なら防御力を下げれるわ!」
「それだけが『ビルドアップ』じゃねえよ」
物理防御力を下げて攻撃も出来る『いわくだき』でダメージを与える。
『ビルドアップ』の効果はコレで無駄になったのだと言い切るがビルドアップの狙いはそこじゃない。
「オコリザル『ドレインパンチ』だ」
「ぶぎゃ!」
ダクマに拳を叩き込むとエネルギーの塊の様なものが抽出された。
エネルギーの塊は拳を離したオコリザルのもとに向かいオコリザルは『いわくだき』で受けたダメージを回復した。
「ダクマ『きあいだめ』よ!」
「ダァアアアアア」
呼吸を整えて集中するダクマ。
『ドレインパンチ』があるから一気に勝負を決めて勝つつもりだろう、相手の手が見えたら慌てるのはまだまだだ。
「ダクマ『つばめがえし』」
「ブギャア!?」
「ダァクマ!!」
「……隠してたな」
「ええ、見せたら警戒するでしょ?」
『つばめがえし』を今まで隠していた。
『つばめがえし』は必中技だが、それがあるのだと認識されれば色々と手を変えてくるのだと『つばめがえし』を隠していた。
ダクマは『つばめがえし』を覚えることが出来るポケモンでオコリザルに大ダメージを受けるがオコリザルは立ち上がり頭に血が上っており炎でも冷気でも雷でもない黒色の悍ましいオーラを纏った拳を作り上げた。
「やられたらやり返す……オコリザル『ふんどのこぶし』だ!」
「ブギャアア!!!!」
『ふんどのこぶし』を直ぐに覚える事が出来るだろうと予測していたが、ここまで直ぐに覚えるか。
怒りの黒いオーラを纏った拳でダクマを殴り飛ばせば一撃で戦闘不能になった。
「ダクマ、大丈夫?」
「クマぁ……」
「大丈夫みたいだな」
今のは痛かったのだセレナに寄りかかりながらも立ち上がるダクマ。
中々のガッツを見せてくれるが、この勝負はオレの勝ちだとオコリザルは飛び跳ねて喜んでいる。
「いいバトルだったわ……でも、やっぱり悔しいわね……この悔しさを次のバネにしましょう!」
「クマ!」
「あ、あのっ!」
「はい?」
「そのポケモン『かくとう』タイプのポケモンですか?」
「そうですけど……貴女は?」
「もしよろしければP−1グランプリに出て父を倒していただけないでしょうか!!」
ダクマに次があるのだとやる気を出させていると1人の女性が声をかけてきた。
急になんだろうとセレナが聞いてみれば、すぐ近くの壁に貼られているP−1グランプリのポスターを指差す。
「P−1グランプリ?」
「その名の通りポケモンワングランプリで『かくとう』タイプのポケモンのみが出れる『かくとう』タイプの祭典なんです……私の父がエビワラーで出ようとしているんですが、その父を倒してほしいんです!!」
「普通は応援する側に回るんじゃないの?」
「……父はP−1グランプリを目指して山籠りをしては家庭を蔑ろにして……P−1グランプリに優勝すればますます家庭を蔑ろにしてしまうから誰かに……お願いします!!」
「…………まぁ、ポケモンバトルの大会があるならそれはこっちとしては都合が良いんだがよ」
そういう感じに頼まれるとちょっと困るな。
セレナもどういう風に対応すればいいのか分かっておらずオレにどうしようと視線を送る。『かくとう』タイプのポケモンのみが出れる大会ならオコリザルを出してオコリザルの経験値と『ふんどのこぶし』の回数を重ねる事が出来る。オレにとっては役得な事だ。
「事情は分かりました……ダクマ、出てくれる?」
「クマ!」
『かくとう』タイプのポケモンのみが出れるとやる気を出すダクマ。
セレナとオレは早速P−1グランプリにエントリーをする……んだが、ロケット団を発見した。なにしてるんだと思えばサワムラー使いのコート姿の男を縛ってサワムラーを奪ってついでだからチャンピオンベルトも奪おうとしていた。
「おい、ここでなにをしている?」
「なんだかんだと聞かれた」
「ゲンガー『サイコキネシス』だ!」
「「「ぎゃああああ!!やな感じぃいいい」」」
ギャグ補正を持っている奴を相手にするのは嫌だから雑に倒す。こういう倒し方の方がギャグ補正を持っている奴を確実に倒せる。
ゲンガーの『サイコキネシス』で弾き飛ばされたロケット団、パンツ一丁になっているサワムラー使いのトレーナーを助けたのでリングに向かう。
「これよりエビワラーvsダクマの試合を行います!P−1グランプリは物理技のみ可能!『かえんほうしゃ』等の特殊技は禁止……バトル開始!」
「1回戦からアノキさん……マナミさんの為にも行くわよダクマ!」
「エビワラー、先ずは『れんぞくパンチ』だ!」
1回戦から目当ての相手であるアノキに当たるセレナ。
アノキの使うポケモンはエビワラー、先ずは軽い攻撃だと『れんぞくパンチ』を叩き込む。軽い攻撃なのでダクマは大したダメージを受けていない。
「中々にタフネスなポケモンだ。だったらコレはどうだ!『こうそくいどう』」
「ク、クマ」
「落ち着いて!エビワラーは殴りかかってくるからそこに隙が生まれるわ!」
『こうそくいどう』で撹乱してきて戸惑うダクマ。
今回のルールで特殊攻撃は禁止になっている。エビワラーは拳系の技で攻撃してくるのは確定だからそこを狙うしかない……
「エビワラー『マッハパンチ』だ」
『マッハパンチ』を除けばだ。
待ち構える体制に入るのだと読んでいたアノキはダクマに『マッハパンチ』を叩き込んで殴り飛ばすがダクマは立ち上がる。
今の『マッハパンチ』がかなり効いたのか息が大きく乱れているダクマ
「勝負は引き際も大事だ。そのポケモンをホントに思うならタオルを投げるんだ」
「っ……」
「クマ!!」
「ダクマ……そうね。こんな所で諦めたらサトシに笑われちゃうわ!」
こんな所で負けられないとダクマはタオルを投げてギブアップをするべきかと悩んでいたセレナを奮い立たせる。
掛け軸を見ていないからここでウーラオスに進化するという展開は無い……だが、セレナは諦めないと闘志を目に宿している。こういう熱いものを持っているやつとやるのは楽しいことだとアノキは知っている。ポケモンがトレーナーを、トレーナーがポケモンを奮い立たせる。
「ここから逆転するには……」
セレナは考える。ここからどうやって逆転するかを。
ダクマで殴り合いをしたとしても向こうには『マッハパンチ』がある。『はやてがえし』が使えないし下手に殴り合いに挑めばやられる。『つばめがえし』で攻めたとしても確実に倒せるという保証は何処にもない……安全な手を狙いに行って勝てたらそれはもうコンピューターゲームのポケモンバトルと同じ、確率や可能性だけの世界になる。そうじゃないのがポケモンバトルだ。
「コレで決める!エビワラー『きあいパンチ』だ!」
「大技で来た、それを貰ったわ!ダクマ『こらえる』よ!」
勝負を決めるのだと『きあいパンチ』で攻めようとするエビワラー。
大技で攻めてくると気付いたセレナはそれを利用するのだと『こらえる』を指示しエビワラーの渾身の『きあいパンチ』を耐えきった。
「なにぃ!?」
「『きしかいせい』よ!!」
ダクマの体力は限界ギリギリにまで追い詰められており、そこからの『きしかいせい』
『きしかいせい』で出すことが出来る威力の最大値を叩き出している渾身の『きしかいせい』を叩き込めばエビワラーは倒れ、ゴングが鳴った。
「勝者、ダクマ!!」
「やったわ!」
「クゥ……マァ……」
「ダクマ!?」
「それはホントにとっておきの戦法みたいだな」
ダクマの勝利に終わり、喜ぶセレナ。ダクマも自分が勝ったのだと喜ぼうとするのだがそれよりも前に意識を失った。
残り体力1の状態での『きしかいせい』は普通に危険すぎる事でダクマは残り体力1を残すのが難しくて試合に勝利したのだとホッとして緊張の糸が途切れて残ってた体力が0になった。サトシのニャヒートがガオガエンを倒しガオガエンに進化したのはいいが限界を迎えて戦闘不能になったのと似ている理屈だろう。
「見事だ……エビワラー、よくやった」
「エビィ……」
「父さん……」
「マナミ、すまなかったな……彼女が出たのは」
「分かってくれたらいいの。家を、家族を蔑ろにしないで」
「……よかったわね」
家族が無事に仲直りすることが出来て良かったのだとセレナは頷いている。
コレで良かったのだろうがそうだった場合、まだ試合をしていないオレの立場はどうなるのかと言いたいが流石に水を差す真似は出来ねえ。ダクマはもう戦闘不能なので2回戦に出ることは出来ず、最終的にはオレがオコリザルをコノヨザルに進化させて無双した。
『かくとう』『ゴースト』タイプだから『かくとう』タイプのポケモンに対して耐性を持っている上に『アクロバット』を覚えさせているのでコノヨザルの無双だった。
「君のコノヨザル、なんて強さだ。格闘の天才かもしれない!どうだ、預けてみないか?」
「……あんた、さっき家族を蔑ろにした云々を謝罪したのにまた熱を上げるのか?」
「あっ……」
「父さん……………」
コノヨザルで優勝したらアノキがコノヨザルをスカウトしてきた。
P−1グランプリに熱を上げてて娘のマナミさんを蔑ろにしているのついさっき謝ったのにも関わらずコノヨザルに目をつけてる。人間は何度も同じ過ちを侵すものだと教えられた。コレがオコリザル強制離脱イベントだったので断っておいたが、そろそろあのポケモンに出会う事が出来る筈だとコノヨザルをオーキド博士の研究所に送りつけた。