闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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シンオウリーグ・スズラン大会!決戦の刻!(その1)

 

『準決勝、2つとも見たよ……相変わらずというかなんというか』

 

「本気で上を目指しているくせに妥協した奴が悪い」

 

 シンオウリーグ・スズラン大会の決勝戦当日、俺は実家の育て屋に連絡を入れれば兄貴が出た。

 準決勝を2つも見た、1つは圧倒的な力の格差を見せつけた試合。もう1つは圧倒的な力を持った者同士での予測不可能な試合。

 俺の試合は見る人が見れば退屈な試合だが俺が悪いとは一切思っていない。本気で上を目指しているくせに妥協したジュンが悪い。ハッキリと言い切ってやれば兄貴は大きなため息を吐いた……。

 

『シンジ、帰ってきたらフルバトルをしよう……と言っても今のお前はもう俺よりも遥かに強くて勝ち筋が全く見えないんだがな』

 

「……トレーナーに復帰すればいいだろう。アランを紹介するぞ?」

 

 1人のポケモントレーナーとして兄貴は俺と戦いたいと思っている。俺も兄貴と戦って強さや力が何なのかを改めたいと思っていたからちょうどいいが兄貴は情けない事をいうのでアランを紹介するぞと勧めておく。

 

「特訓は物凄く厳しいがその分しっかりとしたリターンはある」

 

『いや……俺はポケモンバトルもいいがポケモンブリーダーとか、ポケモンを育成する仕事が性に合うみたいだ……シンジ、勝ってこい。お前達の世代は怪物世代でもありサトシ世代とも言われている。準決勝でサトシくんと当たったシゲルくんが例年ならば何年に1人の逸材で世代の頂点に立っている…………それをサトシくんが上回っている』

 

「……親父とおふくろに言っておいてくれ、トロフィーを持って帰ると」

 

 実家の育て屋に預けていたポケモンと既に手元に居るポケモン達、合計6体のポケモンが手元にある。

 その内1つはクラウンシティに居た色違いのエンテイ……マスターボールでゲットした当初は言うことを聞かなかったがクレセリアで倒し力を示した。クレセリアを含む残りの5体にも色々なことがあったものの、ここまで来た。

 

「アラン、3位決定戦を見に行かなくていいのか?スズナさんは見に行ってるぞ?」

 

「面白くもなんともない試合だし、その後に俺の出番だからな……俺はポケモン研究者だ」

 

「どうした急に」

 

 最後の最終調整と仕込みの手伝いをしてくれるアラン。アランは3位決定戦を見に行かないのかと思ったが俺の面倒を見てくれる。

 

「研究者の仕事はなにかを研究し解明しそれを何かしらの利益にすることだ……プラターヌ博士の研究テーマはメガシンカだが、俺個人の研究テーマはポケモンバトル学だ。俺は現場に出て色々とするのがしっくりと来るが、研究したデータを何時かは利益になる物に換算しないといけない」

 

「それが俺か……」

 

「まぁ、ざっくりと言えばそうなるな……はい!じゃあ、最後のスパート!100mダッシュ20本!」

 

 サトシに挑むための文字通り最後の仕込みを行う。

 

 ※

 

「……昨日の試合、ホントに危うかったな」

 

「その死線を潜り抜けた先にある快感こそが生を感じていると言えるだろ?」

 

決勝戦が間もなく行われる。セレナとタケシはシゲルvsジュンの3位決定戦を見に行っているがオレは行かなかった。

どう足掻いてもシゲルが勝利する……ジュンが悪いんじゃなくてシゲルが悪い……飛び級でチャンピオンリーグに出れるシステムが無いのがな。まぁ、シゲルクラスは余程じゃないとお目にかかれない。居たとしてもフロンティアブレーンや四天王なんかになっている。

アランがポケモンバトル学に通じているからそれを教科書か何かにしたら本を読んで実戦するタイプのトレーナーはバカみたいに強くなる……原作知識的に残りのネームドキャラで可能性があるのは1人、圧倒的な成長速度を持ったあのトレーナーだろう。

アランが溜め込んでるポケモンバトル学のレポートとかそういうのを何時かは放出するのか、それともアランがケイローンの様に特定の人物だけを弟子にとって丹精込めて育て上げるのか。

 

「うむ、たまらんのぅ!」

 

「タマランゼ会長……どうした?」

 

「いや〜今から起こる試合を想像すればもう胸がドッキドキバックバクなんじゃよ」

 

ルカリオ以外の5体のポケモンの最終メディカルチェック中で待っているとタマランゼ会長が声をかけてきた。

タマランゼ会長は1人のポケモンバトルが大好きな人間として30分後に起こる決勝戦、そしてその後にあるエキシビションマッチを想像すれば楽しくて楽しくて仕方がないのだろう。ウキウキしている。

 

「クククッ……まぁ、オレも楽しみではある……しかしよ、タマランゼ会長」

 

「なんじゃ?」

 

「前と後ろが少し詰まってる気がする、どうにかなんねえのか?」

 

今回のシンオウリーグ・スズラン大会はこの数年で1番レベルが高いと言われている。

ボジョレーヌーボーみたいによく分からない前年よりレベルが高いとか記録更新とかでなくホントのホントにレベルが高い。

シゲルとのバトルでこの数年で1番レベルが高いでなく、歴代で最もレベルが高い試合と換算されてるがオレとシゲルとシンジが底上げしてるだけだぞ。

 

「オレより1、2年先に早くポケモンを貰った奴が名を上げてない。オレより1、2年後にポケモンを貰った奴が名を上げてない」

 

「サトシくんが異常なだけ、ではなくシゲルくんがそこまで追いかけてきた。これから起こる試合がたまらん試合ならばシンジくんも。サトシくん、君達黄金世代通り越して下手したらキセキの世代なことは自覚してくれんかの?」

 

例年ならばコウヘイレベルが上位に君臨する、10年に1人の逸材、シゲルクラスが居るのならばシゲルが天才と持て囃されて堂々の頂点に居る。例年ならばだ。何事にも特例がある。

10年に1人の逸材レベルのトレーナーを育成出来るアランが10年に1人の逸材レベルのトレーナーを育成した。アドバイスを送った。最初からそれに近しい領域に足を踏み入れていた。

 

「とは言え、君が燃焼出来ないのは喜ばしくはないしトレーナーレベルの格差が酷いのもまた事実……何処かで自力で地方リーグに出れるレベルのトレーナーを集めて一ヶ月程の強化合宿でもするかの」

 

「じゃあ、アランにトレーニングメニューを組んでもらおう」

 

アランはポケモンバトル学のポケモン研究者だからな、トレーニングメニューは最適解最効率なもの。

多分1日トレーニングするだけでも確かなレベルアップを感じれるぐらいのメニューを開発出来るだろう。

アランの事を話題に出せばタマランゼ会長は少し困った顔をしてる……ああ、そうか。

 

「アランが1番ヤベえぞ……それをこの後に分からされる」

 

「期待しておいて損はない、か?……たまらんのぅ」

 

オレと違って何かしらの実績があるわけでもなんでもないアランにやや疑心を抱いている。

チャンピオンマスターのシロナの相手をするに相応しいのか、なんだったらオレやシンジと当てた方がいいんじゃねえのかと思っているがアランは強い。何処までが悪ふざけで何処からが素面なのかは分からないがなろうと思って【なった】オレでなく最初から【そうだった】アランは恐ろしい存在だ。まぁ、オレやシンジがああだこうだ言って無理にハードルは上げなくていい……と言うかだ、既にチャンピオンマスターのシロナの相手の時点でハードル上がりまくっている。

エキシビションがあって無名のアランが出たってことは周りからはアランはチャンピオンを盛り上げる添物の様な扱いなんだろう。日頃の行いが最低なので哀れとは思わない。

 

『さぁ、いよいよです!3位決定戦は皆様の思うような結果に終わったもののここからが本番!観客の皆様!視聴者の皆様!ウォーミングアップは済んだか!!』

 

否定する要素は無いが酷え言い草だな。決勝戦が遂に開幕する……ホントに、ホントに準決勝の相手がジュンじゃなくて良かった。

ジュンだった場合はこの状態には至れない。

 

「サトシ」

 

「ああ……視えている」

 

実況の人が色々と言っている中でスタジアムのバトルフィールドにルカリオと一緒に足を運ぶ。

最初はマサラタウンのサトシが出てきたぞ!と興奮の熱が冷めないのだがこのシンオウリーグ・スズラン大会に出ていた選手達は違和感に気付く。朝からずっとオレと一緒だったルカリオはオレの変化が何なのかが分かる。

 

「……大丈夫だ」

 

もうすぐ、もうすぐ決戦が始まるのはわかっているのだが不思議とオレは静かだった。

静か動かで言えば動なタイプかと思っていたのだが静だった、ただそれだけだった…………

 

『シンジ選手は?』

 

オレが出てきてバトルフィールドに立った。

次はシンジが出てくる番なのだが何故か出てこない……なにしてんだ?流石に巌流島の決闘みたいなことは出来ねえぞ。

 

「ゼェゼェ……すみません……遅れました」

 

『シンジ選手、入ってきた。しかし酷く疲れているぞ?何をしていたんだ!?』

 

巌流島の決闘みたいな事をしてくるのかと思っているとシンジが出てきた。

遅れたことを審判に謝罪するのだが汗だくで、何をしていたのかと疑問に思う。ウォーミングアップでアランと激闘を繰り広げていたとかならそのウォーミングアップで終わっている。クラウンエンテイやクレセリアは脅威的な存在だが手傷を負わされている状態であれば万全な状態でないのならば倒すことは容易い……シンジがそんなミスをするわけがない。そうなると何かしらの秘策を持ってきた。

 

「コォオオオ」

 

息が大きく乱れているシンジは呼吸を整える。

呼吸を整えるのはしてもらわないといけないことなのでわかるのだが……呼吸を整えた途端に、シンジの雰囲気が変わった。

研ぎ澄まされているのは前々からだったがこの時はそれを遥かに上回る、だがそれと同時に繊細さでなく荒々しさを感じる。

 

「クククッ……ルカリオ、感じるか?」

 

「……なにをどうしたらああなるのか……アランに聞きたいものだ」

 

「おそらくは仕組みは簡単だが再現がクソ難しい技術だろう」

 

ルカリオも呼吸を整えるシンジが一瞬にしてレベルが上がったことに気付いた。

なにをどうしたらそうなるのかと、仕組みが分からない。ヨガ的な呼吸で力を増幅させてるのだろうが、おそらくはオレには真似が出来ねえ技術だろう。

 

『向かい合うサトシ選手とシンジ選手!既に鋭い睨みあいの光線を出している』

 

「……っ、ぁ!?」

 

「ちょっと待った!!」

 

どちらが先にポケモンを出すかを決めるポケッチのコイントスを審判が早く言ってくれねえかと思ったが審判が萎縮し、シロナが割って入った。

 

 

 ※

 

「この試合の審判、私が務めるわ!!」

 

「アラン、これは……どうなってるんだい?」

 

遂に始まると決勝戦を楽しみにしているとチャンピオンのシロナが割って入った。

なにをするかと思ったら審判を務めると主張し、タマランゼ会長に審判をしていいのかの許可を取る。

あまりにも突然の出来事が起きているのでシゲルはなにが起こっているのかが分からない。シンジが遅れてやって来たと殆ど同時に席に座った俺になにが起きているのかを聞いた。

 

「まぁ、薄々勘づいているだろうがサトシは最高のコンディションだ」

 

「ああ、それは分かる……僕との試合で引き出したサトシの真の力が既に表に出ている」

 

「なら話は早い、シンジは最強のコンディションで挑ませている」

 

出場しているこれからも伸びしろがあるトレーナー達はサトシの雰囲気が別格なのを察している。

なんとなくの奴も居ればシゲルの様にハッキリと理解させられている奴も居る……まぁ、俺達しかそのレベルが居ないんだが。

そんなサトシを前にシンジを最強のコンディションにさせて引っ張ってきた。

 

「最強って、シンジは物凄く疲れてるわよ?」

 

「セレナ……アレが私を倒した時の最強のコンディションのシンジだよ。私が途中で無理って諦めたものでもある」

 

100mダッシュ×20本というプロのアスリートでも普通に悲鳴を上げるものをやってきた。

シンジは物凄く疲れているのだがスズナがあの状態のシンジこそが自分を倒した時の状態だと言う。

 

「まさか……あえて疲れさせることで、最も自然で最も効率の良い状態にしたのか?」

 

「惜しい……ポケモンバトルではそれは出来ない事だ」

 

アバン流の『地』の技、最適なフォームで最適な力で攻撃するタケシは考察した。

疲れさせることで最適介の力を発揮しやすくしているという考察は決して悪くはないし若干だが当たっている。

 

「これは作って会得したまではよかったが、トレーナーとしての選手生命を縮める可能性がかなり高くて早々に使えない技だ」

 

原作の様に準々決勝で当たらなくて良かった。準決勝でシゲルが代わりにサトシと戦ってくれて良かった。

作って会得したのはいいけど他人に伝授させていいのか分かりづらい、多分真っ当な指導者や医者には文句を言われる技だ。

 

「なにを、したんだい?」

 

「シンジをクタクタにさせて、アドレナリンを放出し大量のドーパミンを生み出した」

 

やってることは至ってシンプル、シンジを疲労困憊状態にさせた。

そうすることで体を活動モードに切り替え瞬発的な行動が出来るようになるアドレナリンを出させる。集中力を高めるドーパミンを作り出す。

 

「アドレナリンを放出し、ドーパミンを大量に生み出し呼吸を整え体中に行き渡らせる。過度に肉体に負荷をかけているから肉体的な疲労感がかなりキツいから最高のコンディションとは言えない。だが、最強のコンディションではある。まぁ、要するにマラソンランナーが限界を越えたらなんか逆に走るのが楽しくなった状態のポケモンバトルバージョンだ」

 

「待ってくれ、アラン。アドレナリンやドーパミンを無理に放出しコントロールなんてしたらそれこそ」

 

「教えていいかどうか怪しい技だし俺も使いたいとは思わないしスズナに伝授しようとしたら出来なかった……色々と注意はした。それでもシンジは会得し、もう後を考えなくていい決勝戦までやってきた」

 

もし準決勝や準々決勝ならばコレを使うなとハッキリと言って止めに入る。

1人の指導者として、1人のポケモントレーナーとして……アドレナリンやドーパミンを無理矢理に作り循環させ最強の状態になるのは下手すりゃドーパミンやアドレナリンの依存症になる。自分自身に殺気をぶつけて無理矢理防衛本能を上げる技もあったが、シンジはこっちがいいとこの技の会得を頑張った。

 

「身体にアドレナリンやドーパミンを循環させて息を整える呼吸を覚えたり、蓄積する疲労の度合いを間違えれば試合中にぶっ倒れるし試合が終わっても肉体的疲労で歩くのがやっとなんてのもありえる。ましては相手がサトシだから精神的疲労は酷くなるのは確実だろう……シンジに教えておいてなんだが危険な技だからオススメは出来ない」

 

「シンジとサトシ、2人が最強のコンディションなのは分かったけど……審判はどうしたの?」

 

なにがあったか分からないとセレナは困惑している。

 

「当てられたんだ、2人の威光に」

 

決勝戦戦うための一番のコンディションとメンバーを揃えたシンジとサトシ。

サトシが究極静技ならばシンジは究極動技を使いバトルフィールドに立ったが……その2人から放たれる威圧、いや、最早威光とも呼べるものに審判が当てられた。地方リーグを任されるレベルの審判じゃなくチャンピオン防衛戦とか四天王同士の戦いで何度も何度も審判を務めている審判じゃないとこの空気に飲み込まれる。

 

「あの状態の2人の審判か……審判で怖いと感じるのは生まれてはじめてかもしれない」

 

「私も」

 

ジムリーダー資格を持っているタケシとスズナは審判も出来る。

なんか自動車の免許取ったら原付乗れるようになると似たようなシステムなのか審判の資格も持っている。

ジムリーダーでもあり審判も出来る2人が、あの状態のあの魑魅魍魎か悪鬼羅刹か分からないバトルフィールドに立ちたくないと恐怖を感じている……確かなんかの競技は決勝戦とか最後の勝負にだけ出てくる審判が居るとは聞いたことはある。そのレベルの審判出さないといけなくて、多分だが出来るのは此処にいるやつだけ限定なら俺かシロナかタマランゼ会長ぐらいだろう。

 

『あ、タマランゼ会長から許可が降りました!皆様、なんとこの決勝戦!審判は何時もの審判でなくチャンピオンマスターのシロナが審判を務めます!!』

 

チャンピオンマスターのシロナが審判を務める、過去にそんな事例は存在しない。

それを申し出たシロナはこの後にある俺とのエキシビションマッチの為に最高のコンディションに、サトシとシンジのバトルで体を温めるつもりか。別にそれに関してはいいんだが、この後に出る俺の立場というかアウェイ感は酷いだろうな。

 

 

 コレが後にサブスクで最も高い5000円のプレミアムコースじゃないと見れない三大名勝負の1つとなる

どっちにしよう

  • でんきテラスタルヌケニン
  • メガリザードンX
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