闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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シンオウリーグ・スズラン大会!決戦の刻!(その5)

 

「戻れ……見えてきた」

 

「あ?」

 

「今、確かに感じている。一歩ずつ着実にお前の喉元に近付いているのを」

 

 獣性を取り戻したギャラドスをメガシンカさせてメガギャラドスにした。

 コレだけでもどのパーティ編成でもエースに相応しい力を持っているがそれでもサトシは倒した……入念に準備をしていても尚、サトシは越えてくる。

 

 だが……それでもだ……アランが刻んで行けと言っていた様に1歩、また1歩と着実に近付いているのを実感している。

 アランに弟子入りする前に見えていたが一瞬で遠くに行ってしまったサトシの背中に確実に追いつくどころか背中を刺せるところにまでやってきている。

 

「クククッ……今、どんな気分だ?」

 

「それはお前に勝ってから言う……じゃなきゃ意味は無いからな」

 

 今の俺の気分は最高だ……最上級の相手に対して最高に育て上げたポケモン達で互角以上に渡り合えている。

 アランに言われたポケモンバトルを楽しむ事についてだが、今の気分は最高以外に無い。だが、それを越えるには1つしかない。目の前にいる化け物を越えることだ。

 

「エレキブル、バトルスタンバイ!」

 

「レッブゥ!」

 

「やっぱそう来るか……んじゃ、戻れ」

 

 エレキブルを出せばサトシは少しため息を吐きながらも迷いなくゲッコウガを戻した。

 タイプ相性が不利とはいえ出来ることは沢山あるのに直ぐに戻すのは少し過敏になり過ぎじゃないのか?とどよめいている……アラン達は安定してる。

 

「まぁ、それが正しいだろうな……『でんじは』が当たったらもうサトシの負けが確定だからな」

 

「そうなのですか?」

 

「サトシの残りの2体はリザードンとゲッコウガで、どっちも強いけれど残す場合の優先度で言えばゲッコウガよ……別にリザードンが悪いってわけじゃないけれどゲッコウガが強すぎるのがあるわ」

 

 アランが頷いていてコウヘイに分かるようにセレナが説明している。

 コレはあくまでもアランから聞いた話だがサトシは相手がバランスが良かったり何かしらの偏りが無い場合を想定して3つのパーティを用意している。ゲッコウガがエースのパーティ、リザードンがエースのパーティ、ジュカインがエースのパーティ……アランが言うには3体ともメガシンカするポケモンで、その3体を軸にパーティ構築をしている。

 

 ただゲッコウガだけは少し例外だ。

 サトシのゲッコウガは通常のゲッコウガでなくサトシゲッコウガと言う特別な姿を持っていてそれはメガシンカに近いがカウントとしてはヒヒダルマのフォルムチェンジと同じ扱いで数えられている。その為にそこに好きなメガシンカの枠を入れることが出来る。

 

 そこに入れるのは高確率でリザードンだ……シゲル戦では意表を突いてゲッコウガとスイクンの同時投入をすると言うギャンブルに出たがリザードンをここで入れなければカードが足りない。こっちがメガシンカのカードを切っていて、向こうは一切メガシンカ無しで勝てるわけがない。アランに弟子入りする前までならばそれほどまでに絶望的な差があっただろうが今は違う。

 

「いけ、リザードン」

 

「グォウ!!」

 

 読み通り出てきたのはリザードンだった……だが、メガシンカはしない……ふん

 

「安心しろ。セルフ『でんきエンジン』はもう使わない……色々とコストが悪いからな」

 

 一手でもミスを犯せばその時点でおしまいの世界で、天候変化の特性は強いが使い所を誤れば負けに繋がる。

 以前、シゲルがやったセルフ『でんきエンジン』を真似したがアレは『あまごい』からの『かみなり』の2工程を挟む、いや、攻撃も加えるから素早さを上げるのにどうしても3手必要になり効率が悪い。仮にコイツがジバコイルならば喜ばしいがエレキブルは物理攻撃が主体だ。

 

「エレキブルに足りないのは機動力……ナエトルからドダイトス程じゃないがそれでも重さを増していてエレブーの頃の素早さが無い」

 

「そうだな……大事なのは一手、リザードン、メガシンカだ」

 

 俺がセルフ『でんきエンジン』コンボをしないと言えばサトシは迷いなくメガシンカを使う。

 セルフ『でんきエンジン』を使わないとは言っているが『あまごい』を使わないとは言っていない……っ!!

 

「しまった!」

 

「リザードン『ねっさのだいち』だ!」

 

「と、他の奴等なら言うだろうな。エレキブル『サイコキネシス』だ!」

 

「一瞬の間に物凄い殺し合いが発生しているわね」

 

 ここでとある事に気付いた……様に見せた。実際には気付いたがそれに気付いた事をサトシが気付いてると言う事に気付きそれに対して別の手をとなった。シロナさんが一瞬の間に無数にやり取りをしていると気付く。

 サトシのメガリザードンYは迷いなく『ねっさのだいち』を使ってくるが俺は迷いなく『サイコキネシス』を指示すれば……エレキブルは浮いた

 

「!?」

 

「驚いたか?安心しろ、俺もコレに関しても驚いている」

 

 リザードンの『ねっさのだいち』を放ったがエレキブルは空を飛んで避けた。

『でんじふゆう』でなく『サイコキネシス』での回避でサトシはほんの少し表情を変えた。流石のサトシもコレには驚いている……ただ俺もこの技術に関しては目から鱗だ。

 

「あまり俺はそういうのを読まないが、超能力者は空を飛べるんだろ?」

 

「……」

 

 エレキブルがやったことは至ってシンプルで『サイコキネシス』で自分自身を浮かして動かしている。

 俺はそういうのを読まないが超能力を使える人間は超能力を用いて体を浮かせて空を飛んでいる漫画が幾つかはある。それと同じ理屈でエレキブルを空に飛ばしている。

 

「コレでエレキブルの足りない機動力を補った!いや、立体的な機動力だからそれ以上だ!」

 

「諸刃の剣だろうに」

 

「微々たるものだ」

 

『エスパー』タイプの代名詞であり本来は攻撃に使う『サイコキネシス』で自らを動かしている。

 直接相手を殴ったり蹴ったりするわけではないが本来は出来ない動きや出せない速度で動いている為に体にダメージが入る。『サンダーダイブ』や『フレアドライブ』の様な反動ダメージが大きな物でなく『かんそうはだ』の特性のポケモンが『はれ』状態の時に受けるレベルの微々たるダメージだ。ただし目の前にいる相手はその微々たるダメージですら命取りだ。

 

「で、どうすんだ?……エレキブルはあくまでも『エスパー』タイプの高火力技の『サイコキネシス』を使えるのであって使いこなせるわけじゃねえ。『エスパー』タイプのポケモンだったら『サイコキネシス』を使いながらも他のなにかが出来るだろうが」

 

「エレキブルは近距離戦主体の『でんき』タイプだ!大事なのは間合いと速度、足りない機動力さえ補えばやれることは幾らでもある!」

 

『サイコキネシス』で飛び回ることでメガリザードンYに捕捉されない。

 サトシゲッコウガやスイクンが注目されがちだがこのメガリザードンYもかなりイカれている強さを持っている。

 

「リザードン、意識を浮かせろ」

 

「グォウ」

 

 エレキブルの『サイコキネシス』の機動力で『かえんほうしゃ』等の飛び用具を当てる余裕が無いメガリザードンY。

 慌てている中でサトシは意識を浮かせろと言う……この意識を浮かせろと言うのは心を無にしろと言うこと。ポケモンも人間も感情をトリガーにデータ以上の力を出すことが出来ると言うがあの考えは間違いだとアランは仮説を立てていた。

 

 感情をトリガーにデータ以上の力を出せる、データ以下の力になってしまう。それは今までの冒険でしっかりと見てきてその仮説は間違いだと言ったがアラン曰く力は何処まで行っても力で感情をトリガーにすれば強く出せるには出せるが良くも悪くも歪んでしまう。

 純度100%の力を引き出すには感情的になるのでなくその逆、心を無にする……余計な雑念等が消え、すべきことが見えて勝手に体が動く。

 

「リザードン『かえんほうしゃ』だ」

 

「グォウ」

 

「っ!」

 

 さっきまでどうやって『かえんほうしゃ』を当てるかと苦戦をしていたメガリザードンYだったがサトシに言われた事をすれば『サイコキネシス』で飛んでいるエレキブルに当てに来た。

 エレキブルには当たった……幸いと言えばいいかどうかは分からないが諸刃の剣状態になっているエレキブルにかけている『サイコキネシス』がメガリザードンYの『かえんほうしゃ』の一部のダメージを軽減してくれた。

 

「まったく……何処まで手札を隠しているんだ。こんなのはホウエンリーグじゃ見てないぞ」

 

「しゃあねえだろ。色々用意したけどホウエンリーグじゃ面白いの居なかったんだから……1回戦からお前レベルとやりあえる大会なんてねえんだからよ」

 

 こっちが高度な技術を使ってきたとしてもサトシはそれと同等かそれ以上の技術を平然と使ってくる。

 ホウエンリーグじゃ全くと言ってそんなものを見せていない、どれだけ手札を隠しているのかを言えば使うレベルの相手が居ないことを少し不満そうにする。

 

「エレキブル『でんじは』だ!」

 

「『かえんほうしゃ』の壁を出せ!」

 

「……流石に手は持っているか」

 

 エレキブルの『でんじは』を警戒してサトシはゲッコウガを戻したがそれは間違いじゃない。

 過去のデータからサトシのゲッコウガは全距離(オールレンジ)で万能なポケモンだがサトシゲッコウガにする場合はどうしても高い機動力を活かした近距離戦主体になる。

 

 仮にエレキブルと戦えばエレキブルは負ける可能性は高いが確実に『でんじは』で『まひ』状態にさせれる。

 その『まひ』を残してのクレセリアとエンテイを相手にするのは流石のサトシゲッコウガでも勝つことは出来ない。

 

 だからこそリザードンに切り替えたが、ただゲッコウガの代わりってわけじゃない。

『かえんほうしゃ』による文字通りのファイアウォールで『でんじは』を通さない様にしている……

 

「クククッ……時間制限は今回はねえぜ?」

 

「だろうな」

 

 メガリザードンYが最も輝く旬の時間はリザードンからメガリザードンYにメガシンカした際に変化する特性『ひでり』の発動から元の天候に戻る少しの間。この間だけはタイプ相性や能力が悪い相手でない限りは大抵は『かえんほうしゃ』で沈む。デメリットは大きいが火力の高い『ブラストバーン』や『オーバーヒート』は下手したら伝説のポケモンを一撃で沈める。

 

 アラン曰くメガリザードンYはメガシンカしたら即座に相手を全滅させなきゃいけない短期決戦向けのポケモンだ。

 出会った事は無いが、イッシュ地方のシャンデラと言うポケモンはメガリザードンY程ではないが圧倒的な火力を持っていてメガリザードンYを採用出来ないのならばシャンデラはそれはそれで使い勝手がいいとアランは述べている。

 

「……」

 

 サトシのポケモンを倒すにはそれこそ1体で1体ずつ倒すぐらいの覚悟じゃないといけない。

 だが、シゲル戦ではサトシのポケモンならば1体でも伝説と呼ばれるポケモンを倒せるほどに実力があるのを証明した。ここぞと言う時にサトシが出しているゲッコウガとリザードンならば伝説のポケモンとは互角以上、ゲッコウガに関してはクレセリアもエンテイも相性が悪い。

 

「エレキブル『あまごい』だ!」

 

「なに?」

 

 ここでするべきことはキッチリと果たす。

 エレキブルに『あまごい』を指示すれば雨が降る……『はれ』状態のフィールドを『あめ』状態に切り替えた。

 

「確かにコレなら『ほのお』タイプは弱まるが……メガリザードンYはメガシンカしてんだぞ?」

 

「ああ、それはわかっている。エレキブル『サイコキネシス』でリザードンの上を取れ!」

 

 サトシ相手に合理的な行動は選んでいても仕方が無い。勝たなければその時点で破滅の博打の様な戦闘をしないといけない。

『サイコキネシス』で空を飛んでいるエレキブルはリザードンの上を取ろうとする。サトシは意図が読めていない。

 

「エレキブル『でんじは』だ!」

 

「無駄だ、火力は落ちるがそれでもだ!『かえんほうしゃ』だ」

 

「この瞬間を待っていた!」

 

「……っ!!『ねっさのだいち』にすれば」

 

「甘い!『サンダーダイブ』だ!!」

 

 エレキブルが『でんじは』を使えばどうなるのか、それは今まで使っていた『サイコキネシス』を解除する。

『サイコキネシス』であくまでも浮いているだけでそれが無くなれば当然エレキブルは落ちる。リザードンは上に向かって『かえんほうしゃ』を撃ったがサトシはここで自分が失態を犯したこと『でんじは』を『かえんほうしゃ』でなく『ねっさのだいち』で防がなかったミスに気付きエレキブルは『サンダーダイブ』で突撃し『かえんほうしゃ』を放つメガリザードンYを撃墜した。

 

「グォウ……」

 

「リザードン、戦闘不能!エレキブルの勝ち!」

 

「……危なかった……」

 

 たらればの話がよくないものなのはわかっているが『ねっさのだいち』を使って『でんじは』を防いでいたら『サンダーダイブ』も防がれて終わっていた。

『かえんほうしゃ』で『でんじは』を防ぐという状況を生み出すには『あまごい』で『かえんほうしゃ』いや、『ほのお』タイプの技に意識を向けさせなければならなかった。

 

 メガリザードンYはメガシンカが解除されてリザードンに戻った。

 その瞬間空気が一瞬止まった……メガシンカしたポケモンが暴れ回っての勝利なんてのはよくある光景、メガシンカしたポケモンに複数のポケモンが戦ってようやく倒せたのもよくある光景……だが俺はやってやった。エレキブル1体でサトシのリザードンを倒した。

 

「戻れ……久々……いや、はじめてか?ここまで追い詰められたのは」

 

「ああ……俺がお前を倒す。だが安心しろ。お前は今まで俺がヌルいと感じてきたトレーナーじゃない。紛れもなく本物のトレーナーだ」

 

 俺のやり方に対してああだこうだと抗議をしたり、俺のやり方を真似して強いポケモンのゲットに拘るトレーナーが居る。

 だが、そいつらは俺より弱いトレーナーばかり……サトシは紛れもなく最強格のトレーナー、おそらくはこれから先の人生で強いトレーナーと言えばで真っ先に浮かび上げることが出来る。

 

「クククッ……まだまだコレからだろ。いけ、ゲッコウガ」

 

「コウガ!」

 

「流石のお前もバカじゃねえ……リザードン倒すのに力を入れてんのは。ゲッコウガ『つじぎり』」

 

「エレキブル、『でんじは』……っ……」

 

 リザードンを倒すのに集中した攻めをしていてゲッコウガに対する対策はなにもしていない。

 最初に向かい合った時の状態ならば『つじぎり』だろうと一発は耐えれて『でんじは』を浴びせる事が出来たがメガリザードンYとの戦いや『サイコキネシス』での自傷ダメージが蓄積されていて……エレキブルが『でんじは』を発動する前に目にも止まらない速さの『つじぎり』でエレキブルを倒した。

 

「エレキブル、戦闘不能!ゲッコウガの勝ち!」

 

「クククッ……さーて、そろそろフルスロットルと行くか。なぁ、ゲッコウガ」

 

「コウガ!」

 

 あっという間にゲッコウガがエレキブルを倒しサトシが笑みを浮かべて笑えばサトシの切り札であるサトシゲッコウガになった。

 俺は遂にここまで追い詰める事が出来たと喜びたい反面、ここからが最もキツい……このサトシゲッコウガはメガシンカ以上のパワーアップでそれだけじゃなく技術面に置いても何段階も上がっている。

 

 さっきのメガリザードンYが心を無にする技術をサラリと使ったがサトシゲッコウガでもそれは簡単に使えるだろう。

 

「クレセリア、バトルスタンバイ!」

 

『で、出たぁああ!伝説のポケモン、クレセリアだ!コレでシンジ選手の全てのポケモンが判明!しかしコレは』

 

 エレキブルを戻した後にクレセリアを出せば会場の熱気が増す。

 実況者が興奮気味に語るが、直ぐに言葉を濁す……残っているのはクレセリアとエンテイだがクレセリアは『エスパー』タイプ、エンテイは『ほのお』タイプ。『みず』と『あく』の複合タイプのゲッコウガとは相性が悪い。

 

 レベルは互角以上で種族的な能力の差もサトシゲッコウガになることで補われていて……フィールドは現在『あめ』状態だ。

 

「クククッ……リザードンを倒す為の買い物はデカかったな」

 

「いや、コレでいい」

 

 一番起きてはいけない状況はリザードンとゲッコウガの両方が残っていること。『あめ』状態のフィールドは痛手だがリザードンとゲッコウガの両方が残っていたのならば俺は負けている。サトシとのポケモンバトルは楽しい、面白いものだが勝つためには薄氷を歩んでいるという言葉が生温いと感じるほどに神経を使う。

 

「オレがあまり言える義理じゃねえが……まだ使いこなせてないだろ?」

 

「否定はしない」

 

 エンテイもクレセリアもシンオウのジム巡り終盤でゲットしたポケモンだ。

 技もそうだがどうすればいいのかが、アランから教わった方法以外の戦術を開拓しないといけないがエンテイやクレセリアを持っているトレーナーなんて聞いたことが無い。流石に親父や兄貴に相談したりしたが何処から手を付ければいいのかが分からない。伝説のポケモンの名に相応しく雑にやっても超一級だ。

 

「伝説のポケモンは強過ぎる。トレーナーがヘボでもある程度は誤魔化せる……最低でも四天王クラスじゃないと粗が見えない」

 

「その通りだ……だが俺が誰と一緒に冒険していたか知らないわけじゃないだろう?」

 

 アランから色々と教わってお前ですらやっと倒せたスズナさんとポケモンバトルをしているんだ。嫌でも強くなれる。

 確かに使いこなしていると胸を張って言うことは出来ない練度だがそれでもコイツラは強い。

 

「サトシ、お前に勝ってチャンピオンリーグに行かせてもらうぞ!」

 

「クククッ……悪いが、チャンピオンリーグにはお楽しみがありそうでな。そう安々と負けられないんだ!」

どっちにしよう

  • でんきテラスタルヌケニン
  • メガリザードンX
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