闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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本気モード!スペシャルエキシビションマッチ(前編)

 

「ふぅ、やっと頭がスッキリしてきた」

 

「サトシもシンジもよく食べるね」

 

「ぶっちゃければ物足りんがな」

 

シンジの栄養補給を見てシゲルが呆れていたがオレもシンジも物足りない。

とりあえずカロリーとか糖分を摂取して普通に行動したり考えたりするぐらいにまでは回復した。

 

『さぁ、お集まりの皆様。ただいま準備が終わりました……チャンピオンの中のチャンピオン、チャンピオンマスターシロナの入場です!』

 

シロナがフィールドに向かって歩けば歓声が鳴り響く。

ついさっき女子力が終わっている女だとおちょくってやったがそれ以外には非の打ち所が無い、ポケモンに関する知識、頭の回転速度、発想力、踏んできた場数、全てに置いて最上級のトレーナーだ。

 

『対するはメガシンカ研究の第一人者のプラターヌ博士の助手、メガストーン争奪戦を繰り広げるアラン選手』

 

「……完全にアウェイね」

 

「仕方がない。アランはなんにもないから」

 

「アランは……強いのですか?」

 

シロナが出たのでアランも出れば誰だコイツ?と言う空気が発生した。

アランは特にその空気を気にしていない。アランの強さがよくわかっていないコウヘイやジュンは色々と疑っていてコウヘイが強いのかを聞いた。あの時のタッグバトルには参加していたが、コウヘイが言いたいのは……チャンピオンクラスのポケモントレーナーに挑めるレベルの実力はあるのか?って所だ。

 

「強いわよ……若い頃は色々と出ていて、ある時を境にバッタリと止まって普段は研究用のポケモンの育成とかに時間を費やしてるけど、文字通りアランのポケモンは別格よ」

 

「ゴリランダー、パチリス、リザードン……リザードンは常に手元に置いているがちゃんとしたアランのポケモンか」

 

『グラスメイカー』ゴリランダー、パチリスさん、メガリザードンX……どれも壊れた性能をしている。

今回はフルバトルでアランの事だから色々と育成はしている。メガリザードンXは確実だろうが、それ以外は読めない。

 

「楽しみに待っていたわよ」

 

「さっき色々と言ったけどもそれでも言っておく。シンジの様に今回はじめてポケモンリーグを優勝したトレーナーに対してさらなる成長を促す為にチャンピオンとしての壁になるみたいなバトルはしないでくれよ?」

 

「力の全てで、貴方を倒す!」

 

「クククッ……いいね」

 

チャンピオンとか関係無く心を燃やしてくれる。

頭は冷静ではあるがギラギラと闘志が燃えている事が伝わってきた……オレとシンジの決勝戦は四天王戦やチャンピオンのみが出場する事が出来るマスターズリーグでしか見れないレベルの試合だ。その試合の熱を観客達は残している。

 

こんなところでつまんねえ塩試合をしたらアランはトレーナーとして一生の恥をかくだろう。

シロナがギラギラと闘志を燃やしていて……どうにもアランからは燃え滾るような闘志が伝わってこねえが

 

「ルカリオ、アランの波動はどうだ?」

 

「ふむ……虚無だな」

 

「そう来たか」

 

アランからギラギラと煮え滾る闘志が伝わってこないのでルカリオに聞いてみれば虚無と返ってきた。

炎の様な情熱と氷の様な冷静さを保つ、とはまた違う方向性

 

「虚無とはどういうことだい?」

 

「そのままの意味だ。アランからは波動は感じるが、特にコレと言った特徴が無い……透明の色の液体と言うのが一番分かりやすいだろう」

 

「成る程……そっち系か……チャンピオンクラス相手にそれか」

 

シゲルが意味が分からないので聞いてみれば透明色の液体と言う答えが出ればシゲルが納得した。

チャンピオンクラス相手にその技術を使うのかと驚いてはいるが

 

「透明の色ってどういうことだよ?」

 

「そのまんま……と言っても納得も理解も出来ないだろうから教えるが……ポケモンと心を1つにすれば強くなる、と言う考えがある。今のアランはそれを真っ向から否定した状態になっている」

 

「どういうことですか?……勝利への執着心等が引き金で限界以上の力を出せることは」

 

「それは所謂潜在能力だ……自分の中に眠っている本来の力を引き出しただけであって、本来は絶対に出せない力を出したのを意味する限界を超えたって言葉は矛盾してるだろ?」

 

「それは確かにそうですが……」

 

女性に対する煩悩でパワーアップするキャラ、代表的なのはGSの横島だ。

煩悩でありえない力を発揮することが出来るが、それを除いても割とイカれた才能や力を持っている……周りが色々と一流過ぎるせいで感覚バグってるが煩悩無しでも潜在能力は恐ろしい。他にも感情をトリガーにスゴいパワーを出すキャラは色々といる。

オレとアランが使っている技術はそれとは真逆、心の中の雑念を取り除く。所謂、無の状態、無想状態になる。

 

「シンジが使ってた技術と真逆じゃねえか」

 

「俺に向いている技術がたまたま極限集中だけの話だ……今のアランは心の雑念を無にしている。そうすることで見える」

 

「見えるってなにがだよ?」

 

「何をすべきかだ」

 

シンジが使っていた技術とは真逆、アドレナリンやドーパミンを利用しない無想を使っているとジュンが指摘するがシンジに向いている技術だったからシンジは覚えただけ。

 

「波動を刻め!ルカリオ!」

 

「む!」

 

「んじゃ、頼んだぞウーラオス」

 

「ラァオウ!」

 

シロナの1体目はルカリオ、アランの1体目はウーラオス……出てきた際にセレナのウーラオスとは違う構えをしている。

れんげきでなくいちげきの型のウーラオス……互いにかくとうタイプのポケモン同士の対決であり、隣に居るルカリオは反応した。

 

「あいつ、出会った時のガブリアスレベルか」

 

シロナのルカリオが錆びついていた頃、つまりはオレ達と出会った時のエースのガブリアスと同等と見た。

あの時点でもとんでもない強さでチャンピオンのエースに相応しかったが仕上げてきた……

 

「出たか、ウーラオス」

 

「相手がチャンピオンだからね……一切の容赦はしないつもりだよ」

 

ウーラオスが出れば露骨に反応をするシンジとスズナ。

今回の決戦に合わせてポケモンを調整しているから当然この2人は研究用じゃなくアランがちゃんとした試合で使うポケモンを知っている。シロナのルカリオに対してアランのウーラオス(いちげき)……どっちも見劣らない。

 

観客達はアランに対して期待はしていなかった。

シロナがチャンピオンとしてフルバトルをしてくれると言うのでテンションを上げていたがウーラオスを見たことで意識が変わった。シロナのルカリオと対等に殴り合えるポケモンだと。

 

「シロナさん、アランのウーラオスは……正しい手順を踏まないと倒せないよ」

 

試合開始の宣言がされた。

スズナがアランのウーラオスについてボソリと呟いたが遂に試合が始まったのだと会場が熱を帯びる。

 

「ルカリオ『しんそく』」

 

「ウーラオス『きあいだめ』からの『きあいパンチ』」

 

先ずはとシロナのルカリオは『しんそく』を使う。

それに対してアランのウーラオスは『きあいだめ』を使っての『きあいパンチ』……単純に技だけを見ればウーラオスの『きあいパンチ』はヤバいが当たらなければ『きあいパンチ』そのものが成立しなければどうってことはない。

 

「バゥッ!?……ゥ……」

 

「……え?」

 

「おい、あいつとんでもない化け物ウーラオスを育てやがったな!攻略法は直ぐに分かったが、アレは手順や出すポケモンを間違えればシロナクラスでも6タテありえんぞ!」

 

シロナのルカリオは目の前から消え去った。シロナの出した『しんそく』の指示に従いウーラオスに向かって突撃した。

その結果、シロナのルカリオはフィールドの隅にまで殴り飛ばされてその後に音が鳴る……そしてルカリオは一撃で戦闘不能になった。何があったのかについて分かったが文字通りの化け物ウーラオスで手順や出すポケモンを間違えればシロナクラスでも6タテが普通にありえる。

 

「タマランゼ会長、シロナさんのルカリオはもう無理っぽいから早く判定してくださいよ」

 

「あ、ああ……ルカリオ、戦闘不能!ウーラオスの勝ち!」

 

「……」

 

この日の為に徹底して鍛え直した筈のポケモンの1体があまりにもあっさりと倒された。

なにが起きているのかについてシロナは理解することが出来ていない。ガンガン行くぞ!と最初の一歩を踏み出そうとした瞬間に見事なまでにコケってしまった。

 

「ルカリオはいいポケモンだ。全距離で多彩な技を覚えてメガシンカまである。貴女のことだからメガルカリオにだって出来た……色々と沢山手があるなかでもっとも最悪な悪手を選びましたね」

 

「……ッ!!」

 

決してシロナは手を抜いていない。それどころか全身全霊を持って応えようとした。

その結果がいきなりのルカリオの戦闘不能、熱くギラギラと燃やしていた闘志が宿っていた目が揺らぐ。

 

「なにを……なにをしたんだ?」

 

「アランがちゃんと指示してただろ。『きあいだめ』からの『きあいパンチ』って……シロナのルカリオはウーラオスの『きあいパンチ』を受けて戦闘不能になった。ただそれだけだ」

 

「そうではありません!いえ、確かにそれはそうですが……なにが起きたのですか!?シロナさんのルカリオは確かに『しんそく』を使った。それなのにどうしてウーラオスの『きあいパンチ』に負けるのです!?」

 

「ウーラオスをよく見てみろ」

 

なにが起きたかについて分からないタケシに語る。近くにいるコウヘイはそういう話じゃないと言うのでウーラオスを見ろと言えばウーラオスを見る。

ウーラオスの周りだけ不自然に凹んでいる……それはウーラオスが戦闘をした後の証だ。

 

「ルカリオは『はがね』タイプのポケモンで『きあいパンチ』は『かくとう』タイプの中で最強の技です。アランのウーラオスは実によく鍛えられていてまともに受ければ戦闘不能になるというのも分かっています。ですが言いたいのはそういうのでなく」

 

「クククッ……なにが起きたかだろうがホントに割とシンプルなんだ。『きあいだめ』をして『きあいパンチ』をした、ただそれだけだ」

 

「サトシ、『きあいだめ』と『きあいパンチ』は名前は似ているけど全くと言って効果が違うわよ?『はれ』状態の『ソーラービーム』なんかと違って『きあいパンチ』を使う時に必要なパワーを溜めるのを『きあいだめ』が肩代わりしてくれないわ」

 

「ああ、そうだな。その通りだ……でも、ホントに『きあいだめ』をして『きあいパンチ』を入れただけ……ただし、ありえない速度でだ」

 

セレナの意見はもっともだがオレは『きあいだめ』して『きあいパンチ』を入れたとしか言えない。

アランのウーラオスがやったことは割とシンプルだった。

アランが最初に出した指示である『きあいだめ』をこなすべく合掌をして気合いを高める。この高める気合いは『きあいパンチ』とはなんにも関係無い。『きあいだめ』で意識を高めた後にスムーズに『きあいパンチ』をした。

その一連の動作が恐ろしくスムーズで恐ろしく早く恐ろしく丁寧で恐ろしく練度を感じる物だった。

 

まぁ、色々とあるけども要するにHUNTER×HUNTERのハンター教会会長のアイザック・ネテロの感謝の正拳突き(一撃ウーラオスバージョン)だ。

 

「不可視の拳であり不可避の拳か……」

 

ウーラオスってだけでも大分イカれた性能をしてるってのに、それを更に魔改造している。

多分ネテロ会長の百式観音をイメージして育てているだろうが、百式観音と違って巨大な手で殴ってこない。ウーラオスが直接殴らないといけないが、一連の動作以外は非常によく育てられているウーラオスと同じ機動力だ。

 

「いちげきのウーラオスだけにアランのは文字通り一撃を極めたウーラオス……『きあいだめ』からの拳を使う技はあまりにも早い。しかも『きあいだめ』が間に入っているから『はやてがえし』や『ふいうち』なんかの相手の攻撃に合わせて攻撃するタイプの技はタイミングが上手く取れない。『しんそく』みたいな技すらも軽々と越える速度で殴ってくる……『きあいだめ』の本来の効果もあって、きゅうしょにあたる事が多いから『リフレクター』は無意味で『まもる』なんかも『ふかしのこぶし』で貫通する……攻略法、分かる?」

 

「絶対にウーラオスの射程範囲に入らない、『でんじは』等の行動妨害系の状態異常にする、『ちょうはつ』等で『きあいだめ』を使えなくする」

 

一撃を極めしウーラオスの一撃をどうにかする方法をスズナが聞いてくるから即答する。

ネテロ会長はどうだったかは忘れたが、あのウーラオスは『きあいだめ』をした際の動きを入れないとあの速度で殴れない。

『きあいだめ』そのものを使えなくするか『でんじは』の様に動きを乱す状態異常にするか、後はウーラオスの射程圏外の遠距離で殴る。

 

「心の垢も錆も贅肉もしっかりと落としてバンブアップをしてきた。貴女のルカリオはあの時のガブリアスと同じレベルでメガルカリオや強者との豊富な戦闘経験を考慮すればサトシのルカリオより強い……口喧嘩や煽るつもりはないけど……危機感持てよ?今、確かに貴女の喉元に刃を突きつけてるどころか肉に触れたからな」

 

「戻れ……ふぅ……恵みの翼をここに!トゲキッス!」

 

「チョゲ!」

 

アランのウーラオスが一撃でシロナのルカリオを倒した。

シロナはギラギラと燃やしていた闘志とは異なるなにかを目に宿し、ウーラオスにとって相性がこの上なく最悪なトゲキッスを出した。

 

「戻れ」

 

「って、戻すのかよ!?」

 

「まぁ、あのトゲキッスがサトシのと同じ感じの動きをするならな」

 

「するどころか確かダイマックスバンド持ってたはずだから余計に質悪い」

 

流石にまひるみキッスを相手にするつもりはないのだとウーラオスをアランは戻した。

いきなりに出鼻を九時狩れるどころか圧倒的なまでの力を見せつけられた事で心が凹むとかそういうのがあるかと思ったが一瞬だけでアランが尻を叩けばやる気を取り戻した。

 

「いけ、パチリスさん!」

 

「チョッパ!」

 

「……はぁ!?なんでこんな時にパチリスなんだよ!レントラーとかエレキブルとかあるだろ!!」

 

「ジュン、黙れ」

 

アランの2体目はパチリスさん、明らかに場違いなポケモンじゃねえかとジュンは叫ぶ。シンジは鬱陶しいと感じたので黙れという。

パチリスさんを見たシロナは一瞬思考が止まる。パチリスと言うポケモンが出てきたからだが、それはパチリス=弱いとかでなく、一番出てほしくない『でんき』タイプのポケモンが出てきたこと。

 

「トゲキッス『エアスラッシュ』」

 

「パチリスさん『かいでんぱ』」

 

『でんき』タイプなので決め手となる『まひ』状態にすることが出来ない。ガラルじゃないからダイマックスも出来ない。

『てんのめぐみ』個体だから『エアスラッシュ』の怯み率は高いがパチリスさんは『かいでんぱ』を使う。『エアスラッシュ』が何発か当たったが……全くと言ってダメージになっていない。元の耐久力+『かいでんぱ』+タイプ相性だな。

 

「っ……『はどうだん』」

 

「温存か……いや、違うか」

 

『エアスラッシュ』の怯みがあるがダメージが入らない。『はどうだん』に技を切り替える。

シロナの絶対的なエースであるガブリアスならばパチリスさんを倒せる。交代は立派な戦術だがしない。後ろに控えているアランのポケモン達を倒す為もあるが……パチリスさんのあの技を警戒している。

 

「『ほっぺすりすり』」

 

『はどうだん』がパチリスさんに当たったがケロッとしていてパチリスさんは走っていき『ほっぺすりすり』をトゲキッスにする。

トゲキッスは微量なダメージが入ったがそれよりも厄介な『まひ』状態になってしまった。体が痺れて空を飛んで動き回ることが出来ない。コレだけでヤバいがアランは手を止めない。

 

「『いかりのまえば』」

 

「トゲキッス、それだけは受けちゃダメ!……っ!」

 

「もう一発『いかりのまえば』からの『ボルトチェンジ』」

 

「チィイイイパァ!!」

 

「チョゲェ!?……プリィ……」

 

絶対に受けてはいけない技、『いかりのまえば』にトゲキッスはやられた。しかも2回もだ。

体力は当然4分の1以下になっていてそこにトドメだと言わんばかりに『ボルトチェンジ』を使いパチリスさんはモンスターボールに戻った。

 

「トゲキッス、戦闘不能!パチリスの勝ち!……アランからポケモンを」

 

「3体目はお前だ!ミュウツー!」

 

「……ホントに容赦ねえな……」

 

アランの3体目のポケモンは何時ぞやにミュウツーだった。

あの時はなんかどす黒い雰囲気だったが今はしっかりと目に生気が宿っている。こんな大会で使ったらロケット団とかに目をつけられるんじゃねえのかと思ったが、目をつけられても記憶消去すりゃそれでいいだけか。

対アラン用最終兵器 メガサトシゲッコウガ(へんげんじざいナーフ前)(登場はサン・ムーン編以降)

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