闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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セキチクジム 忍者対決

「なんだか今までとは違う和風なジムね」

 

セキチクジムにやってきたのだが……何処からどう見ても和風な屋敷だ。

今までが洋風な見た目だったり植物園だったり如何にも『いわ』タイプを使ってますよアピールだったりしたからか、セキチクジムは異質な雰囲気を醸し出している。

 

「ジムの看板があるから此処がセキチクジムなのは確かね……すみませーん、痛ぁ!?」

 

「大丈夫か?」

 

横にスライドするタイプの扉をスライドさせてジムの内部に入ろうとするセレナだが扉の先は岩の壁だった。

完全に不意を突かれて油断しており、鼻を赤くさせて涙目になっている。

 

「なんで岩の壁が……ダクマ『いわくだき』よ!」

 

「クマァ!!」

 

セキチクジムは忍者屋敷、普通に通ることが出来ると思える道は実は行き止まりな忍者屋敷だ。

その事を知っているのだがセレナには言わない。言えば正規のルートを通らないといけないので時間が掛かりそうだから。

目の前の岩の壁をダクマが『いわくだき』を使い破壊してセキチクジムの内部に入る……修学旅行で京都の太秦映画村に行った時に忍者屋敷があったがフィジカルに物を言わせて突破する事が出来なくもない仕掛けだったのを思い出すな。

 

「こういう時に空を飛ぶことが出来るポケモンが居てくれたらホントに楽なんだがな……」

 

セキチクジムの仕掛けを力技で解決をする。

何処にジムリーダーであるキョウが潜んでいるのか分からない。

 

「…………くせ者だ!であえであえであえ!!」

 

「なんと!」

 

「気付かれたか!」

 

1番奥に潜んでいる可能性も大きいが、何処かに隠れている可能性もある。

ものは試しだと出逢え!と叫べば男女の忍者が現れた……そう来るか。

 

「ジム戦に申し込みに来たんだが……」

 

「なんなのこのジムは?」

 

「拙者はジムリーダーのキョウ!そしてこっちは妹のアヤ!拙者達は見ての通り忍者でござる!」

 

忍者が見ての通り忍者は意味ねえだろう。忍どころか暴れるぜはダメだろう。

忍者と言えばなんでも納得すると思うんじゃねえぞと言いたいがセレナが目を輝かせている。

 

「アイエー!ニンジャ!?ナンデニンジャ!?」

 

おい、なんでそのネタを知っている。

セレナは2人が忍者であれば物凄いリアクションをしてくれるので2人もなんか満更じゃない顔をしている。

 

「忍者教室も兼ねておる」

 

「忍者としての仕事とかはしているのか?」

 

「ふっ、時折泥棒の真似事をしては警備会社の腕を試しておる……1度の敗北も無い!見せてやろう、我が瞬身の術を!」

 

「消えた!?」

 

「背中を取られるとは未熟者の証!」

 

「いったいなにを言っているんだ?」

 

「な、なにぃ!?」

 

姿を消したかと思えばオレの背後に忍び寄るのでオレは残像を生み出してキョウの背後を奪う。

今までこのネタで受けていたんだろうがオレの背後を取るなんてそう簡単には出来ねえんだよと思っていると手裏剣を投げてきたので警棒で弾く。

 

「ふふふ、拙者以上の瞬身の術使い、それもこの様な若造が拙者に幻を見せるとは……ならば教えてやろう!忍の奥の手を!」

 

「クククッ……忍ってのは耐え忍ぶ存在だろう。芸を見せるのは少し違うんじゃねえのか?」

 

「自身よりも強い猛者が居るのならば挑みたくなるのが武芸者の理!いざ、尋常に勝負!」

 

「ジム戦を終えてからだ……先にボコボコにしてジム戦が出来ないのは元も子もない」

 

「むっ……それもそうでござるな」

 

何故にジムで戦わなきゃいけないのかと言いたいが、ジム戦をしに来たんだ。それを忘れちゃいけない。

ジム戦は室内でするのだと如何にもな道場に連れてこられた。

 

「ここならば思う存分にポケモンバトルが出来る!使用ポケモンは3体!交代はお主のみのシングルバトル!いけ、ドククラゲ」

 

「開幕から予想外のが来たか」

 

「ふっ、『どく』対策に『じめん』を用意していたのならば無意味!」

 

「『どく』タイプのポケモンの弱点はそいつだけじゃねえ……いけ、レアコイル」

 

「リリリ!!」

 

開幕ドククラゲは割と予想外だが旅の序盤ならば厳しいが今は使えるポケモンが多い。

この前ゲットしたレアコイルを出せばキョウは眉をピクリと動かした。

 

「『はがね』タイプのポケモンか…………ドククラゲ『クイックターン』だ」

 

「レアコイル『10まんボルト』……ありなのか?」

 

『10まんボルト』を放ち、ドククラゲに命中させるがドククラゲは余裕で耐える。

ドククラゲは特殊攻撃に対しては滅法強いポケモン『10まんボルト』一撃で倒すことが出来ないのは分かっていたがあまりにも予想外の一手である『クイックターン』を使ってきた。『アクアジェット』の様に水を纏ってレアコイルに激突したかと思えばターンしてキョウのモンスターボールにドククラゲは戻った。

 

「通常、ジムリーダーはポケモンの入れ替えは禁止!しかし『とんぼがえり』等の攻撃後にポケモンと交代をする技のみ認められている!いけ、ニドキング!」

 

「ニド!」

 

キョウが2番手に出したのはニドキング、技のデパートの異名を持つポケモン。

どういう風に攻めてくるのか?フィールドは格闘道場内部なのでレアコイルの浮いているのも限界がある。

 

「ニドキング『ドリルライナー』でござる!」

 

「レアコイル『ひかりのかべ』だ!」

 

「血迷ったか!『ひかりのかべ』は特殊攻撃の威力を下げる技!物理攻撃の『ドリルライナー』の威力を下げれぬ!」

 

「目先の欲望にばっか捉えられても意味はねえ……」

 

「リリリ!」

 

「なんと『ドリルライナー』を受けても立ち上がるか。相当なレベルだが、今の『ドリルライナー』でかなりのダメージを受けたであろう!ニドキング、もう1度『ドリルライナー』だ!」

 

「レアコイル『だいばくはつ』だ」

 

「な、なにぃ!?」

 

もう1度『ドリルライナー』で攻めてくるニドキング。

ニドキングの武器は豊富な技だ……オレにはポケモンの交代をすることが出来る権利がある、ニドキングの豊富な技は見せたくはないから手の内を隠していたいと思うのは普通だろうがそれじゃあダメなんだ。あえて他の技を見せつけることでニドキングは色々と覚えているという印象を与える事が出来る……残念ながらそれをすることは出来なかったみたいだ。レアコイルはめざパ氷の個体だがニドキングを倒すのならば『だいばくはつ』一択、無理に変な技を使うよりも一か八かの爆発に賭ける。

爆煙がフィールド内部を包んだと思えば煙が晴れていき……レアコイルとニドキング、両者共に戦闘不能になった。

 

「まさか『だいばくはつ』でニドキングを撃退するとは……」

 

「時には切り捨てるのも大事だ……ニドキングの撃退にレアコイルで行ければ御の字だ」

 

ニドキングを倒せる有効打は『めざめるパワー(氷)』ぐらいだ

ドククラゲを倒すことが出来る可能性を秘めているが、他のポケモンでも倒せる。1番厄介なのはニドキングの豊富な技で手持ちが全滅すること。ニドキングの豊富な技のレパートリーで全滅したと言う一例は過去に何度も存在している。

レアコイルをボールに戻す。コイツは充分な仕事をしてくれた。

 

「ならばいけぇ!ベトベトン!」

 

「ベトベトォ」

 

「ベトベトン……随分とカラフルなベトベトンね」

 

「ふふふ、コイツはただのベトベトンにあらず!アローラ地方のベトベトンでござる!」

 

「いけ、サンドパン!」

 

「サン!」

 

アローラのベトベトンは『エスパー』タイプの技が通じない。

『じめん』タイプの技しか通じないのは痛い……『どく』タイプは『じめん』と『エスパー』でなんとでもなると思っているチャレンジャーを撃退する為の対策はしているか。

 

「ベトベトン『れいとうパンチ』でござる!」

 

「サンドパン『メタルクロー』で受けろ!」

 

『じめん』対策の『こおり』タイプの技はちゃんと覚えている。

冷気を纏った拳で殴りかかるベトベトンに対してこちらは鋼鉄の爪で攻撃を受ける。サンドパンの爪が紫色になったと思ったが鋼鉄の爪に毒は通じない。

 

「むむっ、拙者のベトベトンの特性が『どくしゅ』であることを見抜いていたか!」

 

「さて、紛れかもしれねえな」

 

ベトベトンの特性は『どくしゅ』か。

下手に物理攻撃技を受ければ『どく』状態になる。『れいとうパンチ』を『メタルクロー』で受けることで『はがね』タイプの爪が『こおり』タイプの冷気の拳を防ぎ『どく』を通さなかった。紛れだがいい感じに流れてくれた。

だがこれで下手に攻撃を受けるわけにはいかなくなった。

 

「ベトベトン『どくどく』でござる!!」

 

「ベトォ!」

 

「サン!?」

 

「……サンドパン『つるぎのまい』だ!」

 

サンドパンが『どくどく』を受けてしまい『もうどく』状態になった。

最後の1体はドククラゲに備えてのゲンガー、他のポケモンじゃ倒すのが難しい。このベトベトンを倒さなければゲンガーを出しても意味は無い。『つるぎのまい』を使い攻撃力を上げる。

 

「勝負を一気に決めに来たか!ならばベトベトン『とける』だ!」

 

「『とける』は防御力を上げる技……これじゃあ『つるぎのまい』で攻撃力を上げても」

 

「『つるぎのまい』だ」

 

「お主も強情だの!『とける』でござる!!」

 

「…………………サンドパン…………『じわれ』だ」

 

「しまっ!」

 

「ドォ!!」

 

『つるぎのまい』を無効化だと『とける』を使い防御力を高める。

『くろいきり』を使ってこない……真っ向から『とける』で対抗をしてこようとしてきているが、そこが狙いだ。

一撃で叩きのめす為に『つるぎのまい』を使い、それに対抗するべく『とける』を使い行動を制限し……『じわれ』で決める。サンドパンは『じわれ』でベトベトンを飲み込み、ベトベトンを戦闘不能にすると同時にサンドパンは倒れた。

 

「サンドパン、ベトベトン、両者共に戦闘不能!」

 

「戻れ……『つるぎのまい』で攻撃を意識させ拙者の考えを誘導したか。見事」

 

「『くろいきり』を使ってこなかったのがミスだ」

 

「ベトベトンに『とける』を使わせればこの後にも生きる」

 

「生きるから楽になるなんて考えは逆だ……振り切るんだ」

 

生きるだなんて甘えた考えを抱いたらダメだ……無理に生きるだなんて考えを持っちゃいけない。

変に生き抜こうとすれば余計な欲望に囚われる……死ぬことで逆に楽になれる。全ては『じわれ』を撃つための布石だ。

 

「いけ、ドククラゲ……そちらも最後の1体!なにで来る?」

 

「ゲンガー、頼んだぞ!」

 

「ゲンゲ!」

 

最後を託す機会が多いゲンガー……プレッシャーは感じていない。

 

「ほぉ『どく』対策に『どく』か。毒をもって毒を制するか!」

 

「クククッ……毒も時には薬になるって事だよ……ゲンガー『サイコキネシス』だ!!」

 

「ゲェン!!」

 

ゲンガーは目を輝かせて『サイコキネシス』でドククラゲを弾き飛ばす。

ドククラゲは弾き飛ばされたが直ぐに立ち上がる……分かっていることだが硬いことだ。

 

「ドククラゲ『なみのり』でござる!!」

 

「『サイコキネシス』」

 

「甘い!」

 

「ゲンゲロ!?」

 

ゲンガーが津波に乗っているドククラゲに『サイコキネシス』を当てる。

これでと思ったが『サイコキネシス』で動きを封じたのはドククラゲだけでドククラゲが起こした『なみのり』は消えない。

津波に飲み込まれたゲンガーは『サイコキネシス』を解除してしまいダメージを受けるが体を揺らして水を弾いた。

 

「ドククラゲ『あまごい』だ!」

 

「『あまごい』…………『あめうけざら』個体か」

 

「ほぉ、今ので見抜いたか!ならば」

 

「それはさせねえよ。ゲンガー『アンコール』だ!」

 

『あめうけざら』個体のドククラゲだと予想し次の一手を読んだ。

ゲンガーを倒すための有効打がドククラゲは少ない。『まきつく』なんかの持久戦をしたいのだろうがゲンガーは『ゴースト』タイプのポケモン『ノーマル』タイプの『まきつく』が効果は無い。持久戦をするならばここから『みがわり』を使ってくる。技の制限が無いならば『みがわり』を使うのがベストだ。そこをやられれば嫌になる持久戦が待ち構えている。それだけは阻止するしかないと『アンコール』でゲンガーは手を叩けば『アンコール』が発動しドククラゲは『あまごい』しか使えなくなった。

 

「『サイコキネシス』だ!」

 

「む、無念でござる」

 

『あまごい』しか使えないドククラゲに『サイコキネシス』を叩き込み、ドククラゲを戦闘不能にした。

『あまごい』だけしか使えない状態にしたので盤面は完全に詰んでいる……相手に準備をさせる前に『アンコール』を撃つことが出来てよかったが、コレは知識が無い奴ならば負けていた可能性が大きくある。『みがわり』+『あめうけざら』+『なみのり』のコンボを決められていたのならば負けていた可能性が高い。

 

「見事、知識と知略共にお主の方が上でござった!コレこそがセキチクジムを制した証であるピンクバッジでござる!!」

 

「……」

 

あえて言わないでおこうと思ったが、何故にピンクバッジだろうか。

ハート型のピンク色のジムバッジをくれるがピンク色のハート型のジムバッジ……他にも色々と形とか色とかあったんじゃねえのか?

コレでジムバッジは6個、残すは2つ……グレンジムとトキワジム、どちらも高難易度なジムで特にトキワジムにはあのポケモンが居るから……ゲッコウガには頑張ってもらわねえと。

 

「では、此処からが真打ちでござる!いざ、尋常に勝負!」

 

「……………」

 

ポケモンバトルをしに来たのになんでリアルファイトをしなければならねえんだろうか。

やると言った以上はやるしかない、忍者を相手に逃げるのは難しい事だと勝負を受けることにして警棒を取り出す。

キョウは本気で挑むのだと高速で移動して撹乱をしてくる。無理に目で追うのは良くない事だと気配を感じ取る……

 

「秘技!千年殺し!!」

 

「必殺技は叫ぶものかもしれねえが、忍びとしては失格だぜ……」

 

「っく……技術では拙者の方が上だが純粋な運動能力ではお主の方が上でござるか……」

 

千年殺しをくらうわけにはいかないのだと回避する。

野郎にカンチョーをくらっても意味は無いのだと思ったのだがよく見ればクナイで千年殺しをしようとしている。ガチで殺しに来ている。

 

「体術だけならばお主の方が上!しかし拙者には忍術がある!いけ、モルフォン!」

 

「フォン!」

 

「ポケモンの使用がありなのか」

 

モルフォンを出したと思えば扇子を取り出した。この術は知っているのだと先に酸素を取り込んで呼吸を止めた。

モルフォンは羽を羽ばたかせれば鱗粉を飛ばす。それと同時にキョウも扇子を扇いで鱗粉をオレに向かって飛ばしてくる。

 

「忍法、霞扇の術!」

 

チャクラとかの胡散臭いエネルギーを使うんじゃないガチの忍術を使ってきた。

コレ、毒の粉を飛ばす相手を殺したり痺らせたりするためのガッチガチの暗殺物を使ってきやがったか。

 

「むぅ、先読みして息を封じている!ならば崩すのみ!」

 

キョウはクナイを投げてきた。

それは読めている。読まれている。次の手をなにか使ってくる、それはモルフォンが鍵を握る。クナイを避けるのもいいがそれをすれば隙が生まれるのだとクナイを掴んでそのまま投げ返そうとするのだがキョウの姿を見失った。いや、違う。

 

「飛雷神斬り!」

 

卑劣斬りをモルフォンの『テレポート』を応用して再現したか。

だが、なにかが来るのが分かっているのと手元にはクナイがあるのだとキョウの飛雷神斬りを防ぎ、キョウの顔面を掴んでは地面に叩きつけた。

 

「ぐぅ…………拙者の負けか……」

 

「はぁ……冗談抜きで殺しに来やがって」

 

「言ったであろう、真剣勝負だと」

 

文字通りの真剣勝負をしたいが、そういう意味での真剣勝負は求めてねえよ。

ここはポケットモンスターの世界、ポケモンバトルの真剣勝負ならば望んでやるがそうじゃないのは色々と疲れる。

 

「お主、忍者を目指さぬか?」

 

オレはポケモントレーナーだ……

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