闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「……戦いの殿堂に集いしトレーナーが」
『モンスターを使役し、舞い踊るってか……クククッ……お前さんの執念には呆れたもんだ』
目の前に現れるのは嘗ての最強にして最高のライバルだった男の幻影。
それはもう追いかけても追いかけても消えていく日々なのは分かっている。だがそれでも手を伸ばしたい……
「エレキブル、バトルスタンバイ!」『ガブリアス、頼んだぞ!』
「レェブゥ!」
「ガヴァ!!」
シンジはエレキブルを、サトシはガブリアスを出した。
相性の上では圧倒的にサトシのガブリアスが有利、しかしエレキブルには一発逆転の『れいとうパンチ』がある。接近戦を主体に育て上げられているガブリアスを相手に『れいとうパンチ』を叩き込む、至難の技だろう。
「レブ……」
「……分かっている。コレは俺のただの自己満足だ」
ガブリアスを見たシンジのエレキブルはシンジを見た。
なにかを訴えかけており、シンジはそれに気付いているが特にこれといった反論はしない。今はただただ自分の自己満足の為に動いている。
『クククッ……どうする?有効打は『れいとうパンチ』それ以外は殆ど死に技だ』
「当然『れいとうパンチ』を叩き込む。エレキブル『れいとうパンチ』だ!」
『ガブリアス、胴体に向かって『スケイルショット』だ』
唯一の逆転の手である『れいとうパンチ』は当然に読まれている。だがぞれがどうしたと言わんばかりにシンジは『れいとうパンチ』をエレキブルに指示をした。エレキブルは冷気を纏った拳で突撃するが冷気を一切纏っていない胴体の部分に目掛けてサトシのガブリアスは『スケイルショット』を撃った。
拳にパワーが宿っている分、他がお飾りになる。
『スケイルショット』をまともに受けたエレキブルはサトシのガブリアスに向かって殴りかかるが軽々と回避される。
「っ……」
別にサトシのガブリアスを侮っているわけではない。神域の天才であった男が育てたガブリアスは稀代の天才であるシロナの絶対的エースであるガブリアスと同等だ。それを肌で感じた……その瞬間、ドクンドクンと音が鳴り響く。自分の心臓の鼓動だ。血が燃える滾る、そんな感覚が溢れてくる。
『コレで絶対的な差が生まれたな……お前のエレキブルは『でんきエンジン』個体、なんの迷いもなく攻めれる。ガブリアス『ドラゴンクロー』だ!』
「エレキブル『れいとうパンチ』二刀流だ!」
『スケイルショット』により防御力が下がったが、素早さが増した。
元々エレキブルより早いガブリアスが『スケイルショット』の倍プッシュにより素早さが上がり手が付けられない状態になった。サトシはガブリアスに『ドラゴンクロー』を指示した。ガブリアスはドラゴンのオーラを纏った爪で突撃した。
シンジのエレキブルは両手で『れいとうパンチ』をする。ガブリアスの『ドラゴンクロー』を真っ向から迎え撃つ為に。
「ブゥ」
「ガブリアス相手にはエレキブルでも不利か……」
ガブリアスの『ドラゴンクロー』とエレキブルの『れいとうパンチ』がぶつかり合うが、苦しそうな顔を浮かべているのはエレキブルだ。純粋なパワーがガブリアスの方が上であり『こおり』タイプでないエレキブルが使う『れいとうパンチ』の威力には限度がある。
ガブリアスの『ドラゴンクロー』の方が強く、パワー自慢でもあるエレキブルでも届かない高さにある。
「エレキブル『リフレクター』だ!」
『ガブリアス『スケイルショット』』
「っ……あくまでもそう来るか!確かにお前ならそうするだろうな!」
エレキブルに『リフレクター』を貼らせる。『リフレクター』の指示は読んでいたと言わんばかりに即座に『スケイルショット』に切り替えた。『スケイルショット』でエレキブルに与えられるダメージは然程大きくない。しかし『スケイルショット』の売りはそこじゃない。複数回攻撃、なによりも追加効果だ。
自分で足を速くする術をエレキブルは1つだけ持っている。
それをすればエレキブルに唯一足りない素早さを補える……だが、それをすればガブリアスの圧倒的な攻撃力による一撃で倒される。『リフレクター』が展開されている僅かな間になにかしらの手を打たなければならない。『リフレクター』が無い状態で『じしん』をまともに受ければ終わる。『リフレクター』があったとしても1発は耐えれるが2発目は怪しい。そしてその1発を『くさわけ』に使ったとしても既に『スケイルショット』を2回使っている。素早さでは追い抜けない。
「エレキブルは足が遅い、シゲルがやった様にセルフ『でんきエンジン』もあるがお前相手ではそれをしている暇は無い……だが1つ、どうにかする手は用意している」
『ほぉ……そいつは見ものだな』
「見せてやる!エレキブル『サイコキネシス』だ!」
『ガブリアス、念動力の射程に……っ!?』
足の遅いエレキブルをカバーするシンジが思いついた方法、それは『サイコキネシス』だ。
エレブーの頃と比べればパワーが落ちているがそれでも充分な武器になる特殊攻撃力があり……エレキブルはそれを応用した。『サイコキネシス』の名の通り念動力で浮いている……エレキブル自身が。
「コレでエレキブルの思うがままに移動は可能になった。エレキブル、緩急をつけて撹乱しろ!」
ガブリアスが上げた速度に対して力技を応用した高度な技術で応戦する。
平面での動きならば今のガブリアスは追いつける。だが『サイコキネシス』で緩急をつけた立体的な移動であるのならば話は別だ。相手を倒す技である『サイコキネシス』を移動に使う。超能力のSF物の定番である空中浮遊を実現している。
『落ち着けよ、ガブリアス……エレキブルの手は1つ。『れいとうパンチ』だけだ……その『サイコキネシス』はスゴいがそこからの『れいとうパンチ』の切り替えには一瞬の間が生まれる』
「気付いているか……」
エレキブルは『でんき』タイプのポケモン、『でんき』タイプの技ならば特に深く意識しなくても使うことが出来る。
『サイコキネシス』は『エスパー』タイプの技、『れいとうパンチ』は『こおり』タイプの技。本来のタイプでないのでどうしてもエレキブルが発動するのにラグの様な物が生じる。
普通ならば気に留めないレベルだろうが、目の前にいる男の幻影は違う。
この男だけはどれだけ素晴らしいと思える様な手を使おうとも理詰めしようとも理外の理で潰しに来る。最強へと至ってしまった自身が唯一届いたと同時に抜かせなかった最強であるが故に1ミリの油断も出来ない。
「だが、これならどうだ!エレキブル、そのまま突っ込め!」
『ガブリアス、足を滑らせろ』
この状態での弱点は見抜いている。ならばそれのフォローも思いつく。
『サイコキネシス』で浮かんでいるエレキブルは物凄い速さで突撃するがガブリアスは摺り足で方向を転換するかの様にエレキブルの突撃を受け流した。
「そう来るだろうな……だが、コレで終わりだ!『れいとうパンチ』」
『っ!』
シンジの狙いは『サイコキネシス』での突撃を成功させることではなかった。ガブリアスとの間合いを詰めて回避をさせる事だった。
ガブリアスはエレキブルのすぐ隣に居るのだが回避するのに一手使い姿勢が良くない。対するエレキブルは動ける。ほんの一瞬のラグの様な物はある。だがそれでもチャンスは確かに生まれた。
「エレキブル『れいとうパンチ』」
「レェブゥ!!」
エレキブルは『れいとうパンチ』をガブリアスに叩き込んだ。
既に2回も『スケイルショット』を使っており通常よりも遥かにダメージが入り殴り飛ばされたガブリアスはそのまま倒れた。
『ガブリアス、戦闘不能!エレキブルの勝ち!よって勝者、シンジ!』
「……」
スマホロトムの審判がバトル終了の宣告をする。
それと同時にサトシが消えた……残ったのはサトシのガブリアス、シンジのエレキブル、シンジだけだった。
「見事だよ」
サトシが消えると同時に現れたのは元ホウエンチャンピオンのダイゴ。
拍手を送り笑顔で現れるがシンジは不機嫌だと言わんばかりのオーラを出し……1つのため息を吐いて怒りを消した。
「所詮は幻か……」
「いや、彼の精度は」
「あいつなら更に一手を行く!ガブリアス、お前は物足りないんじゃないのか!」
「……ガブァ……」
シンジの叫びに対してガブリアスはその通りと言わんばかりの反応を示した。
結論から言おう。 サトシは死んだ。
謎の病に陥り、段々と自我が消え去っていった……サトシが選んだ道は死ぬことだ。
ミュウツーを使い安楽死を果たした……最後の別れだと思い入れのあるメンツとほんの少しだけ語り合い、逝った。神域の天才は最強を極め、最強のままこの世から去った。
ポケモンバトル学でポケモン研究をしているアランは表に姿を現す事は早々に無い。
ならば次の最強は誰か?シロナ?ダンデ?……否、ここに最強であった男と互角に渡り合える猛者が1人居た。それこそがシンジだ。
最強であったサトシが居なくなれば必然的にシンジに色々とやって来る。シンジは戦った。
カントーチャンピオン シゲル
ジョウトチャンピオン ワタル
ホウエンチャンピオン ダイゴ及びミクリ
シンオウチャンピオン シロナ
イッシュチャンピオン アイリス
カロスチャンピオン カルネ
アローラチャンピオン ククイ
ガラルチャンピオン ダンデ
各地方でチャンピオンと呼ばれている猛者達と激闘を繰り広げた勝ち星を重ねた。
彼等とのポケモンバトルは楽しいものだった……だが、だが、だが……満たされなかった。心を入れ替えアランに弟子入りを果たした後に挑んだシンオウリーグ以降のサトシとのバトルは常に熱く滾らせてくれた。
チャンピオンの称号を持つ彼等との戦いが悪いんじゃない。サトシとの戦いがあまりにもシンジを満たす最高の時であった。
「……うぃーす……」
「アランか……どうだ?」
「まぁ、結論から言えば……あの世はある」
満たされないまま頂点に至ったシンジには頂点に相応しい莫大な富を手に入れた。
金に対しては特に執着心が無いシンジは適当に優秀そうな企業やポケモン研究者に投資した。その結果、何十倍にもなって返ってきた。だがシンジは酒でも女でも金でも満たされない。ライバルとの戦いでのみ満たされる。
ポケモン博士であるアランは白衣を着てなにかしらの資料を持っている。シンジは成果を聞かせろと言えば答えた……そう、この世界にはあの世があると。
「ただし、地方によって違う。冥界、地獄、天国、極楽、神の国、天界……おそらくは俺達が住んでいる地方と同じであの世も地域が分かれている」
ポケモンにはあの世に関連するポケモンがいる。
死後の世界に連れて行くや死んだ人に会えると言った話はポケモンの中ではそれなりにある。シンジはアランを経由し、そもそもで本当にあの世は存在しているのかについて調べさせた。
そして結論から言えば、あの世は存在していた。
ただし死後の世界と言っても色々なエリアがあり……シンジの目的が少し困難な事でもあると。
「どうにかして彼と繋げる方法はあるのかい?」
「まぁ、結論だけ言えば縁を結べばいい……サトシに縁がある物やサトシと強い繋がりがあるトレーナーのエネルギーを使えばサトシへの道は切り開かれる」
「……なら、まずはお前からか」
「いや、俺は無理。俺はそれが採取出来ない」
何故あの世が存在しているかどうかを調べさせたのか、理由は簡単だ。シンジはサトシとポケモンバトルをしたかった。
サトシが死んで望んでいた憧れの猛者達と何度も勝負をし勝ち星を拾っている。だが、それでも満たされない。サトシと同等以上のアランでもその渇きだけは満たされない。きっとそれを満たすことが出来るのは後にも先にもサトシだけだ。
満たされない渇きをどうにかする方法は分かっている。それがサトシとの再戦だ。
ミラージュシステムで再現したサトシだったがシンジはコレじゃないと満たされない。本物のサトシでなければと……そしてシンジは探った。死んだのならばあの世にいると。あの世が本当に存在しているのならば、あの世に乗り込んでポケモンバトルをすればいいと。勝ち逃げは許さないと。
アランの出した仮説にはあの世に行く方法はあるがあの世に留まる時間や行く為に必要な膨大なエネルギーが足りない。そしてあの世と言っても本当に広すぎる為にサトシの魂が何処にあるのかが分からない。
しかし流石というべきか、アランはサトシへの道を切り開く方法を用意している。それはサトシとの繋がりが強い者達から溢れるZパワーに似たような全力なエネルギー、それがあればサトシへと繋がると。
サトシとの繋がりが強い人物と言えば目の前に居るとシンジはエレキブル以外のポケモンを出そうとするがアランは無理と言う。
なにせアランはトレーナーとして強いには強いのだが、欠けている部分が1つある。この世界の住人でなく真面目にポケットモンスターと言うゲームをしているからこそ生まれた弊害とも言えるものが。
「お前でダメなら誰が該当している?」
「6人……全員倒せなきゃダメだ……」
アランでダメなら他は誰だと言えばアランは既にピックアップしている
サトシの妻でサトシを最も愛し最も見ていた セレナ
同じくサトシの妻で現ホウエンチャンピオンにしてトップコーディネーター、ホウエンの舞姫 ハルカ
サトシを最も苦しめたと言われる文字通り伝説による伝説の激闘を繰り広げた タクト
サトシ達天上の怪物達を前に心が折れかけたがそれでも尚、立ち上がり闘志を燃やす熱き挑戦者 ショータ
サトシの最初にして最大のライバル、サトシが縛られるのが嫌だからと押し付けられたので渋々チャンピオンの椅子に座っている シゲル
並行世界でライジングボルテッカーズとして共に冒険し、サトシの強さに憧れて手を伸ばし走り続けた少女 リコ
この6人を倒さないといけない……1人でも負ければその時点でやり直しと言えばシンジは笑みを浮かべた。
「接待バトルじゃなくて文字通りのガチンコにしないとエネルギーは採取出来ない……故に最後に残った1人がサトシに会いに行ける。この6人ならば事情を話せば全力になる」
それを聞いたシンジは久しぶりに闘志が燃えた。
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アランの持ってるトンチキな資格
パルシェンとかハガネールとかの物理的に物凄く硬いポケモンに対してナパーム弾とかデザートイーグルとかのポケモン一切関係無い兵器をポケモンに向かって撃ってもいい資格(その実験の責任者、管理者、許可証、実際の銃火器の扱いの資格)
取ったのはいいが一度も活用した事は無い
ポケモン研究者で持ってる人はアラン含めて20人ぐらいでネームドキャラは誰も持っていない。
アランが取った理由が最難関の国家資格っていい響きだと、その資格で出来ることをしたいから