闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「バリバリ!!」
「バリヤード?」
「あら、おかえりなさい」
8個のジムバッジを集め終えマサラタウンに帰省した。
久しぶりの家だと家に帰ればバリヤードがいた……バリヤードと邂逅するイベントが起きてねえがバリヤードはママさんの手持ちになっていた。いったい何時から居るのとか聞きたかったがとりあえずはとジムバッジが入っているバッジケースを取り出した。
「ジムバッジ8個集めたからこれでポケモンリーグに出れる……」
「よかった……シゲルくん達はもう帰ってきたのにサトシだけ帰ってこないから心配してたのよ」
「オレが遅いのは色々とあるの……とりあえず今日は休む……」
「夕飯どうする?」
「食べる……セレナ寛いでくれ……」
「あ、じゃあ私がサトシの夕飯を作りますね!!」
女性陣は女性陣で会話ってか。
とりあえずはと背負っていたリュックを置いて部屋に戻り。
「神様よ、オレぁピカチュウなんぞ貰わなかった。あんたがなにを見てえかは知らねえ。だがオレはオレの思うままに行かせてもらう。真剣に考えて手に入れたポケモン達を駆使して最強を目指す……オレに愛情を知ってほしいとかそういうの無しだぜ」
一人言を呟いた。
なんでオレがマサラタウンのサトシになってるかは知らねえが、オレはオレなんだ。マサラタウンのサトシには程遠い。
もしかしたらピカチュウを貰って冒険するのを見たかったのかもしんねえがそいつを見たければAmazonプライムにでも入ってアニメのポケットモンスターでも見ていてくれって話だ。かといってオレに何かを伝えてえって思ってるなら不要だ。オレはオレらしくやっと生きる事が出来ているんだからな。
「オーキド博士にジムバッジが8個集まったこと、報告に行ってきなさい」
「ああ……セレナはどうする?」
「私、ママさんに料理を習うの!」
「そうかい」
今の時点で充分にセレナの飯は美味いってのに向上心があっていいことだ。
家に帰った翌日にママさんがオーキド博士に報告に行くように言ってくる。
それを言われなくてももとから行くつもりだったのでコレはラッキーかなと思いながらもオーキド博士の研究所に向かう。
インターホンを鳴らそうかとドアが開いていた。マサラタウンはド田舎とは言え不用心だなとコツコツと歩き進めていけば……オーキド博士がいた。
「おぉ、サトシも帰ってきおったか……少し待っておれ」
「んだよ、やっと帰ってきたのか!」
「あんたどういうルートを通ってたの?シゲルが一昨日帰ってきたのよ?」
「まぁまぁ、彼にも彼のペースがあるんだ」
オーキド博士だけでなくヤヒコとアムとシゲルが居た。4人で仲良くテーブルを囲んで……ポンジャンをしている。
オーキド博士、あんた一応はポケモン研究家なんだから遊んでるな……とは言わねえな……
「っく……」
ヤヒコがリーチ状態になっており、手元にはマスターボール牌は無いオーキド博士。
イーブイ系統があまり捨て牌にない。誰かがイーブイ系統の牌を握っていてそれで和了を狙っている……オーキド博士はリーチと言いたい。だがリーチと言うにはシャワーズの牌を捨てなければならない。シャワーズの牌は全員の捨て牌に無い……イーブイ系統の牌があまり出ていないということは山に眠っている可能性が数%はある。
「オーキド博士……やっちゃいなよ」
「サ、サトシ?」
「どうせ負けるか勝つかのどっちかなんだ……だったら行くところまで行くしかないよ……生きたいって思いを捨てなきゃ次には進めない…………死ねば楽なのにな……」
「っく……………リーチじゃ!!」
「シャワーズ……」
「よりによってシャワーズか」
「シャワーズじゃないのよ」
オーキド博士はシャワーズの牌を切ってみると誰もロンとは言ってこなかった。
誰もシャワーズ単騎待ちじゃない……オーキド博士は首の皮1枚で繋がったところだがアムがポロッとシャワーズ待ちじゃないと言った……捨牌の中に無いのはブラッキーとエーフィ………序盤にシゲルはブースター、ヤヒコはリーフィアを切っているからどっちもイーブイ系統を持っていない……イーブイ系統は山に入っている……エーフィが無いってところだろう。
「っ……」
「ロン!最終進化だ!」
リーチになっちまってるやつは辛いねえ。
オーキド博士の次に牌を拾ったのはヤヒコだがヤヒコは欲しい牌を引くことが出来なかった。
捨牌はフシギバナ、それは欲しい物じゃないと捨てればオーキド博士がロンとカメックス、リザードン、フシギバナの最初の3体最終進化系役満を叩き出した。
「ふぅ……なんとか首の皮1枚で繋がったわ……コレでもりのヨウカンは守りきったぞ」
「オーキド博士、賭けてたんですか?」
「うむ。実はナナカマド博士から限定品じゃともりのヨウカンが送られてきての……羊羹をこうガブリと噛みついてみたいんじゃ」
血糖値爆上がりで眠くなるな。
なにはともあれもりのヨウカンを守り切ることが出来たオーキド博士。オーキド博士にジムバッジが8個入っているバッジケースを見せる。それと同時にポケモン図鑑もオーキド博士に差し出す。
「いやはや、ワシも長い間新人トレーナーにポケモンを渡してきたが一度に全員が帰ってくるのははじめてじゃ……シゲルはともかく、アムとヤヒコは途中で不調そうで心配じゃったぞ」
「心配ってそんな……まぁ、確かにスランプに陥りかけてたけど」
「あたし達は……サトシに負けたのよ……だから気を引き締め直したの」
原作通りならばここにいないヤヒコとアム。
オレとのバトルを糧に一気に成長している……なんというか纏っている雰囲気は多少はマシになっている。顔付きもだが。
「やれやれ、サートシくんに負けるだなんて情けないねぇ……」
「そういうお前もある意味負けてるだろ」
「やだなぁ、アレは君のガールフレンドに勝ちを譲っただけに過ぎないさ!!…………そういえば居ないけどどうしたの?」
「ママに手料理を習うって」
「おい、それって」
「着実に外堀を埋められてるわね」
うるせえ、大きなお世話だ。セレナが今なにをしているか言えばひそひそ話をしているが丸聞こえだ。
「おぉ、コレはスゴいぞ!」
「オーキド博士、なにがスゴいんだ?」
「サトシの図鑑を調べたんじゃが出会ったポケモンが100種以上で更には伝説のポケモン、フリーザーやホウオウと出会っておる!出会ったポケモンの数でサトシがぶっちぎりの1位じゃ!!」
「なっ……オーキド博士!なにかの間違いじゃないですか!?」
「アム、やめるんだ……僕達とは異なる道を通ってきたからね、それぐらいはしてもらわないと」
オーキド博士がオレのポケモン図鑑をスキャンして驚いている。
理由をヤヒコが聞いてアムがありえないと言うがシゲルが宥める。オレはお前等とあんまり顔を合わせなかったからな、通常のルートとは異なるルートを通っている……プテラとかが良い一例だろうな。
「しかしゲットをした数ではサトシはダントツのビリじゃ……ついてきなさい」
オーキド博士はそう言うとモンスターボール保管庫に連れてきた。
シゲルの棚、ヤヒコの棚、アムの棚、オレの棚とモンスターボールが置かれているがオレの棚だけ少ない。30個のケンタロスのサファリボールと残りはベトベトン、オーガポン、コノヨザル……圧倒的なまでに少ない。
「シゲルが200匹程ゲットしておるがサトシは40にも満たず内30匹はケンタロスじゃ」
「フフフ、ゲットした数の上では僕が上だね」
「クククッ…………そいつは少し認識が間違ってるな」
「なに!?」
「オレはポケモンリーグを目指してそれに調整してポケモン達を育ててるんだ……セキエイ大会は基本的には8回戦だ。予選4試合と5回戦は使用ポケモン3体、準々決勝からは手持ち6体のフルバトルになる……………」
「そんな事はここにいる皆が知ってるよ。それがどうしたっていうんだい?」
「3×5で15、6×3で18……つまりは33匹しか参加出来ないんだ。お前は200匹以上もゲットしてるがその中のどいつを出す?オーキド博士に最初に貰ったポケモンは何回か出す筈だ……要するにお前がゲットしたポケモンの中には公式戦の出番が一生回ってこない奴が確定している……」
「っ……そ、そういう君のケンタロスだって一緒のはずだ!」
「ああ……だから誰が1番なのか日夜競ってもらってるよ」
多くのポケモンをゲットしているのが強みに見えるかもしれねえが、決して強くはねえ。
エースのポケモンが重複する可能性もあるから出れないこともある。だからこそポケモン同士で競い合ってもらう。
オレがセキエイ大会で出そうとしているケンタロスは群れの中で争って頂点に立った厳選されたケンタロス……なんだったらジバコイルは『めざめるパワー(氷)』個体を厳選してるぜ。
「多くのポケモンをゲットせずに少数精鋭か……あれから手持ちが増えたのか?」
「大して増えてねえ……見たいのか?」
「そりゃあ……あんた、見たことないポケモンを普通にゲットして普通に扱ってるから」
オレのポケモンを見たいというヤヒコとアム。
別に隠すことはなんにもないのだとオーキド庭園に出ればボールを取り出し投げた。
「コウガ!」
「サン!」
「ゲンガ!」
「リリリ」
「……」
「トゲ!」
ゲッコウガ、サンドパン、ゲンガー、ジバコイル、リザードン、トゲキッス。
カントー地方では見ないポケモンが多いのでアムとヤヒコは図鑑を取り出すがトゲキッスとゲッコウガが対応しておらず、オーキド博士から説明を受ける。
「オレも見せたんだから、お前等も見せるのがフェアだろう」
「ま、それもそうか……つっても前と変わらねえぞ?」
フシギバナ、ギャロップ、スリーパー、スターミー、ドードリオ、サイドンと前と変わらない手持ちのヤヒコ。
サイドンをドサイドンに進化させてねえのか……サカキがジム戦でドサイドンを見せずにミュウツーで無双した感じだな。
「あたしはこんな感じよ」
「グォオオ!」
「ダーッス!」
「ガラッ!」
「ナッシー!」
「キコココ」
「リッキー!」
リザードン、サンダース、ガラガラ、ナッシー、キングラー、カイリキー……中々にゴツいのを選んできたな。
見た目からして強そうなポケモン達……レベルもそれ相応のものだろうが物理寄りに近い構成だな。
「じゃあ、僕はこんな感じかな」
「ガメ!」
「ゴロ!」
「レッブウ!」
「ディン!」
「ワォーン!」
「ニド!」
カメックス、ゴローニャ、エレキブル、フーディン、ウィンディ、ニドキング。
『じめん』タイプが重複しているがゴローニャとニドキングではやる仕事が異なっている。
「グォオオオオオウ!!」
「リザードン、どうしたの!?」
高らかに雄叫びを上げたのはアムのリザードンだった。
何事かと思っているとオレのリザードンに向かっていき挑発をする……だが、リザードンは明後日の方向を見ておりアムのリザードンを気にしていない。その事がアムのリザードンは気に食わなかったみたいなので『かえんほうしゃ』を浴びせる。
「おいおい、随分と血の気が多いリザードンだな」
「ねぇ、サトシそのリザードンって……あのリザードがリザードンになったのよね?」
「ああ、リザードンになったんだよ」
リザードがリザードンに進化をした事を伝えればアムは何かを考える。
アムのリザードンはオレのリザードンがヒトカゲの頃にボコられて負けてしまっている。だからここでリベンジを果たしたいのだと燃えているんだろうがリザードンは明後日の方向を向いている。
「リザードン……バトルをするか?」
「グォ…………」
リザードンにバトルをするのかと聞けば……悩んでいた。
シゲルやセレナは記憶を弄られてたがリザードンはハッキリと覚えている。オレとゲッコウガが圧倒的な力を持ったミュウツーを撃退したのを。あの力は1人じゃ絶対に手に入れることが出来ない高みにある……リザードンにはメガシンカという手段が残っている。それに至るには1人で自分勝手に動けばいいんじゃない……力を合わせたことで生まれる力をリザードンは見せつけられて悩んでいる。しかしバトルをするつもりはあるのだとフィールドに立ってくれる。
「リザードン『げんしのちから』だ!」
「リザードン『げんしのちから』よ!」
「クククッ……それで勝負しようってのか?」
「っ……」
アムのリザードンはリベンジマッチをしようと挑戦を受け入れて技を指示すればリザードンは指示通りに動いてくれる。
少しは丸くなったのかと思いながらもオレは笑う……アムのリザードンも『げんしのちから』で対抗をしてくる。『げんしのちから』ならばリザードンの4倍弱点を突く事が出来るから……ではない。勿論『げんしのちから』の攻撃の部分も狙っているだろう。だが、ホントに狙っているのはそこじゃない……『げんしのちから』の追加効果の能力向上だがオレのリザードンだけが能力向上した
「潔く『つるぎのまい』か『はらだいこ』辺りを使えばいい……と言ってもそいつを使うってことはリザードンのやることの予測が大体読めちまう……リザードン『げんしのちから』だ」
「リザードン、避けて!」
「…………なんて………なんて豪運なんだ………」
『げんしのちから』を撃てば再び能力が上昇するオレのリザードン。
ここでシゲルが冷や汗をかいている……オレの豪運について驚いているんだろう。
「『げんしのちから』はポケモンの能力を上昇する追加効果を持っている。でも、その追加効果が発動するのは本来は極々稀なんだ。2回連続だなんて早々にありえない」
「けどよ、サトシは成功してるぜ?」
「……サトシは…………ここぞという時に絶対の追加効果を発揮している……ありえない……圧倒的なまでの豪運だよ」
オレが追加効果を狙っての攻撃をしたりすると確実と言っていいほどに追加効果を引き当てる。
リザードンの特性が『てんのめぐみ』みたいな反則じみた特性を持っているわけじゃねえ……ただ純粋に引き当てている。
「「リザードン『かえんほうしゃ』」」
ここで互いに『かえんほうしゃ』同士をぶつけ合う……が、オレのリザードンが勝つ。
純粋なレベルで言えばアムのリザードンの方が少しだけレベルが上だが『げんしのちから』で二段階特殊攻撃が上昇している。
オレのリザードンの方が『かえんほうしゃ』の威力は強く、最初は均衡していた『かえんほうしゃ』のぶつかり合いだったが徐々に徐々に押されていきアムのリザードンに『かえんほうしゃ』が命中をした……が、『ほのお』タイプの攻撃なので大したダメージになっていない。
「リザードン、サトシのリザードンは強いよ……だからアレをやるよ!」
「グォオウ!」
翼を羽ばたかせてアムのリザードンは空を飛んだ。
なにをしてくるのか?少なくともZワザはないだろう……となるとあの技か。
「リザードン『ブラストバーン』」
「リザードン、避けろ」
渾身の炎を口から放つリザードン。Zワザが使えない以上は最強の技である『ブラストバーン』を撃つと思っていた。
アムのリザードンはオレのリザードン目掛けて『ブラストバーン』を撃ってきたがオレのリザードンは回避し……アムのリザードンが地面に落ちて息を乱している。
「『げんしのちから』だ」
『ブラストバーン』という大技で勝負を決めに来たんだろうが、『ブラストバーン』で決めれるほどに甘くはない。
『ブラストバーン』を回避すれば暫くは動けないのでそこを叩くのだと『げんしのちから』を使ってアムのリザードンを吹き飛ばした。
「クククッ……どうした?」
「……くそっ……」
「こら、アム」
「いいんですよ。アムがそれだけ本気だったってわかるんですから」
『げんしのちから』でアムのリザードンは戦闘不能になった。
少しだけ煽れば物凄く悔しそうにしており、アムがトレーナーとしてあまり見せてはいけない態度を見せているのでオーキド博士が注意をしようとするがアムが本気でオレのリザードンを倒しに来たのだから……クククッ……いいねいいね……本気を込めて挑んできている奴を喰らう。これほどまでに極上の味は存在しねえよ。アムはリザードンをボールに戻せばオーキド庭園を去っていく……敗者にはなんの権利もねえ。
「で、どうだった?」
「グォ……」
「オレの言う事を聞いてれば絶対なんて事はねえぞ……オレも負ける時は負けるんだからよ……大事なのは心を通わせる事だ」
オレの指示に従って動いたらリザードンは圧倒する事が出来た。
リザードンはオレの指示に従って動いたら勝てるのか?それは自分が思うように動いているのかと悩んでいるので言っておく。
柄じゃねえが大事なのは心を通わせる事だ……オレが拳を突き出せばリザードンも拳を突き出して拳を重ね合わせる……リザードンと心が通わっているかどうかは分からねえ。だが、リザードンはオレと向き合おうとしている。
「コウガ」
「サン!」
「ゲン!」
「リリリ!」
「チョゲ!」
「ベトベトォオオオオ」
「ブィキャ!!」
「ガォッ!」
『「「「ブモオォオオオオオ!!」」」』
「クククッ……お前等もか」
オレと向き合おうとしているのはリザードンだけじゃない。
気付けばゲッコウガが、サンドパンが、ゲンガーが、ジバコイルが、トゲキッスが、ベトベトンが、コノヨザルが、オーガポンが、ケンタロス達がオレと向き合おうとしている……
「さぁ、特訓をはじめる……今のままじゃセキエイ大会優勝なんて夢のまた夢だ」