闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
サトシが無事に4回戦を突破した。4回戦の相手は今までと比べても弱かった……純粋にベトベトンとの相性が悪かったとも言える。
ベトベトンがヘドロな体なのは知っているが彼処まで物理攻撃に強いとは思わなかった。アレで特防の方が種族値が高いんだから詐欺だぞ。
「じゃじゃーん!ママ特製のサトシスペシャルよ!」
「堂々とオレの名前を出さないでくれ……恥ずかしい」
残り全ての4回戦が終わり、次からはセキエイスタジアムでのバトルになる。
本戦トーナメントとも言うべきトーナメントが開幕するのだがその前に1日の休みが貰える。
ポケモンリーグは長い。そして1回でも負ければその時点で終わりなポケモントレーナーにとって精神をガンガンと削る。
そんなトレーナーに休息が与えられる……今日1日は完全な休みでここまで頑張ったサトシにご褒美だとサトシのママさんがレストランの厨房を借りて料理を作った。サトシスペシャルと意気込んでるがサトシはやめてくれと恥ずかしそうにしている。
「あれ、オーキド博士は?」
「サトシにばかり依怙贔屓をしたらダメだからってシゲル達のところに行ってるぞ」
何時もならばこの場に居そうなオーキド博士がこの場に居ないことをセレナが気付いた。
サトシにばかり贔屓をしていたらダメだから……他の3人も充分な戦績を残しているのだと褒めに行った。オーキド博士も大変だがホントに大変なのはここからだ。
「美味い」
俺もママさんの手料理を食べる。
予想以上に絶品だった。サトシは何事もない様に黙々と食べている……コイツ、完全に舌が肥えてるな。
サトシのママさんの手料理を食べ終えた後にエレベーターに乗ろうとする。
「ま、待ってください」
エレベーターを閉めるボタンを押そうとすると高山みなみボイスの男が入ってきた。
間に合ったとホッとしているので高山みなみボイスの男に何階に向かうのかを聞けば1階に向かうと言ってくれる。
1階に向かうのは俺達もだとエレベーターに乗っていると……急に電気が切れた。
「きゃ!?」
「どうなってるの?」
「エレベーターが止まった……故障したのか……アラン、なんとかならないのか?」
「俺はなんでも出来る人間じゃねえよ」
「いけ、レオン」
「ピッカ!」
「レオン『フラッシュ』だ」
「ピカ!」
エレベーターが突如として故障した……これって結構な大事件じゃないのか?
故障したエレベーター内でなにも見えないなとと思っている高山みなみボイスの男がピカチュウを出して『フラッシュ』でエレベーター内部を明るくする。
「すまん、助かった」
「構いませんよ……それよりもちょっと気になることが……あ、やっぱり!」
「配線が切れてるな」
エレベーターの内側から配線を抜いた高山みなみボイスの男。
配線っていうか電線が切れている……なんでこうなったんだろうと思っていると高山みなみボイスの男が自分のピカチュウの赤いほっぺに電線を触れさせて電気を送ればエレベーターは再び動き出して1階に辿り着いた。
「スゲえな、よくわかったな」
「アローラで親父に習ったんだ……僕はヒロシ、君は?」
「オレはサトシだ……ありがとな」
「気にしないでよ、サトシくん」
「くんは要らねえよ」
アローラで親父に習ったんだという何処かで聞いたことがあるワードを言う高山みなみボイスの男もといヒロシ。
サトシとの邂逅を果たしたのでコレで無事にと思いながらも業者を呼んで状況を説明する。
『アテンションプリーズ』
『大会役員からのお知らせです。出場選手はモンスターボールを全て持ってセキエイスタジアム前までお集まりください』
「ったく……捕まえた筈なんだがな」
選挙の演説カーでなくデコっている中型のトラックがセキエイタウンを走り回る。
マイクから聞こえる声を聞いてサトシは呆れていた。確か逮捕した筈なのに……この世界はザルすぎるな。
出場選手は集まってくださいと言っているのでセキエイスタジアム前に向かう。
「ただいまより」
「いけ、ゴリランダー!」
「ゴォ!」
「『ドラムアタック』だ!」
明らかに変装しているのが丸わかりのムサシとコジロウが居た。
コレは見過ごすことが出来ないのだとゴリランダーを出して『ドラムアタック』を使い巨大な蔦でムサシとコジロウを縛り付けた。
「お前、ゴリランダーなんて持ってたのか」
「ああ『グラスメイカー』ゴリランダーだ」
「夢も希望もねえのを……テメエ等、逮捕されたばかりだと思えば余計な真似をしやがって……」
「いけ、フーディン。『サイコキネシス』で動きを封じろ!」
「ちょ、ちょっと!なんでバレるのよ!?」
「見りゃ分かるだろう」
ゴリランダーの『ドラムアタック』とフーディンの『サイコキネシス』で動きを封じた。
俺がこいつ等はロケット団だと言えば一同は驚く。それと同時にジュンサーさん達がやってきてロケット団が乗っている車とロケット団を押さえた。
「アラン、凄いや。アレが罠だと見抜くなんて」
「ポケモンリーグは問題無く進行されるからああいうことが起きるのが異常なんだ」
連行されていくロケット団
5回戦まで残っている出場者達は危うくポケモンを盗まれかかったのだとヒヤヒヤしている。
ヒロシもその5回戦まで残っている出場者の1人で俺がロケット団を見抜いたことを流石だと褒める。
「俺は純粋な試合を見たいんだ……くだらない横槍だけは認めない」
「試合を見たいって、アランは出場者じゃないの?」
「俺はポケモン博士の助手だよ」
「えぇ……そうなんだ。アランだったら確実にいい成績を残しそうなのに」
俺は日本代表を目指してポケモンを極めているんじゃなくて純粋にゲームが大好きな極々普通なオタクなんだ。
オタクはちゃんとしているんだ。趣味は趣味、仕事は仕事でキッチリと分ける……廃課金するときはするけれども。
アランだからプラターヌ博士の助手をしているんじゃないし、純粋にポケモンの知識があったからプラターヌ博士の助手をしているってところもあるからな。
「やぁ、集まったようだね」
ロケット団を逮捕した。
どうやらロケット団は脱獄をしていたみたいだが今度は強固な檻に叩き込んでいるので問題は無いと言うがサトシが言うにはあの3人組にだけはそれは意味がない、ギャグ補正が働いていると中々に嫌な事を聞いた。もしかしたらと思うが……まぁ、うん。
「「「「最初はグー!ジャンケンポン!!」」」」
翌日にセントラルのポケモンセンターに向かった。
本戦トーナメントに出場するシゲル、アム、ヤヒコ、サトシのマサラタウン出身の4人のトレーナーはジャンケンをした。
まず一番最初に勝ったのはシゲルだった。シゲルの1人勝ちでシゲルは嬉しそうに……コイキングを釣った。本戦トーナメントの対戦相手と自分のブロックを決める為のジャンケンでシゲルが釣ったコイキングはB−3、Bブロックだった。
「「「最初はグー!ジャンケンポン!」」
次に勝ったのはアムだった。その次に勝ったのはヤヒコだった。
アムはA−1、ヤヒコはA−4……妙なところでジャンケンに弱いなとサトシが最後に釣り竿を引いてコイキングを釣り上げればAー3だった。
「サトシが、対戦相手か…………よろしく頼むね」
「ああ、頼む」
A−3には既に1人決まっていた
それはヒロシ……ヒロシは対戦相手がサトシだと分かれば握手を交わしヒロシは早速サトシの研究をしようと去っていった。
「サトシ……………」
「クククッ…………コイツは嬉しいねぇ」
「え?」
ヒロシこそが最初のサトシくんキラー……まぁ、ヒロシの場合は実力で勝てる可能性があったんだがな。
サトシの中の人が違うのでもしかしたら別の奴と当たったりする可能性もあるのかと思ったがそうでもなかった。
しかしサトシはそんな事を気にせずに笑みを浮かびあげている。トーナメント表を見つめる。
「全員と戦う事が出来る……誰が1番なのかを決めれるんだ」
「あ、ホントね」
セレナはトーナメント表を見上げる。
ヒロシに勝つことが出来ればヤヒコと戦える。ヤヒコに勝つことが出来ればアムと戦う事が出来る。アムに勝つことが出来れば決勝戦でシゲルと戦うことが出来る。ここで優勝すれば名実共にマサラタウンで一番のトレーナーになれる。
『さぁ、決勝トーナメント1回戦、第3試合!ここまで快調に勝ち進んできたサトシ選手!同じく快勝のヒロシ選手!今大会でも屈指の好カードです』
「……よかった」
サトシが無事にセキエイスタジアムに行くことが出来た。
ロケット団の介入があるんじゃないのかと警戒をしていたがロケット団は牢獄にぶち込んでいる。その内に出ていくものだと言っているのだが大会中には目立った活動はしないと俺は一先ずはホッとする。
「いけ、パピー!」
「いけ、ジバコイル!」
そんなこんなで5回戦が開幕する。
ヒロシが出したのはバタフリー、それに対してサトシが出したのはジバコイルだった。ヒロシはジバコイルを見たことが無いので戸惑うのだが鋭い洞察力、コイルという名前がついている事からレアコイルの進化系だと見抜く。
「パピー『ねむりごな』だ!」
「ジバコイル『エレキフィールド』だ!」
『でんき』タイプのジバコイルとバタフリーでは圧倒的なまでにバタフリーが不利。
少しでも有利に試合を運ばせるために先ず撃った手は『ねむりごな』だがサトシはそれを読んでいたのか『エレキフィールド』をはる。
『エレキフィールド』の効果により『ねむり』状態になることはない。
「ジバコイル『ロックオン』」
「っ、パピー!『ふきとばし』だ!」
バタフリーがジバコイルを一撃で倒すことが出来る技はない……サトシのことだ、あのジバコイルは『がんじょう』の『めざパ氷』だろう。『ロックオン』をされてしまえば次に使う『でんき』タイプの技が確実に当たる。バタフリーに当たれば詰むと『ふきとばし』で交代させるが……出てきたのはコノヨザルだった。まだこの大会で使用していないポケモンで更には第9世代のポケモン、未知のポケモンで試合中のポケモン図鑑の使用は禁止だからか困惑している
「パピー『エアスラッシュ』だ!」
だけど、手を緩めたらいけない。サトシ相手に一手でもくだらない真似をしたら、一歩でも立ち止まれば詰んでしまう。
バタフリーに『エアスラッシュ』を飛ばせばコノヨザルはくらう……が、怯まない。
「『かみなりパンチ』だ」
「ブギャア!!」
「フリャアア!?」
「パピー……『エレキフィールド』の効果か!」
「バタフリー、戦闘不能!コノヨザルの勝ち!」
『おおっとヒロシ選手のバタフリー、『ふきとばし』でジバコイルから逃れたと思ったがコノヨザルの『かみなりパンチ』技の選択を誤ってしまったか!』
「戻れ……『かくとう』タイプのポケモンか……『エレキフィールド』が続いているなら利用させてもらう!頼んだぞレオン!」
「ピッカア!!」
「……ダメだな」
「え?」
「ヒロシの奴『エレキフィールド』を利用してやるって出したけど、大事な事を忘れてるぞ」
『エレキフィールド』で『でんき』タイプの技の威力が強まっている。
それを利用してピカチュウで勝負の流れを切り替える。少なくともジバコイルが割れているのがいいことだが大事な事を忘れてる。
「レオン『10まんボルト』だ!」
「コノヨザル『かみなりパンチ』を構えろ」
『10まんボルト』を放つピカチュウ。
コノヨザルは『かみなりパンチ』を構えれば『10まんボルト』が命中した……が、先に『かみなりパンチ』に『10まんボルト』が通過しているので威力が落ちている。『エレキフィールド』でどうにかなるのかと思っているが『でんき』技の対策はできている、相手のエースがピカチュウなら尚更だろう。
「レオン『でんこうせっか』だ!」
「あ!」
「こういうところでトレーナーとしての知識が試されるな」
『10まんボルト』が効かないのではないが効果は薄い。
先ずは『でんこうせっか』で体勢を崩して『10まんボルト』を浴びせようって考えているんだろうが、ここで知識が足りないのが出てきてしまう。ピカチュウは『でんこうせっか』でコノヨザルに激突……することなく通過した。
「コノヨザル『ふんどのこぶし』だ!」
「ブグアアアア!!」
黒色のオーラを纏わせて拳でコノヨザルはピカチュウを殴り飛ばした。
『エアスラッシュ』を何発か受けて『10まんボルト』を浴びているので『ふんどのこぶし』の威力はかなり高い。
ピカチュウは殴り飛ばされた……が……コノヨザルが膝をついている。特性の『せいでんき』が発生したんだろう。
「レオン『10まんボルト』だ!」
「ピィカァ、チュウウウウ!!」
「ブギャア!?」
「…………やるな………」
「コノヨザル、戦闘不能!ピカチュウの勝ち!」
『せいでんき』で『まひ』状態にさせれば『10まんボルト』を浴びせる。
『エレキフィールド』の効果のお陰で大ダメージになっており……ここで遂にサトシのポケモンが破れた。サトシはその事にショックを受けるのかと思ったが至って冷静だった。サトシキラーだからこれぐらいはやってもらわなくちゃ困るとでも思ってんだろうな。
「いけ、ジバコイル」
「ジバァ!」
「……………………………こりゃ相性悪いな」
「え?」
「ヒロシのピカチュウ『かくとう』タイプの技を覚えてねえな……耐えきったとはいえ『ふんどのこぶし』を受けて限界のピカチュウ、対するは無傷のジバコイル。ジバコイルには色々と武器があるがあのピカチュウにはない……『くさむすび』『なみのり』じゃない、『はがね』タイプに対して強い技がない。しかも覚えててもあのジバコイル『がんじょう』だから攻撃は確実に1回は耐えるし『かくとう』タイプの技は基本的には物理技だ。ジバコイルは物理攻撃には強い」
特性を除いてもジバコイルは物理攻撃に対して強い。
相性の良い4倍弱点の『じめん』タイプの技を使わなきゃいけねえ……この世界はアイテムを持たせる概念が無いが、ふうせんを持っているジバコイルとかもいるから油断ならない。
「『でんき』タイプのポケモンとして負けられない!レオン『10まんボルト』だ!」
「クククッ……1番の悪手だぞ?『10まんボルト』だ」
ヒロシのピカチュウとサトシのジバコイルは『10まんボルト』を撃ち合った。
ヒロシはどういう意図でピカチュウをライチュウに進化させていないかは知らないがそれだけはやっちゃいけねことだ。
進化をしていない分、パワーがどうしても足りない。ジバコイルは素早さが落ちるが特殊攻撃130と圧倒的なパワーを持っている。『10まんボルト』同士はぶつかるが拮抗にならずジバコイルが放ったのが押していきヒロシのピカチュウに命中しピカチュウは倒れた。
「ピカチュウ、戦闘不能!ジバコイルの勝ち!」
「戻れ……最後を託すぞ!いけ、ジッポ!」
「カゲ!」
ヒロシの3体目はヒトカゲ……かなり鍛えられているのが分かる。
「ジッポ『かえんほうしゃ』だ!」
「ジバコイル『ロックオン』だ」
だが……それでもどうしても『がんじょう』でジバコイルは確実に1回は攻撃を耐える。
なにを狙っての『ロックオン』か『でんじほう』辺りを狙っているのかと思っているとジバコイルはヒトカゲに近づいた。
「『だいばくはつ』だ!」
「……エグいな……」
確実にヒトカゲを倒しに来ている。『みちづれ』といい『ほろびのうた』といい『だいばくはつ』といいサトシの殺意が高すぎる。
至近距離からの大爆破をジバコイルはヒトカゲにぶつける……これで倒された、そう思ったがヒトカゲはなんとか立ち上がろうとする。
「カ、ゲ……」
「ジッポ……まだだ!まだ終わってないぞ!!サトシ!」
「ジバコイル、戦闘不能!……サトシ選手3体目のポケモンを」
「ああ……いけ、リザードン」
「グォオオオウ!!」
「リザー、ドン……」
「…………全力で折りに行ってるのか?」
サトシの3体目のポケモンはリザードンだった。
戦闘不能寸前のヒトカゲに対して元気満タンの無傷のリザードン、自身の完全なる上位互換をサトシは出した。
そこからは直ぐに試合が終わった。リザードンは『かえんほうしゃ』を放つ。ヒロシのヒトカゲは『もうか』を発動させての『かえんほうしゃ』を放つがリザードンの方が遥かにパワーが上
「やっぱ進化してるかしてないかは大事だな」
進化しているだけで出せる出力が大幅に変わる。
ヒロシのバタフリーは最終進化系だからあれだがピカチュウとヒトカゲはどうしてもパワーが足りない。
進化をすることで鈍足になったりすることもあるが、パワーが上がる。コレは割と重要な事だ。気合だ根性だで乗り切れない種族の差がある。特にヒトカゲがリザードンだったらそれなりにいい試合が出来ていただろう。
「ヒトカゲ、戦闘不能!リザードンの勝ち!勝者、マサラタウンのサトシ選手!」
『激闘を制したのはサトシ選手!ここまで温存していたリザードンは強力なポケモンだ!!』
「ま、俺のリザードンの方が強いがな」
手持ちが残り1体に追い詰められる展開になったもののサトシは無事にサトシくんキラーを倒した。