闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「暑い………………暑い………………」
「水分補給はしっかりしておけよ」
ヒワダタウンに辿り着いた。とりあえず言えることは唯一つ……暑い。
ジョウト地方は現実で言うところの近畿地方、関西圏内で暑い地域が多いのかと疑問を抱くがとにかくヒワダタウンはクソ暑い。
セレナにスキットルタイプの水筒を渡せば一気飲みする……水の一気飲みは体によくねえが脱水症状を起こすよりは遥かにマシだ。
「サトシ、一先ずはポケモンセンターに行きましょう…………ていうかサトシはなんで大丈夫なの?」
「顔に出してねえだけで暑いさ……ただ慣れている」
伊達にビュッフェ形式とはいえコックとして働いていねえ。冷房完備じゃない厨房で働いているから夏の暑さとは常に戦っている。
暑いか暑くないかで言えば暑いがそれを口にしない。言わねえだけだがかなりの汗をかいているがいちいち言っていたらキリがねえ。
「はぁ〜……………生き返るわ………………」
そんなこんなでとりあえずはとポケモンセンターに向かった。
ポケモンセンターはエコなんて知ったことじゃねえよガンガンに冷房を効かせておりセレナは生き返るとジジ臭い……いや、ジジイはエアコンなんて甘えとか言って扇風機で妥協して熱中症でぶっ倒れて死ぬという一例を生み出すからジジ臭くはない。むしろ若者のリフレッシュ感が出ているな
「ん〜……いちご味最高!」
ポケモンを預けている間に食事を取るのだがこのクソ暑い環境ではまともに食事が喉を通らない。
オレ達だけでなくここに来ている旅のトレーナー達も同じことを考えているようでかき氷を注文している。
キンキンに冷えたかき氷に本当にいちごの味がする特製のシロップを掛けて食べる。セレナはご満悦な様で笑みを浮かび上げている。
「それでサトシ、っ……このままジム戦に行くの?」
「いや、ガンテツさんの方を先にする」
かき氷を食べて頭がキーンとなっているセレナはこれからどうするのかを聞いてくる。
オーキド博士に頼まれていたおつかいのGSボールをガンテツさんに渡す……まぁ、渡したところで解析出来ねえって原作知識が言っている。結局なんなんだあのGSボールは。にじいろのはねとぎんいろのはねを素材にして出来た物なのか?それだとポケスペだぞ。
『ポケモンセンターからのお知らせです!最近日照りが続いたためにポケモンジム、図書館、プール等の一部の施設を一時的に閉館します』
「えぇっ!?水不足ってそんな事があるの!?」
「まぁ……あるんじゃねえの?」
ガンテツさんの方を先に片付けると言えばポケモンセンターから音声案内が流れる。
水不足って一応は文明が発展しているポケモンの世界で水が不足しているってそれは何時の時代の話だと言いたい。
つーかこの世界の科学技術ならばとってもラッキーマンに出てくる雨雲発生装置とか作れるだろう。オレの記憶が間違いなければ雨雲発生装置、現実でも普通の雲を雨雲に変える装置が作られてなかったか?
「え〜っと、ガンテツさんの家はっと!とととと!」
「と、危ないぞ」
「ヤドォ……」
「野生のヤドンね……………街に住んでるポケモン?」
ガンテツの家に向かうかとなりジョーイさんに聞いてみれば地図をもらった。
地図を見ながら歩いているとセレナがヤドンの尻尾でコケかけるので腕を掴んで抱き寄せる。
セレナが怪我がなくてよかったと思いながらも野生のヤドンをジッと見つめるとヤドンが顔をそらした。
「そないジッと見んといてな。恥ずかしいやないか」
「しゃ、喋った!?」
「セレナ、それヤドンじゃねえ……ヤドンの着ぐるみを着た人だ」
「そ、そうなの……私ったらまた喋るポケモンに会ったのかと思ったわ」
この世界、ポケモンは人間の言語を理解する高い知能を持っている。だが人間の言葉は喋れない。
その筈なんだがニャースをはじめとする一部のポケモン達が人間の言葉を喋っている。大抵はテレパシーだったりするが中にはホントに声を出して喋っている個体もいる。アレっていったいどういう原理なのか、アラン辺りが研究して解明してくれねえかな。
「それよりもあんさんら気をつけなはれや。見たところ他所もんやろ?このヒワダタウンではヤドンは神聖な生き物やねん」
出たよローカルクソめんどくせえルール。
この土地ではこのポケモンが神聖なものだからどうのこうの。キキョウシティに行く前にヌオーの街でも似たような事があった。
GSボールをパクろうとしたから止めたらジュンサーさんが逮捕するとかほざいたので出るところ出てやると揉めに揉めてヌオーから取られた物は取り返しても問題無いと黙らせた。
「ヤドンが神聖な生き物ってどういう意味ですか?」
セレナはヤドンが神聖な生き物だと言う意味が分からないので聞いてみる。
ヤドンの着ぐるみを着ているおっさん曰くこの土地は今みたいに日照り続きで枯れ果てていたところヤドンが雨を呼び起こして枯れ果てた大地に水を呼び起こしたという逸話が残っている…………こういう風習は別に構わねえけどよ、何時かは時代のニーズに合わせて滅ぼさなきゃいけねえもんだとオレは思うぞ。
「っと、アカンアカン。見に行かんと。ほな、気をつけなはれや!」
ヤドンの着ぐるみを着たおっさんは何処かに向かった。
ヤドンに手を出すなと釘を刺されているのでヤドンを警戒する……と言ってもヌオーの時と違って害意が無いので気楽に進める。
「すいませーん、ガンテツさんはいませんか?」
「おじいちゃんやったらおらへんで」
そんなこんなでガンテツさんの家に辿り着いた。
インターホンを鳴らしてセレナが叫んでいると1人の女の子が現れた。
「君は?」
「ウチはチエ、おじいちゃんの孫娘や」
「おじいちゃんって事はガンテツさんの事か……ガンテツさんに調べてもらいたい物があるって来たんだが居ないのか?」
「今、ヒワダタウンは日照り続きやろ。せやからヤドン達が心配や言うてヤドンの井戸を調べに行ったんや……なんや最近ヤドンを見かけなくなったし事件の香りがするわ」
「………………………………そうか」
「ヤドンの井戸に行けばガンテツさんに会えるのね。いきましょう」
いや、うん……分かっていたことだがオチが見えている。
ヤドンの井戸にロケット団が待ち構えている……原作知識的にもパターンからしても読みやすい。セレナはその事に気付いていない……言ったとしても気付かない。コナンの死神体質みたいなものがあるのだと説明をしても意味は無いからな。
「…………コイツは酷えな」
「井戸、なのよね?」
ヤドンの井戸に向かうと枯れ果てていた。
井戸と言えば大事な水源だがここまで枯れ果てているのを見るのははじめてだ。言葉が出ないオレとセレナだがここから先に進まなきゃなんにも話が進まねえと枯れ果てたヤドンの井戸を調べに奥に進んでいけば沢山のヤドン達が見つかった。
「嘘、このヤドン達尻尾が無いわ!?」
「ヤドンの尻尾は甘くて美味しいデザートでカレーの具材にもなる。それ目当てで養殖してる奴も居るぐらいだ……ナイフ」
沢山のヤドン達が見つかったが尻尾が切られていた。
ヤドンの尻尾が無いことに驚いているセレナにヤドンの尻尾は美味い物だと尻尾が切られていないヤドンの尻尾を手刀で切ってセレナに差し出す。
「あ、ホントだ……爽やかだけどねっとりとした甘味……病みつきになりそう」
「栄養素は全くと言って含まれてねえがな……しかし、さっきのおっさんの話が確かならばヤドンは神聖なポケモンでこんな真似をしたら村の連中に叩かれるだろう」
「そうね……事件の香りがするわね……」
「香りしかしねえよ…………さてと、こういう時はカビゴン!出てこい!」
「カンビ!」
飯関係ならばこのポケモンに頼るしかねえ。
カビゴンを出せばカビゴンはここはどこなのかとキョロキョロとした後に首を傾げるのでヤドンの尻尾を見せる。カビゴンは大きな口でパクリと食べると美味しかったのか満面の笑みを浮かび上げ……走り出した。
「ちょ、ちょっとサトシ!大丈夫なの!?カビゴン、ザボン島のザボンのみの時と同じ事をしない!?」
「そうする可能性は高え……大丈夫、カビゴン用のポロックは持っている。それよりもあの野郎、相変わらず足速えな」
食い意地が力を与えているとはいえカビゴンはホントにカビゴンなのかと思える速度で走っている。
凸凹道なのでセレナをお姫様抱っこで抱えて走っていくが中々に速く……そして辿り着いた。
「コラァアアア!!ヤドンの尻尾を密猟するんやない!!」
「あの声はさっきのお爺さん……いったいなんなの?なにが起きてるの?」
「決まってんだろ……ヤドンの尻尾の密猟だよ」
「何だかんだと聞かれたら」
「答えないのが普通だが」
「「まあ特別に答えてやろう」」
「地球の破壊を防ぐため」
「地球の平和を守るため」
「愛と誠実な悪を貫く」
「キュートでお茶目な敵役」
「ヤマト」
「コサブロウ」
「宇宙を駆けるロケット団の二人には」
「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ」
「なーんてな」
「ラッチューノ!」
「……………何時ものじゃないな………………」
どうせロケット団だろうと思っていたが違っていた。
いや、ロケット団と言う意味合いでは間違いではないのだがムサシ達じゃなかった。
まぁ、彼奴等はエリートなのかよくわからない見事なまでの転落人生を歩んでてこいつ等は将来のことを見直してロケット団辞める……悪の組織って辞めれるもんなんだな。
「カンビィ!!」
「って、おい!なに人が集めたヤドンの尻尾を食べてるんだ!」
「カビゴン、食い散らかせ……全くよ、何時もの喋るニャースかと思えばよくわからねえ三流かよ」
「喋るニャース?…………ああ、ムサシ達の事ね。彼奴等はミスを犯してばっかりで今頃はポケヤンスカにでも飛ばされてるんじゃないの?」
「奴等は色々と動いているが我々こそが真のロケット団だ!」
「カビゴン……は、無理か。いけ、ラプラス!」
「頼んだわよリザードン!」
「クォーン!」
「グォオオウ!」
カビゴンにバトルをさせたかったがカビゴンはヤドンの尻尾を食べるのに夢中だ。
2体目だとラプラスを出しセレナもバトルに参戦だとリザードンを出した。
「いけ、デルビル!」
「いくんだラッタ!」
「デゥ!」
「ラタ!」
「リザードン『かえんほうしゃ』よ!」
「デルビル受けろ!」
セレナがリザードンに『かえんほうしゃ』を指示すればヤマトがデルビルに受けさせる。
デルビルはリザードンの『かえんほうしゃ』を受けると燃えるような赤色のオーラを身に纏っている。
「リザードンの『かえんほうしゃ』が効いてない!?」
「バカだね、あんたは。デルビルには『もらいび』の特性があるのよ……デルビル『かえんほうしゃ』」
「ラプラス『ハイドロポンプ』だ!」
「おおっとそうはさせるか!ラッタ『でんこうせっか』だ!」
「ラタ!!」
「クォーン!?」
『ハイドロポンプ』を撃って撃退をしようとするがラッタの『でんこうせっか』に阻まれる。
「落ち着いて……私は今まで何度も何度も見てきた……この子は強い…………リザードン『りゅうのいかり』よ!」
「デルビル【かえんほうしゃ】」
「ラプラス【うたかたのアリア】だ!」
「クォオオオ」
「デゥ!?」
デルビルの『かえんほうしゃ』をラプラスの『うたかたのアリア』が鎮火する。
そうすれば『りゅうのいかり』は通るようになりデルビルに『りゅうのいかり』が命中しデルビルは戦闘不能になり残りは1体だけ。
「まだまだ!ラッタ『ひっさつまえば』」
「カビゴン『のしかかり』だ」
「カンビィ!」
「え、っちょっとまて!ポケモンを3体使うだなんて卑怯だぞ!!」
「クククッ……コイツは誇りを賭けた戦いじゃねえ、なんでもありな戦いだ。カビゴン『れいとうパンチ』だ」
「カァアアビィ!」
カビゴンは『れいとうパンチ』でラッタを氷漬けにし、そのままヤマトとコサブロウにぶつける。
みしりと嫌な音がなったと思えばヤマトとコサブロウは立ち上がろうとするので追撃の『れいとうパンチ』を叩き込みカチンコチンに凍らせた……ロケット団だったら1回目の『れいとうパンチ』でやな感じ〜で星になるがこの2人はギャグ補正が働いていないみたいだな。
「いやぁ、すまんすまん。ヤドンの井戸の奥に来たらヤドンの尻尾を切られとって……ワシがカッコよく退治したろ思っとったんやけどぎっくり腰になってもうてな」
「おい、大丈夫なのかそれは…………こいつ等は後でジュンサーさんに突き出すとして、ヤドンの尻尾は」
「ああ、大丈夫やで。暫くしたらまた勝手に生えてくるから……けどな、今回みたいな密猟はアカンねん!見てみぃ!このヤドン達の元気の無さを!」
「…………………分からねえな」
ヤドン達が元気が無いのだと言うがヤドンは相変わらずボーっとしている。
コレの何処が元気がないのかを聞きたいところだが無いものは無いのだとヤドンはボーっとしている……かに思えたがヤドンは歩き出す。外に向かって歩きだすとヤドンの群れがおりヤドンは空に向けて鳴くと……洪水級の大雨が降った。
「おぉ!流石や!流石はヤドン様や!枯れ果てた地に潤いを与えてくれたで!!」
「おっさん……この状況だとオレ達が帰れなくなるから早いところラプラスに乗ってくれ」
「おぉ、すまんすまん」
干からびていたヤドンの井戸に恵みの雨の潤いがやって来た。
おっさんは喜ぶのだがこのままいけばヤドンの井戸というか池に取り残されてしまう。ラプラスに乗せてヤドンの井戸から脱出した。
「あの〜……もしかしてですが貴方がガンテツさんですか?」
「せやけど、どないしたんや?」
雨宿りしながらセレナがおっさんがガンテツさんなのかを聞いた。
ヤドンの被り物をしているガンテツさんはパカッと頭の部分を脱いだ。
「オーキド博士からおつかいを頼まれてて……このGSボールを渡してくれと頼まれたんです。ボール職人のガンテツさんならばこのモンスターボールがなんなのかわかるんじゃないかって」
ガンテツさんに会いに来た理由であるGSボールを見せる。
手にとってもいいかと聞いてくるので手にとって見てもらうのだがガンテツさんはムムムと頭を悩ませる。
今まで見たことがねえモンスターボール……時を捕らえるボールだったらスゲえ楽なんだがな。
「まぁ、そのGSボールの解析は何時でも構いませんよ。それよりもぼんぐりのみで出来たボールが欲しいんですけど」
「おお、構わんで!2人はヤドンの井戸を救ってくれた救世主やからな!どのボールでも作ったるわ」
「どのぼんぐりでどんなボールが出来るんですか?」
「赤色のぼんぐりは自分のポケモンのレベルが高ければ高いほどにゲットしやすくなるレベルボール、青色のぼんぐりは釣り上げたポケモンがゲットしやすくなるルアーボール、黄色のぼんぐりはつきのいしで進化するポケモンをゲットしやすくなるムーンボール、緑色のぼんぐりはゲットしたら懐きやすくなるフレンドボール、桃色のぼんぐりは自分の性別とは異なる性別のポケモンをゲットしやすくなるラブラブボール、白色のぼんぐりはポケモンが速ければ速いほどに捕まえやすくなるスピードボール、黒色のぼんぐりはポケモンが重ければ重い程にゲットしやすくなるヘビーボールが出来るで……2人共それぞれ1個ずつ作ったるから明日にでもヒワダタウンの裏山に登ってぼんぐりのみ取ってき。ワシが作ったるわ」
「う〜ん……どれにしようかしら?サトシはもう決めてるの?」
「ああ、ま、一応はな……………雨が止む気配が無さそうだしポケモンセンターに戻るぞ」
ガンテツさんからぼんぐりのみで出来たボールの内容を教えてもらった。
ぼんぐりのみは今は手元に無いから明日にでも回収しに行きたいのだがヤドンが起こした大雨が洒落にならない。
まぁ、枯れている井戸を復活させるんだからしょうがねえと言えばしょうがねえんだがよ。枯れ果てたヒワダタウンの水路を復活させるのに一晩かかり翌日にぼんぐりのみを回収しガンテツ印のモンスターボールを頼んだ。