闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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鋼の翼の使い方

 

「貴方、マサラタウンのサトシくんね!!」

 

ポケモンリーグ・セキエイ大会を優勝した功績はかなり大きい。

ジョウトリーグに挑んでいるが時折オレの存在に気付いてはモンスターボールを構えて挑んでくる奴も居る。

 

「ああ、そうだ…………ポケモンバトルか?」

 

「ええ!リザードン、リザードンで勝負してきて!」

 

声をかけられたので何事かと思えば予想通りポケモンバトル。

別にそれ自体は構いはしねえがポケモンバトルに出してくるポケモンを指定してきた。

 

「貴方のあの不思議なゲッコウガが目立っているけれど私は貴方のリザードンに目を付けてるわ」

 

「クククッ……嬉しい言葉だな。だが残念なことにリザードンは手元にいねえ。リザードンの聖地であるリザフィックバレーで修行中だ」

 

「え……そう、なの……」

 

オレにバトルを申し込んできたトレーナーはリザードンがいないと分かればしょんぼりした。

ゲッコウガ目当ては多いがリザードン目当ては久しぶりでリザードンが手元に居るって言うのならば引き受けたが生憎な事にリザードンは手元にいない。

 

「じゃあ他に『ほのお』タイプのポケモンは?」

 

「おいおい、ポケモンバトルをするのに相手のポケモン指定するのは無粋な真似じゃねえのか?」

 

リザードンが無理ならば他の『ほのお』タイプのポケモンでバトルしてくれと言ってくる。

だが、ポケモンバトルをする上で相手にこのポケモンを出してくれというのは少し失礼なんじゃないかと言えばオレにポケモンバトルを挑んできた女性はモンスターボールを投げた。

 

「エァウ!」

 

「エアームド……『はがね』タイプのエアームドなら尚更『ほのお』タイプ以外のポケモンとバトルした方が」

 

「いいえ、エアームドだからこそよ!苦手な『ほのお』タイプに勝てるように特訓するの!」

 

「……………セレナ、タッチだ」

 

「……え?…………えぇ!?……」

 

「お前はテールナーとリザードンが居るだろう。代わりに相手してやってくれ」

 

ボールから出てきたのはエアームドだった。

セレナがエアームドならば『ほのお』タイプを相手にしないほうがと言うが、だからこその『ほのお』タイプを相手にすると言い返す。

苦手を克服しようとしている事は決して悪いことじゃねえが今は少し気分が乗らねえとセレナにバトンタッチする。

オレにはリザードン以外にこの前ゲットしたデルビルが居るのでデルビルを使えばいいとセレナは思っているのだがあんまり気分が乗らねえ。

 

「私も『ほのお』タイプのポケモンを持ってるわ!しかも2体……テールナー、お願い!」

 

「テー!」

 

「……見たことがないポケモンね……」

 

「カロスじゃメジャーなポケモンよ……テールナー『かえんほうしゃ』」

 

「エアームド、飛んで!」

 

セレナが選んだのはテールナーだった。『かえんほうしゃ』で攻めれば予想通りかエアームドは羽ばたいた。

空を飛ぶことが出来るポケモンは空に回避するという事が出来るのが強えが問題はどうするか。

 

「テールナー『かえんほうしゃ』」

 

「エアームド『こうそくいどう』で撹乱して!」

 

「フフ………予想通りの展開か」

 

『かえんほうしゃ』を放つテールナーに対して『こうそくいどう』を使いエアームドは素早さを上げながら攻撃を回避し近付いてくる。

この展開はデルビルで挑んだとしても同じことでありエアームドは一気にテールナーとの間合いを詰め寄った。

 

「『ドリルライナー』」

 

「エアームド『はがねのつばさ』よ!」

 

オレがこの展開とは異なる展開を思い浮かべた結果、『ドリルライナー』が出てきた。

だがそれは今言うべきことじゃないと冷静に試合を見守っていれば『こうそくいどう』で間合いを一気に詰め寄って『はがねのつばさ』をぶつける。テールナーは真正面からくらって手応えあり……に見えて起き上がるテールナー。

 

「テールナー『でんげきは』よ!」

 

「テール!」

 

「なっ!?」

 

回避不能な『でんげきは』を指示すれば完全に予想外だと言葉を失う女トレーナー。

『ほのお』タイプのポケモン=『ほのお』タイプの技を使うというイメージは間違いじゃねえが、それ以外のサブウェポンも注意しねえといけねえ。完全に予想外な『でんげきは』をくらえばエアームドの動きは鈍くなる。

 

「『かえんほうしゃ』よ!」

 

エアームドの動きが鈍くなっている間に本命の『かえんほうしゃ』を放つ。

『こうそくいどう』で回避することは出来ずに『かえんほうしゃ』が命中してエアームドが墜落をした

 

「エアームド!!」

 

「エァウ…………」

 

「勝った!サトシ見た、勝ったわ!」

 

「ああ、お前の勝ちだ……この様子じゃリザードンで挑んでも負けてたな」

 

セレナが勝ったことを喜んでるので褒める。ぐうの音も出ないぐらいに見事なまでのセレナの勝利で終わった。

この感じだとオレのリザードンでもセレナのリザードンでも負けていたのだと感じる。

 

「っく……『ほのお』タイプや『でんき』タイプを相手に頑張ってきてたのに」

 

「クククッ……あんなやり方じゃ勝つもんも勝てねえぞ」

 

「……………それはどういう意味かしら?」

 

「そのまんまの意味だ……エアームド単体で戦わせるやり方が間違っている」

 

『ほのお』タイプとの戦闘を想定して戦っているみたいだがあんなやり方じゃエアームドの無駄遣いにも程がある。

女性トレーナーにエアームドの戦い方をレクチャーした方がいいんじゃねえのかとなる……使い方が酷いんだからな。

 

「じゃあ、どうすればいいの?そこまで言うならば正しい方法があるのよね?」

 

「ああ、あるぞ……いけ、エアームド」

 

「エァウ!」

 

「!……貴方もエアームドを、しかも色違いを持っていたの!?」

 

エアームドの正しい使い方を教えてやると言えばオレのエアームドを出す。

色違いのエアームドなので驚く女性トレーナーだが気にせずにセレナにエアームド単体での正しいバトルのレクチャーをする。

さっきと同様にテールナーが相手……本来ならばエアームドは『ステルスロック』なんかを撒いたりするのが仕事だが今回はエアームド単体での強さを示さなければならない。

 

「いくわよ『かえんほうしゃ』」

 

「『ドリルライナー』で土砂を巻き上げろ」

 

試合が開始すれば『かえんほうしゃ』で攻めてくるセレナのテールナー。

エアームドは空を飛んで回避せずに地面にぶつかるかぶつからないかの低空飛行で嘴をドリルの様に回転させて地面につけて土砂を巻き上げながら『ドリルライナー』で突撃をする。

 

「エアームドは空を飛べるポケモンだが決して速さが売りのポケモンじゃない。『こうそくいどう』が二段階の素早さ上昇で大抵のポケモンが抜けるようになるが運が悪ければ当たる……『ドリルライナー』で土砂を巻き上げそれを壁にしそれでも来る炎は『ドリルライナー』の嘴で拡散させればいい」

 

「で、でも『でんき』タイプの技がテールナーにはあるわ!しかも必中の」

 

「必中なら回避することを視野に入れなければいい」

 

「テールナー『でんげきは』よ!」

 

「エアームド『はがねのつばさ』を地面に突き刺せ」

 

『でんき』タイプの技があるのだと言えばセレナは『でんげきは』を使ってきた。

それに対処方法は知っていると『はがねのつばさ』を地面に突き刺して電撃を流していく。

 

「コレは『10まんボルト』なんかを受けた時にも使える対処法だ……セレナ、リザードンとチェンジしてくれ」

 

「わかったわ。ありがとうテールナー。お願い、リザードン」

 

「グォオオウ!!」

 

「リザードン……」

 

「最初あんたはリザードンを要求してきた、リザードンは実に厄介なポケモンだ。それがなにか分かるか?」

 

「…………空を飛ぶ翼が背中にあってそれとは別に腕が生えている?」

 

「面白い見方だがちげえよ……」

 

「リザードン『かえんほうしゃ』」

 

「『ドリルライナー』で土砂を巻き上げろ!」

 

リザードンのなにが厄介なのかを問いかければなんとも微妙な答えが返ってきた。

確かにそういうところも見れるのだがそこを見るんじゃない、他にも見るべきところはある。

『かえんほうしゃ』で攻めてくるので『ドリルライナー』で対抗するがリザードンは空を飛べるポケモン、低空飛行で突撃してくるエアームドを前にリザードンは空を飛んで回避した。

 

「リザードン、もう少し高くに飛んで!」

 

「『いわなだれ』だ」

 

完全な空中戦をお望みのようだがそうはさせない。

リザードンの上空に岩を出現させて雪崩落としリザードンは地面に撃墜する……が、立ち上がった。

尻尾の炎が大きくなり赤色のオーラを纏っているという事は特性の『もうか』が発動する範囲内にまで来たんだろう。

 

「リザードン『ニトロチャージ』よ!」

 

「『てっぺき』で受け切れ!」

 

「かかったわね!『かみなりパンチ』」

 

「『てっぺき』で受け切れ!」

 

『ニトロチャージ』で激突してくるリザードン。

『てっぺき』を使うことで弱点である『ほのお』タイプの技を耐えた。しかし間合いを詰めるのがセレナの目的の様で『かみなりパンチ』を使うが更にもう1回『てっぺき』を積んだ。

 

「リザードンは物理攻撃も特殊攻撃ほどとは言わねえが使いこなせる……仮にあんたのエアームドが『こうそくいどう』で素早さを増してから『はがねのつばさ』を使ってもエアームドにはパワーが足りない。エアームドの売りは素早さでもパワーでもない。物理耐久、特殊攻撃の避け方は『ドリルライナー』と『はがねのつばさ』物理攻撃で攻めてきたのならば『てっぺき』で受け切る」

 

「受け切る……」

 

「そう、受け切るんだ…………なんのデメリットもなく勝てるほどにポケモンバトルは甘くはない。速攻だけがバトルじゃない」

 

マサラタウンのサトシくんは勢いと独自の発想力に身を任せて戦っている。

勢いに乗って戦う事が悪いわけじゃない。他には無い独創性を持って戦う事が悪いわけじゃない。だが、他にもバトルスタイルはある。

軽量級のポケモンでとかそんなのは関係無い。エアームドは物理攻撃を受ける事に関してはトップクラスのポケモンだ。

 

「で、でも攻撃は?防御ばかりしてても勝てないわ!特にリザードンは空を飛べるポケモンよ!空中戦に持ち込ませない為の『いわなだれ』は分かるけども命中率が不安定よ!」

 

「なんの為に『てっぺき』を積んだと思ってる……上昇しながら『いわなだれ』だ!」

 

エアームドを上昇させる。この時点で1番受けてはいけないのは特殊攻撃の『ほのお』タイプの技、つまりは『かえんほうしゃ』だ。

上空から雪崩落ちる『いわなだれ』をリザードンは回避していきエアームドがリザードンの上を取った。

 

「『ボディプレス』」

 

物理攻撃でダメージ計算をするのでなく物理防御で計算する『ボディプレス』をリザードンに叩き込み雪崩落ちる岩と一緒に落ちる。

2回の『てっぺき』でエアームドは物理防御が高められた。元から耐久が売りのエアームドに『ボディプレス』を使わせれば例え効果はいまひとつと言えどもダメージはしっかりと出ており……火力のゴリ押しでリザードンを戦闘不能にした。

 

「まぁ、こんなもんだ……『ほのお』と『でんき』の特殊技を両方覚えるポケモンは少ない。だから『かえんほうしゃ』で攻めてくれば『ドリルライナー』、『10まんボルト』で攻めてくれば『はがねのつばさ』、『フレアドライブ』や『サンダーダイブ』は『てっぺき』で受け切る。空中戦を挑んでくるのならば『いわなだれ』もしくは『がんせきふうじ』を使えばいい。攻め手は『ボディプレス』、変に『はがねのつばさ』をうつよりも威力が高い」

 

エアームドを用いての弱点タイプに対する対策方法をレクチャーした。

言っておくがこの程度ならばポケモンというゲームをやっていた人間ならば誰しもが思い浮かべる簡単な技術だ。

この作戦を撃ち破る術は当然の様に存在している。対策の対策ぐらいは想定しておかなきゃならねえんだ。

 

「……エアームド同士でのバトルは」

 

「悪いがそれなりに攻撃を受けたから無理だ……代わりと言ってはなんだがコイツが居るぞ」

 

「グォウ!」

 

「デルビルね……いけ、エアームド!」

 

エアームドのレクチャーを終えれば早速実戦に使ってみたいという。

一部の技は即興で真似出来るだろうが練習しねえと真似することが出来ねえ技も幾つかある。

目当ての『ほのお』タイプのポケモンに出会うことが出来たのには代わりはない。エアームドはさっきのテールナーとの戦いのダメージが完全に引いたっぽい。

 

「エアームド『ドリルライナー』よ!」

 

早速オレの真似をして低空飛行で地面を擦りながら土砂を巻き上げる『ドリルライナー』を使ってくる。

教えたことをそのまんま実戦しても意味があるのかと思いながらも動く。

 

「『あくのはどう』だ」

 

「なっ!?」

 

オレが使ったのは覚えさせたばかりの『あくのはどう』だ。

『かえんほうしゃ』で攻めても炎が土砂で防がれる。だが『あくのはどう』は防ぐことが出来ない。

低空飛行が故に地面に激突してエアームドは空を飛べなかった。

 

「クククッ……自分が使ってる技だぞ?攻略法の攻略法の攻略法の攻略法ぐらいは考えておかなくてどうする?デルビル『わるだくみ』だ」

 

「デゥ……ウゥ!」

 

「クククッ……随分と早えじゃねえか」

 

群れのリーダーで強力な技を覚えていることからデルビルのレベルは高い事が予測できていた。

デルビルは眩い光に身を包みヘルガーに進化した……オレの手持ちの中で2番目に早いな。1番はトゲチックからのトゲキッス。進化すると同時にトゲキッスにしたからこの最速記録は誰にも破れねえ。

 

「ルガアァ!」

 

ヘルガーの『わるだくみ』は完了だ。

『あくのはどう』を1回受けているので仮に『がんじょう』の特性だとしても『かえんほうしゃ』で一撃で沈む様にしている。

問題は『ボディプレス』を使ってくること……ヘルガーは物理攻撃に弱く『かくとう』タイプでエアームドの高い物理防御でダメージ計算をする『ボディプレス』は脅威としか言えない。恐らくは受ければエアームドが勝つだろう。

 

「エアームド、飛んで!」

 

『ドリルライナー』で攻めてくるかと思えばエアームドは飛んだ。

こうなってしまえば飛び道具の『かえんほうしゃ』か『あくのはどう』の二択になる。

 

「ヘルガー『かえんほうしゃ』だ!」

 

「エアームド『こうそくいどう』で避けて!」

 

「…………ヘルガー、その場で待機だ!」

 

「なにをするかは知らないけど、エアームド『はがねのつばさ』よ!」

 

「今だ、跳んで背中に乗れ」

 

「なっ!?」

 

エアームドの速度ならば対応することは出来る。ヘルガーは100を超えない素早さだがそれでも速い方のポケモンだ。

両腕の翼を輝かせて低空飛行で突撃してくるエアームドに対してジャンプして回避したと思えばエアームドの背中に乗った。これでもう詰みだ。

 

「『かえんほうしゃ』」

 

「ルガァアア!!」

 

「ェアウ!?」

 

超至近距離からの『かえんほうしゃ』を浴びた。エアームドは飛び立つことはなく戦闘不能になった。

 

「『ドリルライナー』は『あくのはどう』で通じないしどうすればよかったの?」

 

「何でもかんでも答えを教えてもらえると思うなよ……自分で考えてこそのポケモンバトルだ」

 

あの状況下で逆転の手を考えることが出来なかったのを女性のトレーナーは悔しそうにする。

どうすれば勝つことが出来たのかをオレに聞いてくるがそこを自分で考えなくちゃ経験値にならねえ。

 

「さて……コガネジムを目指すか……」

 

「よかったの?アドバイスを入れなくて」

 

「一応は入れている。それでもダメならばそこまでだ……エアームドの正しい使い方は『ステルスロック』や『まきびし』をばらまいて『ふきとばし』で強制的にポケモンを入れ替える作戦なんだがな」

 

「それ絶対に嫌われる戦い方よね?」

 

害悪戦法と言え、害悪戦法と

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