闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「やった!売ってたわ!」
「……なにが欲しかったんだ?」
コガネジムを目指す道中に本屋に寄りたいというセレナ。なにか買いたい本でもあるのかと思えばセレナは最後の一冊だと喜んでいた。
目当ての本が見つかってなによりだと言いたいのだが、セレナがなんの本を買いたかったのかを知らない。なにが買えたのか分からないままレジに向かって本を一冊購入した……オレは目当ての本は無い。読書つっても漫画的な意味での読書はするが小説的な意味での読書は全然しねえ……文字ばっかりがキツいからとかじゃなくてこう、感動のマニュアル化がされている。読書感想文で課題に出される本を見てもなにも思わなかった。特に感動しねえし興味も抱かねえ。ラノベは困ったらエロに走る系が増えてきたから最近は読んでねえ。
「じゃーん!!ポケモン占いの本よ!」
「………………………」
「あの……サトシ……なんでそんな無言の無表情になるの?コレは最近流行りの本なんだけど」
「まぁ……………楽しみたいのならば好きにすればいい……」
セレナが買った本はポケモン占いの本だ。
ポケモン占いとは自分はポケモンで例えるとなんなのかと連想するやつだ。女子はそういうのが好きだなと思いながらも冷ややかな目で見る。
「サトシは占いとかそういうの信じないタイプなの?」
「いや……そういうのはどちらかと言えば気にする方だぞ」
黒子のバスケの緑間レベルで朝の占いを信じ切る程ではないがそういうのは割と気にする方だ。
なにせこっちは理詰めの末に運を求めている。貴方は運勢が最悪だと言われたら割と気にする方だ。
「じゃあなんでそんな残念そうにするの?」
「それ、ちゃんとした占いじゃねえからだよ……それは大方自分がポケモンに例えたならば的な感じの占いだろ?んでもってポケモン同士の相性が良いのならば人間的な意味合いでの相性が良いとか最悪とか勝てるとかだ。それは……人間的な意味合いを当てるだけであって占いと呼べるものじゃねえ。その手の物は心理学をちゃんと学べば仕掛けが見える……」
「相性占いはそういうものじゃないの?」
「クククッ……そこが当たってると言われればその占いが本物だと思い込むのが人間の心理……その手の物は自分と合っていると思わせる自己満足な占いだ……それっぽいことが起きれば当たったと人間は思い込む」
「じゃあ、どういう占いが占いって言えるの?」
「オレは霊能力者じゃねえんだ……心理学という名の自己満足の占いで当たってたらラッキーだと思えばいいが……本気の占いならシンプルにタロットカードの占いでいいだろ……ただしこいつも難しい」
「シンプルなのに難しいの?」
「相手がなにが起きるのかを予知に近い予測するし……なによりもちゃんと言えないといけない」
ガッチガチの霊能力者ならオーラを見るとかそういうので出来るがオレはただの一般人だ。
だから未来を占うなんて無理……ガチの霊能力者ならば占いを正確にする事が出来るし口が上手くねえといかねえ。
占いを頼ろうとする人間なんて大抵は心の中で納得できる安心することができる言葉を送ってほしいと思っている。それを当てる。
セレナがポケモン占いの本を購入していたので売ってるだろうと思っていると予想通りタロットカードが売っていたので購入する。小難しい小アルカナだなんだは無い。
「さて……なにを占ってほしい?」
「こう、未来を当てる的なのは?」
「そういうのはガチの霊能力者じゃねえと不可能だ。オレは他人の波動的なのを感じる事が出来るがそこから未来を予測する技術は持ち合わせてねえ」
占ってほしいことを聞いたのでセレナはそういうのを当てるのが占いじゃないのかと気にする。
ガチの霊能力者じゃねえんだし未来は無数に枝分かれしている。ポケモンの世界にはタイムパラドックス現象は勿論のことパラレルワールドの概念も存在しておりサトシは平行世界移動も時間移動もしている。
「そう、ね…………結局、私、サトシと一緒に冒険してるけどなにか目的があるわけじゃないのよ。サトシの本気の度合いを見て生半可な覚悟で何かに挑戦するのは失礼だって感じてるわ。だから私はこのままただサトシに付いていって色々なものを見て経験するだけなのかなって」
…………結構悩んでるんだな。まぁ、自分のやりたいことを見つけてそれに熱中するってことは難しい。
大人になっていくにつれて人生は妥協だと諦める事を学ぶ。その道で食っていくことが過酷だがそれを成功したものを人はプロという。
セレナもあんまり口にはしていないが悩んでいるんだなとタロットカードの封を開いてセレナにカードをシャッフルして貰う。
そしてセレナにカードを選んでもらう。1枚2枚3枚とカードを選んでもらいセレナは5枚目でストップを入れた。
「じゃあ、先ずは1枚目……運命の輪の正位置……意味は幸運や成功、運命的な出会いや出来事が起きる」
あんまり不幸なカードが出てこねえことを祈りながらも先ずはセレナに1枚目を面に向ける。
運命の輪の正位置、運命的な幸運が起きる。なにか良いことが起きると言っている。
「2枚目は愚者の逆位置、希望、精神的な目覚め、よい旅……今の段階で分かるのは旅をしている段階で運命的な幸運が舞い降りる」
「3枚目は?」
「魔術師の正位置……物事の始まりや修行を意味する……」
「4枚目は?」
「法王の正位置……人生の転換、心の転換、良き相談相手、勇気と功名を与える人物……」
「5枚目は?」
「恋人の正位置……恋愛、嫉妬、好きで打ち込む、美しさ……………………」
「ど…………どういう意味なの?」
「まぁ、そうだな……セレナの中で熱を上げる何かしらのキッカケを得る。それは旅をしている中で見つけるもので、それに対してセレナは修行をしたりする…………」
「でもそれだと法王と恋人のカードが意味が……転換期が訪れるとしても相談相手は……サトシから自衛の為にって色々とアドバイスを貰っているからおかしくないかしら?」
「そうなると誰かと出会うって事になるんだろう……」
セレナは5枚のカードを選んだがオレは続きが気になるので6枚目のカードを引いた。
6枚目のカードは月の正位置、恋人のカードが出ているということは……恋愛関係?…………………………オレが痛い目に遭うのか。
「まぁ、オレの口からセレナにアレをやれコレをやれと言うつもりはねえよ……」
「今度はサトシを占ってみましょう!」
「オレはジョウトリーグに出て優勝するって目当てがあるんだから必要はねえよ」
「え〜………1回だけ」
「ったく…………仕方がねえな……」
タロットカードを戻して再びシャッフルする。
セレナが5枚を選んだがオレは4枚、4は縁起が悪いと思えるがこういう方がオレにとってはありがたい。
「先ずは1枚目……戦車の正位置……征服。勝利。凱旋。自立。迷信に打ち勝つ。先頭をきった最初の勝利。自力で勝ち得た成功」
「サトシが勝利をするって意味……サトシらしいといえばサトシらしいけど……」
「2枚目は魔術師の正位置……勝利をした末の物事の始まり……」
「え……勝利して続くんじゃなくて始まるの?」
「3枚目は女帝の正位置……美貌の女性。官能的な女性。豊かな土地。自然と接触することから得られる霊感とやすらぎ。癒し。芸術的才能や感覚……」
「……4枚目は?」
「恋人の逆位置…………………クククッ……………………いや〜………………………嫌な未来を占うもんじゃねえな」
オレの占いが当たってるかどうかは分からねえがあんまり良いことが起きないと言っている。
別にオレ自身が敗北するというわけではないと思うが……少しだけ痛い目に遭う……厄介なことになるか。
「そこの2人、ポケモン占いの本を買わなかったかしら?」
「あ、はい……どうしたんですか?」
「ここ最近出てきたポケモン占いの本、デマカセばっかなのよ!おかしいと思って調べたらポケモン占いの本が売れてるからそれに便乗して作った偽物が出回ってるの!」
「ええ!?じゃ、じゃあコレは……」
「残念だけど偽物よ」
オレが厄介なことになるのだと諦めているとジュンサーさんが声をかけてきた。
ポケモン占いの本を買わなかったかと聞かれるのでセレナが購入したポケモン占いの本を見せればそれは偽物……ポケモン占いブームに便乗して作り出した偽の本で占いの技術を一切使っていないそれっぽいことを書いているだけの偽物だった。
「ま………占いを信じる信じないは人次第だな」
偽物のポケモン占いの本を購入したとセレナは落ち込む。
こういう偽物の本を売るのは商売上どうなっているのか?ガンダムのガンプラブームの時やキン肉マンのキン消しブームの際にパチモンが出回っていたと聞いたことがあるが、アレはどうなってるのか?許されてねえのか?
セレナは本物のポケモン占いの本はこっちとジュンサーさんに見せてもらうが……内容は同じ、自分をポケモンに例えたならば、そのポケモンを持っていたら幸運が訪れる……精神論なポケモン占いだ。
この世界、超能力者とか普通にいるから探せば占いや未来予知に特化した霊能力者が存在している筈だろう……なんだったらセレビィの時渡りした際に残っている時の波紋に触れれば時間限定があるとはいえ予知能力を手に入れることが出来るからな。
「わぁああ!タマムシシティ以上ね!」
占い云々を終えて数日後にコガネシティに辿り着いた。ジョウト地方随一の大都会、右を見ても左を見てもビルだらけだった。
セレナがタマムシシティ以上の都会と言っているのだがまさにその通り……コガネシティ、現実で言うところの大阪辺りだったか?都会指数は高い方だな。
「………………………………っち……………………………」
「出入り禁止になってるわね」
タマムシシティ以上の都会となればゲームコーナーがあるだろう。
ゲームコーナーにチラリと足を寄せてみるのだがオレとセレナはお断りの張り紙が貼られていた。出入り禁止の張り紙とは随分といい度胸じゃねえか。やっぱりポンジャンでオーガポンとダクマを巻き上げたのがマズかったか……だが、ああでもしねえとオーガポンはゲットする事が出来ねえんだ。
「む、おぉ!サトシではないか!」
「オーキド博士……なにしてるんですか?」
「なに、ワシのラジオ番組の貯め撮りじゃ」
コガネシティのラジオ局に向かえばオーキド博士がいた。
こんな所でなにをしているのかと聞けばオーキド博士のラジオ番組の貯め取りに来たと言う……。
「オーキド博士ってホントに色々な事をしているんですね」
「ハッハッハ、コレでもポケモン研究の第一人者じゃからの!」
「セレナ、尊敬の眼差しを送らなくていいぞ……貯め撮りしてるのポケモン川柳の番組だから」
「ポケモン川柳?」
「……よくわからねえ世界だ……………印税を稼ぐぐらいにはオーキド博士は成功している」
「なにを言うか!ワシのポケモン川柳は老若男女に大人気なんじゃぞ!」
オーキド博士に尊敬の眼差しを送るセレナだが送る必要は無い。
この撮りだめしているのはオーキド博士のポケモン講座じゃなくてオーキド博士のポケモン川柳だ。
何回かどういうものかを理解しようとしたのだが無理だった。オレの感性が悪いのかとシゲルやシゲルの姉のナナミさんに聞いたりしたがチンプンカンプンだった。それなのに老若男女に大人気で印税で稼げる程度に本が売れている……メディア出演多くて本業のポケモン研究家としての仕事があんまり進んでねえの知らねえと思ったら大間違いだぞ。ナナカマド博士が睨んでるの知ってるんだぞ。
「じゃあ、ピカチュウをお題で」
「ピカチュウが 勝利のサイン ピッピカチュウ」
「…………分かるか?」
「…………………………分からない…………分からないわ……………」
ポケモン川柳は人気だなんだというのでお題を出してみればオーキド博士が返してくれる。
どの辺が素晴らしいのとかそういうのがオレには全く分からないのでセレナに聞いてみるがセレナも理解出来ない。
オレは俳句や詩を読むタイプの人間じゃないがセレナの感性ならばあるいはと思っていたがセレナの感性でも普通に不可能だった。
「オホン……ところでサトシよ、ジョウトに来てからポケモンはゲットしているかの?」
「エアームドとヘラクロスとヘルガーを……ゲットしたり進化したりバッジをゲットしたらオーキド博士に伝えてるじゃないですか」
「その3体だけか?他には……こう、目当てのポケモンは居たりするのか?」
「2体ほど目当てのポケモンが居ますよ……どっちもゲットすることが出来るかどうか謎ですがね……」
1体に関しては出会う事は出来るがゲットすることが出来るかと聞かれれば答えづらい。
どっちも強力なポケモンだからゲットしておいて損は無い……損は無いがゲットできる自信がねえ。
「……む……………」
「どうかしたんですか?」
「いやいや、なんでもない…………サトシよ、ゲットしたいと思ったポケモンが居るならば迷わずにゲットするんじゃぞ!シゲルなんて同じ種類のポケモンを何体かゲットしておるんじゃ」
オーキド博士に報告している通りにしかポケモンをゲットしていない。
エアームド、ヘラクロス、ヘルガー……ちゃんと育てているがオーキド博士はそれを聞いて僅かに声を上げる。
なにかを知っている……が、言うと色々とややこしいことになる。未来を知っているが未来のことを伝えてはいけない。下手な事をすればその歴史に辿り着かなくなる。
確かタイムスリップというかタイムパラドックス現象は4パターンある、
1つは未来を変えることが出来ない。
有名どころで言えばターミネーター、ハリー・ポッターとアズカバンの囚人……アズカバンの囚人は若干だが違うか。未来を変えようとしたがそれを阻止される。仮に変えたとしてもそうすれば矛盾が生まれて消滅するパターンもある。
2つ目は未来を変えることが出来る。
有名どころで言えばバック・トゥ・ザ・フューチャー、その名の通り過去を改変することで未来に影響を及ぼす。
3つ目は平行世界が生まれる。
有名どころで言えばDRAGON BALL、過去を変えたが自分がいた過去とは異なる過去が生まれて別の世界線が平行世界が生まれる。
4つ目は小さな歴史は変えられても大きな歴史は変えられない。
有名どころで言えばドラえもんだ。セワシくんが生まれる未来は消せないがセワシくんが生まれる過程を変える事が出来る。
アニポケは恐らくだが2番目、過去を変えることで未来にも影響を及ぼし歴史が改変する。だからオーキド博士は何かしらの未来の情報を持っている。その情報はオーキド博士にとって圧倒的なまでにお得な情報だがオレに伝えればその未来が訪れない可能性がある……難儀なこと……と言える義理じゃねえな。原作知識という限定的だが未来の知識を持っていてそれを利用しているからな。