闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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2つに1つに詰みの0 コガネジム

 

「ふぅ〜………………………都会過ぎるのも困ったもんだな」

 

「もう10分も歩いてるのに、地図が当てにならないっていうか広すぎるわ」

 

コガネシティは大都会だ……故に道が凄く入り組んでいる。

コガネジムがあるところに向かおうとしているのだが一本道で真っ直ぐに行くことが出来ねえ。

間もなくコガネジムとセレナのタブレット端末が言っているのだが全くと言って辿り着く気配がねえ。

 

「あ、あったわ……ええ……」

 

「……ラジオ塔に行っています、直ぐに帰るから待っててな……」

 

文句を言いながらも15分さらに時間をかけて辿り着いたコガネジム。

ジム戦を申し込もうと思っていたのだがラジオ塔に行ってくると張り紙が貼ってある。コレは待つべきだなと30分ほど待っているとウキウキ気分でコガネジムのジムリーダー、アカネが帰ってきた。

 

「いや〜ラジオカードゲットやで」

 

「ジムリーダーがラジオカードか……ジムに挑戦しに来たチャレンジャーのサトシだ」

 

「え?ウソ!?チャレンジャーが来たん!?」

 

ラジオ塔に用事があったと考えられることはラジオカードをもらいに来た。

ポケギアでラジオを聴く為にラジオカードが配布される……昔はガラケーでテレビやラジオが聴けるのは凄い……今の時代は視ることが出来て当たり前どころかサブスクの時代だからな。

 

「ごめんなぁ、ラジオ塔でポケギアのアップデートがあってん!あ、でも大丈夫やで!今からジム戦をしよな!」

 

「ああ、頼むわ……これ以上待たされるのはごめんだ」

 

ジム戦をしに来たのだと言えば承諾をしてくれるアカネ。

これでやっとポケモンバトルが出来るのだとジムの中に案内をしてもらい審判が現れる。

 

「これよりコガネジムジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」

 

「いくでぇ!エテボース!」

 

「テボォ!」

 

「エテボースか…………いけ、ヘラクロス!」

 

「ヘラクロ!」

 

ジム戦が開始すれば1体目に出てきたのはエテボースだった。

エテボースに対して出すのはヘラクロス、なんだかんだでジム戦では初だ……キキョウジムは相性が悪すぎるしヒワダジムはそれ以前に倒してしまった。

 

「エテボース『ねこだまし』や!」

 

「開始早々からか!」

 

試合が開始すればエテボースは突っ込んでくる。開幕と同時に『ねこだまし』を使う。コレで出鼻を挫いた。

怯んでいるヘラクロスに対してどういう風に出てくるのか?この状況でヘラクロスに指示をしても無意味だと1手見守ることにしそれと同時に考えることにする。

 

「『つばめがえし』や!」

 

「……いけるか?ヘラクロス?」

 

「ラクロゥ!」

 

『ねこだまし』からの『つばめがえし』

実に無駄の無い流れの動きだった。ここは『ノーマル』タイプがエキスパートのジムだから『かくとう』対策は当然している。

『ねこだまし』からの『つばめがえし』の流れに無駄が無かったことからコレはアカネにとっての定石……だがヘラクロスは普通に耐え抜いた。ギリギリのところでなくピンピンと元気に立っている。

 

「『むし』『かくとう』のヘラクロスがアレで倒れへんのか!?」

 

「クククッ…………そう簡単にやられるかよ……ヘラクロス『かわらわり』だ」

 

「ラクロゥ」

 

「エテボース、尻尾で絡め取るんや!!」

 

ヘラクロスが『かわらわり』を叩き込もうと手を光らせる。殴りかかるその前に腕のところに尻尾を巻きつけてバランスを崩す。

 

「『かくとう』タイプは殴ったり蹴ったりする技やからな、対策はバッチリや!」

 

エテボースは素早いポケモン、少なくともオレのヘラクロスより速い。

ヘラクロスが鈍足というわけでなくエテボースの方が純粋に速い。エテボースは特殊技も覚えるが下手な手は打ってこない、純粋な肉弾戦になれば確実にこっちが勝てる。エテボースよりも素早く動くことが出来る。

攻撃の際に大きな隙が生まれる……かといってカウンターは難しい。

 

「ヘラクロス『じしん』だ」

 

だったら広範囲に響く技を使うだけだ。ヘラクロスは地面を強く両腕で叩きつければ衝撃波が発生した。

エテボースは衝撃波に飲み込まれて空中を舞う。空中で体勢を崩しており落ちてくる。

 

「エテボース『れいとうパンチ』や!」

 

「クククッ………『インファイト』だ!」

 

「なっ!?」

 

エテボースは『れいとうパンチ』を叩き込もうとする。

正確に言えば尻尾を拳の代わりに使って『れいとうパンチ』を叩き込もうとするが読める。エテボースのもう1つの尻尾でも『れいとうパンチ』を撃ってくるのが。オレならばエテボースの2つ尻尾で2連発出来るように育成する。

それに対しての攻撃方法は1つしかない。『インファイト』の連打で1発目の『れいとうパンチ』を弾き更に2発目の『れいとうパンチ』も弾いてそのまま連打は続きヘラクロスはエテボースに殴り飛ばした。

 

「テボォ……」

 

「エテボース、戦闘不能!ヘラクロスの勝ち!」

 

「読まれてたん……アレを初見で防いだん、あんたがはじめてや」

 

「もう1人出来そうな奴に心当たりがあるがな」

 

アランならばこの状況を読むことが出来ただろう。

『れいとうパンチ』2連発を突破して『インファイト』の連打を叩き込み先ずは1体目を倒せた。

 

「ほならコイツはどうや!いけ、ハピナス!」

 

「ハッピ!」

 

「ヘラクロス『インファイト』だ!」

 

「ハピナス『メロメロ』や!」

 

「っ!」

 

「そのヘラクロスは♂やろ?だったら逃れられんで!!」

 

「戻れ。いけ、エアームド!」

 

「って、戻すんかい!」

 

「わざわざ棒立ちさせるアホは居ねえよ」

 

普通のトレーナーならばここで粘ろうとしたり精神論を翳す。サトシなら特になにも出来ずに終わるだろう。

だがオレは引き際をちゃんと知っている。今までのトレーナーがそれが通じたので引くことに驚いているが気にしない。

 

「ハピナス『メロメロ』や!」

 

「エアームド『ボディプレス』だ!」

 

「ェアウ!!」

 

「っ、♀のエアームドなん!?」

 

「クククッ……ここじゃそれは分からねえよな……………………硬い……いや、図太いか」

 

『メロメロ』を撃ってくるハピナスに対してボディプレスを叩き込んだ。

物理防御力でダメージ計算をする『ボディプレス』は充分なまでの威力を秘めている。『かくとう』タイプの技でもあるのでハピナスには効果抜群だがそれでもハピナスは倒れない。

 

「ハピナス『タマゴうみ』や!」

 

「………エアームド『てっぺき』だ!」

 

ハピナスが攻撃をしてくるかと思ったがダメージの回復に来た。

確かなダメージが入っているがハピナスの体力は凄まじいもので『タマゴうみ』と言う回復技も持っている。

この持久戦をしてくるか……普通の人ならばハピナスにガンガンと攻めて『タマゴうみ』で回復されて倒しきれないという状況下に陥る。この状況でやらなきゃいけねえことは一撃で『ボディプレス』で倒す……と言うフェイクを入れる。

 

「ハピナス『かえんほうしゃ』や!」

 

「『ドリルライナー』で土砂を巻き上げろ!」

 

低空飛行で『ドリルライナー』を使う。

土砂を巻き上げることで『かえんほうしゃ』を防ぎつつハピナスを突き飛ばす……が、ハピナスは何事も無かったかのように起き上がる。

 

「ハピナス『タマゴうみ』や!」

 

「エアームド『てっぺき』だ!」

 

「無駄やで!『かえんほうしゃ』は特殊攻撃!幾ら『てっぺき』を積もうが意味はあらへん!『かえんほうしゃ』や!」

 

「『ドリルライナー』だ!」

 

「っく……コレを攻略せなアカン…………後1回か」

 

再び『かえんほうしゃ』を撃ってくるので『ドリルライナー』で防ぐ。

『かえんほうしゃ』は通じない。『10まんボルト』を覚えてるか警戒をしているが撃ってくる気配はねえ。

アカネがボソリと後1回と言ってくる……最大の威力での『ボディプレス』狙いだと思わせる。

 

「ハピナス『かえんほうしゃ』や!」

 

「エアームド『ドリルライナー』……からの『どくどく』だ!」

 

「なんやて!?」

 

なんとかして『ドリルライナー』を攻略しなければならない。

攻略方法がまだ浮かんでいないのか『かえんほうしゃ』を撃ってくるのでそこが完全に隙が生まれると『どくどく』を使う。

猛毒の液体がハピナスに浴びせられる。ハピナスは『もうどく』状態になる。

 

「っ……『かえんほうしゃ』や!」

 

「エアームド、回避と『ドリルライナー』で防御に専念しろ!」

 

『どくどく』は完全に予想外だと表情を切り替える。『かえんほうしゃ』を浴びせに行くがそれの攻略法は知っている。

間合いを常に開き続けて『ドリルライナー』で土砂を巻き上げては炎を防いだ。こうなればエアームドがすることはなにもない。ただただ『かえんほうしゃ』を回避することに専念しておく。ハピナスの顔色は段々と悪くなり最終的には膝をついて倒れた。

 

「ハピナス、戦闘不能!エアームドの勝ち!」

 

「戻れ……………『ボディプレス』を意識させての『どくどく』……完全にやられたわ……せやけどコレで終わらせる!頼んだでミルタンク!!」

 

「ミル!」

 

出やがったな……牛乳……ゲームではコイツに苦戦するやつがめちゃくちゃいる。

オレが事前に調べた情報でもアカネの2体のポケモンは倒せたが最後に待ち受けていたミルタンクが異常なまでに強かったと言う情報がある。

 

「エアームド『ボディプレス』だ!」

 

「ミルタンク『まるくなる』や!」

 

『どくどく』を使ったところで『いやしのすず』でやられるのは目に見えている。

既に2回『てっぺき』は積んでいるのでエアームドの『ボディプレス』は充分な威力を秘めていると攻撃すればミルタンクは『まるくなる』でエアームドの『ボディプレス』を受け切る。さっきの2体と比較してもミルタンクはレベルが高い。アカネがエースにしているだけの事がある。

 

「ミルタンク『ころがる』や!」

 

「エアームド、飛んで回避しろ!」

 

『まるくなる』+『ころがる』のコンボを使ってきた。

コレを破るのは難しい……『ボディプレス』で攻めたとしても弾かれるのが目に見えている……………

 

「エアームド『どくどく』だ!」

 

だが、使える手はある。『ころがる』の欠点、それは一度使えば暫くは止まることが出来ない。

『どくどく』で猛毒を浴びせれば僅かながらミルタンクの回転が鈍るが直ぐに回転数が上がる。

 

「ミルタンク、飛ぶんや!」

 

「クククッ……そいつが出来ねえだろ?『てっぺき』だ」

 

今回のバトルフィールドは真っ平らな地面のフィールドだ。ミルタンクが回転しながら空を飛ぶには反り立つ壁が必要だ。

ミルタンクに回転数を上げさせるのだがエアームドは動かない。待ちの戦法を取っており……ミルタンクが飛んできたがエアームドには全くと言って届かなかった。だがアカネは諦めていない。それどころかこのチャンスを狙っていた。こうすればミルタンクが止まるから。

 

「ミルタンク……っ!」

 

「クククッ……『ボディプレス』だ」

 

ミルタンクに技を指示するその瞬間にアカネは迷いが生まれてしまった。

エアームドの『ボディプレス』を1回真正面から受けていてそれなりにダメージがある。その上で『どくどく』で『もうどく』状態になっている。少しの間だけとはいえ『もうどく』が回っており体力が徐々に大きく削られていく。最初の『ボディプレス』のおかげで割と厳しいところにまで追い詰められている。そこからどういう手で出てくるのか?『いやしのすず』と『ミルクのみ』の二択だろう。

『いやしのすず』で『もうどく』状態を解除するか『ミルクのみ』で今までのダメージをチャラにするのか?『ミルクのみ』で今までのダメージをチャラにする事は可能だが即座に『もうどく』が襲ってきて『ミルクのみ』の分がチャラになる。だったら『いやしのすず』で行くのがいいのか、『いやしのすず』ならば『もうどく』を治せるが体力は回復できず攻撃を1手受ける。エアームドには最大にまで防御力を高めた『ボディプレス』がある。アカネはどっちにすればいいのかという決断を鈍らせてしまいその隙をついてエアームドが『ボディプレス』を叩き込んだ。

 

「ミル……………」

 

「ミルタンク、戦闘不能!エアームドの勝ち!よって勝者、チャレンジャー、マサラタウンのサトシ!」

 

「…………………こんなもんか」

 

エアームドが倒された場合を想定しヘルガーの『みちづれ』を考えていた。

だが結果はエアームドの『ボディプレス』で勝った。一瞬の迷いを生み出したが故にミルタンクは敗北した。

腕自慢なトレーナーならばあの状況で『いやしのすず』か『ミルクのみ』を選ぶ……オレは…『ミルクのみ』を選んで即座に『いやしのすず』からの『ミルクのみ』だ。そうすれば万全の状態のミルタンクが出ることが出来たがそれが出来なかった。

 

「よくやったエアームド」

 

「ェアウ!」

 

「そんな………………こんなんって……こんなんって……うわぁあああああん!!」

 

「え、っちょ!泣いちゃったわよ!」

 

「ジムバッジを寄越せ」

 

「うわぁああん……グスッ……あないな戦い方せんくてもええやん」

 

「ジムバッジを寄越せ」

 

エアームドにより詰みの一手にまで持ってきてどうすることも出来なかった事を泣くアカネ。

惨敗と言われればその通りだが勝負は勝負、まだまだ未熟者だったという証だろう。オレには関係のねえ話だとジムバッジを寄越せと言い続けるとジムバッジを渡してきた。

 

「サトシ……………今回も無事に勝てたわね」

 

「まぁ、こんなもんだ……ヘラクロスを初手に出したがエアームド1体でも勝つことが出来たな」

 

「それ本人の前で絶対に言ったらダメよ!」

 

「言わねえよ……」

 

もう帰って!と言われたのでコガネジムを後にしてポケモンセンターを目指す。

コガネシティは大きな街だからポケモンセンターは複数ある。1番近いポケモンセンターに向かいポケモンセンターでポケモンを回復させる。

 

「次は何処のジムに行くの?」

 

「エンジュシティのエンジュジム……………だが……………」

 

「だが?何処か寄り道したいの?」

 

「いや……………下手したら手持ちを総入れ替えしなきゃならねえ……」

 

「え……そ、そんなにジムリーダーが強いの?」

 

なにを思っているかは分からないがオレを試そうとしているのは確かだ。

オレに試練らしい試練を与えているわけじゃない、オレがどういう人間なのかを見抜こうとしている。

エンジュシティに立ち寄れば、エンジュジムがある。ここは比較的に攻略しやすい、と言っても今の手持ちじゃ厳しいからゲンガーを呼び寄せる……エンジュジムは勝てるだろう。問題はそれ以外、あることが巻き起こればただでは済まねえ。少なくともベストメンバーと言える感じの手持ちじゃねえ……向こう側が何かしらのアクションを起こしてくるならばこのタイミングしかねえ……2度目のエンジュシティで顔合わせをするがその時に来るかもしれねえが……オレの勘だと1回目のエンジュシティ来訪で戦うことになる。

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