闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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ツボツボの秘薬

 

「カンビ……………」

 

「やっちまったな………………」

 

「ど、どうすれば…………」

 

4番目のジムがあるエンジュシティを目指すのだがやらかしてしまった。

カビゴン専用のポロックをカビゴンが一度に沢山食べやがった。カビゴン専用のポロックは1粒にカビゴンが必要な栄養素が詰まっててカビゴンが満腹になるオーキド博士から聞いたレシピで作り上げた物で、カビゴン以外にはゴンベぐらいにしか食べさせてはいけないと一応はオーキド博士に注意を受けていた……

 

「ポケモン用の胃薬だなんて持ってないし……カビゴンなら……いや、でも」

 

「なにかお困りのようかね?」

 

「貴方は?」

 

「ホッホッホ、この付近で薬屋をやってるツボ老人じゃよ」

 

「薬屋……じゃ、じゃああのポケモンの胃薬はありませんか?サトシのカビゴンが食べ過ぎてお腹を痛めてるんです」

 

「大食いで有名なカビゴンが食べ過ぎじゃと……さてはお主達、カビゴン用のポロックを食べさせすぎたな。カビゴンの様な生まれながら大食いなポケモン用のポロックは慎重に管理せねばならんのだぞ」

 

「いや、面目ねえ」

 

カビゴンの胃の力なら消化することが出来るかとセレナが慌てていると1人の老人が声をかけてきた。

何者かと聞けば薬屋らしいのでポケモン用の胃薬が無いのかを聞きカビゴンが食べ過ぎた事を伝えれば怒られる。

ポケモンの管理が出来てねえのはポケモントレーナー失格、そう言われて当然じゃ。

 

「ちょっと待っておれ。手持ちの漢方で胃薬を作る」

 

爺さんがそう言えばすり鉢で漢方をすり潰す。

漢方薬だから大丈夫なのかと思うのだがあっという間に漢方薬が完成し、カビゴンに漢方薬を飲ませればカビゴンは一瞬で元気になる。

 

「す、スゴいですね!飲んで一瞬で効果があるだなんて」

 

「ホッホッホ、そうじゃろう……ほれ、予備の胃薬も作っておいたぞ。今回みたいな事に二度とならないようにと言いたいがカビゴンは食い意地が張ったポケモンで有名じゃからの」

 

「……爺さん、ポケモンの薬のプロか?」

 

「いやいや、ポケモンの薬だけでなく人間の薬も売ってあるぞ。ワシの薬は効果が覿面で愛用者が多いぞ」

 

「じゃあ、薬を売ってくれねえか?きずぐすりとかはあるんだがそういう体調不良系の薬はあんまねえんだ……ポケモン達もあんまり飲みたがらねえし」

 

「ホッホッホ…………だったらワシの仕事を手伝ってくれんかの?」

 

「いや、金はあるから普通に購入してえんだが」

 

「…………さっきの胃薬代をタダにする」

 

「よし、なにをすればいい?」

 

「現金ね……でも、薬は大事よね」

 

胃薬代をタダにしてくれるならばありがてえんだ。

セレナも薬は持っておいて損は無いと爺さん、ツボ老人の仕事を手伝うことになった。

 

「しかし、仕事を手伝えって言うがよなにすりゃいいんだ?」

 

「私達、薬草に関する知識はないですよ?」

 

つーか、そういうのって国家資格居るパターンじゃねえのか?

ツボの爺さんの仕事を手伝うことになるがなにをさせられるのかが分からねえと言えばツボ老人は土木作業現場で見る土砂を運ぶ台車を用意した。

 

「そんな難しい事を素人に任せられんよ……薬の熟成具合を確かめたりしたいんじゃ」

 

「いや、それこそオレ達には出来ねえ……おい、まさか治験的なのをさせるつもりか?」

 

「いやいや違うぞ。ワシの秘伝の薬は製法が少々特殊なんじゃ」

 

「どんな製造方法なんですか?」

 

「セレナ、秘伝の薬なんだから教えてくれるんじゃ」

 

「ツボツボで作ってるんじゃよ」

 

おい、秘伝の薬じゃねえのか?

ツボ老人はツボツボで薬を作っているのだと言うのでツボツボがなんなのか知らないセレナはポケモン図鑑を取り出す。

ツボツボのデータを確認すればツボツボは体内できのみをジュースに変えると説明を受ける。

 

「本来であればきのみジュースが出来上がるんじゃがワシはきのみだけでなく漢方薬の材料も混ぜていての、後はツボツボの体内で熟成させるんじゃ」

 

「そんな方法が……」

 

「ジュースの様になっておるから苦い薬草と異なりポケモン達もすんなりと飲んでくれる優れ物じゃよ」

 

製造方法を除けば薬は完璧に近いな。

苦いのが好みなポケモンはともかく薬草系は不味かったりしてポケモン達が好まない。

コガネシティの地下に立ち寄った際にも効果は通常のきずぐすりやなんでもなおしよりはあるがシンプルに食べてくれないという欠点があると説明を受けて買うのを断念した。

 

「出てこい、ポチ!」

 

「ツボ!」

 

「マダツボミ?」

 

「ポチが匂いで見つけてくれるんじゃよ」

 

ツボ老人がポチという名前のマダツボミを出した。

ポチが匂いで見つけてくれるというがマダツボミって嗅覚が強えポケモンだったか?と疑問を抱くがマダツボミはなんの迷いもなく走り出す。マダツボミなのかと思えるぐらいの高速で動き出しており台車を押していく……ジジイ、この作業が辛いからオレ達に押し付けたか。ポチが物凄い速さでツボツボを回収する。コルクで栓をしているツボツボが台車に乗せられるが予想以上に早くセレナが間に合わないのでオレに任せてくれと言い1人でポチのツボツボ回収を終えた。

 

「なんと、1人でポチに追いつくとは…………若いのぅ」

 

「まだ11歳だ今年12歳だが……」

 

「はぁはぁ……台車が重いわ……」

 

「ホッホッホ……ま、本来ならばポケモンの力を借りるがの」

 

おい、なにサラリとオレ達が不要だと言うことを喋ってんだ。

ツボツボの回収を終えたので爺さんの漢方薬の店に向かい、ツボツボ達を爺さんに手渡す。

 

「ふむふむ……コレは大丈夫……コレはまだ熟成が足りない……コレは発酵しすぎている……」

 

ツボツボのコルクを抜いて一滴だけツボツボのジュースを落としテイスティングする。

味や風味、匂いで薬が完成しているかどうかの確認をしてくれておりツボツボの仕分けをしてくれている。

 

「コレが終われば今度はツボツボに新しい薬を詰めて埋めるんじゃ」

 

「ほぉ…………コイツは面白えな……」

 

「そうじゃろう……ワシの薬は世界一じゃ……さてと、お主達に薬を渡さなければの。人間用とポケモン用の胃薬、頭痛薬、睡眠薬、精神安定剤。色々と出来てるぞ」

 

「……いいのか?明らかに代金が」

 

「いやいや、お主達に渡してもまだまだ沢山残っておるしワシこう見えても会社と契約して会社に卸しておるから問題は無い」

 

人間用の薬とポケモン用の薬を沢山くれる爺さん。

明らかに仕事内容と代価があってないと言うがまだまだ薬は残っていると言い、大きな会社と契約してるから金の心配はしなくていいという。だったらと遠慮なく薬をもらう。ついでだからあの薬は無いのかを聞けばあるというので貰っておく。

 

「あ、美味しいわ!」

 

「……美味えな……」

 

飲めば健康になる栄養ドリンク的なのも作っているぞと爺さんからツボツボのきのみジュースを飲ませてもらう。

ツボツボの体内で熟成させたもので飲むのが若干だが勇気が居るものだとセレナは恐る恐る飲むのだが美味しいとスッキリとした顔をしている。オレもグイッと飲むのだが普通に美味い……果物系の酒とは違ってアルコールは感じないが熟成されているコクを感じる。

 

「コレを1日1杯飲むだけで健康になれる!病気知らずじゃ!」

 

それだと爺さんの薬の殆どが無意味にならねえか?

飲むだけで健康になれる。病気知らずで美味しいジュース……意識高い系の人達には流行るだろうな。

 

「ツボツボのジュース、美味しいわね……私もツボツボをゲットしてツボツボのジュースを作ってみようかしら……」

 

「ならん!ならんぞ!」

 

「え?」

 

「ツボツボの漢方ジュースは配合を間違えれば酒にも毒にもなるんじゃ!専用の資格を持っておらんと作ってはならん!!」

 

ツボツボのジュースに感動するセレナはツボツボに興味を抱く。

だがツボ老人は勝手にツボツボでジュースを作ってはいけないことを教える……まぁ、薬や発酵食品を扱ってるからふぐの毒を取り除く免許みたいに専用の資格はいるだろうな。昔、父方の叔父が梅ジュースつけてたけども日光に当たるところに置いてたせいで梅酒になってたことあるし。アレは密造酒だったな。

 

「ツボツボのジュースは資格が居るんですね……」

 

「まぁ、ポケモンドクターになる過程でポケモン薬剤師の資格が必要になるからその時に自動的にツボツボのジュースを作れる用になる……お主達には関係のない話か」

 

「まぁ……そうだな……」

 

「私達には無理か……残念ね」

 

「しかしよ、こんなに万能な薬を多く作れるのになんで有名じゃねえんだ?」

 

ツボツボの薬と密造ジュースなんてはじめて聞いたぞ。

 

「ツボツボのジュースはジョウト地方じゃポピュラーじゃよ……ジュースの方が売れすぎたのと医学の進歩で漢方薬の需要がの……」

 

「まぁ、最近の医学の進歩はスゲえって聞くが……ツボツボの薬でしか作れねえ的なのねえのか?」

 

「古代の調剤法なんかを調べれば仙丹を作ろうとしていたの……まぁ、全部眉唾物とかただのデトックスで健康的に長生きする程度の効果じゃが」

 

「仙丹?」

 

「不老不死の薬だ……時の権力者が死を恐れて不老不死を求める……」

 

有名どころで言えば始皇帝だ……他にも色々といるがな。

西遊記の孫悟空も自分が死ぬのを恐れて仙人になったんじゃなかったか……パタリロ西遊記でしか見てねえから詳しい内容を覚えてねえ。

 

「後は毛生え薬じゃの」

 

「それはもう不要な時代じゃねえか?」

 

不老不死薬以外になにかがあるのかと言えば毛生え薬にも挑戦した事も教えてくれる。

ハゲとは無縁だからなんとも言えねえが植毛とかいう髪の毛を植える技術が生まれてるだろう?

 

「サトシ……植毛はヅラと大して変わらないわ……」

 

「……そういうもんか?」

 

「そういうものよ……ホントに髪の毛が生えるなら凄いものよね……」

 

「ワシも長年ツボツボの薬師として色々な薬を研究した。しかし殆どが現代医学から見て毒だったり少しだけ健康になれるなどの効果が薄いもので唯一ホントに効果があったのは惚れ薬ぐらいじゃ」

 

「ほ、惚れ薬!?そんな物が存在するんですか!?」

 

爺さんが効果が確かにあったものは惚れ薬と言えばセレナは叫ぶ。

惚れ薬なんて最早オーパーツに近い……古代の秘薬だからオーパーツで間違いないか。

 

「この色違いのツボツボに入っているぞ」

 

「この中に……」

 

惚れ薬は何処にあるにかをセレナが聞く前に色違いのツボツボを見せる。

この中に入っているのかとセレナはゴクリと息を飲み込んだ……そしてチラリとオレを見てきた。

言っとくがオレに飲ませようとして効果が発揮しようというのならばコナンの麻酔針をくらったジンの様に自傷して無理矢理精神力を保つぞ。

 

「……爺さん……なんでそんなもん作るんだよ」

 

「ふっ、医学の進歩の為じゃよ……モテる薬は大事じゃろう?」

 

「あ〜……セレナ…………多分だけどそれ飲んでも効果はねえぞ?」

 

「…………あ、それもそうね!私ったらうっかりしてたわ!」

 

セレナは色違いのツボツボに入っている惚れ薬を取り出そうとしている。

それを飲んでも飲まされても意味は無いと言えばセレナは満面の笑みでツボツボのコルクを抜くのをやめた。

勘違いしてるがなにも言わないでおく。

 

「ホッホッホ……若い男女じゃから不要な物じゃの」

 

「爺さん……この惚れ薬、人間用じゃなくてポケモン用だろ?」

 

「む……なんじゃ気付いておったのか……飲めばポケモンが好むフェロモンを発する秘薬の一種じゃ」

 

それ秘薬じゃなくて媚薬じゃねえか?

予想通りと言うべきか惚れ薬の正体はポケモンに対して効果がある惚れ薬であり、人間用の惚れ薬じゃない。

仮にこの手の惚れ薬が実在している場合、飲む側が最初に見た人を惚れるのか?それとも惚れさせるのか?……いや……謎だな。

 

「爺さんよ、マジで効果があるポケモン用の惚れ薬どうすんだ?その手の物って悪用されるオチだぞ」

 

「実はワシも作ったのはいいんじゃが処理の方法に困っての……存在が知られれば悪用される恐れがある。レシピはワシしか知らず記載されていた書物は燃やしたんじゃが……この薬、ホントに効果が強く3日間もリングマやスピアーの様な気性の荒いポケモン達をも性別関係無くメロメロにさせるんじゃよ……その辺に垂れ流せばあまいミツを塗った樹液の如くポケモンが群がってくるし正直どうすれば」

 

そんな物騒な物を垂れ流すんじゃねえよ。確実に薬剤師としての資格を剥奪されるぞ。

爺さんも作ったのはいいが使い道が全くと言って無いのだと困っている。会社とかに売れば確実に悪用されるしな……お

 

「ちょうどいいタイミングで現れてくれたな」

 

「なぁーっ!!ス、スイクン!?」

 

どうやって惚れ薬を処理しようかなと考えていると北風が吹いた。

突如として吹いたので原因はアイツだろうと思い背後を振り向けばスイクンがいた。

何時ものようにオレを見に来たのだろうが今回はジッと見つめてきている。視線の先には……色違いのツボツボがいる。

 

「こ、このツボツボの漢方薬を……じゃが……………」

 

あのスイクンが居るのだと爺さんはツボツボの漢方薬を飲むのか悩む。

スイクンをゲットできれば自慢もできるだろうし仕事も楽になるだろうが惚れ薬の効果でゲットして良いのかと悩んでいる。

1歩スイクンが近付いてくる。ジッとこっちを見つめているが今回はにじいろのはねはなんとも言っていない。詰め寄ってきたスイクンは吠えたと思えば突撃してきて色違いのツボツボの体に触れる。すると色違いのツボツボが光り輝く。

 

「おぅ、助かったわ」

 

「む……お、おぉ!ツボツボの惚れ薬がただのジュースになっておる!」

 

「スイクンには汚れた水を綺麗にする能力がある……それを応用して漢方薬の一部の成分を変えたんだろ……」

 

スイクンは色違いのツボツボに触れれば走り去っていった。

色違いのツボツボに入ってある惚れ薬はただのジュースになっていた。水を清らかにする能力を応用して処理してくれたんだろう。

惚れ薬の処理をすることが出来たので良かったのだと安心する。

 

「……これで1つの手間が省けたか」

 

爺さんから薬を貰ったので旅を再開する。

エンジュジムを終えれば次に向かうのはアサギジム、だがアサギジムはアサギの灯台を照らすデンリュウが病気だからと看病している。それを理由にアサギジムが出来ないのだが爺さんがひでんのくすりと同じ成分の漢方薬を作っていた。

どちらにせよタンバジムに向かうからひでんのくすりを買う機会は訪れるが先にアサギジムを終わらせてからのタンバジムの方がなにかと楽だ。

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