闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「スイクン…………」
マツバが言葉を失っている。スイクンを見ることさえ激レアだっていうのに目の前に堂々と立っているんだ。
シゲルとセレナがドンドンと水晶の壁を叩いている……ポケモン図鑑を開けばスイクンの水晶壁が調べれるだろう。
問題は突破するには透明なスズが必要だということ……つまりはスイクンがここから出してくれるか自力でスイクンを突破して透明なスズが必要……と言うことはスイクンとの戦いをしなくちゃならねえ。
「クククッ……………何時もはオレを見ているだけ……何度かピンチを救ってくれたのはありがてえ……だが、それとこれとは話が別だ」
「……………」
にじいろのはねを取り出せば今までで1番の輝きを出している。
そしてスイクンはオレの前に立ち塞がっている。にじいろのはねはホウオウの一部、スイクン、エンテイ、ライコウの3犬はホウオウの眷属とも言われている。ホウオウが現れるという気配は一向に見せず、目の前にはスイクンがいる。
「お前達は世界中を駆け回ってると聞く……時折野生のポケモンが現れれば助けるヒーローみてえなことをしている。だが、お前達は世界中を回っている。なんの目的があってかは知らないが世界中を駆け回ってる…………」
「確か……スイクン達は目撃情報はあるが直ぐに居なくなると聞いているが……だが、今こうしてサトシを待ち受けている……」
「スイクンがサトシに対して挑戦権を与えたってこと?」
「そう考えるのは妥当だろう……スイクンはサトシくんを試している。逃げも隠れもせずに、にじいろのはねに選ばれたトレーナーに」
スイクン達は直ぐに居なくなる。
だが今回に限っては居なくなるどころかスイクンが待ち構えている。
マツバがオレがにじいろのはねに選ばれたポケモントレーナーとしての試練を与えに来た。
「クククッ……オレに対して試練か……………言っておくがよ、オレはホウオウには興味はねえんだ」
オレにはリザードンやヘルガーがいる。だからホウオウに興味はそこまで抱いていない。
仮にスイクンの試練を突破してもエンテイ、ライコウが待ち構えて最後にホウオウへの挑戦権を手に入れることが出来るシステムならオレはここで降りさせてもらう。
「お前とは1回ここでぶつかるのは考えていた、エンジュジムに挑んでからと計算をしていたが狂っちまったがな……だがまぁ、今となってはそんな事はどうでもいい……テメエがオレを試すのは勝手だが挑戦権をくれた。その認識だけは間違いじゃねえな?」
オレを試すためにスイクンはタイマンの場所を用意してくれた。今までのトレーナー達の様に顔を見せてはその場から逃げ去っている。
『くろいまなざし』を覚えているポケモンに対しては『ほえる』で対抗するという徹底ぶり……徘徊ポケモンに『ほえる』を覚えさせたゲーフリはスイクン達をゲットさせるつもりがねえんじゃねえのかと思うが……スイクンはオレに挑戦権を与えてくれるのかを聞けば頷いた。
「いけ、ゲンガー!」
「ゲンゲ!」
「クォオオオオン!!」
「っ、コレは!」
「スイクンの『ほえる』だ!」
スイクンは真正面からオレとバトルをしてくれるのだと分かればゲンガーを出した。
それを見ればスイクンは声を上げる。マツバがなんなのか気付きシゲルが『ほえる』を使ったのだと叫べばゲンガーがボールから戻った。
「ったく、贅沢言いやがってよ……まぁ、いい」
「コウガ!」
「ゲッコウガ……『みず』タイプのスイクンを相手に『みず』タイプのゲッコウガじゃ力不足じゃないのかい?」
「いえ……サトシのゲッコウガは特別です」
スイクンがゲンガーには用はないと『ほえる』でゲンガーを戻す。
普通ならばここで逃げ去るのだがスイクンは逃げ出さない。早くあのポケモンを出せとジッと見つめているので仕方がねえなとゲッコウガを出す。ゲッコウガを見れば『ほえる』は使ってこない。静かだが覇気を感じる。
ゲッコウガがどういうポケモンなのかを知っているマツバはスイクンを相手にゲッコウガは力不足じゃないのかと聞いてくるがセレナはゲッコウガなら問題無いと言う。
「確かに……サトシの持っているポケモンでスイクンに対抗することが出来るのはゲッコウガ……タイプの相性の問題さえ無ければリザードンもいけるだろうが、今のサトシの手持ちにはリザードンはいない……ゲッコウガこそがサトシの絶対的なエース、僕の知る限りでは未だ無敗……」
「ええ……私もゲッコウガが負けた姿は1度も見たことは無いわ。サトシの最初のポケモンだけあってレベルはとっても高い……リザードンも同じぐらいのレベルでリザフィックバレーで修行をしていてメガリザードンYという武器を手に入れたからメガリザードンYとサトシゲッコウガの2枚看板で戦えているわ」
シゲルもオレの持っているポケモンの中でならばゲッコウガしかないという。
リザードンはいい線を行っているがまだ届かないし相性の上で不利なところがあるのだと言うがセレナがポロッとメガリザードンYを零す。メガリザードンYの『ソーラービーム』ならばスイクンに確かなダメージを与える事が出来る。
「クォオオン!」
「ゲッコウガ『かげぶんしん』だ!」
白い空気の塊を出現させれば風の刃が飛んでくる。
『エアスラッシュ』だなと『かげぶんしん』を使って本物のゲッコウガが何処に居るのかが分からないようにする。
だが……この程度ではスイクンは慌てない。それどころかまだまだ余裕を残しており『エアスラッシュ』をやめて『バブルこうせん』を放つ。攻撃技としては他にも色々とあっただろう。だが『バブルこうせん』は泡を1つ吐く技じゃない。泡を大量に吐く技で波状攻撃で『かげぶんしん』を炙り出そうとしている……と思えば『かぜおこし』を使った。
『かぜおこし』は『ひこう』タイプの技の中でも威力が低い技、何をしてくるのかと思えば吐いた『バブルこうせん』を風に乗せて動かし分身と本体のゲッコウガ全てに命中させた。
「ゲッコウガ『くさむすび』だ!」
「コウガ!」
攻撃が当たって本物が見つかった。スイクンは間合いを詰めてくるのが目に見えていた。
予想通りの動きだと『くさむすび』でスイクンの足元に草を出現させ足に絡ませて結び動こうとしているスイクンを倒した。
『くさむすび』は重ければ重いほどに威力が高い技、スイクンは軽量級の軽やかな動きを見せているが150kgを超える重量級のポケモン、スイクンは『くさむすび』で倒れる……こうかはばつぐんの『くさ』タイプの『くさむすび』威力はポケモンの体重によって変わるが150kg超えの重量級のポケモンが倒れれば相当なダメージにもなる……が
「固えな……」
威力は充分にある『くさむすび』だがスイクンはケロッと起き上がった。
この世界の一部の伝説のポケモンは異常なまでに強い。仮にゲームでのポケモンバトルだったらスイクンに大ダメージを与えていた。
それなのにも関わらずスイクンはピンピンとしている。
「コイツは本物………………今までで1番ヤベえか」
本当に強い伝説のポケモンだと感じ取る。それと同時に今までで1番ヤベえ状況に陥っているのが分かった。
ミュウツーの時はミュウツーがただ純粋に力に任せて『サイコキネシス』で暴れていた。ゲッコウガは『あく』タイプのポケモンでミュウツーはその時は『ミラクルアイ』を会得しておらず『シャドーボール』で攻めてきたが『つじぎり』で対抗した。
セキエイ大会決勝で戦ったフェンネル谷のジョーイさんが使ってきたフリーザーはリザードンである程度はダメージを与えていた。
この前のエンテイはアランからZリングを借りることが出来たのとシンプルにタイプの相性が良かったからなんとかなった……だが、今回はゲッコウガ単騎、互いに『みず』ポケモン同士だ。
「どうしたんだサトシ。君にはあのゲッコウガがあるじゃないか!アレならばスイクンと渡り合える!出し惜しみしていい相手じゃないのは君が1番理解しているだろう!」
「サトシゲッコウガは文字通りサトシの奥の手よ。今回の相手はスイクン、使わないで勝てる相手じゃない……けどっ……」
「なにかデメリットがあるのかい?」
「サトシゲッコウガはサトシとゲッコウガが1つになっているメガストーンを使わないメガシンカの亜種みたいなものでサトシとゲッコウガの絆で可能にしている姿。サトシゲッコウガの力はメガシンカをしたポケモンと同等かそれ以上だけどその分ゲッコウガとサトシにかかる負担が大きいの」
「ゲッコウガにかかる負担が大きいのはまだ分かるがサトシにかかる負担があるのか?」
「ええ……チャンピオンリーグの3回戦に出場出来なかったのはサトシゲッコウガでサトシにかかる負担が予想以上で……アランはここぞという時にしか使うなって釘を刺しているけど……サトシは……どうするつもりなの?」
「決まってんだろ……サトシゲッコウガを使う。ゲッコウガ、いけるだろう?」
「コウガ!」
ゲームならば普通のゲッコウガでスイクンに勝てるがこの世界じゃ高難易度だ。
ゲッコウガにサトシゲッコウガになると言えばゲッコウガを中心に水柱が出現しゲッコウガはサトシゲッコウガに切り替わった。
メガシンカの亜種だとアランは研究しているがコイツはフォルムチェンジの一種、ヨワシ、ギルガルド、ヒヒダルマの様に途中で能力が切り替わるポケモンだと認識している。
「!」
「……最初からそれ一択か……」
サトシゲッコウガになればスイクンがより一層引き締まった表情になる。
それを待っていたのだと言わんばかりのスイクン……サトシゲッコウガがあるからゲンガーとは戦闘はしないと『ほえる』を使った。最初からゲッコウガを狙っていた。スイクンがオレの何を見て確かめているかは知らねえがな。
「クォオオン!」
「無駄だ」
サトシゲッコウガになればただ純粋にゲッコウガがパワーアップするだけじゃない。
ゲッコウガが目線で見ているものがオレには見えるようになる。ゲッコウガもオレ目線で見えているものが見えるようになる。
『エアスラッシュ』の波をどうすれば突破することが出来るのか意識を共有することが出来るとゲッコウガは右に左に高速で移動して駆け抜けていき近距離戦の間合いに詰めて背中の『みずしゅりけん』を手に取る。
「『みずしゅりけん』投げるんじゃねえぞ」
投げるタイプの『みずしゅりけん』はここぞというときに使う技、他のポケモンが相手ならばそれでいいが相手はスイクンだ。
背中の『みずしゅりけん』を手に持って振りかぶればスイクンは水晶の頭を向けてくる。何をしてくるのかと思えば『アイアンヘッド』で『みずしゅりけん』の斬撃を受け止めてくる。攻撃力よりも耐久力が売りのスイクン、使っている技のチョイスが渋いが攻撃を耐えながら着実に攻める重量級のポケモンのバトルをするのかと思えば移動をするのだと感じ取る。
「『くさむすび』だ!」
動く瞬間を狙って使うしかない。
『くさむすび』で足を絡め取りスイクンを物理的に転がすがスイクンは即座に立ち上がる。
サトシゲッコウガになって純粋なパワーが上がっている。重さによって威力が異なる『くさむすび』だがスイクンは重量級のポケモン、にも関わらずサトシゲッコウガの『くさむすび』を受けて平然と立ち上がる。『めいそう』の1つでも積んでいるのかと言いたいがコレこそが伝説のポケモン……オーガポンも一応は伝説級のポケモンなんだが……ランクが違う。
「クォオオン!」
「クククッ……………いいね…………ゲッコウガ『かげぶんしん』だ」
「笑っている場合じゃないぞ!『おいかぜ』を使ってきた!ゲッコウガが勝っていた素早さが逆転してスイクンが上回ったぞ!」
『おいかぜ』を使ってくるスイクン……久しぶりに面白いと思えるバトルが出来るのだと笑えばマツバは今の状況を教えてくれる。
『おいかぜ』の効果で素早さが増した。ゲッコウガが勝っていた機動力をスイクンは手に入れたと追い風を纏いスイクンはゲッコウガの背後に回り込もうとするのだがそれはオレが見えている。
「クォオオン!」
「『かぜおこし』が竜巻レベル!?」
「スイクンレベルになれば低火力な技も充分なまでに通じるんだ!」
スイクンが『かぜおこし』を使えば竜巻が巻き起こる。
明らかに『かぜおこし』の威力を超えているのだとセレナが声を上げるのだがスイクンレベルになればとマツバが語る。
大魔王バーンのメラゾーマだと思っていた技が実はメラだったのと同じ理論、スイクンの高いステータス……に加えて『おいかぜ』の風を使っている。ゲッコウガは吹き飛ばされるが空中で体の向いている感覚を取り戻して体勢を立て直す。
「『おいかぜ』が出ている内はスイクンがゲッコウガがよりも先に動く……スイクンがサトシくんのゲッコウガに対してこうかはばつぐんの技や『ぜったいれいど』を覚えていないのが唯一の救いだが……………届かない…………」
「どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ。ゲッコウガは『くさむすび』でスイクンにダメージを与えている。だが、その『くさむすび』が大したダメージになっていない。なんでもいい、一打だけでいい。状況をひっくり返すような強力な有効打がゲッコウガには無い……『くさむすび』がスイクンに対して最もダメージを与える事が出来る技……」
「……ま……そうだな……」
マツバがジリ貧な事を語る。
ここで何時もの熱を帯びた巨大な『みずしゅりけん』を投げてもスイクンは『みず』タイプのポケモン、火力のゴリ押しでダメージは多く受けるだろうが『みず』タイプの技だからダメージが想定よりも下回る。巨大な『みずしゅりけん』は1発しか撃てねえ。色々と試したがそれを撃てば最後、ゲッコウガがサトシゲッコウガを維持する事が出来ねえしオレの方も割とフラフラになる。ダンデ戦はそれが1番限界まで来てぶっ倒れた…………サトシゲッコウガにならないようにしてもゲッコウガの段階でも充分に強い。電気を付けるのと切るのと同じ要領でサトシゲッコウガになれるのならばサトシゲッコウガになれる状態にまでテンションを上げてもサトシゲッコウガにならない様にも出来た……だが、スイクンもマジモードだ。
「クォオ!!」
「っ!」
「コォッ!」
「さっきは避ける事が出来てたのに」
「『おいかぜ』の影響だ……サトシ!ゲッコウガに能力を上昇させる技を覚えさせていないのか!」
「回避率を上げる『かげぶんしん』程度だ!コレが相手じゃ焼け石に水だ!」
下手に『みず』タイプの技で攻撃しても効果は薄いのだとスイクンは分かっている。
『エアスラッシュ』を主体でダメージを与えに来る。さっきは回避する事が出来た『エアスラッシュ』だが『おいかぜ』の影響でスイクンの素早さが上がっており予想以上に早い先手を取られてる。
シゲルはなにか補助技を使ったりしてと言うが『くさわけ』は覚えさせてねえ。『かげぶんしん』しかねえ。
「ゲッコウガ……アレはいけるか?」
「……コウガ!」
サトシゲッコウガを経由してゲッコウガにオレの狙いを伝える。
何時もの巨大な『みずしゅりけん』に頼ることが出来ねえ以上はこっちの方に頼るしかない。ゲッコウガは『つじぎり』の刃を取り出す。
「ゲッコウガ『あくのはどう』だ」
「クォオオン!」
「ダメだ、スイクンの方が早い!」
『おいかぜ』の効果はまだまだ続いており更に『エアスラッシュ』を連打してくるスイクン。
『あくのはどう』で相殺するとマツバは考えているのだろうがそんな事をしても意味はねえ。『つじぎり』の刃に『あくのはどう』を纏わせる。
「コウ……」
「…………いいね…………勝ちたいって思える………………これが生きてるって事……」
スイクンの『エアスラッシュ』の乱打を受ける。耐久寄りのポケモンだが普通に攻撃させてもスイクンは強いポケモンだ。
ゲッコウガは『エアスラッシュ』を受けるのだが倒れない。意識を落とさないようにしている。このギガブレイクもとい『あくのはどう』を纏わせた『つじぎり』は維持するのが大変で通常のゲッコウガの状態じゃ使えないし気を緩めたり他のことに意識を割いたりすれば消えてしまう。だから回避に専念をすることが出来ない。ゲッコウガを通じてスイクンから『エアスラッシュ』の乱打をくらう。自分自身にダメージが受けていると分かれば自分が戦っているのだとハッキリと分かる。ただ考えてポケモンに指示を出しているのとは異なるのだと意識がシャッキリとしてやる気が出る……そして待望の時が来た。スイクンに吹いていた『おいかぜ』が消える。
「ゲッコウガ、やるぞ!『つじぎり』だ」
「コウ……ガァ!!」
『おいかぜ』が消えればゲッコウガの方が素早さが上になる。
『あくのはどう』を纏わせた『つじぎり』を逆手に持って振りかぶれば『あくのはどう』を纏った飛ぶ斬撃がスイクンに向かって飛んでいきスイクンはそれを回避することが出来ないと分かるや否や足に力を入れて踏ん張る。
「ダメだ!あの飛ばす『つじぎり』でもスイクンには届かない!」
「クククッ……だろうな……だから、もう1手いくぞ!」
「コウガ!」
色々とオレなりに調べたりポケモンバトル学が研究テーマなアランに聞いてみたりした。
アニポケの最終無印でサトシのジュカインが『リーフブレード』の飛ぶ斬撃を使っていた……アレはどうなっているのかと聞けば一部の斬ったり引っ掻いたりする系の技は飛ぶ斬撃として使うことが出来る……ただし直接攻撃するのと比べて威力は結構落ちるらしい。
だが……この『あくのはどう』を纏わせた『つじぎり』は『あくのはどう』分の威力が加わっている。通常の『つじぎり』よりもちょっと上なぐらいな威力……スイクンならば絶対に耐える。それは知っているのだとゲッコウガはなにの迷いもなく走り出し『あくのはどう』を纏わせた斬撃と交差する様に『あくのはどう』を纏わせた『つじぎり』でスイクンを攻撃した。
「コォコォ……」
「君のゲッコウガにはまだこんな隠し技があったのか……」
本来ならば一度見ている筈だがミュウツーによって記憶を消されているので覚えていないシゲル。
『こころのめ』からの巨大な熱湯の『みずしゅりけん』と言う全力の一撃や『ハイドロカノン』だけでなく他にもまだ技がある。
とはいえ精神力を擦り減らす技であることには変わりはない……そこに至るまでに『エアスラッシュ』を何発も受けてしまった……だが、まだサトシゲッコウガを維持する事が出来ている。オレの方は精神面でコンディションが物凄くいい、ゲッコウガもまだ戦えると燃えている。
「クォオオオオ…………」
「アレを受けてもまだ立ち上がるの!?」
渾身の一撃を受けてもまだ立てることをセレナは驚く。
「まだまだいけるな、ゲッコウガ!」
「……」
「ゲッコウガ…………クククッ………………」
ゲッコウガにまだまだ戦えるのかを聞けばゲッコウガは戦闘態勢を解除した。
戦闘するという意識を無くしており間もなくサトシゲッコウガが解除されるのだと肌で感じ取りゲッコウガが何故動かないのか気付く。
「スイクンが動かない?」
「コウガ……」
「ゲッコウガもサトシゲッコウガから普通のゲッコウガに戻った……ど、どうなっているんだ?」
「見事だな……流石は北風の化身、伝説のポケモンだ……」
スイクンが動かない事に対してマツバは違和感を覚える。
ゲッコウガがサトシゲッコウガからもとのゲッコウガに戻ったのでシゲルが状況を理解したいのだが情報が少なく読めない。
唯一意味が分かっているオレはスイクンを褒める。スイクンから威圧感が覇気が感じれる……だが、スイクンは既に意識を失っていた。意識を失っていてもなおプレッシャーを放ってくる。そいつは見事だった。
「勝った……の?……」
「……ああ………………………いや、コレはトレーナーとして失礼か」
スイクンは今もなお威圧感や存在感を放っている。だが、既に意識を失っている。
セレナは勝つことが出来たのかと問いかけるのでオレは頷けばモンスターボールを取り出そうとするが途中で手を止める。
この状況でモンスターボールを投げればスイクンは確実にゲットすることが出来る……だが、オレにもトレーナーとしての誇りはある。
モンスターボールを使わずにヘビーボールを取り出してスイクンに投げればスイクンはヘビーボールの中に入りコロンコロンとヘビーボールが揺れてカチリと音が鳴った。
「スイクン、ゲット……うぉ……」
スイクンをヘビーボールでゲットすることが出来たのだと喜びポケモン図鑑を取り出す。
スイクンのステータスを確認するのだがパワー、スピード、どれをとっても高性能で残念な点があると言うのならば技が少々微妙というところ。
「っと、いけねえいけねえ」
スイクンが居ればあんなことやこんなこと云々の邪な考えを持つが今はそんな場合じゃねえ。
スイクンをヘビーボールから出せば意識を取り戻している。威圧感を放っているがダメージは確かに残っているので下手に動けない。
「お前がオレ達のなにを見ていたかは知らねえがよ、お前が与えたお前への挑戦権でオレはお前を倒した……勿論お前に依存するほどバカな真似はしねえ……一緒に戦ってくれるか?」
伝説のポケモンは我が強かったり個性的だったりする。
セレナのウーラオスやオレのオーガポンは普通に言うことを聞いてくれているがスイクンは言うことを聞かない可能性も存在している。
だからスイクンに言うことを聞いてくれるかどうかの確認をすればスイクンは頷き……スズネのみちに張っていた水晶の壁を解除した。
「見事だったよ、サトシくん」
「割と危なかった……だがなんとかいけた……」
スイクンはオレのポケモンになると頷き言うこともちゃんと聞いてくれるみたいだ。
水晶の壁を解除したら3人が近づいてきて見事だったとマツバがオレを褒めてくれる。オレは割と危なかったとしか言えない。
あの『つじぎり』を受け切られていたら負けていた……ホントに危ないが久々にいいバトルをさせてもらった。
「ふぅ……やれやれ……まさかサトシがスイクンをゲットするだなんてね……」
「クククッ…………コイツばかりは嬉しい誤算だ」
スイクン側からアプローチをかけてこなかったら最初からスイクンをゲットするつもりは無かったんだ。
流石にゲームみてえにスイクン達を追い掛け回してる暇はねえし図鑑の追尾機能は存在してねえんだよな。
「おめでとう…………そしてありがとう」
「……………どういう意味だ?」
「サトシゲッコウガに加えてリザードンならばメガカメックスと戦略で撃ち破る事が出来た。だが、君のことだから予想外の1手を使ってくると僕は考えていた。リザードンにはメガリザードンYと言う隠し玉を持たせ更にはスイクンというエース級のポケモンまで手にした……………だから惜しげもなく罪悪感なんかもなく君の予想外の1手を潰すために死にものぐるいでゲットしたポケモンを僕は使える」
スイクンを捕まえた事を讃えると同時になにか企んでいるシゲル。
メガカメックス以外にもなにかを用意しているみたいでそのポケモンを使うことに罪悪感を抱いていた……そうなると、かなりヤバいポケモンが潜んでやがるな。
シゲルは面白いものが見れたとエンジュシティを去っていく。マツバは明日のエンジュジム戦が楽しみだとなる。ジョーイさんはゲッコウガとスイクンはボロボロだからドクターストップで明日のジム戦に出すことは出来ないと言う……もともとゲッコウガは今回のスイクンの為に呼び寄せているポケモンだ。だから他のポケモンにしてもなんら痛くはなくオーキド博士にスイクンをゲットした事を報告すればわざとらしく驚いていた。オーキド博士、オレがスイクンをゲットしてる事を知ってただろう。