闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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スイクンへの頂き

 

「なんか凄く多いわね……………追い込みの時期?」

 

アランがなんかヘマをやらかしたみたいだが結局それがなんなのか分からずじまいでエンジュシティに戻ってきた。

エンジュシティのポケモンセンターに向かえば……行列が出来たりでてんてこ舞い、何時もならば1人のジョーイさんが複数人居る。

なんでこんなに居るんだろうとセレナは疑問を抱く。バッジ集めの時間はまだまだ残っており追い込みの時期じゃねえ。

 

「彼女達はポケモントレーナーじゃない、ポケモンコーディネーターなのさ」

 

「貴方は?」

 

「……………ふっ!」

 

行列が出来たりしている理由をイケメンが教えてくれる。

名前を聞けば指を上に向けている……ああ……うん……

 

「ええっと……天井?」

 

「イン!!」

 

「え?え?」

 

「テンジョウインって言いたいんだろ……」

 

見た目が天上院吹雪似の男性が天井を指差してテンジョウイン!!と言うボケを噛ます。

いや、ボケなのか?それとも決め台詞なのか…………気にしていたらキリがねえか。

 

「ボクはフブキ……ポケモンコーディネーターさ」

 

「フブキさん、ポケモンコーディネーターってなんなんですか?」

 

「おや、君達ポケモンコーディネーターを知らないのかい?」

 

「いや、オレは知ってるぞ」

 

「ポケモンコーディネーターとはポケモンを使いパフォーマンスをして競い合うポケモンコンテストに挑戦している人達のこと、なにを隠そうボクもその内の1人さ」

 

「ポケモンコンテスト……そんなものがあったのね……」

 

「明日からグランドフェスティバルが開催されるんだけど……その様子だと何も知らないみたいだね」

 

「この前、エンジュシティに来た時にポスター飾ってたんだがな……」

 

ジョウト地方のポケモンコンテストグランドフェスティバルが開催されるのだと前にエンジュシティに立ち寄った際に告知があった。

フブキはなにも知らないのを意外そうにしている。ポケモンコンテストはどちらかといえばメジャーだが、オレがカントー地方を旅していた頃には情報は無かった……ポケモンバトルの祭典ことポケモンリーグが8:2ぐらいの割合で男が参加する男尊女卑な感じでポケモンコンテストはその逆、2:8の割合の女尊男卑な感じ……とはいえ、トップコーディネーターがミクリやアダンの男、ポケモンバトルの方はチャンピオンがシロナとカルネと男と女の関係性が逆転している。

 

「しかしまぁ、こんなところで去年のセキエイチャンピオンに出会えるとは幸運だね……妹が見たら喜ぶよ」

 

「妹が居るんですか?」

 

「ああ、ボク達は兄妹で旅をしている……ボクは一時期ポケモンリーグを目指していたんだけどコンテストに魅了されてね。そこからはもうコンテスト一色……こう見えてオレンジリーグ・名誉トレーナーに認定されるぐらいは強いんだよ」

 

「アレはちょいとややこしいぞ」

 

オレンジリーグ・名誉トレーナーに認定されていると胸を張るフブキ。

兄妹で旅をしているからポケモンバトルで切磋琢磨に経験値を得ることが出来る……おちゃらけている雰囲気を見せているが強い奴だなと感じ取れる。

 

「おっと、ボクのポケモンの健康診断が終わった……じゃあね」

 

「あ、はい……ポケモンコンテスト、か……」

 

フブキはポケモンを受け取りに行った。

この行列に並ぶべきかと一瞬考える……ジョーイさん十数人体制でも回らないからどうすっか。

グランドフェスティバルもポケモンリーグ並に出場者が居る……およそ200人として200×5で1000、だがコンテストリボンを5つ集めきる事が出来ずにいるのを120と仮定すれば1120回もポケモンコンテストがジョウト中で開かれている。

 

「開催されるのは明日からだ……今日はエンジュジムに用事だ」

 

セレナはポケモンコンテストに興味を抱いている。

だが、開催されるのは明日からだ……今日は前々からの約束を果たさねえといけねえ。

何処で合流するとかの予定は特に立てていないからエンジュジムに向かう。

 

「貴方は……マサラタウンのサトシ!!」

 

「クククッ……コイツは面白えな……」

 

エンジュジムに向かえば天上院明日香似の女性が居た。

フブキの妹と聞かされたので確実に居るだろうと思っていたがホントに居たので笑みを浮かび上げる。

 

「次はジョウトリーグに挑戦をしていたのね……」

 

「……」

 

有名になればなるほどに色々と重荷になる。

それは覚悟をしていた事だったがこうも露骨に反応されるのも悩みどころだ……有名税は苦手なんだよな。

 

「ここに来たという事はエンジュジムに挑みに来たのね……残念だけどエンジュジムはさっき私が勝ってジム戦を行えないわよ」

 

「いや、ちょいと個人的な用事でエンジュジムに来ただけだ……ファントムバッジは既に持ってるよ」

 

エンジュジムに挑みに来たのかと思っているのだがエンジュジムはとっくの昔に制覇している。

じゃあなにをしに来たのかと聞かれれば……公に言うことは出来ない。

 

「ジムバトルで激闘を繰り広げたんだ、休ませてやれよ……ポケモンセンター、ジョーイさんフル稼働だがてんやわんやで並んでるぞ」

 

「……ジム戦が無かったら貴方に挑んだのに」

 

「そん時は気分が乗らねえから断るよ……今日はそういう気分じゃねえんだ」

 

天上院明日香似の女性は惜しいことをしてしまったのだと悔しそうにしている。

ジム戦が無かったらオレに挑んだと堂々と言うが今日はそういう気分じゃねえ……向こうは闘志をメラメラ燃やしてるけども、オレはそういう気分じゃねえんだ。

 

「あ、サトシくん!セレナちゃん!」

 

「……一応は連絡入れたけど待ち合わせ場所決めてなかったから」

 

「ああ、大丈夫だよ……どちらにせよ待ち合わせ場所はエンジュジムにするつもりだった……大丈夫だったかい?明日からグランドフェスティバルが開催されるから多くのポケモンコーディネーター達が集まってたりで大変だっただろ?」

 

「いや、マサラタウンのサトシに勝負を挑む!って言われる事がねえから快適だったよ……それよりもさっきジム戦に挑んでたみたいだが」

 

「『ほろびのうた』からの交代させてからの『くろいまなざし』で固定し『ほろびのうた』で詰ませる揺さぶりが見事に決まった……だが、向こうの方が上手だったよ。負けてしまった」

 

「そりゃ残念なこと……それで会わせたい人は?」

 

「私だ!」

 

マツバが負けたことを認めて惜しいなと言い本来の目的、スイクンに会いたがっている人が何処かと聞けば颯爽と現れる。

 

「ミナキ、焼けた塔で会う予定だっただろう」

 

「いや、それが焼けた塔に観光客が……スズの塔にも……明日からグランドフェスティバルが開催されるのが原因だろう」

 

「そうか……じゃあ、ジムに居るのはある意味幸運か」

 

「皆、明日のグランドフェスティバルのために色々としているからエンジュジムは注目されない。絶好のチャンスだ!」

 

それはジムリーダーに堂々と言っていいことなのか?

絶好のチャンスだと言えばオレに詰め寄ってくるミナキ

 

「マツバから話は聞いているよ……私はミナキ、スイクンを追い掛けている……君がスイクンをゲットしたという話を聞いた。正直なところ今もまだ疑っている……スイクンを見せてくれないかね?」

 

「出てこい、スイクン」

 

「クォオオン!」

 

「おお……おぉ!!……………うぉおおおおおお!!」

 

スイクンを見せてくれと言うのでスイクンをボールから出す。

本物のスイクンを見ることが出来た。普段ならば北風を吹かせて何処かに逃げ去るところを一歩も引かずに堂々と見れる。

 

「スイクン、悪いな……有名税ってやつだ」

 

「なんて神々しいんだ……過去にスイクンを何度か見かけたがこうしてじっくりと眺めるのははじめてだ……さ、触ってみてもいいかね?」

 

「スイクンが許すならば」

 

「クォオン」

 

「好きにしろって言ってるわね」

 

生スイクンに興奮を隠せないミナキ。手袋を外せば恐る恐るスイクンの額にあるトレードマークとも言える額の水晶に触れる。

そこはスイクンの触れていい部分なのかは分からねえがミナキは興奮し、涙を流している……推しが目の前にいるのだからそうなるわな。

 

「なんか……すまないね……ミナキの奴は普段はこんな感じじゃないんだがスイクンが関われば一気にね」

 

「いや、別に……推しが目の前に居るならこうするのは自然な事だ」

 

「でも…………………スイクンはサトシのポケモンですよ?」

 

ありがたやありがたやとスイクンを拝んでいるミナキ。

普段はもっとクールな感じだとマツバがフォローを入れるが推しを前にすればこうなるのは普通のことなので気にしねえ。それよりも大事なのはこのスイクンが野生のスイクンじゃなくてオレのスイクンだって事だ……推しを奪われている。なんか卑猥だな。

 

「スイクンを追い掛けているって言ってますけど、サトシがスイクンをゲットしたから……」

 

「その点は無用だ!実はマツバからサトシくんの話を聞いた後にスイクンの目撃情報が別の地方から出ているんだ!スイクンは伝説のポケモンだがこの世に1体しか存在しないポケモンではない!私はそのスイクンを追い求める!」

 

クラウンシティに行けば色違いのスイクンをゲットすることが出来るかもしれねえと言ったほうがいいのか……いや、やめとくか。

 

「サトシくん……マツバから話は聞いている。スイクンは君に挑戦権を与えた。君はその挑戦権をものにして見事スイクンをゲットした。後から私に挑戦権を譲れなどという無粋な真似はしないさ……ただ、その……スイクンをゲットする練習をしたいんだが」

 

「……………………………オレ自身は構わねえが……………………どうするつもりなんだ?」

 

スイクンを寄越せと言ってこねえのはいいが、スイクンのゲットの練習をしたいと言う。

スイクンのゲットの練習をしたいと言う思いは熱く伝わってくるが……ぶっちゃけた話どうするつもりなんだ?

 

「スイクン……最初はお前の好きにやってみろ。オレはなにも言わねえ……………スイクンが現れた!」

 

「いけ、マルマイン!!」

 

「マルル!」

 

スイクンが現れたという設定でポケモンバトルが行われる。

オレからは最初はなにも指示は出さねえとスイクンが現れたという設定でいけばミナキはマルマインを出した。

 

「クォオオオン!」

 

「ハーッハッハッハ!『ほえる』の対策は充分してある!このマルマインは『ぼうおん』だ!『10まんボルト』だ!」

 

スイクンは一切の慈悲なく開幕『ほえる』を使う。

伊達にスイクンを狙っているトレーナーじゃないのでスイクンが『ほえる』を覚えているのだと『ぼうおん』個体だと言い笑うのだが北風がエンジュジム内部に押し寄せて……スイクンはバトルフィールドからエンジュジムの入口に居た。コレが実戦ならばスイクンは逃げることが出来ていたのだと言わんばかりの行いだった。

 

「くっ……ポケモンの中でもトップクラスの素早さを持つマルマインならばスイクンの素早さに対抗出来ると思ったがまさかここまでとは」

 

いや……純粋にスイクンのレベルに届いてねえのが正しいな。

スイクンと同じレベルのマルマインだったら余裕でスイクンを抜くことが出来ている。スイクンがシンプルに強すぎるからこうなっただけで仮にゲームとかならばスイクンに『10まんボルト』を浴びせることが出来た。

 

「『くろいまなざし』とか覚えてるポケモンは持っていないんですか?」

 

「ゴーストがいる……だが、それだと『くろいまなざし』で逃げれなくは出来るが『ほえる』で強制的に退場させられる……『ぼうおん』の特性を持ち『くろいまなざし』等の逃げることが出来なくなる技を覚えているポケモンは何処にも居ないんだ。だからスイクンに開幕で『ほえる』を使わせる、そこから攻撃を浴びせると考えていたのだが……世の中そう上手くはいかないか」

 

「いや……アリアドスが居るだろう?」

 

「なに?」

 

「アリアドスは逃げさせられなくできる『クモのす』と『じごくづき』を両立する事が出来るポケモンだ……『じごくづき』で喉を潰して『クモのす』で逃げれなくして他のポケモンに交代する……一応は出来る技だ」

 

「アリアドスか……」

 

「ただ問題点としてアリアドスでスイクンを倒せるか……かなりのレベル差が無いといけねえ。オレのゲットしたスイクンですら尋常じゃねえぐらいにレベルが高い。ステータスはこんな感じだ」

 

「うぉ……………こ、コレがスイクンのステータスかね……………コレは厳しい」

 

「伝説のポケモンは伊達じゃないって事か……ミナキ、ゲットするのも構わないが先ずは純粋にスイクンを倒せないと話にならないぞ」

 

「サトシですら危なかったから……かなり難しい事ですよ」

 

「むむむ……………スイクン、今度はちゃんとバトルをしてくれないかね?」

 

スイクンのステータスを見せればコレは厳しいのだとミナキは困る。

マツバが純粋にスイクンを倒せないと話にならないことを伝えればスイクンへの挑戦権を貰う。

 

「そうなると今度は指示ありでいくぞ……スイクンは下手に出せねえからな……ここで実戦経験を積ませてもらう」

 

「では……再び頼んだぞ!マルマイン!」

 

「マルル!」

 

スイクンへの挑戦権を貰った……仮免みたいな形でだが。

ここでスイクンを撃退する事が出来なければ意味は無いのだとマルマインで挑む。

 

「マルマイン『10まんボルト』だ!」

 

「スイクン『めいそう』だ」

 

マルマインは『10まんボルト』をスイクン目掛けて放つ。

回避することが可能だが回避は選ばねえと『めいそう』を使えば『10まんボルト』が命中する……が、スイクンはピンピンしている。

 

「っく、もう1度『10まんボルト』だ!」

 

「ミナキ、焦るんじゃない!」

 

「『めいそう』だ」

 

再び放たれる『10まんボルト』に対して『めいそう』を積み上げる。

コレで『ドわすれ』と『わるだくみ』を使ったも同然で……スイクンにダメージらしいダメージは一切無い。

マツバが冷静になれと言うので少しだけ冷静になる。頭を冷やす……スイクンを追い掛けているのならばスイクンが並のポケモンじゃねえ事ぐらいは100も承知だろう。『めいそう』を2回積んだ。これだけで充分な武器になるが向こうはどうでてくるか……

 

「マルマイン『ころがる』攻撃だ」

 

「スイクン『アイアンヘッド』で受け止めろ!」

 

「っ……」

 

「クククッ……確かに『ころがる』は物理攻撃、『めいそう』でどれだけ特殊攻撃と防御を上げても無意味。使えば使うほどに威力が増すのが『ころがる』だ……だから初手に受け止める」

 

数分間使い続けて回転速度が物凄く増している『ころがる』ならばスイクンでもキツい。

だが……回転速度がそこまで速くない『ころがる』ならば『アイアンヘッド』を使って真っ向から受け切り回転を止めることが出来る。

 

「なんて……なんて耐久力なんだ!ミナキのマルマインはかなりのレベルだ。サトシくんのゲッコウガの時と違って『10まんボルト』と言う有効打も持ち合わせている。『めいそう』を使って耐久力を上げる。本来ならば攻撃技の『アイアンヘッド』を攻撃を受けるのに使って『ころがる』を無理矢理止めた……」

 

「スイクンをゲットした時、サトシはスイクンのステータスに驚いてました。でも、肝心の技があまり良い技を覚えてないと技を磨いています……特に特殊攻撃に対しては弱点である『でんき』や『くさ』タイプの技であっても難なく耐えるように育成しています」

 

「なるほど……だが、物理攻撃には?」

 

「『リフレクター』があります……更に言えばそもそもで触れることすら出来ません」

 

スイクンの耐久力を見て言葉が出ないマツバ。

セレナがオレが重点的に技を磨いているからこうなっているのだと教える……スイクンにはポテンシャルがあったがとにかく技が酷いからな。『オーロラビーム』とか上位互換あるだろうな技が多数あったからそこの修正に入った。

 

「落ち着け……向こうはパワーが増しているのならばそれを利用するしかない」

 

「スイクン『しんそく』だ」

 

「なっ!?」

 

「『ミラーコート』ぐらい読めるんだよ」

 

『めいそう』で今まで積み上げた特殊攻撃の技を『ミラーコート』で撃ち返す。

マルマインにはそれが可能な事だがそれが分かっているのならば怖いものはなんもねえんだよと『しんそく』を使う。

目には止まらない速さでマルマインに激突してマルマインを突き飛ばした。

 

「っく……………参った………」

 

「おいおい、まだまだポケモンは居るだろう?」

 

「フーディン等のポケモンを有しているが君はまだスイクンに特殊攻撃を使わせていない。それを受ければ私のどのポケモンも一撃で倒されてしまう」

 

「……………そうか……………戻れ、スイクン……」

 

他にも色々と居るのに降参するのはちょいと残念だなと思いながらもスイクンをボールに戻す。

ミナキは物凄く悔しそうにしている。たとえ今の自分がスイクンへの挑戦権を手に入れたとしてもスイクンの足元にも及ばないと知ったから。

 

「伝説を超えるか伝説を従える……どっちも難題か……」

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