闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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フスベジム 最後のバッジ

 

「グォオオオウ!!」

 

「うぉ!?」

 

フスベジムはもうすぐだと言うところでリザードンが空から舞い降りてきた。

『かえんほうしゃ』を浴びせてきたので思わず声を荒げる……あんまりにも予想外過ぎる事だったので驚く。

 

「リザードン、急に進路方向を変えたら……サトシくんじゃない!」

 

「あ、ジークさん……どうしてここに?」

 

「フスベジムに向かってるの…………向かっている方角的に一緒ね」

 

リボンをつけたリザードンに乗って現れたのはリザフィックバレーの管理人のジークさんだった。

セレナがどうしてここにと言うのでフスベジムに向かっていることを教えてくれるがオレ達もフスベジムに向かっているのだと気付く。

それと同時に襲ってきたリザードンはオレにハグをする。いきなりの挨拶でビクッとなっちまったが

 

「久しぶりだな、リザードン」

 

「グォウ」

 

紛れもなくオレのリザードンだ。久々の再会だなとリザードンに挨拶をすればリザードンは嬉しそうに返事をする。

グォウと高らかに『かえんほうしゃ』を放ち強くなったぞのアピールをする。

 

「アレからリザードン、凄く強くなったわ……群れのリーダー格を倒せるぐらいには」

 

「クククッ……リザフィックバレーに預けて正解だったな」

 

「でも……負けもあったわ」

 

リザードンの聖地であるリザフィックバレーにリザードンを預けた。

以前とは比べ物にならないぐらいにレベルが上がっているのでリザフィックバレーに預けたのは間違いじゃなかったと頷く。

ジークさんがリザフィックバレーのリザードンを倒すことが出来るレベルにまでパワーアップをしているのだと教えてくれるが……負けがあったと深刻な表情で語る。

 

「アランですか?」

 

オレのリザードンを真っ向から倒せるトレーナーなんて早々にいねえ。

メガリザードンYになれば四天王のポケモンを倒せるぐらいにまでなりメガリザードンYじゃなくても充分過ぎる強さを持っている。

その上でパワーアップをしたリザードンが負けたという。そんなことが出来るのはアランのリザードンぐらいだと聞けば首を横に振った。

 

「ガラル地方のダンデって人よ」

 

「……なるほどな……」

 

ダンデのリザードンが相手ならば負けたとしてもおかしくはない。

アランのリザードン以外にもダンデのリザードンが居るのだと頭から抜け落ちている。

 

「接戦の末に破れたから……どっちも悔しそうにしていたわ」

 

「どっちも……勝ったのに悔しいんですか?」

 

「サトシくんのリザードンを倒したのであってサトシくんが使うリザードンを倒したわけじゃないわ……仮にトレーナーの指示があったら結果が違ってた。それぐらいの接戦をサトシくんのリザードンと繰り広げたわ」

 

「トレーナーの無しでの接戦か……」

 

ダンデはどうもリザードン同士の激突を望んでいる。

自分のキョダイマックスリザードンが1番強いと思っておりそれは確かだろう。アランでも負ける可能性があると認めている。

そんな中で接戦を繰り広げた。場所的にダイマックスは不可能だ。トレーナーが居ないからメガシンカ出来ない。圧倒的なまでにダンデに有利だ……それで引き分けはさぞ悔しいだろう。

 

「ところでサトシくん、フスベジムはジョウト有数の実力派なジムよ……準備は万端かしら?」

 

「『ドラゴン』タイプやそれに近しいポケモンが待ち構えてる……リザードンが居れば『りゅうのはどう』なんかで推し進める事が出来る」

 

「グォウ!」

 

「だが今回はリザードンは使わねえよ」

 

「え……使わないの?イブキのポケモンは『ドラゴン』タイプのポケモンで強力で生半可なパワーじゃまともにダメージすら与えられないわよ!」

 

「クククッ……圧倒的なまでの力、今回はそいつを使う……リザードン、ジョウトリーグの決勝トーナメント、フルバトルになったのならば迷いなくお前を呼び寄せる……だからそれまで力を蓄えてくれ」

 

ジークさんはリザードンがいればバトルを優位に進めれると言うが、今回は使わねえ。

リザードンは出る気満々だったが出れないのかとズッコける……悪いが今回使うポケモンはもう決めてあるんだ。

だから言えることはジョウトリーグまで徹底的に鍛えてもらう。ダンデのリザードンに破れたという事は素の状態のリザードンではまだまだ弱い……アランも素の状態のリザードンならば7割の確率で勝てるが3割の確率で負けると認めている。

 

「おや、ジーク様ではないですか!」

 

「カブラギさん、久しぶりです……イブキは居るかしら?」

 

「ええ……そちらの方は?」

 

「イブキに挑戦しに来たチャレンジャーよ」

 

豪邸なフスベジムにやってくれば執事っぽい人が出迎えてくれる。

ジークさんは執事、カブラギの爺さんにオレ達が何者なのかを伝えればそうですかと頷いてフスベジムに上がらせてもらう。

 

「貴方は……去年のセキエイチャンピオン!?」

 

「ええ、まぁ……このフスベジムが最後のジム……勝ってライジングバッジをいただく」

 

「ふっ、よくこのフスベジムを選んだわね!全身全霊で応えさせてもらうわ!」

 

イブキが現れればオレが去年のセキエイチャンピオンだと気付く。

このフスベジムが最後のジムな事を伝えれば面白いと笑みを浮かび上げた。

 

「……コレがフスベジムのフィールドか」

 

何時もの長方形のフィールドの真ん中に長方形の小さなプールがある。

コレは『みず』タイプのポケモンもしくは水に適応することが出来るポケモンが居ると言っているも同然だ。

 

「では、これよりフスベジム、ジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!メガシンカのみ可能とします!」

 

「ほぉ……」

 

「安心して、私のポケモンはメガシンカしないわ」

 

普段ならば言わないであろうメガシンカを審判の爺さんが言った。

メガシンカのみ可能と言うのでメガシンカしてくるのかと予測したのだがイブキはメガシンカしないと言う……メガシンカのアドバンテージがあっても勝つことが出来る、そういう自信だろう。

 

「いけ、キングドラ!」

 

「ドォ!」

 

「んじゃ……コイツを試させてもらうぜ……………いけ、スイクン!」

 

「クォオオオン!!」

 

「っ、な…………スイクン!?」

 

「スイクンですって!?サトシくん、スイクンなんて持っていたの!?」

 

「エンジュシティでなんとかゲットしました……ただ、伝説のポケモンだけに使い所が難しくて鍛えては居ますが実戦ではコレが初で」

 

最初の1体目に出したのはスイクンだ。

それを見てイブキは言葉を失いジークさんは声を荒げる。セレナが死ぬ気でゲットした事を教えるがそれと同時に実戦ではコレがはじめてだと見守る。

 

「流石はセキエイチャンピオンね……まさか伝説のポケモンが出てくるだなんて」

 

「このジムはジョウトの中で上から数えて直ぐに位置するレベルのジム……だからここでスイクンを使うって決めていた」

 

サトシはフスベジム戦を2度行っている。

1度目はロケット団の介入で中止になった。だが、1度目の時に持っているポケモンだけでは全くと言って通じなかった。

オーキド博士の研究所からカビゴンを、ジークさんと再会しリザフィックバレーで鍛え上げたリザードン、そしてピカチュウで挑んでなんとか勝つことが出来た。明らかに別格のジムなので、スイクンを実戦投入するならばここしかねえ。

 

「いいじゃない……伝説のポケモンと戦えるなんて早々にないわ!キングドラ『ハイドロポンプ』よ!」

 

「スイクン『めいそう』だ」

 

スイクンが相手だと分かれば燃えるイブキ。

キングドラに『ハイドロポンプ』を指示しスイクンに当てるのだがスイクンは全く気にせずに『めいそう』を積む。

 

「『みず』タイプのポケモンに『みず』タイプの技は相性悪いわよ!」

 

「ええ……でもスイクンがどれくらいなのか試すにはコレが1番なのよ……なんの淀みもなく『めいそう』を使うだなんて」

 

スイクンに『ハイドロポンプ』が効かないとジークさんが叫ぶ。

イブキはそれを分かっている。キングドラの渾身の『ハイドロポンプ』でどれくらいのダメージを与える事が出来るかの確認をした。

結果は最悪、スイクンにダメージになっているのかと疑心暗鬼するレベルでダメージになっていない。その上で『めいそう』を積んだ。

 

「キングドラ『はかいこうせん』」

 

「『めいそう』だ!」

 

『みず』タイプの技では通じないと『ノーマル』タイプの『はかいこうせん』を撃つ……と同時に水の中に沈む。

『はかいこうせん』を撃った後に反動で動けなくなるがその反動が来る前に水の中に沈んで攻撃を回避する作戦だろう。

スイクンは『はかいこうせん』が直撃するがダメージらしいダメージが無く『めいそう』を積む。

 

「スイクン『めいそう』だ」

 

「っ……」

 

反動で動く事が出来ねえ間も『めいそう』を使う。

イブキは攻めてこない事でなく着実に『めいそう』が積まれていく事に焦りを見せている。

 

「サトシくん……動かないの?スイクンなら水の中に潜っているキングドラを引きずり出す事が出来るのに」

 

「大丈夫です……アレこそがサトシが鍛えたスイクン……コレで『めいそう』は3回使いました……コレで受けは万全です」

 

「キングドラ『りゅうのはどう』よ!」

 

「スイクン『れいとうビーム』だ!」

 

『はかいこうせん』を使えば反動で動けなくなる。『ハイドロポンプ』はこうかはいまひとつ。となれば使える技はコレだと『りゅうのはどう』を放つ。そろそろ焦りを見せてくる頃だと思っていたのだと『りゅうのはどう』に向かって『れいとうビーム』を放てば『りゅうのはどう』を余裕で押していきキングドラを氷漬けにし……キングドラの氷が砕け散るとキングドラは水面にぷかーと浮かんだ。

 

「キングドラ、戦闘不能!スイクンの勝ち!」

 

「戻れ…………なんてパワーなの…………こっちもそれに相応しいので挑む!いけ、ギャラドス!」

 

「ゴォオオオウ!」

 

イブキの2番手はギャラドス……そうなると最後はハクリューか。

スイクンに対して強いポケモンで挑んでくるのかと思ったが自分のスタイルで戦う。

 

「ギャラドス『はかいこうせん』」

 

「『めいそう』だ……………それで勝てるとでも?」

 

「いいえ、コレで勝てたのなら今頃簡単にスイクンはゲットされているし倒せてるわ」

 

ギャラドスが『はかいこうせん』を撃ってきたが『はかいこうせん』を『めいそう』で受け切る。

コレもスイクンがどれくらいなのかを試すための『はかいこうせん』なんだろう。ギャラドスはプールに沈み少しすれば『はかいこうせん』の反動が消え……陸のフィールドに上がった。

 

「『めいそう』を何度も積まれている……『はかいこうせん』を余裕で耐えるから特殊攻撃はスイクンには通じない……だから物理攻撃」

 

「確かにそれは正しい選択だ……だが、こっちにはコレがある。『れいとうビーム』」

 

「っ、ギャラドス『パワーウィップ』で水を巻き上げて!」

 

そっちが近距離戦、と言うか物理攻撃で攻めなきゃいけねえと思っている。

ここまで『めいそう』を積まれた以上は特殊攻撃で攻めても大したダメージにはならないが……この特殊なバトルフィールドが仇になったな。真ん中にプールがあるせいで動きづらい。『れいとうビーム』を放てば『パワーウィップ』で水を巻き上げて攻撃を防ぐが一瞬にしてプールの水がカチンコチンに凍りついた。

 

「何度も『めいそう』を積み上げたとは言え、なんてパワーなの……」

 

「……こりゃヤベえな……」

 

相手はマサラタウンのサトシがリザードンやカビゴンを用いても苦戦してゲームでも難所なフスベジムだ。

それだから多少は出来るだろうと思っていたが……恐ろしいぐらいにスイクンが強い。オーガポンは普通のポケモンでも倒せる感じだったがスイクンは圧倒的なまでにランクが違う。それは出会った時から分かっていた事だったがこうも見せつけられればなんとも言えねえ。

 

「コレを待っていたの!ギャラドス、一直線に突破して『パワーウィップ』よ!」

 

スイクンがプールをカチンコチンに凍らせた。

コレで邪魔なプールが無くなって道が出来たのだとギャラドスは氷の上を滑りながら加速していき『パワーウィップ』を叩き込もうとする。

 

「スイクン『しんそく』だ」

 

「ゴォ!?」

 

「ギャラドス!……『しんそく』を覚えてるだなんて……」

 

ギャラドスが氷を利用して加速したがスイクンはそれよりも早い。

『パワーウィップ』が決まる前に『しんそく』で激突すればギャラドスは突き飛ばされる。氷の上を滑りながら加速しての『パワーウィップ』をくらわせようとしたが今度は逆にそれが利用される。『しんそく』で激突して突き飛ばしたギャラドスは踏ん張ろうとするが氷の上に突き飛ばされたので滑ってしまい踏ん張ってのブレーキが出来ずフィールドの端にまで突き飛ばされた。

 

「スイクン『れいとうビーム』だ」

 

「っ、ギャラドス『あまごい』よ!」

 

「え?」

 

「……イブキ………………相手が相手だけに、そうしないといけないわよね……」

 

スイクンの『れいとうビーム』に対してギャラドスは回避することも攻撃で相殺することもしなかった。

まだまだ色々と技があるのにどうして『あまごい』をとセレナは疑問を抱くがジークさんは納得している。スイクンの圧倒的なまでの強さに撃ち勝つには『あまごい』が最善手、後にスイクンを倒すためには『あまごい』がいい。

 

「ゴォウ……」

 

「ギャラドス、戦闘不能!スイクンの勝ち!」

 

「戻れ……………なんて強さなの……………でも…………ここで負けたらジムリーダー失格よ!いけ、ハクリュー!」

 

「リュウウ!!」

 

雨のフィールドの中で最後に出てきたのはハクリューだった。

最後は純粋な『ドラゴン』タイプのポケモン……だが、このハクリューが地味に厄介だ……だが……問題はねえ。

 

「ハクリュー『かみなり』よ!」

 

「スイクン『ミラーコート』だ」

 

「っ!!」

 

「『ミラーコート』……サトシくんはイブキがハクリューで『かみなり』を落とすのを予測していたの!」

 

「こんなあからさまな罠に気付かねえ奴は居ねえだろう」

 

スイクンは『みず』タイプのポケモンで『みず』タイプの技は当然覚えている。

だが今回は『れいとうビーム』主軸で戦ってる……が、『みず』タイプの技を覚えていないわけじゃねえんだ。

そんな中で『あまごい』で最後に出てきたのはハクリュー、『かみなり』を落とすのは目に見えていると『ミラーコート』で反射したがハクリューは立っていた。

 

「っ…………………」

 

「スイクン『しんそく』だ」

 

「しまっ!」

 

「クォオン!!」

 

『かみなり』が完全に読まれていて『ミラーコート』で反射された。

『10まんボルト』辺りを覚えてねえのかと思ったが余計なことだなとイブキがなにをすればいいのか分からないと困惑をしている。

仮に『かみなり』が当たったとしてもスイクンは何度も『めいそう』を積んでいる。大したダメージにはならねえ。

 

「リュウ……………」

 

「ハ、ハクリュー、戦闘不能!スイクンの勝ち!よって勝者、チャレンジャー、マサラタウンのサトシ!」

 

どうすればいいのか一手思考を止めた。

その一手が命取りだと『しんそく』で激突してハクリューを突き飛ばせばハクリューは戦闘不能になった。

爺さんはあまりの出来事に息を飲み込んでからハクリューが戦闘不能になりオレが勝利をしたのだと判定をくだす。

 

「はぁ………………ここまで綺麗に負けたのならなにも言えないわね」

 

「…………強い……ランクが、レベルが違いすぎるわね……」

 

「だからサトシは出さないようにしているんですよ」

 

スイクン1体に手も足も出なかったイブキ。

相手がスイクンでここまで圧倒的なまでの力を持っているのかとジークさんが上手く言葉は出せない。

圧倒的なまでの力をスイクンは秘めている。だから出し惜しみとは言わねえが極力出さねえようにしているのだとセレナは語る。

 

「グォウ……」

 

「安心しろよ、コイツに依存する馬鹿な真似はしねえよ」

 

スイクンのレベルが段違いなのをリザードンも肌で感じとった。

このままだと自分の出番がなくなるんじゃないのかと危機感を抱いたのだが、コレでハッキリと分かった。

スイクンは強い……いや、強すぎる。ジム戦でここまで圧倒するとなればポケモンリーグも無双しまくる……依存すれば堕落の一途を辿るのが目に見えた。

 

「コレがフスベジムを制した証、ライジングバッジよ……コレでジムバッジが8個集まったわね」

 

「後はシロガネ山に向かうだけ……シロガネ大会の一週間前ぐらいに辿り着いて最終調整に入る……」

 

前回と違ってポケモンを鍛える時間が無い。

あんまり寄り道をしてねえが頑張っても2週間ぐらい前にしかシロガネ大会の会場に辿り着かねえ……次からはセレナのポケモンコンテストもあるし修行する時間は無いと考えなくちゃならねえな……

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