闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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ヨーギラスとバンギラス

 

「ヨギ……」

 

「ヨーギラスも大分人に馴れてきたみたいね」

 

「その前にお前が重さでやられそうだが大丈夫か?」

 

ヨーギラスは人見知りが激しいのでどうにかしようと頑張っている。

とりあえずはセレナに抱っこさせてみる。ヨーギラスは最初は『いやなおと』を出してくるが徐々に徐々にセレナが怖くなくなったのか『いやなおと』を出さなくなった。しかしセレナの腕がプルプルと震えてて死にそうな悲鳴を上げている

 

「……………………」

 

「どうしたの?」

 

「いや…………ライバル達はどうしてるんだろうなって」

 

オーキド博士とウツギ博士に頼まれ渋々シロガネ山の自然保護区に向かった。

今頃はシゲルはサンダーを扱いこなすのに必死だろうしサトシキラーのハヅキも現れる。そう言えばアレからナナコに出会ってねえけどもウツギ博士からなんか聞いたわけじゃねえし成功してねえんだろうな……原作でもジムバッジ4個ぐらいが限界だったし。

尻を叩いて成果を上げたのはシゲル……アムとヤヒコは武者修行中だが何処でなにをしているか。とは言え慢心する理由は何処にもねえ。今回はシゲルがサンダーを出してくるというご褒美が待ち構えている。

 

「え〜っと………………………………………………………………バンギラスを探さねえといけねえのか」

 

そんなこんなでシロガネ山の自然保護区付近に入った。

ここからは自然保護区ですの看板やバリケード的なのが一切無いのでセレナのマップを頼りにしている。

先ずはバンギラスを探さねえといけねえ……探索に向いているポケモンは……多分、コイツだろう。

 

「いけ、ヘルガー」

 

「ルガ!」

 

「ヨギ……」

 

「匂いを『かぎわける』で探してくれ」

 

ヘルガーは麻薬探知犬みたいな事が出来る……基本的にはガーディの仕事だったりするが。

ヨーギラスの匂いを嗅がせてそれに近しい匂いを探させる。野生のヨーギラスじゃなくてバンギラスを探す……

 

「バァン!!」

 

「ヨギ!?」

 

「ルガァ!」

 

「バンギラス……このバンギラスがヨーギラスのママなのね!」

 

お腹に傷がついたバンギラスを発見した。ヘルガーはコイツだと言うのでセレナがやったのだと喜ぶ。

ヨーギラスとバンギラスは見つめ合う……そして……………バンギラスは『はかいこうせん』を撃ってきた。

 

「きゃああああ!!な、なんで!?なんでなの!?」

 

「あいつ、一応は密猟されたヨーギラスだからな……ヨーギラス、ちゃんと説明を」

 

「ヨギヨーギ!!」

 

『はかいこうせん』を撃ちながら走ってくるバンギラス。

突然の事にどうすればいいのかが分からずオレとセレナは逃げの一手に回るのだがバンギラスが地味に速い。

バンギラスはオレ達がタマゴを盗んだ犯人だと思い込んでいるので迷いなく『はかいこうせん』を撃ってくる。ヨーギラスに説明をしてくれと言うのだがヨーギラスも一緒になって走ってくる。

 

「ヨーギラス、貴方のママに事情を話して!このままだとサトシが殴り倒さないといけないわ!」

 

「間違いじゃねえけども色々と間違ってんぞ!」

 

「バァアン!」

 

「っ、地面に生えるタイプの『ストーンエッジ』か!」

 

このままだとバンギラスを殴り倒さないといけねえ状況になる。

それは色々とまずいのだがヨーギラスは慌てておりオレの腰辺りにしがみついた。

『はかいこうせん』を確実に避けれると分かったバンギラスは地面から生やすタイプの『ストーンエッジ』を使って岩でオレ達を囲んだ。

 

「バァアン……」

 

「ヨギ……ヨギ……ヨギィイイイイイイイ!!」

 

「あぁっ!!ヨーギラスの『いやなおと』……これじゃあ……あ、あれ!?バンギラスに通じてない!?」

 

追い詰められたオレ達とヨーギラス。

ヨーギラスは『いやなおと』を出して叫ぶのだがバンギラスは動じていない。決してバンギラスに耳が無いとかそんなのではない。

バンギラスはピタリと動きを止めた。ヨーギラスはもうダメだと思っての『いやなおと』を出したのだが自分が全く襲われていない事に気付き……ヨーギラスとバンギラスは見つめ合う。

 

「バァン……ギラ……」

 

「ヨギ……ヨォギ……」

 

言葉を少しだけ交わせばバンギラスとヨーギラスは涙を流した。

一歩、また一歩とヨーギラスとバンギラスが近付いていくと思えば感動のハグを……邪魔された。

 

「バァン!?」

 

「ヨギ!?」

 

「クククッ……やっぱり出やがったか……」

 

ゴムチューブみたいなのにバンギラスが縛られた。

予想通りと言えば予想通りの展開だなと思いながらも暴れるバンギラスを見つめる。

 

「ヨギ、ヨギィ!」

 

「いったい誰がこんな事を!!」

 

「それはお」

 

「スイクン『ぜったいれいど』……後遺症が残るレベルでやれ」

 

バンギラスが捕まったのだと慌てるヨーギラス。

いったい誰がこんな事をしているのかとセレナが言えば……バンギラスとヨーギラスを離れ離れにした諸悪の根源の密猟者達が現れたのでスイクンで瞬殺をする。

 

「毎度毎度こういう役割を押し付けてすまねえな」

 

「クォオン」

 

ロケット団以外の悪役を問答無用でぶっ倒す、スイクンにはそういうことをやらせる機会が多々ある。

毎度こういうことばかりをやらせたことが少しだけ申し訳ねえと言うがスイクンはコレぐらいは義務な事だと特に気にしていない。

ただ……純粋に怒っている。ポケモン密猟者を……オレのポケモンじゃなかったら殺している可能性もあるぐらい怒りを感じている。

 

「ヨーギラス、お前のママはお前が助けるんだ……ヨーギラス『めざめるパワー』だ!」

 

「ヨギ……ヨォギィ!!」

 

ゴムチューブみたいなのに縛られて叉焼みたいな感じになっているバンギラス。

持っているナイフとかで壊してもいいがここはヨーギラスに華を持たせてやろうとヨーギラスに『めざめるパワー』を使わせる。

ゴムチューブみたいなのに縛られているバンギラスは解放された。ギロリと密猟者達を睨む。

 

「そこからはオレ達の領分だ。お前が手は出さなくていい」

 

カチンコチンに凍っている密猟者達を『はかいこうせん』で文字通り殺す。

バンギラスはそれをやりかねない状態だったので止めておく……どの道後遺症が残るレベルでダメージを与えているんだ、生かさず殺さず、死にたいと思っても死ねない状況に追い詰めることこそが地獄だろう。

 

「ヨギィ、ヨギィ!!」

 

「バン!!」

 

今度こそヨーギラスとバンギラスのハグが行われる。

互いに涙を流しておりバンギラスはヨーギラスが生まれたことに関して心の底から喜んでいる。

……やっぱオーキド博士達、ヨーギラスを届けるよりもこの密猟者達の撃退を依頼したんじゃねえのか?……シゲルでも解決する事が出来そうな案件なんだけどな。ヨーギラスは無事に送り届けることが出来たしヨーギラスの事を人に報告したいと言えばバンギラスは正規のルートとも言うべき場所に案内してくれ自然保護区とシロガネ山の境界線上にある管理人達の小屋に向かう。

 

「オーキド博士、ウツギ博士、ヨーギラスを無事に送り届けましたよ」

 

『おぉ、そうか…………あのヨーギラスは元気にしておるかの?』

 

「少しずつ前に進むことが出来てますよ……それよりもよくもまぁジョウトリーグ前の大事な時期に」

 

『それに関しては申し訳ないと思っている……だからジョウトリーグを終えた後に水の都アルトマーレの旅行をプレゼントしようと思ってね』

 

「アルトマーレ?」

 

『実に神秘的なところでデートスポットの定番とも言われておるぞ』

 

「え、いいんですか!?そんなところに」

 

『なに、君たちはヨーギラスを届けただけじゃなく密猟者達も捕まえた……ご褒美だよ』

 

ご褒美と言う名のさらなる修羅場が待ち構えてんだ、寝ぼけたこと言うなよ。

オーキド博士とウツギ博士はジョウトリーグを終えたらアルトマーレで思う存分に遊んできなさいと言ってくるので一先ずはそれで話は終わる。

 

「バァン」

 

「ヨォギ」

 

電話を終えて小屋の外に出ればバンギラスとヨーギラスがハグをしていた。

感動の再会だと2人共嬉しそうにしている……これからジックリと絆を深めていけばいい。あの密猟者は倒したから暫くは心配は無い。

 

「ヨギ……ヨォギ!」

 

オレとセレナが小屋から出てきたのをヨーギラスは気付く。

バンギラスのもとから離れてヨーギラスはオレのもとに近寄ってきて……笑みを浮かべる。

外の世界に対し怯えていた自分はもういないのだと心の底から笑っていられる自分になれたのだと嬉しそうにしている。

 

「バァン」

 

「気にするな……むしろあの時に手を引いてくれた事は感謝したいぐらいだ」

 

危うく人殺しになりかけた……別に人を殺すことに関しての罪悪感は抱かない。

バトル物の漫画とかでよくある敵を倒すのでなく敵を殺す行いに対してなんの罪悪感も抱かない主人公達と同じ心理だ。

主人公達が日頃人を倒すというか殺しているのにいざ自分達の仲間が死んだときの悲しいムード、ハッキリと言えば敵キャラは毎回繰り広げている。プリキュアとか敵の命を奪ってて罪悪感を抱かねえのかな……アランの奴がプリキュアの笑顔を曇らせたいという気持ちが若干だが分かった気もする。

 

「ヨギ……ヨギヨギ」

 

「短い間だったが……生きるってのは分かったか?」

 

「……………」

 

「分かるはずねえか……だが、それでいいんだ……そうやって考えて歩くこと……流れに身を任せるんじゃない……」

 

ヨーギラスにとって生きるというのがどういう意味なのかまだピンと来ていない。

生まれて間もないポケモンだから生きるというのがどういう意味なのかを考えさせられても仕方がねえことだ。

でも、考えることが出来るようになったのだと悩むことが出来るようになった……ヨーギラスにはこれからタップリと時間がある。だから、ジックリと考えればいい

 

「ヨギ、ヨォギイ」

 

「おいおい、オレはここまでだ」

 

「ヨーギラス……悲しいけどここで貴方とはお別れなの……サトシはこれからジョウトリーグが開催するところにまで向かわないといけないのよ」

 

「ヨォギイ!!」

 

オレにもここに残ってほしいのだとヨーギラスはオレの腕を引っ張る。

オレはここまでだ。セレナもそれを理解しているのでヨーギラスに諦めてもらう様に言う。だがヨーギラスは納得がいっていない。

 

「…………バン!」

 

「ヨギ?」

 

「あ?」

 

ポンとバンギラスがオレの背中を叩いた。

地味に痛いがバンギラスはヨーギラスを見て笑みを浮かべている…………………おいおいおい

 

「折角必死になってここまで連れてきたんだそ?お前も必死になって探してオレとセレナを殺そうとしてたじゃねえか……やっとの思いなのに正気か?」

 

「バン」

 

バンギラスがなにを言っているのか理解したので正気かと呆れる。

バンギラスはヨーギラスを抱き抱えて……自然保護区の管理者達の小屋に入った。

 

「え?え?バンギラス?」

 

「バァン」

 

自然保護区の管理者の1人が突如として入ってきたバンギラスに驚いた。

何事なのかと思えばバンギラスは管理人の1人の前に詰め寄ってくるので思わず1歩ずつ1歩ずつ引いていき最終的には小屋の壁に当たりバンギラスに睨まれる。

 

「どういうことなの?」

 

「バァン」

 

詰め寄られている管理人とは別の女性の管理人がどういう状況なのかを聞いた。

バンギラスはなにか目的があるのだと思えば抱き抱えていたヨーギラスをおろし……ヨーギラスはオレに近付いてきた。

 

「もしかして……サトシくんについていきたいの?」

 

ヨーギラスはオレに近付いてきたと思えば足にしがみついた。

どういうことなのか理解するのに数秒かかるが直ぐに理解した……ヨーギラスはオレについていきたいと言っているのを。

 

「オレはお前を送り届けるのに割と頑張ったんだぞ……それなのにオレについてきたら本末転倒じゃねえか」

 

「ヨギ、ヨォギィ」

 

「……あり、なんですか?自然保護区のバンギラスの子どものヨーギラスをゲットして」

 

ヨーギラスを送り届けるのに頑張ったのにヨーギラスはオレについていきたいという。

バンギラスはヨーギラスがオレに心を開いているのを理解しておりヨーギラスはゲットしてくれと強請る。

セレナは今までの事が全て無駄になったのだと思いつつも、このゲットはありなのかどうかを管理人達に聞いた。

ポケモンの方からゲットされたいという一例は多々ある……だが、ここは自然保護区なので下手にゲットすれば密猟になっちまう。前例の無い出来事なので管理人達が話し合いをするが纏まらない。

 

「分かった、こうしよう……ヨーギラス、オレが今から向かうのはジョウトリーグ・シロガネ大会、ポケモンリーグだ。ポケモンリーグはポケモンバトルの祭典でハッキリと言えば今ゲットしてもお前は足手まといだ」

 

「ヨギ……」

 

「だから、先ずはバンギラスと過ごせ……ジョウトリーグ・シロガネ大会開催までまだ少しある。開催してもそれなりに日数を使う。やっとの思いでお前はバンギラスと会えた……ジョウトリーグ・シロガネ大会を終えたら1度ここに立ち寄る。それでもまだオレのポケモンになりてえ、ついていって生きるというのがなんなのか見たいって思うならばゲットしてやる……オレはポケモントレーナー、ゲットされればポケモンバトルをする事になる……覚悟はしておけよ」

 

「……ヨギ」

 

ヨーギラスと1つの約束を交わす。

今ここでゲットしてもヨーギラスにしてやれることには限界がある。まだ少しジョウトリーグにまで時間があり持っているポケモンの最終調整をする。そこにヨーギラスを加える要素は何処にもねえ……だからジョウトリーグが終わって、バンギラスとの楽しい生活を捨ててまでオレについていきたいのか、一時の感情に身を任せずにジックリと考えてくれと頼み込みヨーギラスとバンギラスと別れた。

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