闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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言っとくけどもシンジの強化は大分先で……強化したらどえらいことになります。


準決勝 vsトバリシティのシンジ

 

『さぁ、ジョウトリーグ・シロガネ大会!準決勝第二試合!コレに勝ったトレーナーが先程の試合を制したシゲル選手とバトルをします』

 

次の対戦相手はトバリシティのシンジ、アニポケ史上最大のサトシのライバルとも言うべきトレーナーだ。

ポケモンの能力値を見て使えるか使えないかハッキリと厳選しており虐待に近いレベルでポケモンを徹底的に鍛え上げている。

サトシも何度も何度もバトルをしては勝ったり負けたりで……総合的に見ればサトシは負けている。シンオウリーグのフルバトルで勝ったが今までの勝負の合計数的に負けている。

 

『ルーレットが止まりました!準決勝第二試合のバトルフィールドは水のフィールド!』

 

「水のフィールドか……」

 

出来れば岩か草のフィールドに当たって欲しかったんだが、どうにも運がねえな。

いや……使わないようにしているのが正しいのか?岩のフィールドはシゲルとの戦いに取っておいてあると言わんばかりだ。

水のフィールドは泳げるポケモンか機動力が高いポケモンじゃないと戦いづらい。

 

『先攻後攻を決めるルーレットは緑、シンジ選手に止まった!さぁ、先ずはシンジ選手の1体目から』

 

「マニューラ、バトルスタンバイ!」

 

「マニュウ!」

 

「……クククッ……素材は本物か……いけ、ヘラクロス!」

 

「ヘラクロ!」

 

シンジの1体目はマニューラだった。

ここまで偶然でなく実力で勝ち進んできただけあってかレベルが高いと感じれるマニューラ。

そいつにはお前が相応しいとヘラクロスを出した。

 

「マニューラ『ねこだまし』だ!」

 

「ニュラ!」

 

「ヘラクロ!?」

 

「そのまま『れいとうビーム』だ」

 

試合開始の宣言がされればマニューラはヘラクロスが立っている浮島に跳んできた。

素早さの点では負けているが勝っている部分もある。1手目がどういう風に出てくるのかと思えば『ねこだまし』出鼻をいきなり挫いて来ては『れいとうビーム』を放つがヘラクロスには大したダメージになっていない。

 

「っち……マニューラ『つじぎり』だ!」

 

「ヘラクロス『かわらわり』だ!」

 

『つじぎり』の黒い刃を出現させるマニューラ。

ヘラクロスに向かって斬りかかろうとするのでヘラクロスは『かわらわり』で対抗をしようとする。

ぶつかり合うマニューラの『つじぎり』とヘラクロスの『かわらわり』

 

「この状況、不利なのはマニューラだな」

 

「なに?」

 

『あく』タイプの『つじぎり』でパワー自慢のヘラクロスの『かわらわり』を耐えている。

拮抗しているように見えているがまだまだだ……この状況……この状況下ではまだヘラクロスの方が有利だ。

 

「ヘラクロス『かわらわり』だ!」

 

「なっ……もう片方の腕でだと!?」

 

「クククッ……ヘラクロスは利き手じゃない方でも戦えるようには育成してるんだ……まだまだだな」

 

既に『かわらわり』の指示をしているのに更に『かわらわり』を指示する事にシンジは少しだけ疑問を抱いたが直ぐに答えが分かる。

『かわらわり』は右手だけでしか使えない技じゃない。両方の手で使うことが出来る技だとマニューラの額に『かわらわり』を叩き込んだ。

 

「マニャ……マニャ……」

 

「まだいけるか……マニューラ『れいとうビーム』だ。ヘラクロスに当てるな、フィールドにばら撒け」

 

「……そう来るか……ヘラクロス『かわらわり』だ」

 

あの『かわらわり』を受けてもまだマニューラは倒れなかった。

だが今にでも戦闘不能になりそうなマニューラだった……シンジはマニューラで勝つことは出来ないと分かったので次の布石を撃つ。

『れいとうビーム』をフィールドにバラまいて水のフィールドの上に氷を張らせる。

 

「マニューラ、戦闘不能!ヘラクロスの勝ち!」

 

「戻れ……こんな程度か……………まぁいい。次はお前だ!ハリテヤマ、バトルスタンバイ!」

 

「ハリッテ!!」

 

『シンジ選手の2体目はハリテヤマ!先程の軽量級で身軽なマニューラと打って変わってずっしりとしたポケモン!おっと……コレは』

 

「フィールドを凍らせるのが1番の目当てか」

 

「っち…………だがコレで機動力は得た!いくぞハリテヤマ!『ねこだまし』だ!」

 

「って、2回連続かよ」

 

2番手に出てきたのはハリテヤマだった。

このバトルフィールドでハリテヤマをバトルさせるのは中々に困難だがシンジは気にせずに『ねこだまし』を使う。

氷の上を滑ってヘラクロスがいる浮島の前に向かい『ねこだまし』を使えばヘラクロスは怯んだ。

 

「『はっけい』だ!」

 

「ハリ!!」

 

「ヘラクロス、大丈夫か?」

 

「ラクロウ!」

 

「っ……」

 

ヘラクロスに『はっけい』は確かに入ったがそれでもヘラクロスは起き上がった。

オレのヘラクロスがよく育てられていると言う証拠でありシンジも今ので落ちないのかと顔に出している。

並のポケモンならば今ので落ちているだろうがヘラクロスはそう簡単に落とせねえぞ。

 

「ああだこうだ小手先の技は使わない。ヘラクロス『メガホーン』だ!」

 

「それを待っていた。ハリテヤマ『ぶちかまし』だ!」

 

角を光り輝かせ突撃していくヘラクロス。

真っ向から突撃してくる技を待ち構えたのだとヘラクロスの『メガホーン』に対抗して『ぶちかまし』を決める。

ぶつかり合うヘラクロスの『メガホーン』とハリテヤマの『ぶちかまし』、パワー勝負は拮抗しているように見えた……いや、実際それが正しい。オレのヘラクロスのパワーと拮抗しているのは流石だと思うが予想外の悲劇が起きた。

 

「ハリィ!?」

 

「クククッ……マニューラにやらせたのはミスだったな」

 

ハリテヤマが足場にしている氷にヒビが入り穴が開いた。

マニューラに『れいとうビーム』で水を凍らせたと思っていたがマニューラの『れいとうビーム』のパワーが足りなかった。

水のフィールドをカチンコチンに凍らせることが出来ず表面上しか凍らせることが出来ずハリテヤマの『ぶちかまし』とヘラクロスの『メガホーン』のぶつかり合いに耐えることが出来なかった。

 

「ヘラクロゥ!!」

 

「ハリテヤマ、戦闘不能!ヘラクロスの勝ち!」

 

『決まったぁああ!!ヘラクロスvsハリテヤマ、パワー自慢のポケモン同士の激突はヘラクロスが制した!』

 

「っち……使えないな」

 

使えないのはお前の戦術だよ。

マニューラに『れいとうビーム』を使わせるのは悪手。確かに『れいとうビーム』は『こおり』タイプの技でメジャーな技で技そのものが強力なところもあるがマニューラだとどうしても『れいとうビーム』だとしてもパワーが足りない。

特殊攻撃が強いポケモンだったら水のフィールドをカチンコチンに凍らせることが出来たが……タラレバの話はあまりよくねえか。

 

「……メタグロス!バトルスタンバイ!」

 

「メタァ!」

 

「戻れ、ヘラクロス……いけ、スイクン」

 

「クォオオオオン!!」

 

『なんとなんと!!サトシ選手の2体目のポケモンはスイクン!メタグロスに負けない圧倒的なパワーと素早さを兼ね備えているポケモン!今の今まで隠し玉として隠していたのか!』

 

「っ……遂に出てきたな、スイクン!!お前を倒せるか倒せないかでこの試合が決まる!」

 

2体目に出したのはスイクンだ。

実況の人はあのスイクンだとなり観客達も盛り上がる中でスイクンのことを知っていたシンジは睨みをきかせる。

スイクンを今の今まで出し惜しみしていたが、今回はエントリーしてある。シンジはオレがスイクンを主軸にパーティ構築しているのだと考えている……コレでサトシゲッコウガとメガリザードンYが潜んでいると言えば地獄だろうな。

 

「メタグロス『こうそくいどう』だ!」

 

「スイクン……『ほえる』だ!」

 

「なに!?」

 

メタグロスは『こうそくいどう』を使う。

何処にいるのかとターゲットを絞らせないように浮島から浮島に高速で移動している……が、オレは気にせずに『ほえる』を使う。

『ほえる』を使ってくるのは流石に予想外だったろうがコレはスイクンを使う上で考えていた戦法の1つだ。スイクンが『ほえる』でポケモンを入れ替えればギャラドスが出てきた。

 

「ゴォオオオウ!!」

 

「っく……ギャラドス」

 

「スイクン『ほえる』だ!」

 

「まただと!?」

 

4体目のポケモンはギャラドスだった。

スイクンに『ほえる』があるからボールに戻しても意味は無いのだと攻撃をしようとするがそれよりも前に『ほえる』を使い5体目のドダイトスが出現する。

 

「まさか……お前は……」

 

「スイクン『ほえる』だ!」

 

「俺の残りのポケモンを炙り出す……っ……」

 

ドダイトスに向かって『ほえる』を使えばドダイトスはボールに戻る。

6体目のポケモンはヤミカラスだった……

 

「戻れ、スイクン」

 

『おっと、サトシ選手シンジ選手の残りのポケモンを炙り出したがスイクンでは攻め込まない!』

 

「いけ、ジバコイル!」

 

「ジバァ!」

 

「っ……戻れ、ヤミカラス。いけ、メタグロス!!」

 

「メタァ!!」

 

スイクンで残りのポケモンを炙り出した。だがスイクンとしてバトルを一切行わずにボールに戻した。

シンジの残りのポケモンは分かった。厄介そうなのはメタグロスだけだと思っているとメタグロスが出てきた。

 

「メタグロス『こうそくいどう』だ!」

 

「ジバコイル『でんじは』だ!」

 

「ジバァ」

 

「っ……メタグロス『コメットパンチ』だ!」

 

「メタァ!メェエエ!!」

 

「ジバコイル『10まんボルト』だ!」

 

『こうそくいどう』で撹乱をしてくるシンジのメタグロス。

それはお見通しだと『でんじは』を使って『まひ』状態にさせれば『10まんボルト』を浴びせる……が、600族は伊達じゃない。

メタグロスは『10まんボルト』が直撃するのだが耐えきって『コメットパンチ』をジバコイルに叩き込む。

 

「一撃をくらわせた……メタグロス『アームハンマー』だ!」

 

「ジバコイル『だいばくはつ』だ!!」

 

ジバコイルに一撃を当てることが出来たとメタグロスに『アームハンマー』を使わせる。

コレを回避することは出来ない。受ければ戦闘不能になるのだと『だいばくはつ』を指示すればジバコイルは『だいばくはつ』を起こし……ジバコイルだけが倒れていた。

 

「ジバコイル、戦闘不能!メタグロスの勝ち!」

 

「戻れ……やりすぎたか……頼んだぞ、ヘラクロス!」

 

「ヘラクロ!」

 

『だいばくはつ』でメタグロスに大ダメージを与えることが出来た。

だが、倒すことは出来なかった……『はがね』タイプ相手に『だいばくはつ』は効果が薄い……だが、ダメージは入っている。

 

「メタグロス『コメットパンチ』だ!」

 

「ヘラクロス『メガホーン』だ!」

 

二本の前足を構え突撃してくる『コメットパンチ』に対して『メガホーン』で対抗する。

さっきのハリテヤマとの勝負はフィールドに救われたところもあるが今度はフィールドに救われない。

ヘラクロスの『メガホーン』とメタグロスの『コメットパンチ』は激突し……両者共に戦闘不能になった……

 

「ヘラクロス、メタグロス、両者共に戦闘不能!」

 

「戻れ……」

 

「クソ……コイツもまだまだか……」

 

『シンジ選手のポケモンが3体倒されたので5分間のインターバルに入ります!』

 

ヘラクロスでメタグロスを落とすことが出来たのは大きい。

こっちが倒されたのはヘラクロスとジバコイルだけ……スイクンが見られているが、シンジならばスイクンが居るのだと予測している。

そのスイクンが真っ向から挑んでこない。『ほえる』のやり逃げをしてノーダメージのスイクンがいる……シンジの残りはギャラドス、ドダイトス、ヤミカラスの3体だけ……だったら何時も通りだな。

 

『さぁ、5分間のインターバルを挟み試合再開です!』

 

「ギャラドス、バトルスタンバイ!」

 

「ゴォオオオウ!!」

 

「頼んだぞ、トゲキッス!」

 

「チョゲ!」

 

『シンジ選手の4体目はギャラドス!対するサトシ選手はトゲキッス、さぁ、どう動くのか!』

 

「ギャラドス、水の中に飛び込め!」

 

「ゴォオウ!」

 

「……トゲキッス、高く飛んでおけ!」

 

「ギャラドス勢いをつけろ!『とびはねる』だ!」

 

水の中に潜ったギャラドス。水の中ならば攻撃がしづらい様に見えるがこっちから攻めなければいいだけだ。

トゲキッスに上昇してもらえばギャラドスは勢いをつけて『とびはねる』で空を跳んでトゲキッスの上を取った。そのまま体を叩きつければ『とびはねる』は決まるがまだこっちは動ける。

 

「『でんじは』だ」

 

「トゲ!」

 

「ゴォウ!?」

 

『でんじは』を浴びせればギャラドスは固まった。

コレで動けないとギャラドスは落下していき水の中に落ちて巨大な水飛沫を巻き上げる。

戦闘不能になっていないが『とびはねる』は失敗に終わっている。

 

「ゴォウ!」

 

「トゲキッス『エアスラッシュ』だ!!」

 

「チョゲ!!」

 

「ギャラドス『こおりのキバ』………………っ……………」

 

「クククッ……みんな、コイツにやられちまうんだよ」

 

水面から顔を出したギャラドス。

シンジは『こおりのキバ』で攻めるように指示を出すがそれよりも前にトゲキッスは『エアスラッシュ』をくらわせ……ギャラドスを怯ませる。それを見てオレは笑みを浮かべる……何時もの王道的な手が『まひるみ』キッスが決まった。

コイツが決まった時の快感は何時味わっても最高だ。シンジはギャラドスに色々と技を指示するが怯んで『まひ』で動くことが出来ず奇跡的に動くことが出来てもトゲキッスに回避される。

 

「ゴォウ……」

 

「ギャラドス、戦闘不能!トゲキッスの勝ち!」

 

「っ……まだだ……まだ終わってない!ドダイトス!バトルスタンバイ!」

 

「ドゥ」

 

「ふ〜…………………折れかけか……………」

 

オレの方がまだまだ余力を残している。ただ余力を残しているんじゃない。スイクンという控えがいる。

トゲキッスの『まひるみ』キッスを突破する為にドダイトスを出しているが……心が折れかけている。

ここから逆転するのは至難の業……と言うか負けると言えるだろう。

 

「ドダイトス『ストーンエッジ』だ!」

 

岩の破片を飛ばすタイプの『ストーンエッジ』をトゲキッスに放つが回避して『エアスラッシュ』を決める。

『まひるみ』の『まひ』は無いがドダイトスは足が遅い。『からをやぶる』を使えばそれを補えるが今回は水のフィールド、ドダイトスは浮島に立つことしか出来ず怯み状態になっては動けない。

 

「ドォダ……」

 

「ドダイトス、戦闘不能!トゲキッスの勝ち!」

 

「戻れ……ヤミカラス、バトルスタンバイ!!」

 

「ヤミ!」

 

ドダイトスはなにも出来ずに戦闘不能になった。

素早さがあればなんとかなったし……フィールドがとにかく悪い。水のフィールドのせいで浮島しかドダイトスに足場が無い。

他のフィールドだったらまだなんか出来ていたのだが水のフィールドが全ての足を引っ張っている。

 

「トゲキッス『でんじは』」

 

「ヤミカラス『ちょうはつ』だ!」

 

「あ……」

 

「ヤミカラス『ブレイブバード』だ!!」

 

最後のヤミカラスにも『まひるみ』キッスでいくかと思ったが『ちょうはつ』を使ってきた。

トゲキッスはそれに乗ってしまい『でんじは』を撃たない。撃てないのが正しくヤミカラスは『ブレイブバード』で突撃してきてトゲキッスを突き飛ばす。

 

「トゲ!」

 

「『エアスラッシュ』だ!」

 

「『エアスラッシュ』を掻い潜って『ナイトヘッド』だ!」

 

「……強いな……」

 

心が折れかけているシンジだがまだだと諦めていない。

『エアスラッシュ』で攻めれば『エアスラッシュ』の波を掻い潜り『ナイトヘッド』をぶつけてトゲキッスを落とすのだがトゲキッスは起き上がる。

 

「っ……パワーが足りない……」

 

「『まひるみ』キッスだけがトゲキッスの売りじゃねえんだよ」

 

トゲキッスには大体の技は1回は耐えることが出来る耐久力を持っている。

ヤミカラスじゃなくてドンカラスで挑んでいたのならばトゲキッスを落とせていた可能性もある……が、今はそういう話をしている場合じゃねえ。

 

「ヤミカラス『ブレイブバード』だ!!」

 

「トゲキッス『マジカルシャイン』だ!!」

 

パワーが足りないならば強力な技に頼ればいいだけだ。

ヤミカラスは『ブレイブバード』を使ってくるのでトゲキッスは『マジカルシャイン』を纏う。

『ブレイブバード』で激突するヤミカラスと『マジカルシャイン』で迎え撃ち……互いに弾き飛ばされた……

 

「チョゲ……」

 

「ヤァミィ……」

 

「トゲキッス、ヤミカラス!両者共に戦闘不能!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!」

 

トゲキッスの『マジカルシャイン』とヤミカラスの『ブレイブバード』の撃ち合いは引き分けに終わった。

オレはモンスターボールを取り出してトゲキッスをボールに戻す……トゲキッスには助けてもらってばっかだがホントに重宝するな。

 

「クソッ……クソッ……ッ………………………」

 

シンジは負けてしまった事を受け入れるのに時間がかかっている。

負けてしまった事を悔しがっている……が、ポケモンのせいにしない。自分が悪かったのだと認めている。

オレからシンジにかける言葉は無い……少なくともオレにはシンジになにかいいアドバイスを送ることは出来ねえからな。

 

「やぁ」

 

「クククッ………………約束は果たしたぞ……」

 

「ああ、今度こそだ……今度こそ戦える」

 

選手控室に戻ればシゲルが居た。

さっきの試合をここで見ていたのかと思ったが直ぐに出たのは約束を果たした、守ったことを伝える。

シゲルは無事に決勝戦に駒を進めた。オレも無事に決勝戦にまで駒を進めた……混じりっけのない純粋な勝負が出来る。

 

「お前を温存することが出来てよかったよ」

 

シゲルはオレと戦えると分かれば選手控室を出ていった。

スイクンを温存することが出来た……ドクターストップをくらいそうなのはトゲキッスだろうがトゲキッスは使わない。

シゲル戦で出すポケモンはもう決めてある。その6体で挑んで勝つことが出来ないのならばオレはそこまでの人間だったって事だ。

 

「サトシ……遂に決勝戦にまで駒を進めたわね!」

 

「ああ……とは言え相手はシゲルだからな……ホントに厄介だ」

 

「…………そう見えないけど?」

 

「実に楽しそうにしているな」

 

決勝戦にまで駒を進めることが出来た。セレナが現れれば我が事の様に喜んでいる。

オレからすれば今のシゲルは実に厄介な相手……だが、アランからみればとても楽しそうにしているように見えるらしい。

ゲッコウガ達を使った全力のバトルをする事が出来るんだから楽しいことはこの上ないだろう。

 

「……シンジの奴はどうだった?」

 

「ああ……強いな……バトルフィールドが岩か草だったらもっと苦戦してただろう」

 

「苦戦……勝てるって断言できるんだな」

 

「あいつは本物にも一流にもなれる素質は持っている……ただ今は自分の道だけを探している……心の蟠りが無くなれば一流にも本物にもなれる……だがまぁ……それでもまだ足りないだろう」

 

「そうか」

 

アランはシンジがどんな感じだったのかを聞いてくる。

シンジは強いトレーナーだ……だが、まだ本物にも一流にもなってねえ。熱い本物の一流になれる素質をシンジは持っている。

蟠りが邪魔をしている……強くなる為に徹底的にしているみたいだ。今の段階だろうがエイチ湖のフルバトル以降のシンジでも勝てるという自信がある……シンジが悪いんじゃねえ。オレ達が高すぎるんだ。

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